かつて、魔理沙に敗北したロリスは、燃費の悪い成長の魔法で見栄を張り、護衛として人形を創造し、その人形で軍団を作ることに成功した。
先日 人里で巨大破壊兵器による侵略行為をしたが失敗したロリス。大けがし、自宅で療養中のロリス、もとい人形遣いアリス・マーガトロイド。
その手際を賞賛した幻想郷の著名な勢力の報酬に囲まれながら、
事件を納めてくれた幻想郷の調停者が、報酬の酒を飲む傍ら、お見舞いに来てくれた唯一の友人魔理沙の居る側でベッドに座りながら、テクノマニアックで知られる河童から送られてきた計画書を読むアリス。
病室でカッパからの計画書を読むアリス。読むなり「これはすごい」と舌を巻く。
アリスは幻想郷のもう一人の魔法使いパチュリーを誘いカッパの元へ。
アリスの操縦技術、カッパのメカニカル、パチェの大魔道。
これを会わせた超兵器の開発が始まる。
アリスは念願の決戦兵器超ゴリアテのため。
パチェはアリスに書物の技術を確かめより理解を深くする機会とさとされ、
カッパはメカニックとしての純粋な興味という。
あまのじゃくが協力を申し出るが、誰も信用しない。それでもめげず、彼女は材料の収集を手伝う。実際に役に立った。報酬は何か?何も要らない。あまのじゃくは気まぐれなのさ。とキザに構えるのみ。
アリスの操縦、パチェがエネルギー供給、にとりがメカニズムを作る。
完成。
「ついにキューカンバー20ができた」と河城にとりはレンチと共にオイルまみれになりながら歓声を上げる
「超ゴリアテよ!」とアリスちゃん。
「キューカンバー20!」と河城ニトリはゆずらない。
「アリスのキューカンバーでどう?」アリスは折衷案を提示してみる
「それならニトリのゴリアテの方が良い」河城にとりはそれに乗る
「アリス20はどう」とアリスは気に入らない
「ニトリ20の方がいいだろ」
「それじゃ全部そっちの名前じゃないっ」
「超キューカンバーは?」
「カッパ界の有名なお菓子と同じ名前になっちゃうだろっ」
「初耳よ、そんなお菓子っ!」
「キュウリ味のスナックなんだ。水っぽいんだよ」
「うう。まずそう」
アリスは魔法の森占領の夢を機会に見る
パチェはレミリアとフランに見せてあげたいなと思い
にとりは完成しただけで満足という。
レミリアとフランに魔法の森を占領する超ゴリアテを見せようと話がまとまり出発
パチェがクリスタルに入り魔法力を供給、超ゴリアテは動き始める。
パチェリーは本を原っぱに置き忘れたことに気がついて、ちょっと出ようとする。
しかし、クリスタルは開かない。
「魔法を吸収するクリスタルから出るには物理的に破壊しなければいけないよ。細腕のパチュリーには無理だね」とニトリは冷たく腕を組む。
パチェは強制的に動力源となり、超ゴリアテに取り込まれる形となった
「開けなさいよ。」
「かくかくしかじか。というわけで出すわけにはいかないのさ」
「仕方ないわね。」持っていた本を読み始める
アリスはパチュリーの閉じ込められたクリスタルをだむだむたたいた後
「ちょ、ちょっと、そんな悠長な。ニトリ、どういうつもりなの?」河城にとりに向き直るアリス。
「ふん、ごめんねアリス。でも君にも協力してもらうよ。」
四方八方の藪から河童達が出てきてアリスを囲む。
仲間が出てきて気が強くなった河城にとりはアリスに告げる
「このキューカンバー20の操縦者になって欲しいんだ」
「パチュリー大丈夫」アリスは河童を無視してクリスタルに囚われたパチェに気を遣う。
「大丈夫よ、とりあえず操縦しろって言ってるわ。」
「操縦は嫌じゃ無いけど、むしろやりたいけど」
「私のことはひとまず置いておいていいわ。河童がやりたいことをやったら出してくれるんじゃ無いの」
「いいの?」
「いいわ、河童に従いなさい。アリス。」といってパチェは本を読み始めた。
アリスは立ち上がり河城にとりと対峙する。河城にとりは周りの河童と共に悪い顔で笑った。
「さあアリス、キューカンバー20に乗るんだ」
「うん!超ゴリアテね。」
「嫌と言ってもやってもらうよ、」
「うん、いいよ。」
「仕方が無いな、かかれっ」
鎧袖一触。河童達はアリスに一蹴される
「にとりっ、アリス強いじゃないか!」
「前に戦ったときは一対一でもいいところまでいったんだよ。お前ら弱すぎじゃん」
「そんなわけないだろ、私たちはほぼ互角だよ河城にとりっ」
「そもそもにとりも瞬殺されているじゃないか」
「私はキューカンバー20の制作で疲れ果てているんだよ」
パチェは結界の中でくすっと笑う。
にとりは憮然として横目でパチェをにらむ
「虜囚の方、何がおかしい」
相変わらずクリスタルの中のパチュリーはホワイトボードを胸の前に掲げる。
前もって書いていたらしい。
アリスは嫌と言っていないわ、書かれていることを口で読んで聞かせる。
河童達はパチェの進言を受けるなり一斉にアリスを見る。
仁王立ちしたアリスは何も言わず片頬を膨らませてみせる。
「解らん」と素直な河童
「わたしも」と呼応する河童
「どういう意味だ?」と河童はアリスに聞かずに河童に聞く
「見て」と河童は河童仲間に片頬を膨らませてみせる。
「いみわかんねー」河童どもたちまち調子に乗り始める
「アwリwスwww」同じ内容をくどくど言い合う群体生物の河童共
ばんばんと軽い音が響く、河童達達が気になって振り向くと
パチェが結界の内側からたたいており、あっちを見よと指を立てる。
誘導されてみると殺気だったアリスが空に浮いていた
アリスの奥義グランギニョル
ピピピピピチューン カッパ達はやられる。
「操縦者になってくれるならそう言ってくれればいいじゃないか」
「うんっていったでしょうがっ!」
「実は事情があるんだ」ぼろぼろの河童達はようやく語り始める。
悪の化身天狗。奴らに我ら河童は奴隷にされている。奴隷解放だ。我々に自由を!自由のために剣を!
「そんな大切な用があるなら私を馬鹿にしている場合じゃないでしょうがっ」
「アリスwww・ぎゃあ、アリスちゃんすごい腕力だよっ」
いまだアリスを侮る河童の一人がアリスのアプソリュードディザスターの餌食となった。片手で頭を掴み持ち上げて雷の魔力を注ぎ込み、最後にはじき飛ばす大技だ
超ゴリアテを完成させた河城にとりは河童達同胞に対して天狗への反乱を宣言した。
カッパどもは怖じ気づくかと思いきや、あにはからんや喝采をした。
そこには、意外にも天邪鬼鬼人正邪の活躍があった。
超ゴリアテの作成期間より、彼女は暇さえ有れば河童達に演説と説得で反乱軍の土台を作りあげていたのだ。
反乱をすると決まった河童達の行動は素早い。
超ゴリアテの量産を企むが不可能だった。代わりに廉価版を作る。
パッチェ動力源は唯一無二なので量産は不可能。代わりに小妖怪を動力とすることに決める。
アリスも一人しか居ないため複雑な操縦は不可能、そこで操縦を簡単にして河童が三人乗る事で解決した。
デミ超ゴリアテが出来る。河童達はキューカンバー99と呼ぶ。
更に、それの量産型の更に小さいものが出てようやく一人乗りとなる。
二十メートル級、70の武装を一人で操縦するアリスは紛れもない化け物だった。河童達は自分たちだったら100人必要だと真面目な顔で語り合う。
魔力があり、捕獲可能な妖怪と人間を動力源として加工。低級妖怪。
オリジナルの動力源をパッチェ級と、動力源付き中級妖怪を5匹詰め込んだ物を準パッチェ級と命名。更に小型の物をむっ級と命名
反乱開始
「しょんべんたれの腐れ天狗、お前達のいいなりはもううんざりだ!これからは私たちがご主人様なんだぞ、この畜生ハーフアンドハーフ」
河城にとりのギャラルドホルンは哀しいほど品が無かった
天狗は応用迫らず居丈高に押さえ込もうとする。
しかし、超ゴリアテは強い。予想外の超兵器の出現に天狗は蹴散らされる。
前哨戦はカッパの快勝。妖怪山の麓を占拠される。
予想外の結果、天狗達は本気になる。
鬼に打診、伊吹萃香は天狗のそのずるさにむかつく。
超ゴリアテ量産品では足止めさえ出来ない。反撃すらしないで河城にとりの元に行く
「きいらよ」伊吹萃香は酒でろれつの回らぬ言い回しで聞いたよと切り出す
「ひゅい」可愛い幼女の舌っ足らずな言葉につま先から脳天まで震えあがる河童
「あんららちは、鬼に喧嘩を売ってれれかい?」
「ひゅいい、てて天狗に反逆しているのです。」
「もし天狗に勝っらら、しっかりそいつらをこき使っれ力を蓄え、わらしにも反逆するんらろ?」
「とんでもないことです」
「それはつまらないろ、反逆するように」
「はーい」
「じゃあ、天狗を蹴散らすまれここで横になるけどきにしないれれ」
鬼は寝っ転がって一人酒盛りを始める。高みの見物。
報告を聞いた天狗はいらいら。使えない奴めと心の中で思う。
社名丸ことぶんぶんは悪賢い長老天狗で有り、しばし悪巧みをしてその表情に不穏の念を漂わせたりする。しかし、彼女の本質は自分本位にあり、天狗の秩序より特ダネに喜び取材したりする。彼女は天狗の趨勢よりもスキャンダルに喜ぶ女なのだ。
その本性を知っている伊吹萃香は寝っ転がりつつも困った顔をする。目の前には喜色満面ではしゃいですらいる射命丸
射命丸は今敵の本拠地であり河童の川に居る。
そこで鬼の伊吹萃香に取材が出来るのは報道腕章のためとぶんぶんは言う。当人も本気だろう。しかし、真実は違った。ぶんぶんは天狗、河童両サイドからの負の信頼が高い。河童はブンブンならどうでも良いと思い、天狗はぶんぶんに任務など与えられないと思う。
