* * * * *
いつの間にか日は沈み、夕食の時間になって風呂に入る時間になって。と、案外早い速度で夜は更けて行く。既に窓の外は真っ暗で、霊夢の体内時計では既に就寝時間を回っていた。
そんな霊夢は正確な体内時計に逆らう事無く、布団の中へと潜っていた。
「監禁ねぇ……」
ゴロリと寝返りを打って、ベッドの中で一人呟く。
暖炉の火は消され、灯りも消され、小さな窓から入ってくるのは僅かな月光のみ。
部屋の中はとても静かで、時折霊力の揺らぎを感じるが、それは部屋に施された結界が起こしている微弱すぎる気配。霊夢程に毎日結界という代物と触れ合っていなければ解らない程度の微かな揺らぎ。
霊夢も別段気にする必要も無い分かっているので、気にせずにまた寝返りを打った。
静かに静かに、ただ無闇に夜は更けて行く。
「……閉じ込めちゃう、か」
独り、また呟く。
霊夢は「ふむ」と唸って、もう一度寝返りをして体の収まりが良い位置を探った。
家の布団よりもふかふかな布団だ。と、柔らかな毛布と軽くて温かな羽毛布団に包まりながら、ゆったりゴロゴロする。
眠気はそんなに遠くない内にやってきて、霊夢は逆らう事なく目を閉じた。