私は今日のおゆはんについて考えて人里に向かっていた。
久しぶりに主のいない夕餉。たまには何か目新しいことに挑戦してみようか。
「どうせ食べるのは私と美鈴くらいだし、おもしろい物はないかしら…… あら?」
見覚えのある狐ね。
油揚げでも特売しているのかしら。
見たところ、何か売っているみたいだけど……
「何をしているの?」
「あ、紅魔館の。紫様が外から持ってきたものを売っているんだ。良かったらどうだ?」
「……なにこれ? 赤いから血か薔薇か赤ワインか何か?」
「これは『握り寿司』だ。いなり寿司は知っているだろう? これは酢飯に生の魚をのせたもので……」
「さかな?」
「海を泳いでる魚だ。私も少し食べたがなかなかうまかったぞ。ほら、最後の一袋だ」
ふむ、握り寿司ねえ。スキマ妖怪が持ってきたものなんて信用ならない気もするけど……
ま、いっか。物は試しで買ってみようかしら。美味しかったらお嬢様にも食べさせてあげましょう。
「じゃ、それちょうだ……」
「待ったっ!!」
――――――――――――
「うふふ、どこにしようかしら」
私の名前はアリス。七色のマーガトロイドよ。
今日は、人里に行って家を探す予定よ。
誰が住むって?
そんなのもちろん決まっているわ。
私と、私の愛する恋の魔法使いさんよ。
「ねーえ? 魔理沙はどこがいい?」
「ソウダナー ワタシハオダキュウエンセンゾイガイイトオモウゼ」
さすが丁寧に作っただけあって今回の魔理沙は調子がいいわ。
これなら完全自立魔理沙の夢が叶うのも、もう目と鼻の先ね。
「マァ、アリストイッショダッタラドコダッテアイノスダゼ」
「こら、魔理沙ったら」
あぁ幸せ。早く家を決めて、家でのんびり魔理沙といちゃいちゃしたいわ。
――――――――――――
「なに?」
「その握り寿司を私も買いたいんだが」
急に後ろからと呼び止められたと思ったら、半人前じゃないの。
「ん、妖夢か。主人の分ならすでに紫様が届けたと思うのだが」
「あれだけじゃ足りないそうで、人里に売ってる分を全部買ってくるよう、命を受けたのです」
「あら、私のほうが早かったんじゃない? それに最後の一個みたいだからいただいてくわ。独り占めはいけないわよ」
「ま、待ってください。ここはひとつ弾幕ごっこで決めませんか。買ってかないと幽々子様に何をされるか」
「そんなの私の知ったことじゃないわ」
「むむむ……」
ちょっと可哀想かしら?
お嬢様の分だったらまだしも、私の分だし譲ってあげようかしら。
「だ、だったら」
「ん?」
「これをあげますから!」
「なにこれ? ぼろぼろの八卦炉? なんで貴方が」
「ここに来るときに拾ったんです。何か貴方が欲しがってたと耳に挟みましたし、ちょうどいいかと……」
「拾った物他人にあげるなんて、逆に失礼じゃないの?」
「う、確かに…… じゃ、じゃあ」
「いいわよ。この八卦炉で手をうってあげる。じゃあ弾幕ごっこね」
「本当ですか?! では……早速!」
全くの私情で弾幕ごっこをやるなんて。
久しぶりだし、楽しもうかしら。
「最近あみ出した技、『想符 過去の自分』!!」
そういって妖夢は念じる体勢にはいった。なにかしら…… !!
な、妖夢が3人……?!
「な、なによそれ。そんなの貴方使えなかったじゃない」
「最近あみ出した分身術です。言うことはあまり聞かないですが」
「幽々子様の喜びのため、あいつを斬る!!」スイムー
「よし! って、あれ、剣が……引っ掛かって抜けない……」エイヤー
「はぁ。ふたりとも一旦落ち着いて。行きますよ!」シンレイー
1体3か。
辛いけど妹様よりは1体分マシだわ。
さぁ私のおゆはんのため、負けてもらうわ!!
