Coolier - 新生・東方創想話

空想イマイマシー

2019/04/07 21:58:54
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時間を止めたら変な場所へと来てしまった。

私の名は十六夜咲夜。紅魔館のメイドである。
目が覚め、朝の仕事の支度をする際にいつも通り能力を使用し時間を止めたのだが、その瞬間、懐中時計が見たこともない挙動を繰り返し、全ての時間が逆回転していくかのように、私を取り巻く全ての世界が「捻れた」のだ。これまで生活の一部のように時間を止めていたが、これは初めての事であった。突如、腹部の中心で渦が発生したかのように身体が折り曲げられ、私はそのまま気絶してしまった。そして、目が覚めたらここに立っていた。
真っ白な空間であった。
部屋、と呼ぶにはあまりにも広過ぎる。その場から立ち上がり、少し辺りを探索したが、出口のような物は見つからなかった。そこで、紅魔館にある魔法図書館の原理を思い出し、私はそこで自分の懐中時計を取り出した。時間と空間は「同様」ではないが互いに密接した関係にある。私の能力を使用する事により、この空間に何らかの変化が起こると思ったのだ……が、結果的にそれは、装置が故障した爆弾を無用心に弄る事と同義であった。
空間の時間を弄った瞬間、再び世界は歪み、「本来の姿」を現した。
「嘘、でしょう……?」
そこで、私はある一つの『真実』を知る事になる。
今すぐ、これを誰かに伝えなければならない。
そう思った瞬間、誰かが背後から近付き、私の首を絞めたのである。息が出来なくなり、私はその場でよろめいた。一体誰だ? 私はそいつの顔を見ようと背後へ振り返ったが……。
これは……これは?
何だ、これは?
これは、何だ?
意識が途切れる直前、頭の中に誰かの声が響き渡った。そして、ここで気を失えば全ての記憶が消されるような予感がした。そう、これは、かなりマズイ。いや、マズイなんてもんじゃない。どうして私は知ってしまったんだ。これが事実なら、まさに悪夢という他ない。知らなきゃ良かった。私は、静かに目を閉じた。目が覚めた時、きっと、「私」は「私」ではなくなる。
どうしてこうなった? こんなの、誰が望むというのか? 一体、これは誰が、何のために、どうして、『私達』が……?

まるで、『悪意』そのものじゃない。

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