日記 老婆の手記
ここに記すは私の思い出。
ここに残すは私の罪。
天魔様にお会い出来たこと、喜ばしいことです。
最後のお礼参りでしたから。
若気の至りが失敗したからこそ私は生きることが出来ました。
ご本人にも言いましたが、私はすみれ様のことが好きです。
罪深きほど好きになってしまっていたのです。けれども人間として生きていくためには誤魔化して生きていくしかありませんでした。夫と一緒なっても忘れることは出来ず、その事を打ち明けたら貴方は怒らずにいてくれました。本当にありがたいことです。けれども少しだけ焼きもちを妬いていましたね。本当に申しわけなかったです。
私が生きることが出来るのはもう数年でしょう。長くはないことは分かっていますから。
これで心残りはありません。輪廻の輪に還るのみです。
共に歩んでくれた貴方に感謝を。
生きるための意味をくれたすみれ様に感謝を。
──チヨ