『迷子のバス停』の噂話はご存知だろうか?
人里から少々歩いた先に寂しげな小道がある。雨が降ると、そこに「バス停」という怪しげな空間が出現するのである。人々は、それを『迷子のバス停』と呼んでいた。
不思議な事に、このバス停は決まって雨が降る時にしか現れない。
バスとは、幻想郷の外の世界にある大きな乗り物の事だ。外の世界の住人達はそれに乗って仕事や学び舎に行ったり、遊びに出かけたりするのである。そのバスを待つ場所を「バス停」と呼ぶ。どうやらそのバス停は外で利用されなくなった事により、人知れず幻想郷に流れ着いてしまったらしい。故に、それは『迷子のバス停』と呼ばれていた。
特徴はいたってシンプルで、ただバスがやって来る時間を示した時刻表と、二人分の小さなベンチが雨を凌ぐための屋根の下に並んでいるだけである。不気味と言えば不気味だが、何しろここは現世で忘れ去られた奇々怪々が集まる幻想郷、使われなくなったバス停の一つや二つ、急に道の真ん中に出現したところで別に騒ぐような奴はいない。
誰にも注目されないほど小さな異変なので、この迷子のバス停の話はここで終わる筈だった。
しかし最近、そのバス停に一匹の可愛らしい妖怪が入り浸るようになったらしい。
その妖怪の名前は多々良小傘。
これは、現世から忘れ去られ、幻想郷へとたどり着いた『迷子のバス停』、そこにやって来た幻想郷の住民達と、忘れ傘の付喪神、多々良小傘の他愛ない会話をそのまま書き記した物である。
はっきり言って、大した話ではない。
これは、何処にでもある「雨宿り」の話だ。
人里から少々歩いた先に寂しげな小道がある。雨が降ると、そこに「バス停」という怪しげな空間が出現するのである。人々は、それを『迷子のバス停』と呼んでいた。
不思議な事に、このバス停は決まって雨が降る時にしか現れない。
バスとは、幻想郷の外の世界にある大きな乗り物の事だ。外の世界の住人達はそれに乗って仕事や学び舎に行ったり、遊びに出かけたりするのである。そのバスを待つ場所を「バス停」と呼ぶ。どうやらそのバス停は外で利用されなくなった事により、人知れず幻想郷に流れ着いてしまったらしい。故に、それは『迷子のバス停』と呼ばれていた。
特徴はいたってシンプルで、ただバスがやって来る時間を示した時刻表と、二人分の小さなベンチが雨を凌ぐための屋根の下に並んでいるだけである。不気味と言えば不気味だが、何しろここは現世で忘れ去られた奇々怪々が集まる幻想郷、使われなくなったバス停の一つや二つ、急に道の真ん中に出現したところで別に騒ぐような奴はいない。
誰にも注目されないほど小さな異変なので、この迷子のバス停の話はここで終わる筈だった。
しかし最近、そのバス停に一匹の可愛らしい妖怪が入り浸るようになったらしい。
その妖怪の名前は多々良小傘。
これは、現世から忘れ去られ、幻想郷へとたどり着いた『迷子のバス停』、そこにやって来た幻想郷の住民達と、忘れ傘の付喪神、多々良小傘の他愛ない会話をそのまま書き記した物である。
はっきり言って、大した話ではない。
これは、何処にでもある「雨宿り」の話だ。