篝火の薪の爆ぜる音が、いつも以上に小うるさい。
なぜだろうとトムァクは思って、矛に反射する光のせいだろうかと得心する。下諏訪神殿のさなか、中庭と呼ぶべき場所。“諏訪さま”が従える神人たちの手にする矛に、篝の火の赤さが反射して、ぎんぎんと眼のなかを刺してくる。その奇妙な痛々しさが、炎で薪の爆ぜる音を怖ろしく煽り立てているように、嫌でも感じてしまうのだ。
神人たち――今はみな武装しているので、むしろ兵と言った方が良いだろう――の敵意に満ちた視線、そして神たる“諏訪さま”の視線は、眼前のただ一点にのみ注がれている。むろん、この場にあってはトムァクもまた同じものを見つめていた。コログドやサダギはじめ、彼の企てに同心した諏訪豪族たちすべてが“諏訪さま”とともに同じものを見つめているのである。即席でしつらえられた座に、その夜の主だった面々が腰を下ろしながら。
「ウヅロ」
小柄な少女の姿をした“諏訪さま”が、その名を呼んだ。
呼ばれたウヅロは自分を拘束する兵に小突かれながら、ゆっくりと顔を上げる。
両の手足を縛られ地面に転がされている彼にとっては、相手を見上げることだけでも一苦労だ。いや、というよりも。度重なる拷問によって著しく体力を消耗しているのだから、顔をゆっくり動かす程度の反応が精一杯だったとした方が良かったかもしれない。膝は両方とも関節を砕かれてしまっている。背中には鞭打ちの傷跡が幾つも走る。右手の指は五本とも、すっかり爪を剥ぎ取られていた。しかしながら苛烈な責めを受けた彼の肉体が、いかに気絶による一時の安らぎを得ようとしても、刑吏は頭から冷水をぶっかけてむりやり意識を覚醒させたのだ。生かさず殺さずの責めは、ウヅロが自らの『罪』を認めぬがゆえ執拗にくり返された。
死の寸前まで追い詰められながらも、しかし、生きることを強いられているウヅロの、その顎や口元はふるふると震えていた。この期に及んで、未だ自らの無実を訴えるように。しかし、言葉はどうがんばっても出てこないようであった。すべては濡れ衣だと訴えたい気持ちと、これ以上うかつなことを口にしたら今度こそ殺されるという恐怖が、同居しているせいであろう。
彼の額には、浅い血の筋のように切り傷がひとつ光っていた。
できてから未だそれほど長い時間の経っていない傷だ。血が固まりはしたが、かさぶたにもなっていない。そこに乱れ切った髪の束が張りついている。ウヅロの髻(もとどり)は解かれている。長い髪からときおり垂れ落ちる滴は、“気つけ”のために浴びせられた水が未だ乾いていない証でもある。最後の責めが終わってから少しも休むことなく、彼は“諏訪さま”や豪族たちの面前にまで連行されてきたということだ。
「ウヅロ」
“諏訪さま”が、もういちど罪人の名を呼んだ。
睨むともできず、ウヅロはぽろぽろと涙をこぼした。
しかし“諏訪さま”は意に介さない。かたわらにしていた吏僚役の神人に「おい」と声を掛けると、相手は小声を上げて恐縮した。
「ウヅロは、確かに盟神探湯(くがたち)の誓約(うけい。古代に行われていた占いの一種)にて自らの罪を認めたのであろう」
「はい。鍋のなかに沸かした熱湯へ左手を入れさせましたところ、この者の膚(はだ)は瞬く間に火傷をし、爛れてしまいました。加うるに当人の申すところによれば、南の伊那勢と手を結びて兵三百を諏訪に招き入れ、同時に自らも四百の兵を集めて下諏訪の神殿を占拠。“諏訪さま”を廃して新たな神を立てる目論見であったと」
「解った」
にンまりと、“諏訪さま”は笑んだ。
うつくしく、しかし不気味であるとトムァクは思った。
毒蛇が、そのまま少女のかたちに変じたかのごとく思われたのだ。
そして熱湯によって爛れ、膚(はだ)の剥がれかけたウヅロの手を見ても眉ひとつ動かさぬ豪胆さ。自分は何という相手に仕えているのだと思わぬわけにはいかなかった。
『盟神探湯』というのは、古代の日本で行われていたとされる神明裁判の一種である。
鍋釜のなかに熱湯を沸かし、疑わしき者の手をその湯のなかに入れさせる。するとたちどころに神の意思がはたらいて、無罪ならば火傷を負わず、反対に有罪ならば火傷を負うという判定方法だ。むろん、いかに神慮に照らして罪の有無を問うとはいっても、しょせんは近代的な人権の観念や、裁判のための法体系が調っていない古代社会の風習である。常人が熱湯に手を突っ込んで、無傷でいられるはずもない。この誓約の場に引き出されてしまった時点で、大抵の者は恐怖のあまり罪を自白するより他にないのである。
