こんこん
「……うぅん?」
ガラスを叩くような小さな音で目が覚めた。
何か風に飛ばされてぶつかったのか。森の中ならよくあることだ。
部屋の中はまだ真っ暗。カーテンの隙間から光が漏れていたりもしない。
再び眠りの世界に戻ろうと、ころりと寝返りを打つ。
がんがん
……ガラスを叩く音。
眠いんだから無視に限る。
「がんがん行くぞー。ブレイジーング──」
さすがに看過できなくなった。寝室に大穴開けられてはたまったものではない。
のそりと起きあがり、眠い目をこすりながらカーテンを開ける。
窓の向こうには綺麗な月と、よく見る顔が浮かんでいた。
「おっす。気持ちの良い夜だな、アリス」
「……十秒くらい前まではね」
窓ガラスに映った私の顔は、ひどく不機嫌そうだった。
「何? 夜這い?」
「そのつもりならこっそり入ってるぜ」
「……それもそうね」
いかん、どうやら頭はまだ半分寝たままらしい。ツッコミすら出てこない。
その間に魔理沙は窓を開けて、箒ごと部屋の中へ入ってきた。
我が家の窓、一度修理した際に鍵なんて取っ払ったから外からでも開けられる。
薄っぺらい窓にちゃちな鍵を付けたところで、この森じゃ何の意味もない。
敷地内に妖怪の類が入り込めばすぐわかるくらいの処置はしてあるし、防ぐのは雨風だけでいい。
ひゅう、と冷たい夜気が入ってきたので開きっぱなしだった窓を閉める。
今ので少し頭がはっきりしたようだ。
部屋の隅に箒を立てかける魔理沙。いつもの姿ではなくパジャマに上着を一枚羽織っている。
「……そんな格好で何の用? あいにく私、夜は眠る生活してるんだけど」
ふと、時計を見たら午前二時近く。草木も眠る丑三つ時とはよく言ったものだ。
こんな時間に起きてるのは吸血鬼と魔女くらいだろう。要するに紅魔館か。
「うむ。眠れないんだ。何とかしてくれ」
「知るか」
夜より冷たく言い放ち、私はベッドに潜り込んだ。
しばらくすると、ゆっさゆっさと私の体を揺らしてくる。寝られないでしょうが。
「あー、もう。何で私に言うの。
不眠症なら永琳とこでも行ってきなさいよ」
「誰が不眠症なんて言った」
「……じゃあ何」
「明日霊夢たちとピクニックだろ。わくわくしてたら眠れなくて」
「帰れ」
ばさりと毛布をかぶって魔理沙を視界から消す。
もうこの部屋に魔理沙はいない。魔理沙はいない。二回言えばばっちり。
「なーなー。頼むよー」
無視。魔理沙はいないのよ。
「なーなー。何とかしてくれよー」
ひたすら無視。
「……ちぇ」
……あきらめたかな?
と思ったら毛布めくって足の裏くすぐってきた。変な声上げそうになったのをかみ殺して蹴っ飛ばす。
「……て言うか、私も参加するんだけど。あんたが誘ってきたんだし、忘れたわけじゃないでしょ。
それでも私が寝るの邪魔するわけ?」
「魔法使いって眠らなくても大丈夫なんだろ。なら代わりに私を眠らせてくれ」
「代わり」がどこにかかってるのよ、それは。
そもそも人間は不眠では生きられないが、魔法使いは眠らなくても生きていけると言うだけだ。
体調管理、身体機能と脳の休息、精神安定、魔力の回復に睡眠は一番適している。
人間の三大欲求と言うが、食欲は嗜好と精神安定のためって程度。性欲は……まあ、うん、人並みってことで。
と言うわけで、アリス・マーガトロイドの中では睡眠欲の比重は結構大きいのだ。
詰まるところ、とっとと眠らせろボケ。
「だいたい、人間夜になれば自然に眠くなるもんでしょうに。不規則な生活してるツケよ」
規則正しい生活をしていれば、夜には体が睡眠を求めるものなのだ。
私はそうした方が自分のリズムを保てて、常に落ち着いて行動できるから規則正しい生活を心がけてるんだけど。
「それでなくてもあんたは毎日うろうろ動き回ってるんだし、疲れりゃ眠くなるでしょ」
「それがだな。明日はしっかり楽しもうと、今日の内に魔法の研究をやっておこうと思って。
昼から難しい魔導書読んでたらいつの間にか日が沈んでたんだ。ちなみに一ページくらいしか読めてなかったり」
「……まとめると、昼寝しちゃったから夜眠れないと」
「そうとも言えるな」
そうとしか言えないわ。
頭痛くなってきた。ぐっと指でこめかみを押さえる。
何で真夜中にこんなのの相手してるんだろ。
「……もう面倒だから、その辺走り回って疲れてきたら?」
「それも考えて、ここに来る前に小一時間ほど箒飛ばしてきたんだが。
風を感じてたらもうテンションうなぎ登りに上がっちゃって」
私は風だ! 今なら天狗にも勝てそうな気がするぜ、と意気込む魔理沙。
喜べ。アタマのめでたさなら圧勝してるわ。
「よし、運動がてら弾幕しようぜ。アレなら相当疲れるだろ」
「寝るって言ってんのが聞こえないの? 私はもう朝までベッド出ないから」
「じゃあベッドでできる運動か?」
「本気でぶっ飛ばすわよ」
むー、と頬をふくらませて不満をあらわにする魔理沙。
私の方が不満を口にしたい立場なのだが。