強く、賢くありながらこれほどどうでもよい存在も他に居ないのだ。
はたてはぶんぶんと打って変わってシリアス。天狗に信任されているはたては哨戒を言い渡され超ゴリアテパッチェ級の偵察をする。超ゴリアテフラッグシップの操縦席に友人であるアリスを発見する。
接近を試みるが弾幕が濃すぎて不可能。
取って却ってぶんぶんに協力をたのむ。河童本部に居ることに驚きながら手紙を落とす。
ぶんぶんは特ダネをはたてにもっていかれると信じこばむが、特別号として共同発行するという約束で協力。
最速級の天狗二人に弾幕が散らばり、はたてはアリスに接近を果たす。
「それ以上近寄らないで」
「アリスちゃん、」拒絶されたはたての顔は険しくなり、羽うちわを握る手に力がこもる。
「自動防衛装置があるの。その他の砲門は私が操作しているけれど、今止めるからちょっと待っててね」
姫海棠はたてを認めたアリスは操縦砲台を全砲門止めて笑顔で話し始める。
「これは一体どういうこと」笑顔に不審がりながら質問をする姫海棠はたて。
「じゃじゃーん!これは超ゴリアテって言うの。ゴリアテ人形の後継機よ。デザインと操縦は自分、機械駆動は河童、動力がパチュリー・ノーレッジの三人協力して作った実験人形なの」
ぶんぶんが写真を撮りながらちょろちょろする
「動力がパチュリー・ノーレッジさん?どういうこと?」
「河童の策略により動力コアに閉じ込められているんだよ」とアリスは足下の超ゴリアテを指さす。
「見えないよ」
「実践投入の際に追加した装甲で隠しているからね。」
「アリスちゃん、今回の事件を天狗はよく思ってないよ。やめたほうがいいって」
「それは無理ね。今は敵同士だよはたてちゃん。」
「攻撃しろ、はたて」
他の天狗の命令、はたては攻撃するふりをする。ぶんぶんは忘れられている。
アリスもはたてに対し反撃するふりをする。が、声をかけた天狗には容赦ない弾幕。もう一人の天狗は手傷を負う。同胞が傷つくのを見てもう昔には戻れないと悟る姫海棠はたて。険しい目で下の超ゴリアテをにらむ。そこでははたてを見上げているアリスが居た、
目が合った瞬間アリスの澄み渡る青い瞳孔が広がり、その後、目をそらしてうつむく。
コレを見た姫海棠はたてはアリスが好きで操縦しているわけではないと悟り、アリスはやはり救うべき相手と信じる。(実際はスカートの中を見て照れただけだが知るすべは無い)
姫海棠はたては事務所で自身の特殊能力念写を試みる。
まず写ったのは、アリスの言ったとおりクリスタルに閉ざされたパチュリー。いつもと同じつまらなさそうな顔。
もう一度念写すると衝撃の事実を発見する。疲れ果てるほど念写を繰り返す。そして許されざる事実が明らかになる。
「大変だ」姫海棠はたてはわなわなと震えた。
天狗はその情報を利用する。小妖怪を捕らえエネルギー源とする非道な振る舞い。外交は成功し、カッパは想郷郷の様々な陣営から非難される。
カッパ達は事実だと認め開き直る。そして攻撃すれば中の妖怪達に危険が及ぶと逆手に取る。
天狗としては中の小妖怪などどうでもいい。だが、大義名分としてあげてしまったので攻撃しにくくなる。外野も同じく援護できない。
結局の所、天狗の同盟計画は実を結んだが、カッパの優位は揺るがないどころか決定づけられる。
天狗の山の半分が占領され、重要な砦がいくつも落とされる。
幻想郷の夜が明るく燃える。
中でも超ゴリアテパッチェ級はすさまじい。
単独では最強最速クラスのブンブンですら近寄れない。
重要拠点を単機で蹂躙する。重く見た天狗は超ゴリアテの鹵獲を企む。
操縦者のアリス暗殺計画を発動
フランちゃんを呼ぶ。ぎゅっとしてもらうため
フランちゃんがぎゅっとする。
アリスは爆発四散するかと思いきや無傷
薄透明な青いガラス片のようなものが散らばり消えたがアリスは気がついた様子が無い。
「あれー」
レミリアがフランを回収に来る
「フラン、だめでしょー能力を使っちゃ。」
「アリスなら粉砕しても大丈夫かと思って」
「死なないかもしれないけど恨まれるでしょ。それにパチェが悲しむよ」
「そっかなー」
激戦につぐ激戦、しかし軍配はカッパの方に上がる。
カッパの勝利は間近。
はたては記事をまとめ、仲間の天狗に完成を頼むとゲラを持ち飛び出す
勢いづいている河童軍団の前線に飛び込み、手傷を負いながら必死でアリスを探し、
命がけでアリスに魔理沙の記事を配達した
これによりまりさが動力源として使用されているのを知るアリス。ぐったりしているのを見て半狂乱になる。最前線から転身し猛スピードで量産型ゴリアテをなぎ倒しつつ河童本部へ
超ゴリアテによる占領が完遂したと思った河城にとりは悠々としてアリスに命じる。
「ちょっと待っておくれ、あとほんのちょっとで天狗は降参するから。そしたら武装解除できるよ。」
アリスの耳の手前に、ほんの小さな隙間が現れる、姿は示さずただささやき声で
「あなたならわかるでしょう、アリス。人間はそのほんのちょっとで取り返しのつかないことになるものよ。たとえ幻想郷でも失った者はとりもどせないわ」
降伏をのみ、調印しようとしている天魔。
その目の前でにとりが巨大な指につかまえられる ひゅい!
超ゴリアテの手の中でニトリはアリスの悲痛な質問を受ける
「魔理沙はどこ?」
「どうして今なんだ」にとりはじれて自分を捕まえるゴリアテの指をぽこぽこ叩く
「一刻を争うのよ」
「こっちだって大詰めなんだ、魔理沙なんてわからないよ。」
「もしこのまま魔理沙が、魔理沙が…」まぶたの裏に弱った魔理沙が膝から落ちる姿を見る。人間であった自分には人間の脆さはよく解る。取り返しがつかない。いや、残機があれば取り返しがつくが、魔理沙のことだから無茶をして使い果たしているかも知れない。そうなったならもう会えない。しゃべれない。触れない。
まぶたを締め付ける力は同時に喉を絞め、言葉はおえつとなり後が続かない。突如として心臓が燃え上がり体中が怒りで満たされていく。
憎悪の瞳で河城にとりをにらみつける、溜まった涙が空にこぼれた。
「魔理沙が死んじゃったら、あんた達、カッパも天狗も皆殺しにしてやるんだから!」
見えない机をたたくように腕を振り下ろした瞬間光輝き、一瞬墓土の臭いが広がった。
光が穏やかになった時、そこにアリスは居なかった。
その代わりに六歳くらいの金髪碧眼の美幼女が相変わらずの泣き顔でそこに居た。赤かったカチューシャを青色に染め、束ねられた金髪と青いフリルの幼児服を魔力の暴風にはためかせている。
見た目は幼くなったが放たれる魔力と威圧感はexのそれ。
死んでも本気を出さない主義のアリスちゃんだが今は必死になりすぎて本気状態。ロリスの魔力が超ゴリアテに力を与える。
前より可愛くなっている怒鳴り声は「邪魔よ」と超ゴリアテに魔力を注ぎ、全砲門から放たれたビームが全て雲へと吸い込まれていく。
しばし後雨のようにビームが降り注ぐ
離れた場所で流れ弾を裁いていた風見幽香ことユウカリンは、雨を見て傘を差し、はたけを守るために植物を巨大化させ傘の代わりとした。だが振ってきたのはビームで畑はメチャクチャ。
。いくつか直撃したはずのユウカリンは恐ろしいことに無傷だが、巨大植物は穴だらけでその下の植物も穴だらけ。
穏やかな表情のユウカリンは悪鬼の表情になり、狂気の目は豆粒より小さく見える超ゴリアテをすぐさま見つけ、砲塔のような傘をそちらに向けた
超ゴリアテの操縦席には懐かしいロリスが居り、泣きながら口をぱくぱくさせていた。
「あらら、」
ユウカリンは傘を下ろし、「泣いているのね」と優しいことを無表情に言った。
超ゴリアテからは今もぞっとする威力のビームが矢継ぎ早に放たれている。
ゆうかりんの表情はまた穏やかに戻りどうしようかとしばし考え、きびすを返し、穴だらけになった植物たちの世代時間を早めてまた緑を為す。瞬く間に枯れ、瞬く間に芽吹き、瞬く間に実り、すっかり元の通りになる。踊りを踊るようなこの植物の有様は好きだが、かわいそうなので自発的にはしない。機会を与えてくれたアリスにはある意味感謝。
見逃してあげるわ
やばい、けん制ビームで山に穴が開いたぞ
「天狗っ、さっさと降伏書に調印して」にとりはまたビームが振ってこぬかと空を気にしながら調印書をたたく。先ほどまでは筆を執り前屈みになっていた天狗だが、いまはふんぞり返り筆の尾骨を唇の下に押しつけている。
「まてまて、アリス殿。誰かを探しているのか?それなら天狗にはとっておきの人材が居るぞ」
超ゴリアテの操縦席から立ち上がったアリスはにとりの横に座る偉そうな天狗に目を向ける。墓土の臭いはアリスの相貌から放たれ、天狗は平気そうだが隣の河城にとりは総毛立つ。
「きっ、聞くんじゃないアリス。天狗は嘘つきなんだから」と歯の根も合わぬ成りがんばって口をきく河城にとり。
「犬走椛を呼べ」と天狗は聞こえなかったように仲間に命ずる。
ただちに犬っぽい可愛い天狗が鴉天狗に抱っこされて届けられた。
千里眼のもみじ
「誰ですあなた」出会いしな超ゴリアテの操縦席にいるアリスに質問する犬走椛。犬走椛を紹介した天狗はどきりとしてアリスの顔を伺う。アリスは気にした様子を見せず「そんなことより、魔理沙を探して」
千里眼を疑いもせず命令を下し、犬走椛は嫌そうな顔をして側に居る偉そうな天狗を伺うとやはりやれとうなずかれたので目を瞑り探す。
「ここから北北西に一キロ先の…」指を指し説明を始めた犬走椛は超ゴリアテに鷲頭かみにされて飛び去っていく。
