魂状態となった妹紅に弾幕は当たらず、一方的な攻撃となる。
「くっ!…こんなもの!」
インペリシャブルシューティングと名のつけられたこの技は、高い殺傷力をもって輝夜へ襲いかかる。
隙間のない弾幕相手に須臾の能力は通用せず、隙間が出来たときに気づけるかどうかの勝負となる。
「妹紅ぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!」
全ての攻撃を乗り切った輝夜は、実体化した妹紅へ飛びかかる。
最大まで時間を圧縮した拳を受け、妹紅は消し飛んだ。
「はぁ…はぁ…」
完全に疲労しきった輝夜。そこへ…
「とっておきだ!「フェニックス再誕」!」
瞬時に再生した妹紅の渾身の一撃が迫る。
輝夜は対応できずに死を迎えた。
「はぁ…はぁ…。そろそろ体力が限界だな…。」
そう呟いたのは妹紅。
不老不死といっても疲れないわけではなく、痛みも感じるため、何度も死ぬと蓬莱人とはいえ動けなくなる。
「はぁ…はぁ…、…ふふ、私もよ。」
お互い満身創痍。再生できるのはあと一回か。
輝夜は一枚のカードを出した。
「ここまでギリギリの戦いは本当にひさびさね。」
「でも、残念だけど勝たせてもらうわ。」
「これが私のとっておきよ。「永夜返し」。」
それは、一定範囲の空間の時間を戻し、高速で再生することによって、二人の戦いにおいて放たれた全ての攻撃を圧縮して放つ奥義。
「マジかよ…なら、こっちも容赦はしねぇ!」
「『こんな世は燃え尽きてしまえ!』」
妹紅が前の異変のときに編み出した、圧倒的火力の無差別放火で全てを焼き付くしにかかる、もうひとつの秘技。
オカルトボールがなくとも、その発動は可能なようで。
「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラァ!」
「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァ!」
その威力は互角。お互いの攻撃が相殺しあう。
周囲一帯はなにもかもが消し飛び、竹だって残っていない。
永遠に続くと思われたその戦いは、すぐに終わりを迎えることとなった。
「天呪「アポロ13」」
第三者の介入。
そのスペルはとてつもない高密度と高火力で、二人の攻撃をすべて打ち消してしまった。
「っ!?…誰だ!?私と輝夜の戦いを邪魔するやつは!」
その第三者とは、
「輝夜が三日も帰ってこないから心配して探しにきたのだけれど…二人とも、ちょっと暴れすぎじゃないかしら?」
三人目の蓬莱人、八意永琳であった。
永琳の介入により殺しあいは終わりを迎えた。
そして今、当人である輝夜と妹紅は永琳に説教されている。
「うぅ~、だって仕方ないじゃない!なかなか妹紅が来ないんだもの!」
「だからって三日も家を空けていい理由になりません!それに、何でこんなにクレーターだらけなんですか!」
「だって…輝夜に勝てそうだったからヒートアップしちゃって…」
「それが竹林を吹き飛ばしていい理由になりません!妹紅も輝夜も反省なさい!」
月の賢者の本気の怒りに、不老不死といえどなすすべなしである。
「全く…八雲に見つかったら消されてましたよ?あなたたち。」
「すみません…」
「輝夜は一週間晩御飯抜きですからね!殺しあいも我慢しなさい!」
「そんなぁ~…」
こうして、二人の蓬莱人の戦いは終わった。
最強の蓬莱人は、八意永琳であった。
特に既存のスペカの適当さが酷い。
表現が中二なのは仕方ないとして、もしオリジナルスペカを題材にした話を書こうとしたのなら、登場させるオリジナルスペカを一つに絞ってみてはどうでしょう
例えばですが、妹紅が新しいスペカを試行錯誤を経て編み出すシーンをしっかり書いた上で輝夜とバトルさせ、最後の切り札としてそのスペカを使用する
という流れならもう少し読み応えのある作品になっていたかもしれません
中2だから