「そうだ。ほら、お前って一応不得手が無いのが売りだろ。
眠らせる魔法とか無いのか」
頼むから物事の頼み方というものを覚えてほしい。
……何で私が頼んでんのよ。
「あのね……。その手の魔法ってのは、当然として人体の生理に影響を受けるの。
ハイになってる人間に催眠術かけても効きにくいでしょ」
「何だ、それこそ魔法みたいにするっと眠らせるようなのは無いのかよ」
「無いこともないけど。その後、半月くらい昏睡してもいいならね」
そりゃ手持ちに一瞬で意識を刈り取るような魔法もあるにはある。
精神に直接ダメージを与える対妖怪用の攻撃手段と言っても良い。
人間に対して使えば、下手すればそのまま目を覚まさないかもしれない程度。頼まれてもこんなことで使うわけもない。
「はぁ……、万能の魔法使いって言っててもそんなもんなのか」
ため息を吐き、やれやれと大げさな仕草で肩をすくめる魔理沙。
ぶん殴って気絶させようかな……。
人形遣いだけに人体のことならよく知ってるわよ。急所とかツボとか経絡秘孔とか。
「そう言うわけで、この件に関して私は何もできないし、するつもりもないの。
ベッドに潜って素数でも数えてればその内寝てるわよ」
ぷい、と背中を向けて毛布をかぶり直す。
「んじゃ、そうさせてもらうか」
そう言った魔理沙は、帰るどころかもぞもぞと私のベッドに潜り込んできた。
「ちょっと、帰って寝なさいよ」
「この寒空の中に放り出すのか? 冷たいぜ」
「その寒空を小一時間飛んできたのはどこの誰よ」
「まあまあ。アリスんちのベッドが大きめなのはこういう時のためだろ」
「そーなのかー。初耳だわ。家主も知らない驚愕の事実ね」
まあぐだぐだ騒がれるより、大人しくしてくれるならこっちの方が万倍良い。
「羊が一匹、羊が二匹……」
眠れない時のお約束か、羊を数え始める魔理沙。
一応声を落とすくらいの配慮はしているし、この程度なら森の雑音と大差ない。
ようやく眠りの世界に戻れそうだ。
ベッドはやや狭くなったが、少し温かくなった。うとうとと、次第にまぶたが重くなって──
「上海が九十九体、蓬莱が百体、ついでに私も百一体……」
「何であんたが増えてんのよ!?」
「ん? 私の人形作っても良いぞ。強そうだろ」
「作らないわよ……。一人で十分だっての」
半ば眠りかけたところで聞こえた声を、夢でも見るかのように頭がしっかりと再生してくれた。
脳裏に映るは、手から破壊光線を撒き散らして暴れる魔理沙&魔理沙人形の百一体大行進。
思い切り目が冴えてしまった。
「OK、わかったわ。何か方策を考えるから。
私も研究で根詰めてて疲れてるの。お願いだから眠らせて」
「やっと重い腰を上げたか。あ、別に太ってるって言ってるわけじゃないぜ」
「黙って。
……とりあえず何かお腹に入れるのは? 食べた後って普通眠くなるでしょ」
作り置きのクッキーとかまだあったはずだ。
勝手知ったる何とやら。魔理沙もうちのキッチンのどこに何があるかはたいてい知ってたりする。
適当に食べてきて良いから、と魔理沙を促して私は目を閉じた。
身を沈めるベッドの何と心地良いことか。今度こそ眠れるのね。
すぐに、私の意識は闇へと落ちた。
「あーりすー。一緒に飲もうぜー」
湖面のように穏やかな心に、ばしゃんと投じられる石。
広がる波紋が眠りの淵から無理矢理私を引き上げる。そっちが石を投げるなら私はサジを投げたい。
穏やかな心が怒りで目覚めそうだ。パワーアップの切っ掛けだろうか。
眠りに落ちかけたところを何度も引き上げられ、頭がくらくらしてくる。
首をもたげて戸口の方を見ると、酒瓶持ってふらふらこっちに向かう魔理沙の姿。
時計の針はすでに三時半を回っていた。
「寝酒に付き合ってくれよ。二人で飲む方が美味しいぜ」
「……あんた、ホント人生楽しそうよね」
へらりと笑う魔理沙。
近くに来るとアルコールの匂いとともに、石けんの香りがふわりと鼻をくすぐる。
シャワーでも浴びて汗を流してきたのか。
「ローストチキンが殊の外美味くて、つい酒が進んじゃった」
それ、お弁当のサンドイッチにしようと思って下拵えしといたのよね。
「ねえ、さすがに全部食べたなんてことは……」
「端から端まで美味しくいただいたぜ。あ、卵サラダも美味しかったぞ」
けふり、と息を吐く魔理沙。
はい、早起き確定。誰が満腹になるまで食べろって言ったのよ。
……作り直す時間を考えたら、あとどれだけ眠れるのやら。
体を起こし、魔理沙が手にしている瓶を確認する。
わりとお値段の張る一本だ。取って置きは隠してあるので見付かってないと思う。
これで起きたらキッチンに転がる無数の酒瓶、などという展開はやめてもらいたい。
「あんまりぱかぱか飲まないでよ。それ結構良いやつなんだから」
「そう思ったから一人で全部飲むのも悪いかなと」
手酌でワインを注いだグラスを、ひょいと差し出す魔理沙。