残された天狗はにとりに対してにやーっと嫌な笑いで笑う。
河城にとりは負けたわけではないと思いつつも、あたりの河童とともに怯えはじめる。
高速移動する超ゴリアテは受ける暴風の中で腕を動かし、操縦席の中に犬走椛を押し込める、
「こっちで合っているのね」とアリス。
「はい。」と答えて目を横に流す。8歳ぐらいのとんでもなく美人な女の子
「あなた誰です。」と犬走椛は再び質問する
「今急いでるのっ」
目の前に見えてきた量産ゴリアテ
たちまち大きく成り
その速度にもかかわらずし損ずることなく捕まえる。
動力源を出せと命じると素直に応じる量産ゴリアテの操縦カッパ
「あんた誰?キューカンバー20の操縦者はアリスって聞いていたけど。」
「超ゴリアテっ」
アリスは量産ゴリアテに張り付いて装甲越しにクリスタルをのぞき見る。
「居たっ、魔理沙っ」
声に驚いた操縦河童はアリスの隣に降りてきて同じようにクリスタルを見る。
そこにはクリスタルには閉じ込められたまりさが居た。
「なんでまりさがクリスタルに」一番はじめに疑惑の声を上げたのはアリスの横の操縦河童だった。
「白々しい」とアリスは憤怒のあまり無表情になる。
「いや、確かに小妖怪はエネルギー源にしたけど、人間はしてないよ。だってガソリンタンクにオリーブオイルを入れるようなもんだもん。不安定な装置は組み込みたくないし、なにより人間は盟友だからね。」とサムズアップをする河童。それをアリスは河童を睨み返し、河童はふて腐る。
隣に居た犬走椛が弾かれたように立ち上がりあたりを伺う。すさまじい殺気を感じたような気がしたが、千里眼が写すのは緑深い森ばかり
「すぐに魔理沙を外に出しなさい。盟友なんでしょ」
「解ってるよっ、だけどクリスタルを出すにはコアを開けなきゃいけないんだ。コアを開けたら無防備になるし、クリスタルを取り出したら代わりを持ってこないと動かなく成っちゃう。」
「どうやってコアを開けるのよ?」
「簡単さ。両手をコアに付けながら秘密の暗号を唱えるんだ。」
聞くやいなやアリスはさっそく操縦席から飛び出しコアに両手を付ける。
「暗号は?」
「アリスは一人ぼっち。アリスは一人ぼっち。」
「殺すわよ」またぞっとしてあたりを見渡す犬走椛、そして感じない河童。
「ふざけてないよ、ほんとうなんだっ。」
「あたしは一人ぼっち あたしは一人ぼっち」開かない。殺気に満ちた涙目を操縦河童に向けるアリス。
「ダメだよ変なアレンジしちゃ。ちゃんとアリスはひとりぼっちと言って。二回言うんだ。アリスって言うのはほら、あの魔法の森に住んでいる変な奴の事。あいついつもひとりぼっちで粋がってるでしょ。あいつ。あの勘違い。」
うーと低くうなったアリスはふたたびコアに両手をつき不本意な暗号を唱える。
「アリスはひとりぼっち。アリスはひとりぼっち」怒りが抑えきれず完全に不必要な魔力が空に立ち上るのをみて、犬走椛は居心地の悪さを感じ始める
暗号によりコアが開き、クリスタルが排出される。
「クリスタルはどうやって開けるの」
「クリスタルが開くわけないでしょう。割るんだよ」
「魔理沙ごと割れたりしない」
「そればっかりはやってみないことには。まあ理屈で言えば大丈夫じゃないかな。もし魔理沙共々割れることがあっても、それはもうとっくに魔理沙がクリスタルに浸食されきってお陀仏になっている証拠だから、しょうがないよね」
アリスはうなずきながら内心で、もし魔理沙が助からなかったらこの河童を八つ裂きにしようと決意を固めつつクリスタルを割る。
クリスタルは真っ二つになるかと思いきや、思いの外粉々に砕け、粉雪のようにきらめきを残して大気に消えた。
魔理沙はきえつつあるクリスタルの粉雪を体中できらめかせながら地面に残され倒れている。
アリスは魔理沙に駆け寄るなり抱き起こす。すぐさま魔理沙の手を握り魔力を分け与える。
しかし、声をかけても反応がない、揺らしてもだめ、アリスの目からこぼれる大粒の涙が霧雨魔理沙の顔にびしびし落ちる。
スコールの如き大粒を頬に感じながら魔理沙はうめきながら目を開き、アリスと目が合うなり眉間にしわを寄せる。瞳孔が小さくなり大きく成り、やがて落ち着くと満面の笑顔
「アリスか?」
「そうよっ、バカ、心配したんだから」
操縦河童はこれを聞いてぎょっとする。犬走椛はああそうかと思い、先ほどからの殺気と結びつけ大汗をかく。
「なんで本気モードなんだ」
「えっ、それは」はじめて自分がロリスになっていると気がついたアリス
「待った」と魔理沙は震える手足を使い立ち上がる。「とうっ」と言いながら左手をまっすぐ頭上に上げ、右手を拳にして耳の横に、片足を上げてウインクをして、足をぐらつかせながらも可愛いポーズを作ってみせた。そのまま猫背に戻ると藪に消えて10分。ずぶ濡れの魔理沙がどろあを上げながら戻ってきた。
「なんでずぶ濡れなの」ロリスからアリスに戻ったアリスが尋ねる
「監禁生活でうんこ漏らしちゃってたから藪にうんこを捨てて、けつとドロアを洗うために水の魔法をつかったの。そしたら何故か大魔法並の威力になって」
弱っているせいか女の子言葉で話す霧雨魔理沙。だがけつはけつ、うんこはうんこと表現した。
「ちょっと、汚いわね」
「しょうがないだろう。一ヶ月ぐらいとらわれていたんだぜ」
「四日よ」
「嘘だあ。すごく長く感じたよ」
「バカ魔理沙」
「いいのかよ、都会の魔法使いがうんこ漏らしの魔法使いに抱きついて」
アリスは回した腕に力を入れてより密着した。
「洗ったならいいわ」
アリスを抱き返しながら魔理沙は自分の指先から出る魔力を気にした。
「なんでわたしゃぁ魔力に充ち満ちているんだ、道具を使わなくても魔法が使えそうな勢いだぜ」
「それはアリスさんがあなたに分け与えたからですよ」と犬走椛
「なんで?」と魔理沙は解らない
「死んじゃったと、思ったんだから」
泣きながら顔を上げるアリスにぐっときて魔理沙は抱き返す
「生きてるのぜー」だが台詞は凡庸、決まらなかった
「やあ、アリス。そこに居たの?」秘密の暗号を教えた河童は顔面蒼白、
「アリスちゃんだったんだね。噂は聞いていたけど、そんな可愛い変身姿だとは思わなかった」
「誰がひとりぼっちなのよ」
「それは、にとりがね」
「誰が変な奴なのよ、誰がどう勘違いなのよ」
「ひゅいい」
20分前の同じ場所、河童がコア開閉の暗号をアリスに教えていたとき、藪には天狗が潜んでいた。
いいことを聞いた、と思いつつ真偽を見るために潜む。はたしてアリスはコアを開け中から動力源を摘出して見せた。
盗み聞きしていた天狗は藪から飛び立つ。
情報源の操縦河童は天狗を認めるなりあっと悲痛な声を上げるが、見送るほか何もできなかった。
幻想郷最速であり、もっとも結束能力の高い天狗は瞬く間に情報を共有し、コアを破壊するための反撃に出た。
天狗達の黒い羽が空から舞い落ちる中、あらゆる口がアリスちゃんへのザンボウを唱える。
負けじと河童もアリスちゃんへの孤独を赤裸々にし防御の構えとする。コアを閉める合い言葉は「アリスは勘違い」なのだ。
しかし河童と天狗では地力が違い、その小規模戦闘は必ず天狗が勝利した。
量産ゴリアテは次々とコアを破壊されて八雲立つ。もっともこれは炊事の白煙ではなく機械が壊れた黒煙。
偉そうな天狗は未だ河城にとりの前で調印書を挟みにらみ合っていたが、傍らにカラス天狗が降り立ち、耳打ちを受けたとき、満足気にうなずくなり降伏書を手に取る。ぱっと表情を明るくするにとり。
だがそれをびりびりに破く天魔
ずるいぞっとにとりは涙ぐむ。
形成はどうしようもないほど傾いた。決戦兵器は戦線を離れ、通常兵器は破壊し尽くされてしまった。
河城にとりは逃げ出す。すぐ前に居た天魔はもはや追いかけもしない。きびすを返して幕僚へと引き下がる。もはや勝負はあったのだ。
だが河城にとりは諦めず、敵だらけの硝煙消えやらぬ戦場を抜けてアリスが向かった方へ飛んだ。
一念が功を奏したのか、はたまたもう河城にとり以外は決着がついたものと考えていたためか、無事アリスの元にたどり着くことが出来た。
「ねえっ、アリス、キューカンバー20に乗って」
「嫌よ、マリサをこんなにしたくせに!…超ゴリアテ。」
傍らを見ると魔理沙はずぶ濡れ。
申し訳ないという気持ちとなんでずぶ濡れなの?という気持ちが三対七ぐらいの割合で兆す中、耳はサイレンが鳴るのを聞いた。
逆ギャラルドホルン。
それは終戦の音だった。
カッパは破れた。
なまじ健闘しただけに天狗は激怒している。カッパはただただ震え上がる。
天魔様のご温情により命は助けるとのことです。しかし、このたびのことは許しがたく、以後、河童達には電気ショック機能付きの監視首輪を義務づけることに居たしました。電気ショックのリモコンは全ての天狗に支給される予定です。あなた方はまずそれを納品してください。首輪のデザインは自分で決めていいですよ。一生物ですからね
「そんなの、奴隷以下じゃないか。」
「奴隷が反乱を企てしくじったのです。奴隷以下になるのも当然でしょう」
「神も仏もないのか」
「山の上に居るでしょう」
「あいつか~、手ぬるいぞもっとやれという声が聞こえてくるようだ。」
おうおう、どいたどいた
海を割るように一堂に会する天狗をどかしながら武蔵野を片手にモノブロスが入ってくる。違う、もっと悪い。鬼だ。鬼の見るからに強そうな方の星熊勇儀。
「よう、河童共、こんかいのあれ楽しかったな。褒美をやるよ」
