Coolier - 新生・東方創想話

系外付喪神

2026/06/06 22:48:27
最終更新
サイズ
140.99KB
ページ数
9
閲覧数
465
評価数
6/8
POINT
670
Rate
15.44

分類タグ


 鴉天狗の大天狗、飯綱丸龍は望遠鏡を覗き込んでいた。長袖の服の上から濡羽色のマントを羽織ってちょうどよくなるくらいの肌寒さである。鴉天狗は寒さに強い種族だが、それでも春先の夜中は重ね着必須だ。
 これは重要な仕事である。天体を観測し、適宜星回りを天狗にとって有利なように改竄する。天狗社会の安定の土台となる作業でもあり、観測記録の蓄積そのものが重要な意味を持つ。「寒いから」などという軟弱な理由で場所や時間を変えるわけにはいかないのだ。毎日、決まった時間、決まった場所で観測を行い、それを基準に星は操作される。
 とはいえ、長年の観測記録によりある日の天体の位置というのは予測可能になっており、その予測を外れた変化をある日突如見せるほど宇宙という巨大な存在は節操なしではない。だから気楽なもの、とまでは言わないまでも負担としては実のところ大したものではない……。基本的には。
 龍は望遠鏡から目を離し、目を擦り、また覗き、次は眉間を指で挟んだ。
「おやおやどうしましたか?」
 菅牧典が龍の腰の試験管から出てきて好奇の目を向けてきた。明らかに上司にトラブルが降りかかっていることを期待している。典はそういうやつだ。
「見間違いかな。彗星が見える」
「ふうむ? あーそりゃ異常ですねー」
 この管狐、出張ってきたのはいいのだが、龍の側近という立場でありながら天文学には疎いのである。雑な相槌を打つしかない。
「まあ冗談なんだがな。箒星なんて珍しいものじゃない」
「そうですよ。飯綱丸様も意地が悪いなあ」
「お前なあ」
「で、結局どっちなんです?」
「異常。本来ない場所にあるというのもそうだし……」
 龍はまた望遠鏡から見える光景を確認した。かなり神経質になっている。
「……彗星としてあってはいけないよ、場所以外の要素も全部」
「そんなに気になるのならなかったことにすればいいじゃないですか」
「唯一、彗星だけは操作できないのだ。私が星周りを操作できるのは星の光より私の方が『上』だからだが」
「何気に凄いこと言ってません?」
「彗星や流星は天狗と同一視されている。つまり同格なのだ。ああいうのは星そのものだから星の光より強いというのは道理だな。つまり、私でも操作できない」
 龍は得意げに解説してみせたが、結論を述べると、神経質な、ともすればやや青ざめているくらいの顔に戻った。常に「天狗らしい天狗」と評判の彼女には珍しい顔でもある。
「天魔様に報告をせねばな」
「では先に戻って書き物の準備をしましょうか」
「いや、その時間も惜しい。直談判しに行くぞ」
「はい!!」
 典は目を輝かせた。言うまでもなく「深夜に上司のところに突撃して厄介事を持ち込む」方が楽しそうだからである。