しかしウヅロは違った。
どんな拷問を受けても罪を認めなかった彼はその身の潔白を証明すべく、鍋のなかの熱湯に自ら手を突っ込んだのである。
そして――大火傷を負った。そうなってしまったうえは、もはやいかなる弁明も叶うまいと彼も諦めてしまったのだろう。爛れた腕の痛みに耐えながら、ウヅロはいかに諏訪を滅ぼすか、いかに“諏訪さま”を廃するかの企てを訥々と刑吏に『自白』するに至ったのである。たとえそれが濡れ衣であったとしても。
そして同時に悟ってしまったに違いない。自分の罪の有無を見極めようとすることが、“諏訪さま”の目的ではないということに。自分を咎人として処断するために、初めからすべての『筋書き』が仕組まれていたことに。“諏訪さま”が豪族たちを従えているのを見て、その『筋書き』が何であったかまで瞬時に理解したことであろう。彼の流す涙は、それだけの悲嘆と屈辱でできている。
「神聖なる誓約の場にて己の咎を認めたうえは、やはり謀叛の“かど”を揺るがすことできぬ。ウヅロの片目を潰し、一族うち揃いての諏訪からの追放を命ずる」
無様に転がる“叛逆者”へ向けて、黄金色の神をした少女はいっさいの慈悲もなく告げた。ごくりと、トムァクたち豪族は唾を飲む。すでに両脚を破壊されているウヅロは、縛られたまま兵に引きずられるかたちで諏訪子の直ぐ近くまで引き出されてきた。同時に、刑吏が小さな壺を彼女の元まで持ってくる。少女が自ら蓋を開けると、異様なにおいが辺り一面に漂った。これほどまで人いきれの充満する場にあってもなお汗や血のにおいを越えて、壺に満たされた獣糞の悪臭は鼻々を苛んでいたのである。
「これは……いったい?」
思わず、トムァクが問う。
眼だけ動かして微笑しながら「牛馬の糞に、ミシャグジの毒を混ぜ込んだもの」と答える“諏訪さま”。
「不実にも神を裏切らんとした罪は、ウヅロひとりの責には非ず。わが手によって潰されたウヅロの眼は諏訪の神に叛きたる何よりの証となり、また子々孫々まで続く祟りと化す」
針を、と、続けて“諏訪さま”は命じた。
もうひとりの刑吏がすかさず一本の針を差し出した。針とはいっても刑罰として人の片目を潰すための道具である。釘であると言われても納得できるほど、太く、巨大な針であった。それを手に取り、諏訪子はその切っ先を先ほどの毒壺――糞と毒の混ぜ物にしばし浸した。再び針を引き上げたとき、その先端にはどろりと真黒い粘液がこびりついている。集まった人々は、恐怖とも感嘆とも取れる溜め息を漏らす。針から漂う鉄のにおいと、毒の放つ悪臭が、こちらの肺腑まで侵してしまいそうである。
「右目を潰す。覚悟をせよ」
命ぜられるまでもなく、ウヅロを拘束している兵たちが彼の身をさらに強く抑え込んだ。焦らすこともなく立ち上がり、普段通りの足取りでウヅロへ近づく“諏訪さま”。対してウヅロの顔は、彼女へ向けてグイと強引に向けさせられた。兵の指で目蓋をこじ開けられ、逃れようとしても逃れるための手足も動かない。全身を恐怖に引きつらせたウヅロに許される背一杯の抵抗は、
「此は、此は謀じゃ……!」
何度叫んでも拷問の苦痛によって中断させられた主張を、またしてもくり返すことだけであったのだ。
「“諏訪さま”、どうかお聞き届けくだされませ! わしは、ウヅロは謀叛など目論んではおりませぬ。すべてはこのわしを陥れんとする罠に違いない。……そうじゃ、そこに控えしトムァクどもがすべてを仕組んでおる。“ウヅロが諏訪を裏切ろうとしている”という讒訴(ざんそ)讒言(ざんげん)を行うて、わしを捕らえさせたのでございまする!」
後を引く痛みと眼を潰される恐怖のなか、声を嗄らして必死にウヅロは訴え続ける。舌がもつれても、ろれつが回らなくても、幾度も幾度も訴え続けた。“諏訪さま”は、彼の懸命な訴えを聞くともなく聞いていたようであったが、――いつかその弁明の次第に少しの興味も失せたのか、中途で静止させていた針をまた動かし、
「涙ぐましきことだ、ウヅロ。わが真実(まこと)のこと、すでに気づいているのであろうに」
ぷッつりと、ウヅロの眼球に突き刺した。
「あ、アア、ァ――――」
悲鳴にもならぬぶつ切りの呻きが、くり返しウヅロの喉から絞り出された。