と武蔵野をみとりの口に押し当て、間も待たずに傾ける。みとりは急性アルコール中毒で気絶。
あららとあまり気にかけぬ星熊勇儀は天狗に向き合い、ほどほどで許してやるように言う。
天狗は鬼が怖いような、どうやって騙してやろうかというような複雑な顔をする。それを見た勇儀は罰を与えなくちゃなと言いながら傍らのカッパにゴリアテパッチェ級にまだ搭乗員はいるかとか、爆発せぬかとかいろいろ聞いた後、安全としれるやパンチを食らわした。いくらパチェとアリスがいないとはいえ天狗総掛かりでも落とせなかった40メートルのマシンが跡形もなく蒸発する。怪力乱心恐るべし。
星熊勇儀は固めた拳を拡げて目の前の天狗の肩を抱いた。
「よーし、宴会だ。天狗と河童で宴会だ」
星熊勇儀が武蔵野を掲げると大気がそれをかすめ取り、器の酒を干しながら収縮し形を為していく。
「宴会なら参加するろー、天狗と河童と鬼の宴会らろー」
星熊勇儀の杯を持った伊吹萃香が既にへべれけの体で出現した。
秘中の秘、天狗の奥殿であるはずのふすまが音を立てて開かれる。
「巫女も参加いたします」となぜかどや顔の東風谷早苗が緑風と共に参上する。
隣のふすまがまた乱暴に開かれ「戦神降臨!!」と八坂神奈子様。
案の定対岸の襖も壊れる勢いで開かれ「復活の邪神!!」とけろちゃん。
天狗は続々やってきた疫病神にげんなりし、鼻白み、河童に対する締め付けを諦めることにした。
本部の状況を知らず、一人レコンキスタを誓う河城にとりは天狗に連行されているアリスとクリスタルに入ったパチェに追いついた。
超ゴリアテパッチェ級は鹵獲された際、速やかに無力化させるためクリスタルの破壊が試みられたが、このクリスタルのみ秘密の呪文でも壊れない。そのため本体から取り外されごころごろ転がされて天狗の倉庫まで運ばれることとなり、今運ばれている。
にとりは輸送中の天狗にうろたえおびえつつ、アリスとパチェのもとに駆け寄った
パチェはクリスタルの中にいながら大量の本に埋もれていた。
「どうやって本を?書いたの?」
「いくらなんでもこんなにかけないわ。召還したのよ」
「馬鹿な、魔法はすべてキューカンバー20のエネルギーとして吸収されたはず」
「超ゴリアテ!」
「どっちでもいいわ。」自分から外に出るパチェ。クリスタルは壊れすらしない。うろたえまくるカッパ
「静かで居心地が良かったわよ。戦闘中でも転がされているときも不思議と揺れなかったし。」
「出られたの」
「当然じゃない。」
「「馬鹿な!」」とかっぱと魔理沙
「じゃあなんではじめから出なかったのよ」とアリスは怒る
「木曜だったからよ」こともなげにパチェは言う
「木曜だったからって、なに、あの曜日に会わせて使う魔法を制限するって言う妙な自分規則のために出られなかったって言うの?」
「一つ違うわ、アリス。妙じゃなくてかっこいい自分規則よ。妙なのは人形縛りしているどこかの誰か」
「し、縛ってないもん。それはそうと、本当にそんな理由で出てこなかったの」
「まあね。緊急事態でもなさそうだったし」
「その緊急事態でもない事態で私は死にかけたんだけどな。」と魔理沙。
「そうよ、魔理沙の事を聞いたときは焦ったんじゃない?」
「魔理沙のことを聞いた時ね。そうでもないわ。ただ、あなたが本気になったときは焦ったわよ」
「なんで?」
「すさまじい量の魔力が私に向けて突撃してきたからよ。それを受け止めてから兵器や駆動系に分散するのに忙しくて本を読むどころか状況確認すらできなかったわ。だから魔理沙が危機だったことは事件が一段落してようやく聞けたのよ。」
「いつの間にか本気になっちゃって…こめんねパチュリー」
「ふん。」珍しく笑顔を作るパチュリー。
「パチュリー、ありがとな」
「あんたは本を返しなさいよ。いつまた死なないとも限らないでしょう」
「いや、死んでないのぜ。」
「バカな、バカな、バカな」と存在を忘れられつつあるにとりが三人吸い付いていく。どうしたのと聞く間もあらば河城にとりは魔理沙に語り始めた。
「だって、そんな馬鹿な事ってないよ。少なくともマリサは動力源にしないように仲間にも言っておいたのに。」
「ああ、それね。おもしろそうだから入ってみたらでられなくなったんだぜ」
コレでごまかせればと可愛いポーズを作ってみせる魔理沙。片手片足を挙げてウインク、回転しながら星も出る。
「盟友、おまえは本当に馬鹿だなあ。馬鹿なのだなあ。」魔理沙のアトラクションを見ずに自分のシューズの先についた土を見ながら河城にとりは言った。
「カッパに言われると、さすがのまりささんも結構傷つくよ。」ポーズを辞めながら魔理沙は涙ぐむ。
「にーとりっ」河童がやってきてにとりに甘えた声をかける。
「とー、盟友&その周辺と天狗ぅ」周囲に人が居たことを認識し、訂正し、ふさわしく声をかけ直した。
「「誰が周辺よ」」と魔法使いはハーモニーを聞かす。
「宴会だよっ」聞こえなかったように主意を話し、寄ってきた天狗にチラシのようなものを渡す。これを見るや天狗は顔色を変え、全員連れだって今カッパが来た方向へと慌ただしく飛び去っていった。
「何の宴会なの。」
「決まっているわ。敗北者の宴会と言ったら、腹切り前のこの世の恥をかき納めってやつよ。見に行くわ」と無表情で凄惨な想像に積極的な構えを見せるパチェ
「私も行く」アリスちゃんも鬼だった。
「私も行くぜ」と魔理沙。
河童は嫌な顔をしながらにとりの袖をつかみ、何なのこいつら?とひそひそ話をはじめる。
「いやいや、あの魔法使い達のデリカシーのなさは憤慨ものだけど、予測はそれなりにまっとうといえるんじゃないかな」
おやっという顔をにとりに見せる河童。その後突然一人で納得した。
「そうか、やっぱりにとりあの席に居なかったんだね。逃げ足早いもんね」
「逃げたんじゃなくて、レコンキスタをだね」
「いーって、いっーって。鬼と邪神が来て河童を天狗から助けてくれたんだよ。おとがめなしで今日は宴会。」
「おとがめなし?天狗は復讐しないの」
「するつもりだったみたいだけど、」と切って河童はイヒイヒイヒと肩を揺らして笑い始める。
「天狗、鬼と邪神にびびってんの。マジで、うける。雑魚丸出し。奴らのお漏らしで川の水位があがるwww明日洪水wwwポロロッカwww黄色いポロロッカwww」
「マジでww、塩分注意ww、キュウリにいい塩味ww、ただしきついアンモニア臭」
「アンモニアって言うか天狗臭ww」
「天狗マジ動物、カラスとか犬とかwwまじ獣臭いww勘弁ww」
「ねえ、あんた達のその河童同士のしゃべり方感じ悪いわよ?」とアリスの唇が忠告を始めようと震える刹那、
「アキバサマー!!!」
「マスタースパーク!!!」
隣から二筋の大魔法が放たれ河童達を通過し、後には焦げた大地と得点が残った。
「ちょっと、魔理沙。ボム打つことないでしょう。じっくりのたうち回らせようと思ったのに。」
「パチュリーこそ弱点つくことないだろ。マスパは結構継続時間が長いんだぜ。」
「アリスは何故攻撃しなかったの」
「そうだぜ」
「そっか。攻撃するところだったのか。忠告するところかと思った」
「違うわ。」
「手ぬるいぞ、アリス。霊夢だったら全ての歯を根元まで押し込んでいるところだぞ」
「ひぇ」
復活した河童ともども宴会に行き、
そこに紅魔館組も居るのを知る。微かにほほえむパチェ。
「パチェ、楽しんだみたいね」とお外用のカリスマレミリア
「楽しんだなんて…人質だったのよ、心配してくれないのレミィ」白々しい物言いをするパチェ
「虜囚のお姫様、忍び込んで襲ってあげられずごめんなさいね」と首筋にキスをするレミィ
「レミィったら」紅くなるパチェ
「パチュリー・ノーレッジ様、私はお役に立てましたでしょうか」
「ありがとう咲夜。あなたのおかげでひもじい思いをしなくて済んだわ」
「よろしゅうございました」ほっとする咲夜。
「何の話だ。」
「ケイタリングでございます」
「ほう、でもどうやってパチェの元に届けたの」
「エレメンタルに分解し、再構成したのよ」
「いえ、宅配便で届けたのです」
「どうやって受け取ったの」
「手で受け取ったのよ」
「そうじゃなくて」
「外に出て受け取ったのよ
「出れたの?」
「出れたわ。」
「そんな簡単に?」
「息をするくらいには難しかったわ。」
ふーと息をつくレミリア。
「このくらいか。何処が虜囚なのよ、賢者様にも困ったものだ」
「ずっと追いかけてきてくれたわね、レミィ」
「助けてやろうと思って近寄る度に首を振るでしょ。目も合わさずに首を振る。虜囚でしょげてるのか、助けは必要ないのか判断に困ったわ。」
「あれには両方の意味があったのよ。助けられても助けられなくても別に良かったから」
「途中で闇の仕事を請け負ったフランには出くわすし」
「パッチェさんでしょー」とフランは主語を伝えずパチェに指を指す。パチェは頷く
「ふふ、妹様は聡明でいらっしゃるわね、お嬢様よ」
「なんの話し?」丁寧な口調に怖じずにレミリアは尋ねる
「ぎゅっとしてどかーんを防いだバリアはパッチェさんの魔法だったよねというお話だよ」
「そうなの?」
「そうよ」
「虜囚どころか外の人にバリアをかけるなんて、全く手に合わないわ。それでこそパチェね。」
「おかげでこんなに楽しい宴会に参加できました」
「天狗にも河童にも鬼にも神にも無断だけどね」
「たまたま入り口の近くに居た巫女は了解してくれましたから」
「それなら完全に合法ね」