あきらめて受け取る。このままじゃ一口も味わうことなく空瓶になりそうだったし。
受け取ったグラスに軽く口を付ける。鼻腔を抜けていく葡萄の香り。
魔理沙の方はまるで焼酎のようにぐいっと一気にグラスをあおる。
寝酒はたくさん飲むと逆効果なんだけど、もう遅いだろうな……。
めんどくさがらずに付いていって、ホットミルクでも入れてやれば良かった。
まあ酔いつぶれたらそれはそれで静かになるか。
つぶれるのには慣れてるだろうし、明日も二日酔いくらいで動けなくはならないだろう。
結局、魔理沙に付き合って私もグラス二杯空けてしまった。
その魔理沙は現在下着姿でけたけたと笑いながら謎の踊りを披露している。
私の魔力を減らす作戦か。そうでなくても気力はぐんぐん減退している。効果は抜群だ。
あと酔ったからってすぐ脱ぐな。
だが思ったより可愛い下着だ。こんなの持ってたんだ。少しは魔理沙も色気付いてきたのかも。
……よく見たら、ショーツもキャミソールも私のだった。
シャワー浴びた後に汗で汚れた下着を着けたくないのはわかるけど。
今さら下着の貸し借りで文句を言うこともないが、せめてタンス漁る前に断りの一つも入れなさいよ。
そのまま風邪を引かれても面倒なので、ベッドに引っ張り込んでやる。何か怒る気力も萎えてきた。
わぉ積極的だぜなどとほざくが、今の私ほど消極的なのは図書館くらいにしかいない。
「むふー、ベッド温かいぜ。アリスの匂いがする」
ごろごろと半端な寝返りを繰り返したり、すんすん鼻を鳴らしたりする魔理沙。
毛布引っ張るな。暴れるな。落ちるわよ。
「何か話でもしてくれよ。あんま静かだと明日のこと色々考えちゃう」
「……あんた、どうあっても私を寝かせないつもり?」
お腹も膨れてお酒も入って、あと少しだ。耐えろ私。
そうだ、満腹の時に小難しい話でもしてやれば眠気を誘うはず。
「じゃあ、魔理沙に欠けてる理論の話でもしてあげるわ。
あんたがもし魔法使いになりたいって少しでも思うなら、今みたいな魔導書のつまみ食いや、
キノコ煮詰めて行き当たりばったりなんてやってちゃ人生全うしても到底無理よ。
そもそも魔法とは、この世界に本来あるべからざる法則や力を……」
「こぉら、つまんないぞー。そーいう話はシラフの時にやってくれないと理解できるかー」
そんなこともわからんのか、と魔理沙が腕をぶんぶか振って主張する。
発見だ。酔っぱらいに正論吐かれるほど屈辱的なことはない。
「そーだ、お泊まり会の定番って言えば好きな子の話だろ。
ほら、アリスの好きなのは誰だー?」
「上海」
ぷい、と寝返り打って魔理沙に背中を向ける。
案の定、私の肩を掴んでまたゆさゆさと揺すってきた。
「こーいうときはお世辞でも私って言おうぜー」
「迷惑かけない魔理沙が好きよ。ハイお世辞付き」
「そーかそーか、えへへ。私もやさしいアリスが好きだぞぅ」
もうお世辞と言うか皮肉合戦じゃないの。しかも至極低レベルな。
どうしよう。一人でトイレに行けなくなるような呪い人形の怪談でもしてやろうか。
……やめよう。この上、トイレに付いてきてなどと起こされたらどう返せばいいかわからない。
とんとんとあやすように背中を叩いてやりながら、何を話すかぼんやりと考える。
「……ん?」
いつの間にか、魔理沙は寝息を立て始めていた。
あれだけ暴れた後とは思えない、邪気のない何とも穏やかな寝顔だ。
はて、これが件の「迷惑をかけない魔理沙」なのだろうか、などと考える。
ならば私が寝たら「やさしいアリス」にでもなるのか。
……馬鹿馬鹿しい。眠っててやさしいも何もあるもんか。
まあ、不機嫌な顔でえんえん文句言われるよりはやさしいのかもしれないけれど。
それよりもようやく解放されたのだ。とにかく今は少しでも早く眠りたい。
時計に目を向ければ、魔理沙が転がり込んできてから実に三時間を費やしていた。
一、二時間でも良い。今は睡眠を堪能しよう。
ゆっくりと目を閉じ、私は甘美な眠りの世界へ誘われ──
「何すんだ、アリスのえっちー」
「ぶふっ!」
唐突な声に思わず吹き出す。
誤解無きよう言っておくが何もしていない。事実無根、たわけの寝言である。
「どこさわってんだよ、こらぁ」
だから私は何もしてない。どんな夢を見てるんだこいつは。
しかしここで叩き起こしたら今までの苦労が水の泡。
三時間を完膚無きまでにゴミ箱へと叩き込む愚行だ。
ここは鋼の精神力をもってシャットアウトするより道はない。
そうだ。魔法使いはどんな時でもクールであれ。お母さん……ではなく、どこかの魔法使いが言ってたような気がする。
がっしりしがみつかれて動きを封じられ、あはんだのうふんだのいやばかんだの吐息で耳元くすぐられたり、
囁くように、しかし熱っぽく私の名前を口にされたりしても鉄の自制心で──
無理です。年若いワタクシはこの状況で平静保てるような不動心には至っておりません。
ならば自らに魔法をかけて強制的に……さっき「神経高ぶってる人には効かない」と言ったばかりだ。
