夢と現が同時に並び立ち、それでいてすれ違い続ける世界、幻想郷。
迷いの竹林で薬剤師として過ごしていると、この世界のあらゆる側面が垣間見える瞬間がある。目を覆いたくなるほどの傷痕もあれば、笑ってしまいそうになるほどくだらない病気など、この世界の住民は様々な理由で我が永遠亭へと訪れるのだ。
傷や症状には常にそれに至るまでの経緯が存在する。それは平凡な日常から劇的な事件まで千差万別である。これは患者と向き合った際に見えた幻想郷の姿を「あくまでも」客観的に書き記した物だ。なお、ここに記載された記録が正真正銘の真実である保証は何処にもない。幻想郷は複雑怪奇な構造を有している。今まで「白」だと思っていた物がいとも容易く「黒」に変わる事もある。そういう曖昧な資料だからこそ、どうか一切の偏見を捨てて閲覧してもらいたい。「人間」とは? 「妖怪」とは? そんな固定概念は、恐らく不要である。これはそういう「幻想郷的哲学」のような大それた題材の為に用意した資料ではない。
そう、言うなればこれは他愛のない「物語」である。そんなに堅苦しい話ではないので、どうか力を抜いて、リラックスした状態で閲覧して欲しい。えっとね、私は今マックのポテト食いながらこの文章を書いています。このチープな味が癖になるのよね。
……私が書き記す物語に一体どれだけの価値があるのか分からないけれど、幻想郷に住む者達の傷や病を通し、この素敵な世界をより深く知る機会となれば幸いに思う。
八意永琳――。
迷いの竹林で薬剤師として過ごしていると、この世界のあらゆる側面が垣間見える瞬間がある。目を覆いたくなるほどの傷痕もあれば、笑ってしまいそうになるほどくだらない病気など、この世界の住民は様々な理由で我が永遠亭へと訪れるのだ。
傷や症状には常にそれに至るまでの経緯が存在する。それは平凡な日常から劇的な事件まで千差万別である。これは患者と向き合った際に見えた幻想郷の姿を「あくまでも」客観的に書き記した物だ。なお、ここに記載された記録が正真正銘の真実である保証は何処にもない。幻想郷は複雑怪奇な構造を有している。今まで「白」だと思っていた物がいとも容易く「黒」に変わる事もある。そういう曖昧な資料だからこそ、どうか一切の偏見を捨てて閲覧してもらいたい。「人間」とは? 「妖怪」とは? そんな固定概念は、恐らく不要である。これはそういう「幻想郷的哲学」のような大それた題材の為に用意した資料ではない。
そう、言うなればこれは他愛のない「物語」である。そんなに堅苦しい話ではないので、どうか力を抜いて、リラックスした状態で閲覧して欲しい。えっとね、私は今マックのポテト食いながらこの文章を書いています。このチープな味が癖になるのよね。
……私が書き記す物語に一体どれだけの価値があるのか分からないけれど、幻想郷に住む者達の傷や病を通し、この素敵な世界をより深く知る機会となれば幸いに思う。
八意永琳――。