「ごめん」
たった一言、その一言を残し魔女は去っていく。巫女もまた、寂しい笑顔を浮かべうつむきながら石段を上る。雲一つない暑い日。雲一つない暑い日!雲一つない!!暑い日!!!
石段に雨が降る。巫女が上るたびに雨が降る。雲一つない日、石段に雨が降る。
「どうして。ねぇ。どうして」
誰も彼女の声を聴くものはなく、答えるものもまたなく、ただただ、ほほを雫が伝うだけ。
事の始まりは三週間前。満月の夜。澄み切った空気の中で巫女が魔女にはなった一言から。
「私、私ね、魔理沙のことが好き。友達としてじゃなくて、仲間としてじゃなくて、恋人としてあなたと付き合いたいの」
魔女は目を見開く。困ったような笑みを浮かべ空を見上げる。満天の星々が二人を見下ろしていた。天の川が空を二つに分けている。 期待と不安が入り混じった視線が横顔に刺さる。魔女は困ったように頬を掻くだけ。困ったように、恥ずかしそうに。
「今すぐじゃなくていいから。返事は今すぐじゃなくても、いいから。だから、考えてみてくれないかな?」
「ああ、うん。なんか驚いちゃってさ。その、すぐに返事できなくて、ごめん」
二人は空を見上げる。星々が彼女らを包んでいた。もう離れぬように。少なくとも巫女はそう感じていた。
たった一言、その一言を残し魔女は去っていく。巫女もまた、寂しい笑顔を浮かべうつむきながら石段を上る。雲一つない暑い日。雲一つない暑い日!雲一つない!!暑い日!!!
石段に雨が降る。巫女が上るたびに雨が降る。雲一つない日、石段に雨が降る。
「どうして。ねぇ。どうして」
誰も彼女の声を聴くものはなく、答えるものもまたなく、ただただ、ほほを雫が伝うだけ。
事の始まりは三週間前。満月の夜。澄み切った空気の中で巫女が魔女にはなった一言から。
「私、私ね、魔理沙のことが好き。友達としてじゃなくて、仲間としてじゃなくて、恋人としてあなたと付き合いたいの」
魔女は目を見開く。困ったような笑みを浮かべ空を見上げる。満天の星々が二人を見下ろしていた。天の川が空を二つに分けている。 期待と不安が入り混じった視線が横顔に刺さる。魔女は困ったように頬を掻くだけ。困ったように、恥ずかしそうに。
「今すぐじゃなくていいから。返事は今すぐじゃなくても、いいから。だから、考えてみてくれないかな?」
「ああ、うん。なんか驚いちゃってさ。その、すぐに返事できなくて、ごめん」
二人は空を見上げる。星々が彼女らを包んでいた。もう離れぬように。少なくとも巫女はそう感じていた。