***


「お前が操作してるんじゃないか?」
 天魔にとっては予想外で不服な、龍にとっては予想通りな、そして典にとっては願ったり叶ったりな状況である。草木も眠る丑三つ時、天魔は龍に叩き起こされて報告、それも正式な整理された書類ではなく観測メモの段階のものに目を通すことを強制されていた。
「滅相もございません。万に一つ、これが操作可能として、どうして我々にとって不利になる方向に変える必要がありましょうか」
「緊急報告によって私の睡眠時間を削ることができる」
 天魔は眠気覚ましの葉巻を強く噛んでいた。行灯から出ている淡い光は灰色の煙に汚されていた。
「私がそんなに不忠者に見えますか」
「お前はそこまで疑ってはない。良くも悪くも功利主義の権化みたいなやつだから行動が読みやすい。しかし、だ。問題の一つ、お前の使い魔の管狐」
「言われてるぞ」
「いやいや私は常に天魔様と飯綱丸様の利益のためにですね。先の市場の件やもっと前にも山童との勢力圏紛争にも尽力を。例えば……」
 典はあらかじめ用意していたかのように淀みなく言葉を並べた。天魔の不機嫌と不審が更に上積みされたのは言うまでもない。
「なんかこうバタフライエフェクトで利益を狙って混乱を」
「今回ばかりは違いますってー」
「まあ、本当に『今回ばかりは』違うのです。大体こいつは悪知恵こそ回りますが真の知恵というのには限度がありますからね。観測数値やら光やらをそれらしく改竄する、そんな芸当はとてもとてもできやしない」
 龍は言葉の節々に棘を持たせつつ手下を庇った。
「ふーむ」
 天魔の葉巻の端から燃えかすが落ちた。彼女は管狐の服にかかる位置で落とせばよかったと思っている。こいつが今回有罪か無罪かでいえば無罪なのかもしれないが、今ムカつくかムカつかないかでいえば常に癪に障る野郎である。
「あとお前の忠誠を疑うもう一つの要因、お前が極端な功利主義者ということは、天魔という一人の人物の犠牲に天狗社会全体が守られるならば躊躇なくそれをするだろう、ということだ」
「……。なるほど、言いようによってはそういうことなのかもしれません。ええ、私は天狗社会、もとい幻想郷の利益のために一切の忖度なく報告をしています。これを報告することにより今後貴方様に振り注ぐであろう困難と面倒を思えば大層心苦しいのですが」
「そう言うときは思ってなくてもせめてもう少し神妙そうな顔をするものだ」
「報告は嘘偽りなく真実であります」
 天魔は葉巻を口から外し、龍が持ってきた写真や図表、メモ書きの全てを両手で持ち舐め回すように見直した。
「真実ってことは、彗星の類が飛来してきている、と」
「大まかには。ただこれが極めて重要なのでもう一度申し上げるのですが、『異常に大きな』彗星の可能性があります。距離が既知である周囲の天体との位置関係、これの蝕や重力が光に及ぼしている影響、それらから概算して得られる常識的な結論としては、惑星級の大きさが」
「常識が非常識だ」
「常識的に、というのはこの観測を見た際の天文屋の肌感覚として、ということです。そりゃまあ一般常識には反していますよこんなの」
「ただ観測を信用するなら真実だと」
「そうです」
「そうかあ」
 天魔は頭を抱えて机に突っ伏した。


