2.
須佐之男命が八岐の大蛇を切り刻んだ後、鬼灯のような瞳は血で赤く染まった斐伊川に紛れ落ちていた。それは須佐之男命が出雲の国に宮殿を構えた後、宮殿の守護長に任命されていた足名椎によって見つけられることとなる。彼はすぐに瞳のことを須佐之男命に報告しようとしたが、娘の櫛名田比売と男女の営みに溺れており、呆れた足名椎は自らの手で瞳を封じることにした。未だに七人もの娘を食らった八岐の大蛇に脅えている手名椎を気遣って、足名椎は瞳のことを誰にも伝えようとしなかった。
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