先日 人里で巨大破壊兵器による侵略行為をしたが失敗したロリス。大けがし、自宅で療養中のロリス、もとい人形遣いアリス・マーガトロイド。
その手際を賞賛した幻想郷の著名な勢力の報酬に囲まれながら、
事件を納めてくれた幻想郷の調停者が、報酬の酒を飲む傍ら、お見舞いに来てくれた唯一の友人魔理沙の居る側でベッドに座りながら、テクノマニアックで知られる河童から送られてきた計画書を読むアリス。
病室でカッパからの計画書を読むアリス。読むなり「これはすごい」と舌を巻く。
アリスは幻想郷のもう一人の魔法使いパチュリーを誘いカッパの元へ。
アリスの操縦技術、カッパのメカニカル、パチェの大魔道。
これを会わせた超兵器の開発が始まる。
アリスは念願の決戦兵器超ゴリアテのため。
パチェはアリスに書物の技術を確かめより理解を深くする機会とさとされ、
カッパはメカニックとしての純粋な興味という。
あまのじゃくが協力を申し出るが、誰も信用しない。それでもめげず、彼女は材料の収集を手伝う。実際に役に立った。報酬は何か?何も要らない。あまのじゃくは気まぐれなのさ。とキザに構えるのみ。
アリスの操縦、パチェがエネルギー供給、にとりがメカニズムを作る。
完成。
「ついにキューカンバー20ができた」と河城にとりはレンチと共にオイルまみれになりながら歓声を上げる
「超ゴリアテよ!」とアリスちゃん。
「キューカンバー20!」と河城ニトリはゆずらない。
「アリスのキューカンバーでどう?」アリスは折衷案を提示してみる
「それならニトリのゴリアテの方が良い」河城にとりはそれに乗る
「アリス20はどう」とアリスは気に入らない
「ニトリ20の方がいいだろ」
「それじゃ全部そっちの名前じゃないっ」
「超キューカンバーは?」
「カッパ界の有名なお菓子と同じ名前になっちゃうだろっ」
「初耳よ、そんなお菓子っ!」
「キュウリ味のスナックなんだ。水っぽいんだよ」
「うう。まずそう」
アリスは魔法の森占領の夢を機会に見る
パチェはレミリアとフランに見せてあげたいなと思い
にとりは完成しただけで満足という。
レミリアとフランに魔法の森を占領する超ゴリアテを見せようと話がまとまり出発
パチェがクリスタルに入り魔法力を供給、超ゴリアテは動き始める。
パチェリーは本を原っぱに置き忘れたことに気がついて、ちょっと出ようとする。
しかし、クリスタルは開かない。
「魔法を吸収するクリスタルから出るには物理的に破壊しなければいけないよ。細腕のパチュリーには無理だね」とニトリは冷たく腕を組む。
パチェは強制的に動力源となり、超ゴリアテに取り込まれる形となった
「開けなさいよ。」
「かくかくしかじか。というわけで出すわけにはいかないのさ」
「仕方ないわね。」持っていた本を読み始める
アリスはパチュリーの閉じ込められたクリスタルをだむだむたたいた後
「ちょ、ちょっと、そんな悠長な。ニトリ、どういうつもりなの?」河城にとりに向き直るアリス。
「ふん、ごめんねアリス。でも君にも協力してもらうよ。」
四方八方の藪から河童達が出てきてアリスを囲む。
仲間が出てきて気が強くなった河城にとりはアリスに告げる
「このキューカンバー20の操縦者になって欲しいんだ」
「パチュリー大丈夫」アリスは河童を無視してクリスタルに囚われたパチェに気を遣う。
「大丈夫よ、とりあえず操縦しろって言ってるわ。」
「操縦は嫌じゃ無いけど、むしろやりたいけど」
「私のことはひとまず置いておいていいわ。河童がやりたいことをやったら出してくれるんじゃ無いの」
「いいの?」
「いいわ、河童に従いなさい。アリス。」といってパチェは本を読み始めた。
アリスは立ち上がり河城にとりと対峙する。河城にとりは周りの河童と共に悪い顔で笑った。
「さあアリス、キューカンバー20に乗るんだ」
「うん!超ゴリアテね。」
「嫌と言ってもやってもらうよ、」
「うん、いいよ。」
「仕方が無いな、かかれっ」
鎧袖一触。河童達はアリスに一蹴される
「にとりっ、アリス強いじゃないか!」
「前に戦ったときは一対一でもいいところまでいったんだよ。お前ら弱すぎじゃん」
「そんなわけないだろ、私たちはほぼ互角だよ河城にとりっ」
「そもそもにとりも瞬殺されているじゃないか」
「私はキューカンバー20の制作で疲れ果てているんだよ」
パチェは結界の中でくすっと笑う。
にとりは憮然として横目でパチェをにらむ
「虜囚の方、何がおかしい」
相変わらずクリスタルの中のパチュリーはホワイトボードを胸の前に掲げる。
前もって書いていたらしい。
アリスは嫌と言っていないわ、書かれていることを口で読んで聞かせる。
河童達はパチェの進言を受けるなり一斉にアリスを見る。
仁王立ちしたアリスは何も言わず片頬を膨らませてみせる。
「解らん」と素直な河童
「わたしも」と呼応する河童
「どういう意味だ?」と河童はアリスに聞かずに河童に聞く
「見て」と河童は河童仲間に片頬を膨らませてみせる。
「いみわかんねー」河童どもたちまち調子に乗り始める
「アwリwスwww」同じ内容をくどくど言い合う群体生物の河童共
ばんばんと軽い音が響く、河童達達が気になって振り向くと
パチェが結界の内側からたたいており、あっちを見よと指を立てる。
誘導されてみると殺気だったアリスが空に浮いていた
アリスの奥義グランギニョル
ピピピピピチューン カッパ達はやられる。
「操縦者になってくれるならそう言ってくれればいいじゃないか」
「うんっていったでしょうがっ!」
「実は事情があるんだ」ぼろぼろの河童達はようやく語り始める。
悪の化身天狗。奴らに我ら河童は奴隷にされている。奴隷解放だ。我々に自由を!自由のために剣を!
「そんな大切な用があるなら私を馬鹿にしている場合じゃないでしょうがっ」
「アリスwww・ぎゃあ、アリスちゃんすごい腕力だよっ」
いまだアリスを侮る河童の一人がアリスのアプソリュードディザスターの餌食となった。片手で頭を掴み持ち上げて雷の魔力を注ぎ込み、最後にはじき飛ばす大技だ
超ゴリアテを完成させた河城にとりは河童達同胞に対して天狗への反乱を宣言した。
カッパどもは怖じ気づくかと思いきや、あにはからんや喝采をした。
そこには、意外にも天邪鬼鬼人正邪の活躍があった。
超ゴリアテの作成期間より、彼女は暇さえ有れば河童達に演説と説得で反乱軍の土台を作りあげていたのだ。
反乱をすると決まった河童達の行動は素早い。
超ゴリアテの量産を企むが不可能だった。代わりに廉価版を作る。
パッチェ動力源は唯一無二なので量産は不可能。代わりに小妖怪を動力とすることに決める。
アリスも一人しか居ないため複雑な操縦は不可能、そこで操縦を簡単にして河童が三人乗る事で解決した。
デミ超ゴリアテが出来る。河童達はキューカンバー99と呼ぶ。
更に、それの量産型の更に小さいものが出てようやく一人乗りとなる。
二十メートル級、70の武装を一人で操縦するアリスは紛れもない化け物だった。河童達は自分たちだったら100人必要だと真面目な顔で語り合う。
魔力があり、捕獲可能な妖怪と人間を動力源として加工。低級妖怪。
オリジナルの動力源をパッチェ級と、動力源付き中級妖怪を5匹詰め込んだ物を準パッチェ級と命名。更に小型の物をむっ級と命名
反乱開始
「しょんべんたれの腐れ天狗、お前達のいいなりはもううんざりだ!これからは私たちがご主人様なんだぞ、この畜生ハーフアンドハーフ」
河城にとりのギャラルドホルンは哀しいほど品が無かった
天狗は応用迫らず居丈高に押さえ込もうとする。
しかし、超ゴリアテは強い。予想外の超兵器の出現に天狗は蹴散らされる。
前哨戦はカッパの快勝。妖怪山の麓を占拠される。
予想外の結果、天狗達は本気になる。
鬼に打診、伊吹萃香は天狗のそのずるさにむかつく。
超ゴリアテ量産品では足止めさえ出来ない。反撃すらしないで河城にとりの元に行く
「きいらよ」伊吹萃香は酒でろれつの回らぬ言い回しで聞いたよと切り出す
「ひゅい」可愛い幼女の舌っ足らずな言葉につま先から脳天まで震えあがる河童
「あんららちは、鬼に喧嘩を売ってれれかい?」
「ひゅいい、てて天狗に反逆しているのです。」
「もし天狗に勝っらら、しっかりそいつらをこき使っれ力を蓄え、わらしにも反逆するんらろ?」
「とんでもないことです」
「それはつまらないろ、反逆するように」
「はーい」
「じゃあ、天狗を蹴散らすまれここで横になるけどきにしないれれ」
鬼は寝っ転がって一人酒盛りを始める。高みの見物。
報告を聞いた天狗はいらいら。使えない奴めと心の中で思う。
社名丸ことぶんぶんは悪賢い長老天狗で有り、しばし悪巧みをしてその表情に不穏の念を漂わせたりする。しかし、彼女の本質は自分本位にあり、天狗の秩序より特ダネに喜び取材したりする。彼女は天狗の趨勢よりもスキャンダルに喜ぶ女なのだ。
その本性を知っている伊吹萃香は寝っ転がりつつも困った顔をする。目の前には喜色満面ではしゃいですらいる射命丸
射命丸は今敵の本拠地であり河童の川に居る。
そこで鬼の伊吹萃香に取材が出来るのは報道腕章のためとぶんぶんは言う。当人も本気だろう。しかし、真実は違った。ぶんぶんは天狗、河童両サイドからの負の信頼が高い。河童はブンブンならどうでも良いと思い、天狗はぶんぶんに任務など与えられないと思う。
強く、賢くありながらこれほどどうでもよい存在も他に居ないのだ。