「……何これ。新手の拷問?」
ステキな夢の実況中継の中、時計の針はそろそろ垂直になろうとしていた。
「それで、バカが起きたら熱出してて動けないと」
私はテーブルに突っ伏したまま、うんとだけうめく。
目を覚ました魔理沙は焦点の定まらない目でふらふらしていた。
顔が赤かったので熱を測ってみたら四十度近く。
汗ばんだ体を拭いて着替えさせ、ベッドに押し込み氷嚢作って。
安易に熱を下げるのも良くないのだが、水を飲むのもつらそうだったので解熱剤を入れてやった。錠剤は無かった。
集合場所だったうちにやって来た霊夢と早苗に事情を話して今に至る。
「ああ、いますよねぇ。遠足当日に熱出して寝込む人って」
そういう子供みたいなアレなのか、夜中に飛び回ったりお酒飲んで騒いだりで風邪引いたのかは定かではないが。
「さすがにあの熱で放置できるわけもないから。今日はパス、ごめん」
「まあ二人が行けないならまたの機会ってのはいいけど。
あんたはあんたで大丈夫なの? クマできてるわよ」
「寝食忘れて生きられるのが売りなのよ、魔法使いってのは」
あはは、と笑ってみせたら二人とも引いてしまった。
ちょっと精神的に来てるが、そこまでダメそうに見えたか。
「これ、持って行こうと思ってた果物ですけど。どうぞ、お見舞い代わりに」
「ありがと」
早苗の持ってきた紙袋を受け取る。
リンゴだ。……剥くのは私か。
「アリスぅ……。氷嚢ぬるくなったぁ……、ぐすっ」
寝室の方から弱々しい声が聞こえてくる。
「あー、はいはい……。今日は一緒にいてあげるから、泣くな」
霊夢と早苗を見送り、椅子から腰を上げる。気が重いと体まで鉛でできてるかのようにさえ感じてしまう。
そろそろ私も怒ってもいい。
……のだろうが、ああも瞳を潤ませた弱々しい姿を見ると怒りもしぼんでしまう。
ぱしんと両頬をはたいて眠りかけた頭に活を入れ、表情を整える。
魔理沙とて沈んだ顔で付き添われても気が滅入るばかりだろう。
文句は元気になってから言ってやればいいのだ。
まあ、涙目でふにゃふにゃした顔をカメラにでも収めて、憂さの一つくらいは晴らさせてもらおう。
少しだけ余裕ができた私は、なおもぐずる声が聞こえる寝室へと足を早めるのだった。
早苗に看病手伝ってもらえば良かったと思い至ったのは、お昼に卵粥を作ってやった後のこと。
いつ眠れるんだろ、私。
「……うぅん?」
ガラスを叩くような小さな音で目が覚めた。
何か風に飛ばされてぶつかったのか。森の中ならよくあることだ。
部屋の中はまだ真っ暗。カーテンの隙間から光が漏れていたりもしない。
再び眠りの世界に戻ろうと、ころりと寝返りを打つ。
がんがん
……ガラスを叩く音。
眠いんだから無視に限る。
「がんがん行くぞー。ブレイジーング──」
さすがに看過できなくなった。寝室に大穴開けられてはたまったものではない。
のそりと起きあがり、眠い目をこすりながらカーテンを開ける。
窓の向こうには綺麗な月と、よく見る顔が浮かんでいた。
「おっす。気持ちの良い夜だな、アリス」
「……十秒くらい前まではね」
窓ガラスに映った私の顔は、ひどく不機嫌そうだった。
「何? 夜這い?」
「そのつもりならこっそり入ってるぜ」
「……それもそうね」
いかん、どうやら頭はまだ半分寝たままらしい。ツッコミすら出てこない。
その間に魔理沙は窓を開けて、箒ごと部屋の中へ入ってきた。
我が家の窓、一度修理した際に鍵なんて取っ払ったから外からでも開けられる。
薄っぺらい窓にちゃちな鍵を付けたところで、この森じゃ何の意味もない。
敷地内に妖怪の類が入り込めばすぐわかるくらいの処置はしてあるし、防ぐのは雨風だけでいい。
ひゅう、と冷たい夜気が入ってきたので開きっぱなしだった窓を閉める。
今ので少し頭がはっきりしたようだ。
部屋の隅に箒を立てかける魔理沙。いつもの姿ではなくパジャマに上着を一枚羽織っている。
「……そんな格好で何の用? あいにく私、夜は眠る生活してるんだけど」
ふと、時計を見たら午前二時近く。草木も眠る丑三つ時とはよく言ったものだ。
こんな時間に起きてるのは吸血鬼と魔女くらいだろう。要するに紅魔館か。
「うむ。眠れないんだ。何とかしてくれ」
「知るか」
夜より冷たく言い放ち、私はベッドに潜り込んだ。
しばらくすると、ゆっさゆっさと私の体を揺らしてくる。寝られないでしょうが。
「あー、もう。何で私に言うの。
不眠症なら永琳とこでも行ってきなさいよ」
「誰が不眠症なんて言った」
「……じゃあ何」
「明日霊夢たちとピクニックだろ。わくわくしてたら眠れなくて」
「帰れ」
ばさりと毛布をかぶって魔理沙を視界から消す。
もうこの部屋に魔理沙はいない。魔理沙はいない。二回言えばばっちり。
「なーなー。頼むよー」
無視。魔理沙はいないのよ。
「なーなー。何とかしてくれよー」
ひたすら無視。
「……ちぇ」
……あきらめたかな?
