「ごめんねパチェ。ヤゴコロについてはまた今度調べてきてあげるから」
「むきゅー、私こそ取り乱してごめんなさい。なんでもかんでも貴方に答えてもらってばかりで、ついついそれに頼っちゃったの。次行くわね」
【五枚目のはがき】
『ミス幻想郷に選ばれたこともあるというレミリアお嬢様に質問です。お嬢様はどうしてそんなに美しいのでしょうか。何か美しさの秘訣でもあるんですか?』
「まず紫外線はお肌の大敵だから極力避けるわ」
「ど~ぅしても日光浴したいときはレース越しの光でやるようにしてるわね、時間も長くて十分ちょい~くらいね」
「ちょっと待ちなさいよ」
「なによ」
「貴方吸血鬼でしょ? そもそも日光当たっちゃダメでしょ!?」
「オォン違う違う。……もっかい言ったげる違う違う。いうて吸血鬼は日光そんなでもないからね?」
「"うわぁ暑いな~……一枚脱ご"、程度よ? 基本はね」
「嘘でしょ!?」
「ほんとほんと! なんで嘘つく必要があるのよ! てか日の下に出れなかったらサバンナ地方とか絶ッッッ対無理だからね!?」
「まったく大丈夫なの!?」
「あぁーまあなんの影響もないわけではないわ。普段は隠れてるわけだしね。(日に)当たりすぎたら体がピリピリしたりもするけど、まあ大抵は煙出るくらいよ」
「その煙は何よ」
「アレよ、ちょっと大きい氷を冷蔵庫から出したらぶわぁ~湯気みたいなの出るじゃん? あれと一緒よ。吸血鬼は体温が低いからね。むしろ調子いい時ほどよく出るからね」
「じゃああれは何よ!? 聞いたんだからね私! 貴方月に行った時太陽神の日光ビーム食らって焼かれたそうじゃない!」
「あ~あんなん食らったら誰でも焦げるに決まってるじゃないの。なによあのごっつい鏡。むしろあれ私だからまぶしって感じで目がバッテンになるだけで済んだようなもんだからね? あれ人間がまともに食らってたら数日後日焼けの皮半端ないことなってたからね? ベロ~ンて、めっちゃ気になるからね?」
「…………ほんとなの?」
「ほんとよ。私は美容のために日光を避けてるだけ。あとはまあ夜更かしはしないに限るわ。ここへ来て落ち着いてからは、よく昼間に出掛けるようになったし、人目も一層気にするようになったからね」
「そういうわけで初代ミス幻想郷を獲得したわけなんだけど、私フランが出場したらかなり危ないと思うのよね。あの子産まれてから一度も日光に当たってないし、お肌がすごく綺麗じゃない? 私が愛を込めた食事も食べてるし」
「うん……」
「まあもしそんな日が来たら、フランが日の目を見た記念として、盛大なパーティーでも開いてあげないとね」
「上手いこと言ったつもり?」