***


 実際にはこの件に関して賢者の腰は重くはなく、悪評は全くもって龍の偏見であった。
 天魔から報告を受け取ったのは妖怪の賢者八雲紫とその式である八雲藍の二名であったが、二名とも与えられた数値を見るやいなや概算される状況の重大さと、一方でそれを厳密に把握するには資料が欠けているという問題を理解した。この二名には極めて計算速度の速い頭脳がある。
 龍と紫達には計算力以外でも違いがあった。後者にはより手っ取り早い解決手段があるのだ。紫は月の都に接触を図った。
 永遠亭に紫と藍、そして月から派遣された綿月豊姫と稀神サグメの計四名が集った。
「私達からも連絡をする予定だったのですがね。通信速度ならこちらの方が速いはずなのですが……」
 豊姫が開口一番ため息をついた。
「大方内部で意見をまとめるのに手間取ったのでしょう? そちらの権力闘争の激しさは地上でも有名ですから」
「私は別に権力が欲しいわけじゃないんですけれども」
「自分の意見を押し通したいというのも立派な権力ですよ。特にそちらのように高度な官僚制度の元では兎角『個』というものは埋もれがちでしょうし。不満ならクーデターなんてのは」
「内政干渉お断りです」
「でしょうね」
 豊姫は穏健派だ。紫も分かってるから戯れにそういう話をする。これがもっと地位に目をギラつかせているような輩相手だったら教唆になってしまう。
「愚痴をこぼしている場合ではありませんでしたね。今解決すべき話をしましょう。それで、どこまで知っていますか?」
「どこまで、とは?」
「存在は知っていたから連絡をよこしたのでは? 太陽系外縁部の異常天体について」
「ああそのこと」
「お望みならば子供でも理解できるような解説を準備していますが……」
 豊姫は閉じた扇を口に当てて傲慢にそう言い放った。
「不要よ。概要は理解している。ただ脅威を厳密に判定するためのデータがないの。『あくまで無知ではなく環境の問題として』」
 紫は後半の言葉は一文字一文字意図的に強く発音した。
「強がらずとも、我ら月の民は無知を罪とは考えていませんよ。逆に知りすぎることが罪であることの方がよっぽど多い。特に地上人ならね」
「貴方がたは知らないようなのでお教えしますが、傲慢も罪なのです」
 サグメが口を開きかけたが豊姫は強く制止した。
「互いに裁判をしに来たのではないのですからこの話はやめにしましょう。それでこちらが我々の観測記録なのですが……」
 豊姫は白紙のハードカバー本のような道具を開いて見せた。白紙部分がディスプレイとなりデータが表示される。
 月は宇宙望遠鏡を三基運用していた。学術研究などという夢のあることをこの文明がするはずもなく、月外からの脅威を発見するためである。単なる望遠鏡というだけでなく他の精密機器も揃えあらゆる手法での情報収集を可能としている。
「既にエッジワース・カイパーベルトに侵入している」
 その観測データを一瞥するなり、紫は面倒だという感情を込めてそう言った。
「理解が早くて助かります。計算結果は後のページにも書いているのでよろしければそちらも」
「心配には及びません。数値さえ与えられればこちらで計算できますから。しかし、これはよくないですね。思いの外近い」
「近いからこそ発見できた、ともいいますがね。大きさはせいぜい火星程度。トランジット法か何かを使える軌道ならともかく自由惑星では」
「重力マイクロレンズ現象は?」
「それを使うには運も絡むから。今回の場合、運悪く件の星は恒星の前を殆ど横切らずに向かったから歪みを観測できなかった」
「観測するには小さいけれど、脅威としてはあまりにも大きいのよねえ」
「かつ速い、というのもひっかかりますね。これは流石に我々も計算か観測のミスを疑っているのですが……」
 豊姫はため息をついた。観測と計算両方を信ずるならば、この謎の惑星は月との相対速度が光速の0.1%あることになるのだ。ちなみに外の世界の人工物での最速記録が光速の0.05%。
「自然現象、とも流石に考えにくいわね。であれば高度な文明による巨大宇宙船……」
「まさか。御伽じゃあるまいし」
「ふむ。そちらのお方はどうお考えで?」
 紫はサグメに話を振った。
「……特に」
 サグメは返答を拒んだ。彼女の能力を踏まえれば、言及してしまえば碌なことにならないことは火を見るよりも明らかだ。紫はサグメの能力を知っているはずである。知ってなお言及させようとしたことに、サグメと豊姫の二人は眉をひそめた。
「都の中でもこの可能性、つまり問題の天体が人工物であるという説は上がらず?」
「全くもって」
「ふうん」
 紫は内心で月の民の現実逃避に呆れていたし、現時点での情報から最短経路で導き出される不明天体人工物説を素直に従うべきと考えていた。ただ実際あまりにも途方のない考え方ではある。目の前の片翼の鷺が不用意に口を滑らせた結果世界がおかしくなった……なら原因は明白だったのだが。


