めずらしくうちに来ると部屋の掃除などしてくれる。
頼んでないのに。
それに勝手に整理するものだからどこに何があるか分からなくなる。私がこの前書いた魔導書は未だに見つからない。
お前が来なくても私は栄養のある食事くらいは作れるんだよ、きっと。
でも、私が机に向かっている時は絶対に邪魔してこない。髪は触ってくるけど。
それと飯が出来たならちゃんと言ってくれ。確かに夢中になってる時に話しかけられるのは嫌だけど、
飯が冷めちまったら元も子もないだろ? せっかく作ってもらってるんだから、温かい飯をお前と食べたい。
私の好み合わせて作りなれない和食を作ってくれるのはありがたいが、
別に私に合わせなくたって、自分の食べたい物を作ればいいのに。変な奴。
私と霊夢がキャッキャしてるのを見るのが楽しいとこいつは言う。
たまに3人でお茶をするが、その時あいつがぼーっとしているのはそのせいなのか。
そんな事言ったら、これからお前の目線を意識してしまうじゃないか。
そして霊夢のことだ、いちいち感付いてからかってくるに違いない。
あぁいやだ。全部お前のせいだ。
こいつの家に遊びにいくと手厚い歓迎を受ける。
私は何もしないんだから別になにもしないでもいいのに。
まずお茶とお茶請けが出てくる。最近は私のために緑茶を淹れる練習をしているそうだ。
そして飯も出てくる。私が本に夢中になっているといつの間にか出来あがってる。それ目的じゃないんだけどなぁ。
悪いので洗い物くらいは、とやるようにしているが、洗い物が終わると風呂が湧いていて、一番風呂を譲ってくれる。
王様か私は。
風呂から上がると布団が用意されている。なんで私が知らない間に泊まることが決まっているんだ。
しかも限って布団が気持ちいい。毎日干しているのだろうか。
私は子供じゃないんだから寝る前に小話などしなくても良い。ちょっと面白いけど。
あと、こいつはとてもいい匂いがする。
使っているシャンプーや石鹸は一緒なのになぜこうも私と違うのか。
まさか人間と魔法使いで匂いが違うわけでもあるまい。
私の金髪とは違う、こいつの心の中のような透き通った金髪。羨ましい。
一度、その事を褒めたことがあったがとても喜んでいた。
すごくいい笑顔を向けられるのが何か照れるので、もうやらない。
そんなこいつだが、たまに喧嘩をする。
主に日常生活のことでだ。魔法に関する討論や議論は全く別。
いちいち小うるさいんだよ。やれ部屋が汚いとか、がさつだとか。
そっちから勝手に入ってきてるくせに文句を言わないで欲しい。
……まぁ、こいつに頼り切っている事は自覚している。
それは上で述べたとおりだ。
現にこいつが居ないとつまらないし、物足りない。
居ると邪魔だけど居なくなると困る変な奴、それがアリス。
魔理沙の家に行き、私がまずやることは部屋の掃除だ。
魔理沙の部屋は物が多い。魔理沙自身もどこに何があるか把握していないようだ。
しかし私は整理しているうちに、どこになにがあるか分かるようになってしまった。
魔理沙はその事について怒っていたけど、
二人ともわからないよりは私が分かっている方が便利でしょ。定期的に会わない仲じゃないんだし。
机に向かって、何かに没頭している魔理沙の横顔が好きだ。
髪の毛を邪魔そうにしているので結んであげる。
めったに見られない魔理沙の横縛り。上出来上出来。
魔理沙は努力している姿を人に見られるのが嫌いだと言ってたけど、私の前では構わないのかな。
私なんて眼中に無いのか、それとも気を許しているのか。まぁどっちにしろ、この顔が見れるならいいわ。
この時の魔理沙は話しかけても、あーだのんーだのしか言わない。
この魔導書借りていくわよ。んー。
最近、魔理沙が好きだというので和食に挑戦してるのだけど、いかんせんうまくいかない。
魔理沙の方も嬉しがってはいるけど、少し不服そうなのが顔に出ていた。まだまだ私も未熟ね。腕を磨かなきゃ。
たまに二人で霊夢のところにお茶を飲みに行く。
魔理沙と霊夢はとても仲がいい。それこそ、遠慮なんて無いほどに。
それを見ているととても微笑ましくなってしまう。私の子どもが他の子どもと遊んでいるようで。
魔理沙にこんな事言ったら怒り狂うんでしょうけど。
魔理沙は三日に一度必ずうちに来る。
本を読みに、とはいつもの言い分だけど本当はどうなのかしら。
ま、来る日が分かっているし、準備しやすいからいいんだけどね。
霊夢の所で魔理沙が緑茶を絶賛していたので、同じものを買ってみたけど霊夢のように淹れられない。
最近やることが全部魔理沙に関する事ばかりなのは気づいている。
何か、してあげたいのよね。
魔理沙にご飯を食べさせ、お風呂に入れる。
本当は一緒に入って洗ってやりたいのだけれど、一緒に入ろうなんて言ったら魔理沙は怒りそうだ。
温泉なら一緒に入るのに。変な奴ね。
私がお風呂からあがると、布団を半分だけ空けている魔理沙が居るのがとても可笑しい。
いつもは傍若無人な態度をとっているけど、こういう時はちゃんと気遣いできるのね。偉いわ。
布団に入ると、魔理沙のいい匂いが漂ってくる。髪が長いからなおさらね。魔理沙の匂い。
前に魔理沙に髪を褒められたことがあったけど、私は魔理沙の金髪のほうが好きよ。
魔理沙が私を褒めるなんて珍しいから、思わず笑っちゃった。
今日は、こんな事があったわ。なんとなく自分のことは魔理沙に伝えたい。
魔理沙も興味あり気に聞いてくれるのがまた嬉しい。
私と魔理沙はあまり喧嘩をしない。
たまに私が魔理沙の生活態度について注意するのを、魔理沙が言い訳するくらいだ。
もっとしっかりしてほしいわ。
人に対してちゃんと気遣いできるんだから、それを自分に向けてほしいわね。
少し不安定でほっとけないけど、他の人のことを思いやる心をちゃんと持っている変な奴、それが魔理沙。
――――はぁ。 ―――――ふぅ。
今日の晩ご飯は何を作ってくれるのかな。 今日の晩ご飯は何をつくろうかしら。
『変な奴と、変な奴』
終わり
スゴくたまらないわこういうの
ありがとう
吐くわ、口から砂糖を吐くわ
誰だ俺のブラックコーヒーに砂糖たっぷりつっこんだ奴は………
健全ねえ、でもお熱いねえ(ニヤニヤ
気持ちの交差が上手く描かれた傑作です。
もはやこいつらはバカップルじゃなくて夫婦だと思うwwwwwww
声なんて知らねーのにww
マリアリが結婚しても何もおかしな事はない
夫婦の愚痴という惚気を聞かせるこちらの身になってください。
大変甘美なマリアリでした、ごちそうさまです。
友達以上恋人未満(死語)な感じが
とても可愛いです、可愛くてしゃーない。
アリスの方が、ちょっと大人に思えます。