――――――――――――
やあ、俺の名前は毛玉A。毛玉の中でもとりわけ元気な、男の子だぜ。
隣にいるのは毛玉B。幼なじみであり、俺の恋人。
今日は魔界から、幻想郷にデートしに来たんだ。
幻想郷は巫女にさえ気をつければ、とてものどかだしいい所だな。
「毛玉B、ぽかぽかしてていい天気だな。ほら、あそこにひまわりが咲いているよ」
「元気なひまわりね、毛玉A。あれ? あそこに誰か居るわ」
「! 妖怪か? 安心しろ! 俺が守ってやる」
彼女の前だからカッコつけるぜ、へへ。
……ん? あれは、まさか。
ドドドドドド
「ユウカさん?! ユウカさんじゃないか?!」
「あら、貴方達は、毛玉Aと毛玉Bじゃない。元気してた?」
「ユウカさん?! よく昔三人で遊んでたユウカさん?!」
「そうね。久しぶりね貴方達。そう、貴方達付き合ってたのね……」
久々にあった幼なじみのユウカさん。
彼女はどんな気持ちで俺たちを見ているのだろう。
――――――――――――
「もらった」
「残念。そこに私は」
いないわ。時を止めて一体の妖夢の斬撃をかわし、後ろをとりナイフを展開する。
他の2体は…… 攻撃の気配はないわね。
解除。
「?! いない……」
「どれが本体か分からないけど、とりあえず1体」
「……まだまだ!」
上から下に剣を振り下ろした勢いでで半回転した妖夢はこちらに向かって
弾幕を出し、ナイフを弾く。
「っく……」
私はそれをなんとかかわし、体制を整え……って。
「きゃっ」
「あぁ、私!」
ナイフを弾いた弾幕の残りが別の妖夢に当たり、1体がひるむ。
チャンス。
「プライベートスクエア」
再び、私の時間。
――――――――――――
「おー こ、これが」
「ふふふ、そう。これが八卦炉いらずの新アイテム『九卦炉』だっっ!」
「すごいぜにとり! 試し撃ちしていいか?」
「はい、どうぞ。そういや、従来の八卦炉はどうしたの?」
「あー? お前が八卦炉いらず、って言うから捨ててきたぜ。大分がたが来てたしな」
「そっか」
「よし、いくぜ。マスタースパーク!」
「あ、魔理沙!! そっちは人里……」
ヴォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ
――――――――――――
「さ、もうすぐ人里よ、魔理沙」
「ソウダナー マズハオチャシタイゼ」
「ダメよ。家を決めてからにしましょ」
「ワカッタゼ。アリスガイウンダカラショウガナイナ」
うふふ。素直な魔理沙。
あれ、なんか光が……
ヴォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ
――――――――――――
「あぁ、そう。いや、いいわ。貴方達が仲良くしているなら構わないわ」
「ユウカさん……」
「もし、嫌じゃなかったら今度3人で飲みましょう? 積もる話もいっぱいあるし」
「そうですね。じゃあ今度魔界で…… ってあ?!」
「どうした毛玉B。……ん? 何だ光が!」
ヴォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ
――――――――――――
解除。
今度は3体の目の前にナイフを投げつけた。
反応できるかしら?
「?! くそっ……」
「なんとか弾いたようね、でも……」
ルミネスリコシェ。
弾いたナイフをもう一度弾かせるようにナイフを投げる。
それによって不規則な軌道を描き、ターゲットに……
「なによあれ?!」
「え? うわっ!」
ヴォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ
――――――――――――
そう、お空の力を抜き取りにとりが作った九卦炉から出されたマスタースパークは、
幻想郷すべてを飲み込んだ。
幻想郷は核の炎に包まれた……
「はっ!」
……夢か。
なんだ? この悪夢は。私は確か胡蝶夢丸を飲んだはずじゃ……
こ、これは?!
『胡蝶夢丸ナイトメア』じゃないか。
まったく、てゐがいたずらしたのかな。後でお仕置きしてやらなきゃ。
がっしぼか
鈴仙は仕返しされた。
フェムート(笑)
終わり
以上7名の鬼畜たちの希望を叶えた作者に称賛を贈りたい
ともあれ、創想話作家スレの奴ら鬼畜すぎるだろうwwwww
勇敢な作者に敬礼!!!
453 ジャンル 寿司バトル
ガジェット ドラムスティック
登場人物 中有の道のテキ屋とオルレアン人形
455 毛玉AとBと幼なじみのユウカの三角関係の恋愛成分を軸にした、ブギーポップみたいなセカイ系学園物
458 萃夢想妖夢VS永夜抄妖夢VS神霊廟妖夢
460 ベン・トー見たいな感じの人里でおゆはんの食材を取り合う幻想郷少女たち
462 魔理沙とアリスが小田急沿線で新居を探す話
なんだこれwって思ってたら…本当にあったスゲェww
なんという無茶ぶり
あともったいないから、落ちはマスパじゃなくてヨグ=ソトースさん使えば良かったと思うの。
じゃあ次ぎのお題を伝える準備始めるわー
あんた最高だwww
笑いが止まらんww
誤字報告を
あらだけじゃ足りないそうで
あ「れ」だけ
訂正しました。