はたてはぶんぶんと打って変わってシリアス。天狗に信任されているはたては哨戒を言い渡され超ゴリアテパッチェ級の偵察をする。超ゴリアテフラッグシップの操縦席に友人であるアリスを発見する。
接近を試みるが弾幕が濃すぎて不可能。
取って却ってぶんぶんに協力をたのむ。河童本部に居ることに驚きながら手紙を落とす。
ぶんぶんは特ダネをはたてにもっていかれると信じこばむが、特別号として共同発行するという約束で協力。
最速級の天狗二人に弾幕が散らばり、はたてはアリスに接近を果たす。
「それ以上近寄らないで」
「アリスちゃん、」拒絶されたはたての顔は険しくなり、羽うちわを握る手に力がこもる。
「自動防衛装置があるの。その他の砲門は私が操作しているけれど、今止めるからちょっと待っててね」
姫海棠はたてを認めたアリスは操縦砲台を全砲門止めて笑顔で話し始める。
「これは一体どういうこと」笑顔に不審がりながら質問をする姫海棠はたて。
「じゃじゃーん!これは超ゴリアテって言うの。ゴリアテ人形の後継機よ。デザインと操縦は自分、機械駆動は河童、動力がパチュリー・ノーレッジの三人協力して作った実験人形なの」
ぶんぶんが写真を撮りながらちょろちょろする
「動力がパチュリー・ノーレッジさん?どういうこと?」
「河童の策略により動力コアに閉じ込められているんだよ」とアリスは足下の超ゴリアテを指さす。
「見えないよ」
「実践投入の際に追加した装甲で隠しているからね。」
「アリスちゃん、今回の事件を天狗はよく思ってないよ。やめたほうがいいって」
「それは無理ね。今は敵同士だよはたてちゃん。」
「攻撃しろ、はたて」
他の天狗の命令、はたては攻撃するふりをする。ぶんぶんは忘れられている。
アリスもはたてに対し反撃するふりをする。が、声をかけた天狗には容赦ない弾幕。もう一人の天狗は手傷を負う。同胞が傷つくのを見てもう昔には戻れないと悟る姫海棠はたて。険しい目で下の超ゴリアテをにらむ。そこでははたてを見上げているアリスが居た、
目が合った瞬間アリスの澄み渡る青い瞳孔が広がり、その後、目をそらしてうつむく。
コレを見た姫海棠はたてはアリスが好きで操縦しているわけではないと悟り、アリスはやはり救うべき相手と信じる。(実際はスカートの中を見て照れただけだが知るすべは無い)
姫海棠はたては事務所で自身の特殊能力念写を試みる。
まず写ったのは、アリスの言ったとおりクリスタルに閉ざされたパチュリー。いつもと同じつまらなさそうな顔。
もう一度念写すると衝撃の事実を発見する。疲れ果てるほど念写を繰り返す。そして許されざる事実が明らかになる。
「大変だ」姫海棠はたてはわなわなと震えた。
天狗はその情報を利用する。小妖怪を捕らえエネルギー源とする非道な振る舞い。外交は成功し、カッパは想郷郷の様々な陣営から非難される。
カッパ達は事実だと認め開き直る。そして攻撃すれば中の妖怪達に危険が及ぶと逆手に取る。
天狗としては中の小妖怪などどうでもいい。だが、大義名分としてあげてしまったので攻撃しにくくなる。外野も同じく援護できない。
結局の所、天狗の同盟計画は実を結んだが、カッパの優位は揺るがないどころか決定づけられる。
天狗の山の半分が占領され、重要な砦がいくつも落とされる。
幻想郷の夜が明るく燃える。
中でも超ゴリアテパッチェ級はすさまじい。
単独では最強最速クラスのブンブンですら近寄れない。
重要拠点を単機で蹂躙する。重く見た天狗は超ゴリアテの鹵獲を企む。
操縦者のアリス暗殺計画を発動
フランちゃんを呼ぶ。ぎゅっとしてもらうため
フランちゃんがぎゅっとする。
アリスは爆発四散するかと思いきや無傷
薄透明な青いガラス片のようなものが散らばり消えたがアリスは気がついた様子が無い。
「あれー」
レミリアがフランを回収に来る
「フラン、だめでしょー能力を使っちゃ。」
「アリスなら粉砕しても大丈夫かと思って」
「死なないかもしれないけど恨まれるでしょ。それにパチェが悲しむよ」
「そっかなー」
激戦につぐ激戦、しかし軍配はカッパの方に上がる。
カッパの勝利は間近。
はたては記事をまとめ、仲間の天狗に完成を頼むとゲラを持ち飛び出す
勢いづいている河童軍団の前線に飛び込み、手傷を負いながら必死でアリスを探し、
命がけでアリスに魔理沙の記事を配達した
これによりまりさが動力源として使用されているのを知るアリス。ぐったりしているのを見て半狂乱になる。最前線から転身し猛スピードで量産型ゴリアテをなぎ倒しつつ河童本部へ
超ゴリアテによる占領が完遂したと思った河城にとりは悠々としてアリスに命じる。
「ちょっと待っておくれ、あとほんのちょっとで天狗は降参するから。そしたら武装解除できるよ。」
アリスの耳の手前に、ほんの小さな隙間が現れる、姿は示さずただささやき声で
「あなたならわかるでしょう、アリス。人間はそのほんのちょっとで取り返しのつかないことになるものよ。たとえ幻想郷でも失った者はとりもどせないわ」
降伏をのみ、調印しようとしている天魔。
その目の前でにとりが巨大な指につかまえられる ひゅい!
超ゴリアテの手の中でニトリはアリスの悲痛な質問を受ける
「魔理沙はどこ?」
「どうして今なんだ」にとりはじれて自分を捕まえるゴリアテの指をぽこぽこ叩く
「一刻を争うのよ」
「こっちだって大詰めなんだ、魔理沙なんてわからないよ。」
「もしこのまま魔理沙が、魔理沙が…」まぶたの裏に弱った魔理沙が膝から落ちる姿を見る。人間であった自分には人間の脆さはよく解る。取り返しがつかない。いや、残機があれば取り返しがつくが、魔理沙のことだから無茶をして使い果たしているかも知れない。そうなったならもう会えない。しゃべれない。触れない。
まぶたを締め付ける力は同時に喉を絞め、言葉はおえつとなり後が続かない。突如として心臓が燃え上がり体中が怒りで満たされていく。
憎悪の瞳で河城にとりをにらみつける、溜まった涙が空にこぼれた。
「魔理沙が死んじゃったら、あんた達、カッパも天狗も皆殺しにしてやるんだから!」
見えない机をたたくように腕を振り下ろした瞬間光輝き、一瞬墓土の臭いが広がった。
光が穏やかになった時、そこにアリスは居なかった。
その代わりに六歳くらいの金髪碧眼の美幼女が相変わらずの泣き顔でそこに居た。赤かったカチューシャを青色に染め、束ねられた金髪と青いフリルの幼児服を魔力の暴風にはためかせている。
見た目は幼くなったが放たれる魔力と威圧感はexのそれ。
死んでも本気を出さない主義のアリスちゃんだが今は必死になりすぎて本気状態。ロリスの魔力が超ゴリアテに力を与える。
前より可愛くなっている怒鳴り声は「邪魔よ」と超ゴリアテに魔力を注ぎ、全砲門から放たれたビームが全て雲へと吸い込まれていく。
しばし後雨のようにビームが降り注ぐ
離れた場所で流れ弾を裁いていた風見幽香ことユウカリンは、雨を見て傘を差し、はたけを守るために植物を巨大化させ傘の代わりとした。だが振ってきたのはビームで畑はメチャクチャ。
。いくつか直撃したはずのユウカリンは恐ろしいことに無傷だが、巨大植物は穴だらけでその下の植物も穴だらけ。
穏やかな表情のユウカリンは悪鬼の表情になり、狂気の目は豆粒より小さく見える超ゴリアテをすぐさま見つけ、砲塔のような傘をそちらに向けた
超ゴリアテの操縦席には懐かしいロリスが居り、泣きながら口をぱくぱくさせていた。
「あらら、」
ユウカリンは傘を下ろし、「泣いているのね」と優しいことを無表情に言った。
超ゴリアテからは今もぞっとする威力のビームが矢継ぎ早に放たれている。
ゆうかりんの表情はまた穏やかに戻りどうしようかとしばし考え、きびすを返し、穴だらけになった植物たちの世代時間を早めてまた緑を為す。瞬く間に枯れ、瞬く間に芽吹き、瞬く間に実り、すっかり元の通りになる。踊りを踊るようなこの植物の有様は好きだが、かわいそうなので自発的にはしない。機会を与えてくれたアリスにはある意味感謝。
見逃してあげるわ
やばい、けん制ビームで山に穴が開いたぞ
「天狗っ、さっさと降伏書に調印して」にとりはまたビームが振ってこぬかと空を気にしながら調印書をたたく。先ほどまでは筆を執り前屈みになっていた天狗だが、いまはふんぞり返り筆の尾骨を唇の下に押しつけている。
「まてまて、アリス殿。誰かを探しているのか?それなら天狗にはとっておきの人材が居るぞ」
超ゴリアテの操縦席から立ち上がったアリスはにとりの横に座る偉そうな天狗に目を向ける。墓土の臭いはアリスの相貌から放たれ、天狗は平気そうだが隣の河城にとりは総毛立つ。
「きっ、聞くんじゃないアリス。天狗は嘘つきなんだから」と歯の根も合わぬ成りがんばって口をきく河城にとり。
「犬走椛を呼べ」と天狗は聞こえなかったように仲間に命ずる。
ただちに犬っぽい可愛い天狗が鴉天狗に抱っこされて届けられた。
千里眼のもみじ
「誰ですあなた」出会いしな超ゴリアテの操縦席にいるアリスに質問する犬走椛。犬走椛を紹介した天狗はどきりとしてアリスの顔を伺う。アリスは気にした様子を見せず「そんなことより、魔理沙を探して」
千里眼を疑いもせず命令を下し、犬走椛は嫌そうな顔をして側に居る偉そうな天狗を伺うとやはりやれとうなずかれたので目を瞑り探す。
「ここから北北西に一キロ先の…」指を指し説明を始めた犬走椛は超ゴリアテに鷲頭かみにされて飛び去っていく。
残された天狗はにとりに対してにやーっと嫌な笑いで笑う。
河城にとりは負けたわけではないと思いつつも、あたりの河童とともに怯えはじめる。
