参
無名の丘の近くにまで来たため、私は飛行速度を落とし、地上に降りた。地下室への穴へは徒歩で行く。リグルは眠らせておいた。起こしたままでは色々と面倒だし、女王様の侵食で過度に苦しませるのは気分が悪いからである。眠っていれば、リグルはそれほど苦しみを感じないだろう。
リグルはここまで抵抗したのだから、何も知らせないのもよくないだろうと思って、リグルには真実を伝えておいた。ただ、一つ、黙っておいたことがある。リグルには女王様の代わりにリグルが封印されると伝えておいた。しかし、リグルの精神は女王様の魂と比べると遥かに脆弱であろう。そのため、女王様のために作られた強大な封印には耐え切れないと思われる。だから、リグルの精神を代わりに封印すれば、女王様と違っておそらく短時間のうちにリグルは完全消滅してしまうだろう。しかも、肉体ごと封印するのと違って、生身の精神のみを封印するのだから、リグルにはあの封印に耐える術はない。せいぜい、もって一週間が限界だろう。
流石にこのことをリグルに伝えるのはあまり気分がよくない。まあ、すぐにリグルのことは忘れてしまうだろうから、真実を伝えようが伝えまいが長期的に見れば同じだろう。だからといって、わざわざ自分にとって嫌なことをするまでもない。だから、リグルにこのことを伝えなかったのは正解だったと思う。
さて、件の穴に到着した。リグルをうっかり落とさないように、油断せずに慎重に穴を降りることにしよう。
話の流れる順番が少しごちゃごちゃしていてわかりづらいことがありました。結局リグルは分裂してしまいましたが、その後どうなったのかが気になります。リグルの封印は解けてしまいましたが、個人的にハッピーエンドとは感じられませんでした。どっちかというとバットエンド気味かなぁと。結局分裂したままですし。あと女王が蛍を使役する描写がありましたが、封印されたまま能力を使用することはできるのでしょうか?もしあの時点で封印が解除されているなら私の読み込み不足ですね。すみません。
話の流れは大変面白く、スラスラと読み進めることができました。誤字も見たところ無く、しっかりと推敲してあるなと感じます。あとワガママ言えばオリキャラとの会話も見てみたかったです。
次回作、楽しみにしています。長文失礼しました。