おまけ1
同時刻、ヴワル図書館
「助かりました、それでは」
ドレミーが空間から姿を消し、後には門番と魔女、そして巫女が残る。
「……レミィは部屋にいるわね。咲夜も一緒よ」
「良かったあ……」
「ヤレヤレだわ……結局寝不足メイドの不始末に付き合っただけじゃないの」
三者三様の言葉で事態の収束を受け入れる。
「ふふ、そういう割に、霊夢さん、大活躍でしたねえ」
「あー? そりゃあんた……コホン! ……友達のことだからねえ」
照れ隠しの下手糞な巫女の言葉に、美鈴はにこにこ笑顔で礼をする。
筆記を終えた魔女が、そんな二人に呟いた。
「私も、また研究課題が出来たわ。世界が混じることについて。それから、咲夜の能力研究が一歩進んだことも含めて」
「パチュリー様も、もう少し素直に喜べば良いのに」
「……あんたの天真爛漫は喉に障るのよ。まったくハキハキしちゃって……」
「……そんじゃ私帰るわ。神社の些事をあうんに任せきりだし」
「あ、庭まで送ります」
霊夢と美鈴が魔女に背中を見せ、数歩。
「――霊夢」
「なに?」
「貴女の眼には、世界がどう見えているの――?」
霊夢は、横顔だけを向けたまま、
「なにもかも、素敵に見えているわよ」
そう、微笑んだ。
おわり