高速移動する超ゴリアテは受ける暴風の中で腕を動かし、操縦席の中に犬走椛を押し込める、
「こっちで合っているのね」とアリス。
「はい。」と答えて目を横に流す。8歳ぐらいのとんでもなく美人な女の子
「あなた誰です。」と犬走椛は再び質問する
「今急いでるのっ」
目の前に見えてきた量産ゴリアテ
たちまち大きく成り
その速度にもかかわらずし損ずることなく捕まえる。
動力源を出せと命じると素直に応じる量産ゴリアテの操縦カッパ
「あんた誰?キューカンバー20の操縦者はアリスって聞いていたけど。」
「超ゴリアテっ」
アリスは量産ゴリアテに張り付いて装甲越しにクリスタルをのぞき見る。
「居たっ、魔理沙っ」
声に驚いた操縦河童はアリスの隣に降りてきて同じようにクリスタルを見る。
そこにはクリスタルには閉じ込められたまりさが居た。
「なんでまりさがクリスタルに」一番はじめに疑惑の声を上げたのはアリスの横の操縦河童だった。
「白々しい」とアリスは憤怒のあまり無表情になる。
「いや、確かに小妖怪はエネルギー源にしたけど、人間はしてないよ。だってガソリンタンクにオリーブオイルを入れるようなもんだもん。不安定な装置は組み込みたくないし、なにより人間は盟友だからね。」とサムズアップをする河童。それをアリスは河童を睨み返し、河童はふて腐る。
隣に居た犬走椛が弾かれたように立ち上がりあたりを伺う。すさまじい殺気を感じたような気がしたが、千里眼が写すのは緑深い森ばかり
「すぐに魔理沙を外に出しなさい。盟友なんでしょ」
「解ってるよっ、だけどクリスタルを出すにはコアを開けなきゃいけないんだ。コアを開けたら無防備になるし、クリスタルを取り出したら代わりを持ってこないと動かなく成っちゃう。」
「どうやってコアを開けるのよ?」
「簡単さ。両手をコアに付けながら秘密の暗号を唱えるんだ。」
聞くやいなやアリスはさっそく操縦席から飛び出しコアに両手を付ける。
「暗号は?」
「アリスは一人ぼっち。アリスは一人ぼっち。」
「殺すわよ」またぞっとしてあたりを見渡す犬走椛、そして感じない河童。
「ふざけてないよ、ほんとうなんだっ。」
「あたしは一人ぼっち あたしは一人ぼっち」開かない。殺気に満ちた涙目を操縦河童に向けるアリス。
「ダメだよ変なアレンジしちゃ。ちゃんとアリスはひとりぼっちと言って。二回言うんだ。アリスって言うのはほら、あの魔法の森に住んでいる変な奴の事。あいついつもひとりぼっちで粋がってるでしょ。あいつ。あの勘違い。」
うーと低くうなったアリスはふたたびコアに両手をつき不本意な暗号を唱える。
「アリスはひとりぼっち。アリスはひとりぼっち」怒りが抑えきれず完全に不必要な魔力が空に立ち上るのをみて、犬走椛は居心地の悪さを感じ始める
暗号によりコアが開き、クリスタルが排出される。
「クリスタルはどうやって開けるの」
「クリスタルが開くわけないでしょう。割るんだよ」
「魔理沙ごと割れたりしない」
「そればっかりはやってみないことには。まあ理屈で言えば大丈夫じゃないかな。もし魔理沙共々割れることがあっても、それはもうとっくに魔理沙がクリスタルに浸食されきってお陀仏になっている証拠だから、しょうがないよね」
アリスはうなずきながら内心で、もし魔理沙が助からなかったらこの河童を八つ裂きにしようと決意を固めつつクリスタルを割る。
クリスタルは真っ二つになるかと思いきや、思いの外粉々に砕け、粉雪のようにきらめきを残して大気に消えた。
魔理沙はきえつつあるクリスタルの粉雪を体中できらめかせながら地面に残され倒れている。
アリスは魔理沙に駆け寄るなり抱き起こす。すぐさま魔理沙の手を握り魔力を分け与える。
しかし、声をかけても反応がない、揺らしてもだめ、アリスの目からこぼれる大粒の涙が霧雨魔理沙の顔にびしびし落ちる。
スコールの如き大粒を頬に感じながら魔理沙はうめきながら目を開き、アリスと目が合うなり眉間にしわを寄せる。瞳孔が小さくなり大きく成り、やがて落ち着くと満面の笑顔
「アリスか?」
「そうよっ、バカ、心配したんだから」
操縦河童はこれを聞いてぎょっとする。犬走椛はああそうかと思い、先ほどからの殺気と結びつけ大汗をかく。
「なんで本気モードなんだ」
「えっ、それは」はじめて自分がロリスになっていると気がついたアリス
「待った」と魔理沙は震える手足を使い立ち上がる。「とうっ」と言いながら左手をまっすぐ頭上に上げ、右手を拳にして耳の横に、片足を上げてウインクをして、足をぐらつかせながらも可愛いポーズを作ってみせた。そのまま猫背に戻ると藪に消えて10分。ずぶ濡れの魔理沙がどろあを上げながら戻ってきた。
「なんでずぶ濡れなの」ロリスからアリスに戻ったアリスが尋ねる
「監禁生活でうんこ漏らしちゃってたから藪にうんこを捨てて、けつとドロアを洗うために水の魔法をつかったの。そしたら何故か大魔法並の威力になって」
弱っているせいか女の子言葉で話す霧雨魔理沙。だがけつはけつ、うんこはうんこと表現した。
「ちょっと、汚いわね」
「しょうがないだろう。一ヶ月ぐらいとらわれていたんだぜ」
「四日よ」
「嘘だあ。すごく長く感じたよ」
「バカ魔理沙」
「いいのかよ、都会の魔法使いがうんこ漏らしの魔法使いに抱きついて」
アリスは回した腕に力を入れてより密着した。
「洗ったならいいわ」
アリスを抱き返しながら魔理沙は自分の指先から出る魔力を気にした。
「なんでわたしゃぁ魔力に充ち満ちているんだ、道具を使わなくても魔法が使えそうな勢いだぜ」
「それはアリスさんがあなたに分け与えたからですよ」と犬走椛
「なんで?」と魔理沙は解らない
「死んじゃったと、思ったんだから」
泣きながら顔を上げるアリスにぐっときて魔理沙は抱き返す
「生きてるのぜー」だが台詞は凡庸、決まらなかった
「やあ、アリス。そこに居たの?」秘密の暗号を教えた河童は顔面蒼白、
「アリスちゃんだったんだね。噂は聞いていたけど、そんな可愛い変身姿だとは思わなかった」
「誰がひとりぼっちなのよ」
「それは、にとりがね」
「誰が変な奴なのよ、誰がどう勘違いなのよ」
「ひゅいい」
20分前の同じ場所、河童がコア開閉の暗号をアリスに教えていたとき、藪には天狗が潜んでいた。
いいことを聞いた、と思いつつ真偽を見るために潜む。はたしてアリスはコアを開け中から動力源を摘出して見せた。
盗み聞きしていた天狗は藪から飛び立つ。
情報源の操縦河童は天狗を認めるなりあっと悲痛な声を上げるが、見送るほか何もできなかった。
幻想郷最速であり、もっとも結束能力の高い天狗は瞬く間に情報を共有し、コアを破壊するための反撃に出た。
天狗達の黒い羽が空から舞い落ちる中、あらゆる口がアリスちゃんへのザンボウを唱える。
負けじと河童もアリスちゃんへの孤独を赤裸々にし防御の構えとする。コアを閉める合い言葉は「アリスは勘違い」なのだ。
しかし河童と天狗では地力が違い、その小規模戦闘は必ず天狗が勝利した。
量産ゴリアテは次々とコアを破壊されて八雲立つ。もっともこれは炊事の白煙ではなく機械が壊れた黒煙。
偉そうな天狗は未だ河城にとりの前で調印書を挟みにらみ合っていたが、傍らにカラス天狗が降り立ち、耳打ちを受けたとき、満足気にうなずくなり降伏書を手に取る。ぱっと表情を明るくするにとり。
だがそれをびりびりに破く天魔
ずるいぞっとにとりは涙ぐむ。
形成はどうしようもないほど傾いた。決戦兵器は戦線を離れ、通常兵器は破壊し尽くされてしまった。
河城にとりは逃げ出す。すぐ前に居た天魔はもはや追いかけもしない。きびすを返して幕僚へと引き下がる。もはや勝負はあったのだ。
だが河城にとりは諦めず、敵だらけの硝煙消えやらぬ戦場を抜けてアリスが向かった方へ飛んだ。
一念が功を奏したのか、はたまたもう河城にとり以外は決着がついたものと考えていたためか、無事アリスの元にたどり着くことが出来た。
「ねえっ、アリス、キューカンバー20に乗って」
「嫌よ、マリサをこんなにしたくせに!…超ゴリアテ。」
傍らを見ると魔理沙はずぶ濡れ。
申し訳ないという気持ちとなんでずぶ濡れなの?という気持ちが三対七ぐらいの割合で兆す中、耳はサイレンが鳴るのを聞いた。
逆ギャラルドホルン。
それは終戦の音だった。
カッパは破れた。
なまじ健闘しただけに天狗は激怒している。カッパはただただ震え上がる。
天魔様のご温情により命は助けるとのことです。しかし、このたびのことは許しがたく、以後、河童達には電気ショック機能付きの監視首輪を義務づけることに居たしました。電気ショックのリモコンは全ての天狗に支給される予定です。あなた方はまずそれを納品してください。首輪のデザインは自分で決めていいですよ。一生物ですからね
「そんなの、奴隷以下じゃないか。」
「奴隷が反乱を企てしくじったのです。奴隷以下になるのも当然でしょう」
「神も仏もないのか」
「山の上に居るでしょう」
「あいつか~、手ぬるいぞもっとやれという声が聞こえてくるようだ。」
おうおう、どいたどいた
海を割るように一堂に会する天狗をどかしながら武蔵野を片手にモノブロスが入ってくる。違う、もっと悪い。鬼だ。鬼の見るからに強そうな方の星熊勇儀。
「よう、河童共、こんかいのあれ楽しかったな。褒美をやるよ」
と武蔵野をみとりの口に押し当て、間も待たずに傾ける。みとりは急性アルコール中毒で気絶。
あららとあまり気にかけぬ星熊勇儀は天狗に向き合い、ほどほどで許してやるように言う。
