――博麗神社。
「帰るなり寝ちまったな、かさね。――なあ霊夢。」
「なによ、魔理沙」
「さっき帰る途中でかさねが話していた、『平安時代から飛び出してきたんじゃないか』って神奈子の言葉、どう思う?」
「…ありえない」
「いや、ありえるだろ。あいつが妖怪や神の類ならな」
「でも、私の勘はかさねを人間だと」
「…お前の勘はよく当たるからな。だとしたら」
「だからあり得ないって。タイムスリップなんて」
「ほんとにそうか?博麗の巫女の言葉とも思えんな。私だってそんな魔法は知らないが、神や妖怪が関わるなら十分にあり得る話だぜ」
「…でもそれじゃあ、かさねには帰る場所が」
「まあ、まだ分からんがな。あいつが記憶を取り戻した時どうするか、よく考えておけよ。――あいつにとっての最善の道を」