★秋晴れのとある日に
しゃあああっ!
うおおおおおーん!
ぶつかり合う獣と獣の叫び声が、午後の森に響き渡る。森の中の広場に特設された土俵の上から炸裂する、まるで大嵐のような蛇の叫び。ナイフのように鋭い狼の遠吠え。
「いけーっ!」
「がんばれ狼さーんっ!へびおんなやっつけろー!」
それに呼応するように、特に大きく響く、子供たちの歓声。
「‥‥」
八坂神奈子はそんな会場の様子を一瞥し、ぼそっとつぶやいた。
「本当にやるの‥‥」
「ここまで来てリタイヤは無しよ。出雲のダイナマイトボデー、見せつけて頂戴」
げろげろと笑ったのは、腐れ縁の祟り神。うしろから神奈子にぺったりくっついて、揺れる会場の様子を朗らかに見つめている。
「後で覚えときなさいよ」
「はいはい」
適当な返事にやれやれと頭を振って見やった先には、ひまわり畑の大妖怪。
向こうからもにんまりと返された笑顔に、神奈子はどでかい溜息を吐いたのだった。
しゃあああっ!
うおおおおおーん!
ぶつかり合う獣と獣の叫び声が、午後の森に響き渡る。森の中の広場に特設された土俵の上から炸裂する、まるで大嵐のような蛇の叫び。ナイフのように鋭い狼の遠吠え。
「いけーっ!」
「がんばれ狼さーんっ!へびおんなやっつけろー!」
それに呼応するように、特に大きく響く、子供たちの歓声。
「‥‥」
八坂神奈子はそんな会場の様子を一瞥し、ぼそっとつぶやいた。
「本当にやるの‥‥」
「ここまで来てリタイヤは無しよ。出雲のダイナマイトボデー、見せつけて頂戴」
げろげろと笑ったのは、腐れ縁の祟り神。うしろから神奈子にぺったりくっついて、揺れる会場の様子を朗らかに見つめている。
「後で覚えときなさいよ」
「はいはい」
適当な返事にやれやれと頭を振って見やった先には、ひまわり畑の大妖怪。
向こうからもにんまりと返された笑顔に、神奈子はどでかい溜息を吐いたのだった。