痛みと苦しみと嘆きと憎しみと、あらゆる負の感情が渦を巻いて吐き出されているような呻きである。針そのものは眼球の奥深くまで侵入した後、直ぐに引き抜かれたが、その先端に塗り込められていた毒の大半はウヅロの右目を確かに塗り潰していた。流れ出る血は、肉体そのものが、傷口から体内に侵入しようとする毒を洗い流そうとしているとも皆には見える。
だが、篝火の下――間もなくその血の赤ささえも、毒に侵されて真っ黒に変わっていく。牛馬の糞と混じり合った蛇神の毒が、針先からウヅロの体内に入り込み、その“つくり”を体内から破壊しようとしているのだ。何となくそのことに気がつきはしても、誰ひとりとして声を上げはしなかった。何かを言おうとして口を開けた瞬間から、自分までもミシャグジの毒を吸い込んでしまうのではないかと、どうしようもなく怖れてしまったせいなのだ。
針を引き抜かれてもなおうち続く毒の苦痛。
いくら血と涙を流しても絶対に逃れることはできない。
ましてウヅロは数日間の拷問で体力を消耗している。このうえさらに汚れた針で眼を潰されれば、破傷風に罹って絶望的な苦悶のうちに息絶えるであろうことは誰しも容易に想像できた。そして、この刑は“子々孫々までも”と神が直に下し賜うたのなのである。ウヅロひとりの苦痛にあらざるものが、一族のすべてに波及する。およそ呪いとか崇りなるものが、人の眼に見えるかたちで始まった瞬間であった。
「お、お怨み、申し上げまするッ……――――!」
毒にまみれて真っ黒に濡れた右目を――間違いなく視覚は喪われていというのに――“諏訪さま”へ向けて、ウヅロは絶叫した。
「諏訪からの追放は甘んじて受けましょうぞ。この身の祟りなるものが、わが一族のすべてにまで及ぶもまた受け容れましょうぞ。しかしトムァクごときの讒言に惑わされて、このウヅロを裏切りしことへの怨み。此は死してもなお絶対に忘れませぬ。わが子や孫に至るまで、絶対に忘れさせませぬ。お怨み申し上げまするぞ、“諏訪さま”…………っ」
そこまで言っても、決して“諏訪さま”自身のトムァクとの共謀を責めようとしなかったのは、ウヅロに最後に残された意地か、忠誠か。いずれにせよ空恐ろしいものを、豪族たちは感じないわけにはいかなかった。
――――――
「いやはや……。怖ろしきものに立ち会うたわ」
若禿げの頭に噴き出た汗を手のひらで拭いながら、コログドがぽつりと漏らした。
彼を取り巻くトムァクもサダギも、両人ともにその言葉に対して何の反応も返すことはなかった。しかし心のなかでは、まったく同じ怖れ――畏れでもあろう――のかたちを抱いていたに相違ない。
ウヅロへの刑の執行が行われて、直ぐ後。
夜深くを迎えてトムァクの館に三人の豪族が集まったのは、今後の諏訪の行く末について議するためではあったのだけれど、誰ひとりとして本来の議題について口を開く者は居なかった。ただ感嘆し、また戦慄もしていたのである。神がある一族を呪う瞬間を垣間見たことに。そして、その神を実体ある王として戴かんとしている自分たちの策にである。
むろん、覚悟はあった。
神そのものを王として『使う』以上は、人の域を超えた者に相対するかたちで政を執り行わなければならないということに。しかし外見(そとみ)には未だ十五、六としか思えぬ少女が、あれほどまでにためらいなく人を呪い祟ることができるものか。そこには、自分たち豪族がウヅロを『諏訪への叛逆者』として讒訴したという政の事情もあるとはいえ。
しかしいずれにせよ、豪族たちと“諏訪さま”の思惑が一致していたことばかりは幸いであった。かの御神は、紛れもなく両諏訪の統一を望んでおられる。だからこそ“諏訪さま”の祭祀において力持つウヅロを、放伐することにも諾とうなずかれたのだ。それが、旧態の国の有り様を根本から変えてしまうことになると解っていて。
すべては豪族たちと“諏訪さま”のあいだで取り決められた、謀の所産であったのだ。
「ともかくも、」
心内に渦巻く怖れを打ち破ってか、サダギが口を開く。
「ウヅロどのを諏訪から追い放ったうえは、トムァクどのが政を握らねばならぬということ。その双肩にかかる責は、これまでよりはるかに大きくなり申す」
努めて微笑した風に彼の表情は見えたのだが、一方で胡坐をかいたその膝もまた、笑いを隠しきれてはいないようである。戦場では何より強い剛勇や豪胆さも、祟り神の力を直に眼にしてはさすがに怯むということか。舌先でぺろと唇を舐め、トムァクはうなずいた。未だ二十四の彼である。年明ければようやく二十五だ。その若きにして彼には、ある一族が呪われるように仕向けたという責が降りかかった。そしてまた、それ以上のものとしては神から勅を得て政を行うという責だ。
