Coolier - 新生・東方創想話

霧雨魔理沙の消失-DEAD END-

2010/01/18 01:36:38
最終更新
サイズ
2.11KB
ページ数
1
閲覧数
1211
評価数
3/36
POINT
940
Rate
5.22

分類タグ

 夢を見ていた。永く、悲しい夢を。

「――あれからもう五十年になるのか」
カーテンをあけ、部屋に日光を取り込む。
いつでも仄暗かったはずの部屋は、暖かな春の日差しに照らされていた。
「茸は充分だな、うん。じゃあにとりの所に行って、パチュリーの所に行って……」
日常は特に姿を変えることもなく、今日も昨日も訪れる。
明日も、明後日も、何年先も何十年先も、私はこうしているのだろう。
「なのに……どこで狂っちまったんだ」

 隣で笑う筈の人が、一人足りない。

 魔法の森を抜けると、チルノと大妖精に出会った。
「やめろよ、時間の無駄だ」

「うう、うるさいっ!大ちゃんはあたいが……!」

「――永氷「エターナルフォースブリザード」!!!」

 辺りの木々、空気までもが一瞬に凍りつく。
中級程度の妖怪なら気付くことすらなく彼の世行きだろう、が。

「……戦符「リトルレギオン」」

☆★☆★☆★☆★☆★☆

 また今日も日が暮れる。

 にとりに発明品をあげて、パチュリーに新しい魔法を教えて。
霊夢の代わりに小さな異変も解決したな。
慧音が引退したら少し位は次の教師を考えてやってもいい。

「どうしてなんだ」

こんなに充実しているのに。

「――――」

隣で笑ってくれよ――

「アリス」

しつこいくらいでいいからさ、ほら――

☆★☆★☆★☆★☆★☆

「……紫様」
「ええ、藍。分かってるわ」

 ・・・
 本物の魔法使いになってから五十年……
力は白蓮――心はフランドールみたいな娘になってしまったわね。
嫌いじゃなかったのよ?でも、そろそろ限界なの。
 
 にとりも。パチュリーも。霊夢も。慧音も。

「誰も、貴女に怯えて暮らすことを望んではいないのよ――魔理沙」

☆★☆★☆★☆★☆★☆

 霧雨魔理沙。
昔、彼女を知らぬ者はいなかった。
陽気で活発で、悪い所はあるが、元気な少女だった。

昔、彼女を知らぬ者はいなかった。
大魔法を扱い、過ちを犯した。
一人の友を失い、壊れてしまった、悲運の魔女だった。

今、彼女を知らぬ者はいない。
沢山の人形を操り、魔法を操り。
それは狂気の魔女。
狂った人形捌きは、七色の魔法使いのそれには似ても似つかない。

――未来。
彼女のことは、永遠に幻想郷を見守る――私だけが知っている。

稗田の娘にも、白沢の末裔にも、誰にも歴史を覚えさせはしない。

これで何人目だろう。

私は考えることをやめ、幻想郷へと降りていった。

                            ――八雲 紫
初投稿なので、構想一分作業二十分くらいで書きあげた謎の発想を投下。凄く短いです……これからも偶に投下しに来るのかもしれません。ンフフ
村崎ふう
簡易評価

点数のボタンをクリックしコメントなしで評価します。

コメント



0.750簡易評価
21.無評価名前が無い程度の能力削除
続きが気になって仕方ない。
23.無評価名前が無い程度の能力削除
導入なのは分かるんだが、いかんせんこれだけでは短すぎて意味がよく分からない。
これ+本文の第一話をひとまとめにするくらいあればもっと良かったかも
25.無評価名前が無い程度の能力削除
「とりあえずプロットを投稿して様子見」ってパターンには、いい加減うんざりしてるので、
まず一本仕上げてから出直してください。
26.50名前が無い程度の能力削除
うん、作品一本に仕上げていただきたかった。
でも、それでも、期待してます。
29.無評価名前が無い程度の能力削除
私からも言わせてもらうと、着想だけを投稿するのはやめていただきたい。短いとは言え、読者は展開を期待して読みに来るわけだから、それをがっかりさせるような未完成さでは些かこちらも後味が悪いです。
33.60ずわいがに削除
人間って脆いなぁ。寿命はやはり強さなのだろうか。
38.80名前が無い程度の能力削除
個人的にはこれで完成でよいと思う。