天狗は鬼が怖いような、どうやって騙してやろうかというような複雑な顔をする。それを見た勇儀は罰を与えなくちゃなと言いながら傍らのカッパにゴリアテパッチェ級にまだ搭乗員はいるかとか、爆発せぬかとかいろいろ聞いた後、安全としれるやパンチを食らわした。いくらパチェとアリスがいないとはいえ天狗総掛かりでも落とせなかった40メートルのマシンが跡形もなく蒸発する。怪力乱心恐るべし。
星熊勇儀は固めた拳を拡げて目の前の天狗の肩を抱いた。
「よーし、宴会だ。天狗と河童で宴会だ」
星熊勇儀が武蔵野を掲げると大気がそれをかすめ取り、器の酒を干しながら収縮し形を為していく。
「宴会なら参加するろー、天狗と河童と鬼の宴会らろー」
星熊勇儀の杯を持った伊吹萃香が既にへべれけの体で出現した。
秘中の秘、天狗の奥殿であるはずのふすまが音を立てて開かれる。
「巫女も参加いたします」となぜかどや顔の東風谷早苗が緑風と共に参上する。
隣のふすまがまた乱暴に開かれ「戦神降臨!!」と八坂神奈子様。
案の定対岸の襖も壊れる勢いで開かれ「復活の邪神!!」とけろちゃん。
天狗は続々やってきた疫病神にげんなりし、鼻白み、河童に対する締め付けを諦めることにした。
本部の状況を知らず、一人レコンキスタを誓う河城にとりは天狗に連行されているアリスとクリスタルに入ったパチェに追いついた。
超ゴリアテパッチェ級は鹵獲された際、速やかに無力化させるためクリスタルの破壊が試みられたが、このクリスタルのみ秘密の呪文でも壊れない。そのため本体から取り外されごころごろ転がされて天狗の倉庫まで運ばれることとなり、今運ばれている。
にとりは輸送中の天狗にうろたえおびえつつ、アリスとパチェのもとに駆け寄った
パチェはクリスタルの中にいながら大量の本に埋もれていた。
「どうやって本を?書いたの?」
「いくらなんでもこんなにかけないわ。召還したのよ」
「馬鹿な、魔法はすべてキューカンバー20のエネルギーとして吸収されたはず」
「超ゴリアテ!」
「どっちでもいいわ。」自分から外に出るパチェ。クリスタルは壊れすらしない。うろたえまくるカッパ
「静かで居心地が良かったわよ。戦闘中でも転がされているときも不思議と揺れなかったし。」
「出られたの」
「当然じゃない。」
「「馬鹿な!」」とかっぱと魔理沙
「じゃあなんではじめから出なかったのよ」とアリスは怒る
「木曜だったからよ」こともなげにパチェは言う
「木曜だったからって、なに、あの曜日に会わせて使う魔法を制限するって言う妙な自分規則のために出られなかったって言うの?」
「一つ違うわ、アリス。妙じゃなくてかっこいい自分規則よ。妙なのは人形縛りしているどこかの誰か」
「し、縛ってないもん。それはそうと、本当にそんな理由で出てこなかったの」
「まあね。緊急事態でもなさそうだったし」
「その緊急事態でもない事態で私は死にかけたんだけどな。」と魔理沙。
「そうよ、魔理沙の事を聞いたときは焦ったんじゃない?」
「魔理沙のことを聞いた時ね。そうでもないわ。ただ、あなたが本気になったときは焦ったわよ」
「なんで?」
「すさまじい量の魔力が私に向けて突撃してきたからよ。それを受け止めてから兵器や駆動系に分散するのに忙しくて本を読むどころか状況確認すらできなかったわ。だから魔理沙が危機だったことは事件が一段落してようやく聞けたのよ。」
「いつの間にか本気になっちゃって…こめんねパチュリー」
「ふん。」珍しく笑顔を作るパチュリー。
「パチュリー、ありがとな」
「あんたは本を返しなさいよ。いつまた死なないとも限らないでしょう」
「いや、死んでないのぜ。」
「バカな、バカな、バカな」と存在を忘れられつつあるにとりが三人吸い付いていく。どうしたのと聞く間もあらば河城にとりは魔理沙に語り始めた。
「だって、そんな馬鹿な事ってないよ。少なくともマリサは動力源にしないように仲間にも言っておいたのに。」
「ああ、それね。おもしろそうだから入ってみたらでられなくなったんだぜ」
コレでごまかせればと可愛いポーズを作ってみせる魔理沙。片手片足を挙げてウインク、回転しながら星も出る。
「盟友、おまえは本当に馬鹿だなあ。馬鹿なのだなあ。」魔理沙のアトラクションを見ずに自分のシューズの先についた土を見ながら河城にとりは言った。
「カッパに言われると、さすがのまりささんも結構傷つくよ。」ポーズを辞めながら魔理沙は涙ぐむ。
「にーとりっ」河童がやってきてにとりに甘えた声をかける。
「とー、盟友&その周辺と天狗ぅ」周囲に人が居たことを認識し、訂正し、ふさわしく声をかけ直した。
「「誰が周辺よ」」と魔法使いはハーモニーを聞かす。
「宴会だよっ」聞こえなかったように主意を話し、寄ってきた天狗にチラシのようなものを渡す。これを見るや天狗は顔色を変え、全員連れだって今カッパが来た方向へと慌ただしく飛び去っていった。
「何の宴会なの。」
「決まっているわ。敗北者の宴会と言ったら、腹切り前のこの世の恥をかき納めってやつよ。見に行くわ」と無表情で凄惨な想像に積極的な構えを見せるパチェ
「私も行く」アリスちゃんも鬼だった。
「私も行くぜ」と魔理沙。
河童は嫌な顔をしながらにとりの袖をつかみ、何なのこいつら?とひそひそ話をはじめる。
「いやいや、あの魔法使い達のデリカシーのなさは憤慨ものだけど、予測はそれなりにまっとうといえるんじゃないかな」
おやっという顔をにとりに見せる河童。その後突然一人で納得した。
「そうか、やっぱりにとりあの席に居なかったんだね。逃げ足早いもんね」
「逃げたんじゃなくて、レコンキスタをだね」
「いーって、いっーって。鬼と邪神が来て河童を天狗から助けてくれたんだよ。おとがめなしで今日は宴会。」
「おとがめなし?天狗は復讐しないの」
「するつもりだったみたいだけど、」と切って河童はイヒイヒイヒと肩を揺らして笑い始める。
「天狗、鬼と邪神にびびってんの。マジで、うける。雑魚丸出し。奴らのお漏らしで川の水位があがるwww明日洪水wwwポロロッカwww黄色いポロロッカwww」
「マジでww、塩分注意ww、キュウリにいい塩味ww、ただしきついアンモニア臭」
「アンモニアって言うか天狗臭ww」
「天狗マジ動物、カラスとか犬とかwwまじ獣臭いww勘弁ww」
「ねえ、あんた達のその河童同士のしゃべり方感じ悪いわよ?」とアリスの唇が忠告を始めようと震える刹那、
「アキバサマー!!!」
「マスタースパーク!!!」
隣から二筋の大魔法が放たれ河童達を通過し、後には焦げた大地と得点が残った。
「ちょっと、魔理沙。ボム打つことないでしょう。じっくりのたうち回らせようと思ったのに。」
「パチュリーこそ弱点つくことないだろ。マスパは結構継続時間が長いんだぜ。」
「アリスは何故攻撃しなかったの」
「そうだぜ」
「そっか。攻撃するところだったのか。忠告するところかと思った」
「違うわ。」
「手ぬるいぞ、アリス。霊夢だったら全ての歯を根元まで押し込んでいるところだぞ」
「ひぇ」
復活した河童ともども宴会に行き、
そこに紅魔館組も居るのを知る。微かにほほえむパチェ。
「パチェ、楽しんだみたいね」とお外用のカリスマレミリア
「楽しんだなんて…人質だったのよ、心配してくれないのレミィ」白々しい物言いをするパチェ
「虜囚のお姫様、忍び込んで襲ってあげられずごめんなさいね」と首筋にキスをするレミィ
「レミィったら」紅くなるパチェ
「パチュリー・ノーレッジ様、私はお役に立てましたでしょうか」
「ありがとう咲夜。あなたのおかげでひもじい思いをしなくて済んだわ」
「よろしゅうございました」ほっとする咲夜。
「何の話だ。」
「ケイタリングでございます」
「ほう、でもどうやってパチェの元に届けたの」
「エレメンタルに分解し、再構成したのよ」
「いえ、宅配便で届けたのです」
「どうやって受け取ったの」
「手で受け取ったのよ」
「そうじゃなくて」
「外に出て受け取ったのよ
「出れたの?」
「出れたわ。」
「そんな簡単に?」
「息をするくらいには難しかったわ。」
ふーと息をつくレミリア。
「このくらいか。何処が虜囚なのよ、賢者様にも困ったものだ」
「ずっと追いかけてきてくれたわね、レミィ」
「助けてやろうと思って近寄る度に首を振るでしょ。目も合わさずに首を振る。虜囚でしょげてるのか、助けは必要ないのか判断に困ったわ。」
「あれには両方の意味があったのよ。助けられても助けられなくても別に良かったから」
「途中で闇の仕事を請け負ったフランには出くわすし」
「パッチェさんでしょー」とフランは主語を伝えずパチェに指を指す。パチェは頷く
「ふふ、妹様は聡明でいらっしゃるわね、お嬢様よ」
「なんの話し?」丁寧な口調に怖じずにレミリアは尋ねる
「ぎゅっとしてどかーんを防いだバリアはパッチェさんの魔法だったよねというお話だよ」
「そうなの?」
「そうよ」
「虜囚どころか外の人にバリアをかけるなんて、全く手に合わないわ。それでこそパチェね。」
「おかげでこんなに楽しい宴会に参加できました」
「天狗にも河童にも鬼にも神にも無断だけどね」
「たまたま入り口の近くに居た巫女は了解してくれましたから」
「それなら完全に合法ね」
キャラがそれぞれ自分の目的をもって行動している様が読んでいて楽しかったです
ちょっと誰のセリフなのかわからなかった部分もありましたが、最後は大団円でまとまってよかったです
です(^.^)