――あ、雨やんだ
――仲直りしたみたいだね
――そうだね
――でも、わかりやすいよね。あのふたりがケンカすると、いっつも雨なんだもん
――しまいに地震でも起こすんじゃない?
――ふふ、そうかもね
――わたしたちも、ケンカしたりするのかな?
――そりゃするでしょ。たまにはそういうのもなきゃ、理想的すぎて気持ち悪いわ
――そうだね…… あんまり想像したくないけど
――私もだよ。でも、ケンカぐらいしなきゃ、お互いに気づけないことだってあると思う
――うん
――すれ違ったり、思い込んだりね……。好きな気持ちが大きければ大きいほど、反動が大きいのよ。大好きであれば大好きであるほど、嫌いになってしまったら、どうしようもないほど嫌いになってしまう……。嫌いにならなきゃ、憎んで遠ざけなきゃ、つらすぎてやってられなくなるのよ……
――うん……
――だから、素直に謝らなきゃいけない。やり直さなきゃいけない。嫌いになるのは悪いことじゃない。悪いのは、そのまま離れてしまうこと……
――そうだね……
――だから、あのふたりは大丈夫なんだね。すぐに戻ったから
――ある意味、これこそ理想的なのかもね
――ふふ、そうかも
――そのたびに雨を降らされちゃたまらないけどね
――わたしたちも、ケンカしたら雨が降るのかな?
――私たちの場合、降ってた雨がやむんじゃない?
――うまい。座布団一枚
――ふふ、ありがたくいただくわ
今宵は、これにて店じまい。
幻想郷のどこかにある蛍のバーは、あなたのお越しをいつでも待っています。
さあ。明日はいったい誰が、このドアを開くのでしょうか――
穏やかな雰囲気、流れる時間の心地良さ、交わされる会話の暖かさ……
味わい深いお話、堪能させていただきました。
レイマリ(だよね?)仲の良さが透けて見えるし痴話喧嘩ごとに天変地異起こすの流石すぎる。良きですね。
楽しませて頂きました。ありがとうございました。シリーズ化是非してほしいです。
丁寧な接客をするリグルにこなれ感が出ていて素敵でした
やはりバーテンダーといえばお客のお悩みを察してさりげなく解決に導くのが王道なのだと改めて思いました
こんな素敵なバーテンダーがいるなら毎日でも通いたくなってしまいますね
しみじみと読んでしまいますね。良かったです。
リグルと魔理沙、更にはバーという珍しい組み合わせながらも、各々の立場が噛み合っていて面白かったです。
暖かく前向きな気持ちになれる、そんなお話でした。
逆にお客さんとリグルが単純に気安く和やかな雰囲気で進行するタイプの話も読んでみたいと思えるような、そんな作品でした。ごちそうさまでした。