Coolier - 新生・東方創想話

ファイト!

2024/09/14 14:53:56
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   がんばれ椛ちゃん 3

 ひとを轢いてしまった。あれから、椛の頭のなかはそればかりだった。もはや乗る資格のないスクーターを返却しにきた今でさえ、椛は茫然自失として、友人たちの声も耳に入っていない様子でいる。
「まいりましたね。こうも落ち着かないんじゃ、慰めようもありませんよ」
「まったくだよ。轢かれた子も無事だったのに、轢いた側がこんなじゃなあ」
 河童と鴉天狗の両名だった。前例の無い轢過事故はすぐに山中の噂になった。噂は噂のうちに留めておきたい河童と、噂をすぐにでも拡散したい鴉天狗が金の話をしているときに、茫然自失の椛がやってきたのだった。
「とにかく椛に落ち着いてもらわないと話になりませんよ。にとりさん、なにかありませんか」
「あるとも。なんせわたしは言葉に詳しいから」

 にとりは自身ありげに口を開く。
「椛、ちょっとほら。深呼吸してごらん」
「……どうですか?」
 言われたとおりに深呼吸をする椛に、鴉天狗は好機のまなざしを向け尋ねた。

「……たしかに。少し落ちオチつきました」



   完
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コメント



0.150簡易評価
1.90奇声を発する程度の能力削除
良かったです
2.70名前が無い程度の能力削除
飽きたんですか?
3.100名前が無い程度の能力削除
面白かったです。いやなこと思い出してキレてる椛が真に迫っていました。可哀そうに
4.90めそふ削除
面白い文章っていうのを読めた気がします
最近言葉に詳しいにとり好き
5.100南条削除
面白かったです
もはや椛はいじめられているのではないか