――数日後。
「さあ、あの時の決着をつけよう!」
「望む所です!」
無事に回復した私とチルノさんは、弾幕ごっこを始めようとしていた。
「楽しそーなのかー」
「ららら~♪どっちが勝つのかしらね~♪」
「さあ?」
「すこしは見所があるといいケド」
「頑張って~、チルノちゃん!勝ったら、この花飾りをあげるから!」
あの時とは違い、ギャラリーも。ルーミアさん、ミスティアさん、リグルさん、なんだかんだで元の姿を取り戻したぬえさん、そして大妖精さん。
「さあ行くぞ!氷符『フェアリースピン』!」
「こちらも行きます!星剣『ホライズンスウィング』!」
氷と星の弾幕がぶつかり合う。
「『半跏趺斬』!」
「『アイシクルシュート』!」
「奇剣『弾幕マンティコア』!」
「冷符『瞬間冷凍ビーム』!」
「…水剣『ポロロッカスウィング』ッ!」
「…凍符『パーフェクトフリーズ』ッ!」
熾烈なスペルカードの打ち合い。
「はぁ…はぁ…最強のあたいにここまでついてくるなんてね…」
「ぜぇ…ぜぇ…本気でやってるのに…」
中々決着がつかない。どうやら私とチルノさんの実力は伯仲している。そのとき。上空に、不思議な光が。
「「え」」
そんな馬鹿な。これは…。
「「またUFO!?」」
「やろう、まだ懲りてないのか!くらえッ!」
ぬえさんが怒りをあらわにしながら、三叉をUFOに投げつける。しかし、ガキンという音がした後、三叉は弾かれて落下していった。
「な、なんだと!?あれは実際には紙じゃなかったのか!?」
動揺するぬえさんをしり目に、UFOは大妖精さんの頭上へ。そして、不思議な光を大妖精さんの手元に当てる。
「あっ…」
ふわふわと大妖精さんの持っていた花飾りがUFOの方へと昇っていく。あっけにとられる私たち。UFOは花飾りを回収すると、そのまま飛び立っていく。その去り際。UFOの窓から、およそ人間とは言えない影が見えた気がした。
「「ま、まさか」」
今のはもしかして。
「「本物の宇宙人!?」」
もうUFOは見えなくなっている。
「こうしちゃいられないわ!今のUFOの正体を明らかにするのよ!かさね、ついてきなさい!」
そのままUFOの消えた方向に飛び立っていくチルノさん。
「あっ、ちょっと!決着は!?」
私の呼び止めにチルノさんは応じない。
「ま、待ってくださいよー!」
慌ててチルノさんの後について行く。結局、私はこの後チルノさんと三日三晩UFOを捜しまわるはめになったのだった。