6.
出雲の国には妖怪に強大な力を与える宝玉がある、という噂が妖怪間で流行ったことがある。
その話を聞いた妖怪は幾度となく出雲の国への侵入を試みたが結果は得られず、噂は眉唾物であったと数ある妖怪は語り継がれることとなり妖怪の間でも噂は忘れられつつあった。
その噂を聞いた人喰いは出雲の国に足を運ぶと、噂の宝玉を手に携えて持ち帰ってきた。多くの妖怪が驚く中で人喰いは宝玉の使い方を問うたが、答えられる者は居らず、焦れた人喰いは宝玉を呑み込んでしまわれた。すると人喰いの身体から闇が噴出し、辺りは瞬く間に月の出ない夜のような暗闇に覆われてしまったそうな。
尚、宝玉は鬼灯のように赤かったという。
良かったです。
本当にあったことを記録しているような臨場感がありました
翻訳を小鈴に手伝ってもらった阿求がいいなと思いました