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東方流重縁~forgotten wanderer~ 第七話 史上最強の超常現象

2025/07/25 20:44:31
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「「「「いただきまーす」」」」
「って、なんであなたまでいるんですか!」
「いいじゃん。細かいことは気にしないでよ」
 博麗神社。私は、霊夢さん、魔理沙さん、そしてなぜかついてきたチルノ…さんの四人で鍋を囲んでいた。結局魔理沙さんが私を捜しに来た後、もう一度里で具材を買い直し、博麗神社に帰ったのだった。
 「しかし、遅いと思って捜しに行ってみれば、チルノと弾幕ごっこしてたとはな。それで、もう一回聞くが、決着つかずだったのか?」
「はい、里でも説明しましたが、弾幕ごっこの最中に突然UFOが割り込んできて」
「本当よ!おかげであたいの自慢の羽がなくなっちゃった」
「そういえばなんか少ないわね。それに、あなたの側にいてもいつもより寒くないわね」
「もぐもぐ。最強のあたいが…。こうなりゃやけ食いよ。もぐもぐ。もぐもぐもぐもぐ」
「お、おい。私たちの分の具材も残しておけよ」
「ま、まあ。まだ第二陣もありますから」
「しかし、UFOねぇ。いつかの異変を思いだすわ。ぱくぱく」
「ああ、命蓮寺の連中の。懐かしいな。またぬえの奴が悪さしてんのか?あむ。」
 思い出話に花を咲かせる霊夢さんと魔理沙さん。こういう時に新参者は居心地悪い。私ももっと早く幻想郷に来て、霊夢さんや魔理沙さんと異変解決したかったなぁ。
「ふー、食べた食べた」
 第二陣の具材も含め、鍋は空っぽだ。
「さ、さっさと帰んなさいな。子供は寝る時間よ」
 霊夢さんがいたずらっぽくチルノさんに話しかける。
「馬鹿にして!」
「実際馬鹿じゃん」
「うるさいなぁ!馬鹿っていう方が馬鹿なのよ、この馬鹿!…あっ」
「そんなこてこてのギャグをかまさなくても…」
「ウケ狙いじゃない!」
 あははと皆で笑う。最初に鍋の具材を駄目にされた時はかなりの怒りを覚えていたが、弾幕ごっこや食事を通してチルノさんの人柄に触れ、今はチルノさんのことを好きになっていた。
「あの、チルノさん」
「何?」
「よろしければ、あのUFOの正体を一緒に突き止めませんか?チルノさんの羽を取り戻すために」
「…いいの?」
「はい。まだ弾幕ごっこの決着もついていませんでしたから。チルノさんが力を取り戻したら、改めて弾幕ごっこをしませんか?」
「…もちろんよ!早速明日からあのUFOの行方を追うわ!それじゃあたいは準備してくるから、また明日!待ち合わせの場所は、広い原っぱよ!」
 そういってチルノさんは急いで神社を出て行ってしまった。
「相変わらず騒がしい奴だぜ」
「言っとくけど私は手伝わないわよ。異変ってほどでもなさそうだし。めんどくさい」
「…霊夢さんならそういうと思ってました」
「ちょっと、私がものぐさみたいな…」
「「違うんですか(のか)?」」
「うるさいわね。ほら魔理沙にかさね。さっさと鍋と皿を片付けなさい」
「霊夢さんは何をするんですか?」
「お酒を飲む。家主の特権よ」
「…やっぱりものぐさじゃないですか」
 いそいそと片付けを開始しながら、霊夢さんにぼやく。こんな時間が、いつまでも続けばいいのに。

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