「解っておりまする」
改めて、青年はふたりの同志を見回す。
「これからは諏訪の方々に依代を置くと同時に、信仰の要として下諏訪の神殿をも修築せねばなるまい。何せ“諏訪さま”御自身が人に化身しておられるのだ。王の御座所として立派なものをつくらねば」
自他の不安を打ち消すように握り締めた熱い拳とは裏腹に、彼の背を這っていったものは、ただひたすらに冷たい汗だった。ひと月の後には、もう冬が近づいている時節であった。
――――――
やはり昔のことを、諏訪子はフと思い出してしまった。
今度は居眠りの結果ではない。
辰野へ向けて行軍中の輿の上、つらつらと物思いに耽っているときのことだ。
三千六百の軍勢は神奈子が発した令に従い、みな各々に備えを終えて辰野へ向かっている。諏訪子率いる下諏訪勢五百もまた例外ではない。当初の行程にのっとり、後詰めとして少し遅れて辰野への進発を始めた。彼女が自らの過去に思いめぐらしてしまったのは、その途上でのことである。
「おい」
輿にもっとも近い位置に居た将に、諏訪子は身を乗り出して声を掛けた。小柄な身体を包む甲冑が、こすれて金属(かね)の音を立てる。将の方は、突然声を掛けられて驚いたのだろう、口を半分開いて「は、はあ」と横目を諏訪子へ遣ってきた。
「辰野へは、あとどのくらいか」
「半刻ほどかと思われます。どうにか、日暮れまでには本隊の陣に加われそうかと」
そうか……とのみ答え、諏訪子はまた姿勢を戻した。
肩と首をかくりと落とし、今度こそ本当に眠っているかのような姿である。先ほどの将はそれを見て気を遣ったか、行軍の速度を落とすよう兵たちに下知をする。おそらく、諏訪子の身に疲れが出ていると考えたのだろう。彼女自身は、別に褒めも咎めもすることはない。部下たちの気遣いに甘えるように、じいと眼を閉じていた。
どこか遠くに行ってしまって、やっては来ない眠気を探そうとするみたいに、諏訪子はふツふツと思い出す。八坂神奈子が諏訪にやってくるまでの、三十余年のできごとを。人の少女の姿を取り、トムァクと共謀して守旧豪族であったウヅロ一族を追放し、両諏訪を統一して新たな国を築いたことを。その間、いくさは幾度かあった。東から侵入してきた佐久勢を押し返し、大勝利をもぎ取ったこともあった。かと思えば伊那へ出兵しての痛み分けの結果、交渉を行って互いの領域を確定させたということも。それは、すべて諏訪子が勅を下し賜うて行われてきたことである。“諏訪さま”であったころの洩矢諏訪子が。
とはいえ人は勝ちに驕るものだ、紅顔の少年少女がやがては年老いてしまうように。
あるいはトムァクたち豪族における政の腐敗は、神威をも冷徹に利用せねば国家は治まらずということを知ったがための帰結であったかも知れぬ。そしてそれを為すことは、諏訪子自身もまた同じであるのかも知れぬ。国家において革め(あらため)を成すには己に傷をつけて膿を出し切らねばならぬし、そのための刃も要るものだ。ウヅロはそのために死んだのである。“諏訪さま”に追放され、いずこかで病に苦しみながら野垂れ死んだ。
今このとき、辰野のユグルもまたウヅロと同じ地平に立つ者であると証することはできない。できはしないが、少なくとも――今ふたたび、諏訪子の手にはウヅロを放伐したときと同じ重みのつるぎが握られているのかもしれなかった。それを、いったいどこに振るうかだ。ユグルへ向けてつるぎを振りかざすことは、神奈子自らがやってくれる。では、自分の握るつるぎの鋭さは?
誰にも気づかれぬよう、諏訪子はわずかながらに身を起こした。
そして軍勢の進む先へ向け、ひと振りの利剣を模して指を突きつけたのである。その十数里も先にはすでに八坂神が到着して、決戦の準備を着々と進めているだろう。諏訪をはるかに超えて科野という領域をひとつの国家とするために、旧きものすべてと対決する彼女が。ならば自分は、その神奈子につるぎを向けるのだ。
野分(のわき)のように押し寄せる熱情を、しかし諏訪子は急に怖ろしく思った。
振りかざした指を引っ込めると、彼女の眼は、そこにどろりとした血の流れがこびりついているかのように錯覚してしまったのである。
「神奈子がわたしの敵……? ばかな」
ごくりと唾を呑み込む音は、積もる雪を踏み砕く将兵の足音に阻まれて、諏訪子自身にも解らなかった。