と思ったら毛布めくって足の裏くすぐってきた。変な声上げそうになったのをかみ殺して蹴っ飛ばす。
「……て言うか、私も参加するんだけど。あんたが誘ってきたんだし、忘れたわけじゃないでしょ。
それでも私が寝るの邪魔するわけ?」
「魔法使いって眠らなくても大丈夫なんだろ。なら代わりに私を眠らせてくれ」
「代わり」がどこにかかってるのよ、それは。
そもそも人間は不眠では生きられないが、魔法使いは眠らなくても生きていけると言うだけだ。
体調管理、身体機能と脳の休息、精神安定、魔力の回復に睡眠は一番適している。
人間の三大欲求と言うが、食欲は嗜好と精神安定のためって程度。性欲は……まあ、うん、人並みってことで。
と言うわけで、アリス・マーガトロイドの中では睡眠欲の比重は結構大きいのだ。
詰まるところ、とっとと眠らせろボケ。
「だいたい、人間夜になれば自然に眠くなるもんでしょうに。不規則な生活してるツケよ」
規則正しい生活をしていれば、夜には体が睡眠を求めるものなのだ。
私はそうした方が自分のリズムを保てて、常に落ち着いて行動できるから規則正しい生活を心がけてるんだけど。
「それでなくてもあんたは毎日うろうろ動き回ってるんだし、疲れりゃ眠くなるでしょ」
「それがだな。明日はしっかり楽しもうと、今日の内に魔法の研究をやっておこうと思って。
昼から難しい魔導書読んでたらいつの間にか日が沈んでたんだ。ちなみに一ページくらいしか読めてなかったり」
「……まとめると、昼寝しちゃったから夜眠れないと」
「そうとも言えるな」
そうとしか言えないわ。
頭痛くなってきた。ぐっと指でこめかみを押さえる。
何で真夜中にこんなのの相手してるんだろ。
「……もう面倒だから、その辺走り回って疲れてきたら?」
「それも考えて、ここに来る前に小一時間ほど箒飛ばしてきたんだが。
風を感じてたらもうテンションうなぎ登りに上がっちゃって」
私は風だ! 今なら天狗にも勝てそうな気がするぜ、と意気込む魔理沙。
喜べ。アタマのめでたさなら圧勝してるわ。
「よし、運動がてら弾幕しようぜ。アレなら相当疲れるだろ」
「寝るって言ってんのが聞こえないの? 私はもう朝までベッド出ないから」
「じゃあベッドでできる運動か?」
「本気でぶっ飛ばすわよ」
むー、と頬をふくらませて不満をあらわにする魔理沙。
私の方が不満を口にしたい立場なのだが。
「そうだ。ほら、お前って一応不得手が無いのが売りだろ。
眠らせる魔法とか無いのか」
頼むから物事の頼み方というものを覚えてほしい。
……何で私が頼んでんのよ。
「あのね……。その手の魔法ってのは、当然として人体の生理に影響を受けるの。
ハイになってる人間に催眠術かけても効きにくいでしょ」
「何だ、それこそ魔法みたいにするっと眠らせるようなのは無いのかよ」
「無いこともないけど。その後、半月くらい昏睡してもいいならね」
そりゃ手持ちに一瞬で意識を刈り取るような魔法もあるにはある。
精神に直接ダメージを与える対妖怪用の攻撃手段と言っても良い。
人間に対して使えば、下手すればそのまま目を覚まさないかもしれない程度。頼まれてもこんなことで使うわけもない。
「はぁ……、万能の魔法使いって言っててもそんなもんなのか」
ため息を吐き、やれやれと大げさな仕草で肩をすくめる魔理沙。
ぶん殴って気絶させようかな……。
人形遣いだけに人体のことならよく知ってるわよ。急所とかツボとか経絡秘孔とか。
「そう言うわけで、この件に関して私は何もできないし、するつもりもないの。
ベッドに潜って素数でも数えてればその内寝てるわよ」
ぷい、と背中を向けて毛布をかぶり直す。
「んじゃ、そうさせてもらうか」
そう言った魔理沙は、帰るどころかもぞもぞと私のベッドに潜り込んできた。
「ちょっと、帰って寝なさいよ」
「この寒空の中に放り出すのか? 冷たいぜ」
「その寒空を小一時間飛んできたのはどこの誰よ」
「まあまあ。アリスんちのベッドが大きめなのはこういう時のためだろ」
「そーなのかー。初耳だわ。家主も知らない驚愕の事実ね」
まあぐだぐだ騒がれるより、大人しくしてくれるならこっちの方が万倍良い。
「羊が一匹、羊が二匹……」
眠れない時のお約束か、羊を数え始める魔理沙。
一応声を落とすくらいの配慮はしているし、この程度なら森の雑音と大差ない。
ようやく眠りの世界に戻れそうだ。
ベッドはやや狭くなったが、少し温かくなった。うとうとと、次第にまぶたが重くなって──
