「ちょっといいかしら、霊夢」
魔理沙とかさねについていこうとしたとき、私は幽々子に呼び止められた。
「何?」
「かさねちゃんのことだけど…」
「だから何?」
「あの子、剣は素人ね。妖夢と比べると天と地の差がある。基本が全然身についてない。きっと、「剣術」っていう概念を知らないのよ」
「それがどうかしたの」
「それでも、「戦い」については素人じゃないわ。…いや、殺し合いって言ったほうがいいかしら?」
「それで、それを私に伝えてどうしたいのかしら?」
「あなたがスペルカードルールを教えたんでしょう?」
「そうだけど」
「あの子を、スペルカードルールの枠組みから絶対に出してはいけない。もしあの子がスペルカードルールの本分を忘れて戦ったとしたら…死ぬわよ」
底冷えするような声で、幽々子が話す。
「あなたとあの子には責任がある。あの子の弾幕について。そしてそれが、幻想郷に何をもたらすかということについて」
「大げさねぇ。そもそもかさねに妖怪と殺し合いする度胸もあると思えないけど」
「あの子がいくら抗っても、覆しようのない差というものが、幻想郷にはある。だからこそ、スペルカードルールを守らせねばならない。これは忠告よ」
「私にはっきりとした忠告なんて随分と優しくなったのね」
「そうね。ちょっと柄じゃなかったかも。まあ、私もあの子とすぐに冥界で再会はしたくないから」
どうやら話はこれで終わりのようだ。
「…せいぜい気をつけるわ」
まるで捨て台詞のようにつぶやいた後、私は魔理沙とかさねの後を追った。
ストーリーはまだ面白い面白くない以前の段階で評価が難しいが とにかく文章が丁寧なのが好印象だった
作者の真面目に書いているのが伝わってくる
なんだか今さらのように光弾や弾幕 スペルカード 空を飛ぶことを丁寧に書くというのが 逆に新しく感じる
東方を読むに当たって 初心に戻ったような感じがしてよかった
新年から良いものを見ました
とにかく描写が丁寧で読みやすかったです
疑問に感じるであろう部分が一つ一つ潰されていく話運びもよかったです
ところで読み方はりゅうじゅうろくでいいんでしょうか