Coolier - 新生・東方創想話

宵闇亭

2012/09/12 01:46:17
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 しかし、汗を拭うはずの手が
 男にはありませんでした。

 寝間着をぐっしょり濡らしていたのは寝汗では無く
 己の血糊でした。

 夢だと思っていたのは夢では無く
 男の右腕は
 ひどく乱雑に食い千切られた傷跡を残し
 肘より先が無くなっていたのです。

「うがあぁぁぁぁぁぁぁぁ――」

 男は正真正銘、魂から絞り出すような悲痛な叫びをあげます。
 頭の中に、歪な囁きが響いてきました。






 

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