「上海が九十九体、蓬莱が百体、ついでに私も百一体……」
「何であんたが増えてんのよ!?」
「ん? 私の人形作っても良いぞ。強そうだろ」
「作らないわよ……。一人で十分だっての」
半ば眠りかけたところで聞こえた声を、夢でも見るかのように頭がしっかりと再生してくれた。
脳裏に映るは、手から破壊光線を撒き散らして暴れる魔理沙&魔理沙人形の百一体大行進。
思い切り目が冴えてしまった。
「OK、わかったわ。何か方策を考えるから。
私も研究で根詰めてて疲れてるの。お願いだから眠らせて」
「やっと重い腰を上げたか。あ、別に太ってるって言ってるわけじゃないぜ」
「黙って。
……とりあえず何かお腹に入れるのは? 食べた後って普通眠くなるでしょ」
作り置きのクッキーとかまだあったはずだ。
勝手知ったる何とやら。魔理沙もうちのキッチンのどこに何があるかはたいてい知ってたりする。
適当に食べてきて良いから、と魔理沙を促して私は目を閉じた。
身を沈めるベッドの何と心地良いことか。今度こそ眠れるのね。
すぐに、私の意識は闇へと落ちた。
「あーりすー。一緒に飲もうぜー」
湖面のように穏やかな心に、ばしゃんと投じられる石。
広がる波紋が眠りの淵から無理矢理私を引き上げる。そっちが石を投げるなら私はサジを投げたい。
穏やかな心が怒りで目覚めそうだ。パワーアップの切っ掛けだろうか。
眠りに落ちかけたところを何度も引き上げられ、頭がくらくらしてくる。
首をもたげて戸口の方を見ると、酒瓶持ってふらふらこっちに向かう魔理沙の姿。
時計の針はすでに三時半を回っていた。
「寝酒に付き合ってくれよ。二人で飲む方が美味しいぜ」
「……あんた、ホント人生楽しそうよね」
へらりと笑う魔理沙。
近くに来るとアルコールの匂いとともに、石けんの香りがふわりと鼻をくすぐる。
シャワーでも浴びて汗を流してきたのか。
「ローストチキンが殊の外美味くて、つい酒が進んじゃった」
それ、お弁当のサンドイッチにしようと思って下拵えしといたのよね。
「ねえ、さすがに全部食べたなんてことは……」
「端から端まで美味しくいただいたぜ。あ、卵サラダも美味しかったぞ」
けふり、と息を吐く魔理沙。
はい、早起き確定。誰が満腹になるまで食べろって言ったのよ。
……作り直す時間を考えたら、あとどれだけ眠れるのやら。
体を起こし、魔理沙が手にしている瓶を確認する。
わりとお値段の張る一本だ。取って置きは隠してあるので見付かってないと思う。
これで起きたらキッチンに転がる無数の酒瓶、などという展開はやめてもらいたい。
「あんまりぱかぱか飲まないでよ。それ結構良いやつなんだから」
「そう思ったから一人で全部飲むのも悪いかなと」
手酌でワインを注いだグラスを、ひょいと差し出す魔理沙。
あきらめて受け取る。このままじゃ一口も味わうことなく空瓶になりそうだったし。
受け取ったグラスに軽く口を付ける。鼻腔を抜けていく葡萄の香り。
魔理沙の方はまるで焼酎のようにぐいっと一気にグラスをあおる。
寝酒はたくさん飲むと逆効果なんだけど、もう遅いだろうな……。
めんどくさがらずに付いていって、ホットミルクでも入れてやれば良かった。
まあ酔いつぶれたらそれはそれで静かになるか。
つぶれるのには慣れてるだろうし、明日も二日酔いくらいで動けなくはならないだろう。
結局、魔理沙に付き合って私もグラス二杯空けてしまった。
その魔理沙は現在下着姿でけたけたと笑いながら謎の踊りを披露している。
私の魔力を減らす作戦か。そうでなくても気力はぐんぐん減退している。効果は抜群だ。
あと酔ったからってすぐ脱ぐな。
だが思ったより可愛い下着だ。こんなの持ってたんだ。少しは魔理沙も色気付いてきたのかも。
……よく見たら、ショーツもキャミソールも私のだった。
シャワー浴びた後に汗で汚れた下着を着けたくないのはわかるけど。
今さら下着の貸し借りで文句を言うこともないが、せめてタンス漁る前に断りの一つも入れなさいよ。
そのまま風邪を引かれても面倒なので、ベッドに引っ張り込んでやる。何か怒る気力も萎えてきた。
わぉ積極的だぜなどとほざくが、今の私ほど消極的なのは図書館くらいにしかいない。
「むふー、ベッド温かいぜ。アリスの匂いがする」
ごろごろと半端な寝返りを繰り返したり、すんすん鼻を鳴らしたりする魔理沙。
毛布引っ張るな。暴れるな。落ちるわよ。
「何か話でもしてくれよ。あんま静かだと明日のこと色々考えちゃう」
「……あんた、どうあっても私を寝かせないつもり?」