***


 天体危機については緘口令を敷くこととなった。幻想郷と月それぞれにおいて現場レベルで事態を把握している種族は天狗と玉兎というお世辞にも口が硬いとは言い難い者達であり、それてなお機密が保持されているのは(それぞれの管理者の胃に穴を開けるような努力を加味してなお)奇跡的といえた。
 そうして薄氷の上で世界の安寧は保たれていたわけだが、事情を知らぬ大半にとっては特筆すべきことのない普通の一日一日が過ぎているだけだった。
 幻想郷に住む付喪神達にとっても。
「じゃーん!!」
 幻想郷の付喪神達は、輝針城の逆様異変以来、相互扶助を目的とした会合をしばしば開いていた。会合の場所は家持ちの付喪神が持ち回りで提供している。今回の会場は多々良小傘の家だった。
 相互扶助というと格好いいが(そして付喪神達は格好いい言葉が大好きなのでこの言葉を使いたがった)、名実共にそうだったのは異変直後、小槌の魔力回収期の生きるか死ぬかの瀬戸際だったときくらいで、この頃は「折角知り合ったんだから友達付き合いを続けよう」という緩い集まりと化していた。
「肉!? しかも牛じゃん!!」
 今日も、小傘が自分が入手した桐箱入りの肉を見せびらかすところから始まった。しかもジビエやヒトのような入手難易度の低い肉ではなく幻想郷ではとりわけ貴重な家畜の肉牛のものだ。
「どうやって手に入れたの!? 闇ルート?」
「落ち着け弁々と八橋。小傘に裏世界で生き残れる頭があるわけないんだ。もし闇取引しようものなら三日後には簀巻きぞ」
「こころちゃん酷いよ」
「酷い、のかしら? 裏の世界で生きるのに向いてそうって納得されるよりはマシじゃない? いやでも実際どうやって手に入れたの」
「単純よ。里で開かれてた籤引き」
「あーあの人里の店で買い物すると籤が貰えて当たると景品に交換できるってやつ」
「……妖怪が人間に紛れて里のイベントに参加するのはある意味闇ルートじゃない?」
「バレなかったよ?」
「多分舐められてるのよ」
「そうだぞ。私は誇り高い付喪神だからな。そんな軟弱な行事には見向きも……」
「でもこころちゃん籤貰わなかった代わりに行く店行く店でお菓子貰ってたじゃん」
「な、お前、どうしてそれを……」
 こころは大量の面を高速回転させながら小傘に迫り、彼女の口を手で塞ごうとした。
みへは(見てた)

