私は何度目かのように、お燐の持ってきた死体をこいし用に作り変えている。
他人の意識のバックアップ。
普通はそんな事は出来ない。
でも私なら出来る。
意識を読み取るこの能力なら思考回路を一から十まで完全にシミュレート出来る。
その思考回路に全ての記憶を流し込んで“こいし”を作り出す。
そうやって出来たスワンプマンは私にすら判別する事は出来ない。
自己同一性が完全に引き継ぎされているなら、それはもはや同じ個体だろう。
同じなのだ。
......私の方法は完璧なのに、どうしてだろう。
あの子は私のシミュレートの外でいつのまにか死んでしまう。
私は閉じ方も分からないのに
どうして。
あの子の眼は開いてくれないのだろう。
私の眼は赤色の血が流れているのに
どうして。
あの子の瞳は、血の通わない青。
『どうしてだろうね?』
こういう暗い姉妹関係いいぞぉ。まさにアンダーグラウンド
好きな雰囲気のお話でした!
こいしちゃんの新たな可能性を垣間見させていただきました。
視点によってぐるぐると変化する「真実」が素晴らしい味わいでした。
とても良かったです。
すごかったです
お姉ちゃんは大変だ……
最終的にさとりの認識すらも真実とは断定できないようで恐ろしくなりました
いくらさとりでも生物の脳を完全に再生できるものなのか……