お腹も膨れてお酒も入って、あと少しだ。耐えろ私。
そうだ、満腹の時に小難しい話でもしてやれば眠気を誘うはず。
「じゃあ、魔理沙に欠けてる理論の話でもしてあげるわ。
あんたがもし魔法使いになりたいって少しでも思うなら、今みたいな魔導書のつまみ食いや、
キノコ煮詰めて行き当たりばったりなんてやってちゃ人生全うしても到底無理よ。
そもそも魔法とは、この世界に本来あるべからざる法則や力を……」
「こぉら、つまんないぞー。そーいう話はシラフの時にやってくれないと理解できるかー」
そんなこともわからんのか、と魔理沙が腕をぶんぶか振って主張する。
発見だ。酔っぱらいに正論吐かれるほど屈辱的なことはない。
「そーだ、お泊まり会の定番って言えば好きな子の話だろ。
ほら、アリスの好きなのは誰だー?」
「上海」
ぷい、と寝返り打って魔理沙に背中を向ける。
案の定、私の肩を掴んでまたゆさゆさと揺すってきた。
「こーいうときはお世辞でも私って言おうぜー」
「迷惑かけない魔理沙が好きよ。ハイお世辞付き」
「そーかそーか、えへへ。私もやさしいアリスが好きだぞぅ」
もうお世辞と言うか皮肉合戦じゃないの。しかも至極低レベルな。
どうしよう。一人でトイレに行けなくなるような呪い人形の怪談でもしてやろうか。
……やめよう。この上、トイレに付いてきてなどと起こされたらどう返せばいいかわからない。
とんとんとあやすように背中を叩いてやりながら、何を話すかぼんやりと考える。
「……ん?」
いつの間にか、魔理沙は寝息を立て始めていた。
あれだけ暴れた後とは思えない、邪気のない何とも穏やかな寝顔だ。
はて、これが件の「迷惑をかけない魔理沙」なのだろうか、などと考える。
ならば私が寝たら「やさしいアリス」にでもなるのか。
……馬鹿馬鹿しい。眠っててやさしいも何もあるもんか。
まあ、不機嫌な顔でえんえん文句言われるよりはやさしいのかもしれないけれど。
それよりもようやく解放されたのだ。とにかく今は少しでも早く眠りたい。
時計に目を向ければ、魔理沙が転がり込んできてから実に三時間を費やしていた。
一、二時間でも良い。今は睡眠を堪能しよう。
ゆっくりと目を閉じ、私は甘美な眠りの世界へ誘われ──
「何すんだ、アリスのえっちー」
「ぶふっ!」
唐突な声に思わず吹き出す。
誤解無きよう言っておくが何もしていない。事実無根、たわけの寝言である。
「どこさわってんだよ、こらぁ」
だから私は何もしてない。どんな夢を見てるんだこいつは。
しかしここで叩き起こしたら今までの苦労が水の泡。
三時間を完膚無きまでにゴミ箱へと叩き込む愚行だ。
ここは鋼の精神力をもってシャットアウトするより道はない。
そうだ。魔法使いはどんな時でもクールであれ。お母さん……ではなく、どこかの魔法使いが言ってたような気がする。
がっしりしがみつかれて動きを封じられ、あはんだのうふんだのいやばかんだの吐息で耳元くすぐられたり、
囁くように、しかし熱っぽく私の名前を口にされたりしても鉄の自制心で──
無理です。年若いワタクシはこの状況で平静保てるような不動心には至っておりません。
ならば自らに魔法をかけて強制的に……さっき「神経高ぶってる人には効かない」と言ったばかりだ。
「……何これ。新手の拷問?」
ステキな夢の実況中継の中、時計の針はそろそろ垂直になろうとしていた。
「それで、バカが起きたら熱出してて動けないと」
私はテーブルに突っ伏したまま、うんとだけうめく。
目を覚ました魔理沙は焦点の定まらない目でふらふらしていた。
顔が赤かったので熱を測ってみたら四十度近く。
汗ばんだ体を拭いて着替えさせ、ベッドに押し込み氷嚢作って。
安易に熱を下げるのも良くないのだが、水を飲むのもつらそうだったので解熱剤を入れてやった。錠剤は無かった。
集合場所だったうちにやって来た霊夢と早苗に事情を話して今に至る。
「ああ、いますよねぇ。遠足当日に熱出して寝込む人って」
そういう子供みたいなアレなのか、夜中に飛び回ったりお酒飲んで騒いだりで風邪引いたのかは定かではないが。
「さすがにあの熱で放置できるわけもないから。今日はパス、ごめん」
「まあ二人が行けないならまたの機会ってのはいいけど。
あんたはあんたで大丈夫なの? クマできてるわよ」
「寝食忘れて生きられるのが売りなのよ、魔法使いってのは」
あはは、と笑ってみせたら二人とも引いてしまった。
ちょっと精神的に来てるが、そこまでダメそうに見えたか。