「まま、要は怖ーいお兄さんが押しかけてくるような出どころじゃないってことよね。安心して食べれると」
 雷鼓は野菜置き場を漁って白菜やキノコを探し出し、九十九姉妹に指示してそれらを切らせていた。
「そうだけれどなんか私一人でじゃなくてみんなで食べる流れになってない?」
「そういうことでしょ? 心配しなくても野菜代くらいは払うわよ」
「確かに鍋パはするつもりだったけれどさ、こういうのって肉を持ってきた人が提案するものじゃん?」
「鍋パするつもりだったらいいじゃないの。細かいことは気にしない気にしない」
 八橋は無責任に鼻歌を歌いながら白菜をざく切りにしていた。シメジを小分けにしつつその様子を見ていた弁々がそれに口を挟んだ。
「いや少しは気にしなさいよ」
「おおっ?」
「白菜は白くて硬いところと緑色のところで火の通り方が違うんだから、切ったらそれぞれで分けとかないと」
「そっちかー」
「賑やかねえ」
「うんまあ盛り上がってくれて私も籤を当てた甲斐があるってもんよ」
 小傘は鍋を主導する権利は取れなさそうなことについてだけはやはり釈然としない、という感じであった。
 元々この会合はかなり直接民主主義なのである。聡明さで頭一つ抜けてて見た目からもお姉さんオーラを出している雷鼓が議長役を務めることが比較的多いが、七割くらいの場面では誰が上というのもなく和気あいあいと進行していく。鍋も全ての具材が同時に煮えるように作って各自適当に取れ、だ。
 そうして完成した鍋をとりわけていると、こころが「里の人からお菓子を恵んで貰っていた件」への特に誰からも頼まれていない弁明をした。
「運がよかっただけなんだって。せがんだわけではなくてさ」
「物欲しそうな顔くらいはしてたんじゃない?」
「これでもポーカーフェイスで通っているのだ」
「ああそうだった。慣れるとむしろこの中で一番考えてること分かりやすいんだけれどねえ」
「私のクールキャラを壊すでない」
 こころはひょっとこの面を被り、「クールキャラがひょっとこの面をつけてることはない」という総ツッコミを受けていた。
「でも運がいいってのは本当にそう思うよ」
 小傘が珍しく神妙な口調でそう言った。
「運? そういや籤引きで当てたんだったね」
「そうそう。運っていうか、力というか流れというか、そういうのが来てる、この感覚がさ。それで籤引きしてみたら見事にね」
「あれ、じゃあ『籤引きが当たったから運がいいんだ』じゃなくて『運がよさそうだったから籤引きをした』なんだ」
「そういうことになるね。みんな感じない?」
「霊感が強い弱いみたいな話だね」
「そもそも私達、最近運が必要になる出来事にあんまり出くわしてなかったからねえ」
 力を感じている小傘と、力は特に感じていないがなんか運がいいこころを除いた楽器付喪神三人衆は目を閉じ腕を組んだ。力の流れを見る瞑想である。
 そして、三人とも目を閉じたまま顔を上に向けた。
「あー、言われてみると確かにあるわこれ」
「上の方にね」
「天井裏に何か憑いてるんじゃない?」
「怖いこと言わないでよお」
「妖怪が何怖がってるのよ。大体幸運をもたらしてるなら憑いてるのは座敷わらしか何かよ。丁重にもてなさないと」
「そうだねじゃあ早速食器をもう一組……。いや、外でも力は感じるから天井裏の何かじゃないって」
「外でも?」
 三人は小傘に誘われて玄関先で同じことを試すことにした。そうなると一人で部屋に取り残されているわけにもいかず、こころも何も知らぬまま後ろをついて外に出た。
「……マジじゃん」
「お天道様?」
「夜だからお星様じゃない?」
「状況が飲み込めないが、天にある何かのせいで我らは今運がいいと?」
「そういうことに、なるんじゃない……?」
「しかも、小傘やこころが運がよくて里の人達は別幸運になってないんだから、幻想郷中の幸運ってわけじゃないよねこれ」
「妖怪が、かもしれないし、もしかしたら私達付喪神が……」
 全員、微風が吹く夜の空気の下で硬直した。自分達だけ運気がよいとして、暢気に籤引き一回だけ当てて鍋をつついている場合じゃないのではないかと思い始めている。
「籤引きって今もやってる?」
「いや、もう終わった。あそこはどう? 居酒屋でたまに開かれてる賭場」
「居酒屋?」
「鯨呑亭」
「あの賭場って人間向けの出張で本店は山じゃなかったっけ? 私達普通に山に入れるんだから酒場で開くの待つんじゃなくて突撃しようよ」
「おお」
「ちょい待ち」
 盛り上がり始めたところで雷鼓が釘を差した。
「小傘とこころはともかく、私と弁々と八橋の三人にも本当に運が向いているかは分かってない。確かめてからにしよう」
「でもぼやぼやしてたら運が逃げるかもしれないじゃないか」
 こころは忍耐強くはないから不満そうにしていた。
「じゃあ一日、明日一日で私達三人は運がよくなってるかどうか頑張って証拠を探す。それで行けそうなら明後日賭場に行こう」
「よし、死ぬ気で探せよ」
「怖っ。圧強いって圧」
「命賭けないと見つからない程度の幸運だったらどのみち無理なのよ。というわけでそこそこで見つかるかどうか試させて貰うわね」
「ということで私達は……。なんか忘れてる気がする」
「鍋」
「そうじゃん」
 こうして付喪神五人は鍋で英気を養い、二日後の賭場で大勝ちして贅沢三昧な暮らしを手に入れることを誓ったのだった。


コメントは最後のページに表示されます。