――地獄歴三二六八期:神無月ノ十二。
――回収された音声記録機関に残された録音。
『……録音装置、稼働してる……』
『……あぁ、何が……いったい、何が……』
『取り乱してる。
私だけじゃない……閻魔様たちまで……。
誰も、誰もこんなことに、なるなんて……』
『……もう、私は逃げられないかもしれない』
『録音を、記録を、残さなくちゃ……。
未来……そう、未来のために。
もう二度と、こんなことにならないために……』
『四季映姫、閻魔見習いが記録します……。
新たな閻魔の、権限実装実験について……』
『――実験は失敗です。
<根源存在(シン)>は、暴走を始めました。
閻魔としての、権限が……あぁ……』
『いまは実験に同席した十王さまがたが、
<根源存在>の封印を実行に移していますが――』
『状況は絶望的です。
楽園担当の閻魔様が、今しがた息を引き取りました。
まさか、まさか閻魔様が、殺されるだなんて……』
『歪んでいく……空間が、理が、捻じ曲げられて……。
これが、現象数式(クラッキング・エフェクト)の……。
アレはもう、手の付けようが――』
『……“古きもの”の制御など、不可能だった』
『驕っていたのかも……私たちに制御できぬモノなど、
あるはずがない、だなんて……』
『アレは、混ざってしまった……。
混ざって、変容して、失って――。
まるで、本……に、忌まわ――神のように……』
『どうか――』
『……どうか、この記録――ってくれたら』
『アレを封じ込――ことに、成功したら……』
『絶対に、同じ過ちを――』
……………。
……………。
……………。
――回収された音声記録機関に残された録音。
『……録音装置、稼働してる……』
『……あぁ、何が……いったい、何が……』
『取り乱してる。
私だけじゃない……閻魔様たちまで……。
誰も、誰もこんなことに、なるなんて……』
『……もう、私は逃げられないかもしれない』
『録音を、記録を、残さなくちゃ……。
未来……そう、未来のために。
もう二度と、こんなことにならないために……』
『四季映姫、閻魔見習いが記録します……。
新たな閻魔の、権限実装実験について……』
『――実験は失敗です。
<根源存在(シン)>は、暴走を始めました。
閻魔としての、権限が……あぁ……』
『いまは実験に同席した十王さまがたが、
<根源存在>の封印を実行に移していますが――』
『状況は絶望的です。
楽園担当の閻魔様が、今しがた息を引き取りました。
まさか、まさか閻魔様が、殺されるだなんて……』
『歪んでいく……空間が、理が、捻じ曲げられて……。
これが、現象数式(クラッキング・エフェクト)の……。
アレはもう、手の付けようが――』
『……“古きもの”の制御など、不可能だった』
『驕っていたのかも……私たちに制御できぬモノなど、
あるはずがない、だなんて……』
『アレは、混ざってしまった……。
混ざって、変容して、失って――。
まるで、本……に、忌まわ――神のように……』
『どうか――』
『……どうか、この記録――ってくれたら』
『アレを封じ込――ことに、成功したら……』
『絶対に、同じ過ちを――』
……………。
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