「これ、持って行こうと思ってた果物ですけど。どうぞ、お見舞い代わりに」
「ありがと」
早苗の持ってきた紙袋を受け取る。
リンゴだ。……剥くのは私か。
「アリスぅ……。氷嚢ぬるくなったぁ……、ぐすっ」
寝室の方から弱々しい声が聞こえてくる。
「あー、はいはい……。今日は一緒にいてあげるから、泣くな」
霊夢と早苗を見送り、椅子から腰を上げる。気が重いと体まで鉛でできてるかのようにさえ感じてしまう。
そろそろ私も怒ってもいい。
……のだろうが、ああも瞳を潤ませた弱々しい姿を見ると怒りもしぼんでしまう。
ぱしんと両頬をはたいて眠りかけた頭に活を入れ、表情を整える。
魔理沙とて沈んだ顔で付き添われても気が滅入るばかりだろう。
文句は元気になってから言ってやればいいのだ。
まあ、涙目でふにゃふにゃした顔をカメラにでも収めて、憂さの一つくらいは晴らさせてもらおう。
少しだけ余裕ができた私は、なおもぐずる声が聞こえる寝室へと足を早めるのだった。
早苗に看病手伝ってもらえば良かったと思い至ったのは、お昼に卵粥を作ってやった後のこと。
いつ眠れるんだろ、私。
そんな彼女に振り回される常識人(アリス)の滑稽な姿を描いた話が面白いかというと、
当然そういう訳も無く。
アリス可愛いよアリス
てかこの面子でピクニック行きてぇ…
男って悲しい生き物よね!
いいねぇピクニック
魔理沙って二次だと男前でかっこいいのが主流だけど元々こういう迷惑な奴だよね
なのにそれが可愛いという
アリスママにかまってほしいな。
他に不眠ネタでなんかあったかなぁ。
でも「ついでに私も百一体」にはわろた。
何気に霊夢と早苗の二人コンビにもニヤニヤ
魔理沙かわぁいいよ魔理沙
うん、これは目が冴えるわ確実にwwwwwwwwww
常識人のアリス……
早苗ぽんみたいに常識人じゃなくなってしまう日も遠くない、かも。
頭がめでたいのは霊夢も同じだけどねwwwwwwwwwwwwwwwwww
なんだかんだ優しいアリスにやられましたぜ。
アリマリはジャステス
というか、かの大魔道師の言葉が幻想郷にまで伝わっていたとは
ところで、微笑ましく見えるといえばそうだし、魔理沙は本来迷惑な生き物だというのもわかりますが
いかんせん、ちょっと程度が低いというか、陰湿な感じの迷惑だというあたりに軽い不快感がありました
おそらく、魔理沙が一方的過ぎてアリスのほうが魔理沙に気を許しているような描写が無かったからだと思いますが
読む側に、二人の仲が良い、という先入観が無いといささか厳しいのではないかと思います
親にベッタリな子供が正にこんな感じですよね
お酒は飲みませんが(笑
双方向性のようで全く形の違う親愛が綺麗に見えました
面白かったですー。
でもここまで魔理沙が暴走してるなら
アリスが魔理沙をぶん殴って気絶させてもいいと思う
アリスの一人称がなかなかに面白い。
あと、やさしいアリスって重複表現なんですね~。
使う時は気をつけようw
いましたねそんなヤツ。たしか小学校の遠足でも……アレ?何故俺には家で寝ている記憶しか無いんだろう?
自分的には魔理沙のうざさもギャグの中の1つとして許容範囲。
次も期待してます。
粉薬が入れられるかっつーのよーーーッ!マリアリ専門の俺がアリマリに転向しちまうじゃあねーか!
どういう事だ!どういう事だよッ!クソッ!描写したらネチョ寸前ってどういう事だッ!生殺しにしやがって、クソッ!クソッ!
出来の悪い(と言っては失礼だが)近所の女の子の世話をするお姉さん。そんなアリスにズヴォリンスキー。
あなたが仰るあとがきの意味、よく判ります。アリス=優しいがデフォルトな訳ですね。そんなアリスもまた良し。
アリスだけでなく、無駄にテンションが上がって我が侭に歯止めがかかっていない魔理沙が実にらしい。
なんだかんだ言って魔理沙もまだまだ子供ですな。二人の関係はこれくらいが丁度いい。面白かったです。
魔理沙うぜぇw なんか原作っぽい性格でマジうぜぇw
自分にはアリマリ補正がないので只の読後感が悪いだけの作品です。
アリスが胡蝶夢丸に手を出すのも頷けますね。いつも紫と行動を共にしてるところを見ると(今回はまた揃ってお休みのようです)普段から問題人物の面倒を見るよう指示されてるのかも。二人の関係って以前は「マリアリだから」で疑問にも思わなかったんですけど色々設定とか漁ってるうちに私のマリアリ分はすっかり抜けちゃったみたいです。
頭痛が痛い的表現も、なるほど納得ですw