作者: Mr16 件

• 霧雨魔理沙

魔法研究に明け暮れる霧雨魔理沙は、人里で「黒い外套を纏い、自分そっくりの女」を見たという噂を聞く。
興味半分、不安半分で調査を始めた彼女は、やがて奇妙な足跡と侵入者に辿り着く。
それは、ただの偶然や妖怪の悪戯ではなかった——。

• 古明地こいし

「忘れた男」と「心を閉じた少女」が、風の中で出会った。
言葉少なな彼と、無意識に歩く彼女。
記憶も感情も持たないふたりが、
ただ静かに交わした日々の中で――
“思い出すこと”よりも、“残すこと”の意味を知っていく。
これは、誰にも気づかれなかった記憶のかけらが、
風に乗って誰かの心に咲く、
ひとつのやさしい物語。

• 秘封倶楽部
• 宇佐見蓮子
• マエリベリー・ハーン

深夜。忘れ去られた屋外リンクに、月光が差し込むとき――
誰もいない氷の上に、少女の影が舞い降りる。
音楽が流れ、観客のいない拍手が響き、ブーツは静かに滑り出す。
「幻想とは、忘れられたものが、もう一度だけ誰かに見つけてほしいと願うこと」
観測者・宇佐見蓮子と、境界を見る少女マエリベリー・ハーン。
ふたりが目撃したのは、“記録されない演技”の最後のひと幕だった――。

• 古明地さとり

「心が読める少女と、心を隠さない青年。
ふたりの“すれ違わない対話”が、閉ざされた心をひらいていく――」
他人の心が読めてしまう妖怪・古明地さとり。
その力ゆえに人間の醜さばかりが目につき、彼女は心を閉ざして生きてきた。
だがある春の日、誰よりも無防備で正直な青年と出会ったとき、
彼女の“呪い”だったはずの力が、少しずつ“贈りもの”へと変わっていく。
優しさが静かに沁み渡る、幻想郷の対話劇。

• 秘封倶楽部
• 宇佐見蓮子
• マエリベリー・ハーン

夢か、幻か。深夜の峠で赤いミニが唸りを上げる。
都市伝説と幻走者が交錯する、“記録に残らないレース”が始まる――。
秘封倶楽部の宇佐見蓮子が突然の免許取得！？
助手席のメリーを巻き込み、深紅のクラシックカーが未記録の峠を駆ける！
これは、忘れられた者たちと走る“公道最速”の夢幻譚。

• 秘封倶楽部
• 宇佐見蓮子
• マエリベリー・ハーン

「忘れられた幻想は、誰かに見つけてもらう日を待っている――」
廃墟となった水族館で、秘封倶楽部のふたりが出会ったのは、かつて海を夢見た機械魚。
記憶だけが泳ぎ続ける場所で、幻想と現実の境界が静かに揺らぎ始める。
これは、“生きた化石”が語る、海の記憶と、叶わぬ願いの物語。

• 藤原妹紅

「君の声を、火と一緒に覚えている――」
病により余命わずかな少年と、永遠を生きる少女・藤原妹紅。
燃える焚き火の向こう、限られた時間が紡ぐのは、刹那の友情と静かな奇跡。

• 秘封倶楽部
• 宇佐見蓮子
• マエリベリー・ハーン

観測されなかった映像。

映されることを、ただ“待ち続けた”スクリーン。

それは、誰の記憶にも残らないはずだった幻想。
――でも、私たちは確かに“観た”。
秘封倶楽部が出会ったのは、記録に残らぬ欠番の映画。
夜にだけ開く劇場の向こうで、ふたりは“誰かの想い”とすれ違う。
これは、映されなかった記憶を観測する物語。

• 博麗霊夢
• シリアス

誰もが口を揃えて言った――「ありがとう、助かった」と。

けれど、たったひとりだけ、その言葉を残せなかった。
博麗の巫女・霊夢。

数えきれない命を救ってきた彼女が、
初めて“救えなかった命”と向き合う。
それは、名も知らぬ小さな少女。
誰のせいでもない喪失と、
それでも祈り続ける巫女の物語。

• 秘封倶楽部
• 宇佐見蓮子
• マエリベリー・ハーン

存在しない駅に、列車が止まった。
忘れられた地図の隙間、立春の夜、境界を越えた先でふたりの観測者が出会うのは、記録されず、名もなく、それでも“誰か”を待ち続ける、静かな“何か”。
現実と幻想、そのあわいにある「欠番ホーム」の正体とは。
それは、世界の片隅で、まだ“見つけてほしい”と願うものたちの物語。

• 秘封倶楽部
• 宇佐見蓮子
• マエリベリー・ハーン

地図にない山、記録にない巫女、存在しない幻想郷。

それでも、私たちは確かに“そこにいた”。
消えたはずの郷に出会った、秘封倶楽部ふたりの少女。

それは、記録にならない、けれど忘れられない“最後の幻想”の物語。

• 八雲紫

注意
この作品は、『博麗の呪い1〜止まった時間の巫女〜』、『博麗の呪い2〜終わらぬ巫女と終わる幻想郷〜』の最終章となります。
前作からご覧ください

春風に誘われて出会った少女は、もう会えないはずの“誰か”に、よく似ていた。

終わったはずの幻想の、その先に名前と記憶が、そっと巡りあう。

これは、春を歩き続けた魂がたどり着いた、小さな再会の物語。

• 博麗霊夢
• 八雲紫

注意
この作品は「博麗の呪い1〜止まった時間の巫女〜」の続編(第二部)となります。
第一部から是非ともご覧くださいませ

永遠に少女の姿のまま、幻想郷を守り続けた博麗霊夢。
仲間は老い、去り、すべてが風化していくなか
“涙”すら忘れた彼女に、最後に届いたのは、一通の手紙だった。
それは、終わらない巫女が選んだ、
ひとつの終わりの物語。

• 博麗霊夢
• 八雲紫
• シリアス

串刺しにされようと、腕を切り落とされようと、
博麗の巫女は“決して死なない。

その少女は、止まった時間の中で幻想郷を守り続ける。

誰も知らない。
この楽園が、ひとりの犠牲の上に成り立っていることを。
(全三部構成でお送り致します)

• 八雲紫

あの日、死を覚悟した青年が迷い込んだのは、
幻想のように美しい楽園と、
ひとりの“紫”という名の女性だった。

淡い想いは言葉にならぬまま、
やがて時は過ぎ、彼はただ一通の手紙を遺した。
時を超えて揺れる、ひとつの恋と記憶の物語。

• 射命丸文

風のように現れて、風のように去っていった烏天狗。
彼女が残したのは、一枚の写真と、届かなかった新聞だった。

写真は光を写す。
でも、いつしか“想い”も写っていた。
言葉にできない感情が、レンズの先で重なっていく。

不器用な青年と、騒がしく優しい天狗の、
記憶と別れの物語。
　

シャッターの“向こう”に写っていたのは、
“いなくなった彼女”と、“初めて誰かを撮りたいと思った自分”だった。