Coolier - 新生・東方創想話

えーりんのおっぱい

2009/03/24 03:04:20
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ここは静かな永遠亭。
ここに居るのは八意永琳、永遠亭のお医者さん。



彼女が廊下を歩いていたら、小さな兎に呼び止められた。



「えーりんさまー!」



もふっとぶつかる子兎に、あらあらうふふと永琳師匠。
おっきなお胸でふかふかと、子兎とっても気持ちが良さそう。



「えーりんさまのおむねふかふかー!」

「ふふっ、ありがとう」



永琳ちょっぴり照れながら、子兎よしよし撫でたげる。
優しく温か師匠のお手てに、お目めを細めて嬉しそう。



「えーりんさま、またねー!」

「ええ、またね」



いっぱい撫でられ満足したのか、笑顔で手を振る小さな兎。
笑顔で彼女と別れると、今度は遠くで子供の泣き声。
どうしたのかしらと永琳行けば、そこには転んだ子兎が。

あらあら可哀想に。 膝を擦りむき泣いてる兎に、師匠は急いで近寄った。



「どうしたの? 大丈夫?」

「えいりんさまぁ……」

「ほら、男の子でしょ? 泣かないの」



泣いてる兎の手を取って、よいしょと起こした永琳師匠。
子兎あわわとつまづいて、師匠の方へと飛び込んだ。
大変大変! 師匠の履いてるスカートに、泥がいっぱい着いちゃった。



「あわ、ご、ごめんなさい!」

「あらあら、大丈夫よこれくらい。 洗えば落ちるわ」



倒れた子兎慌てて離れるも、師匠はやっぱり笑ってる。
それでも子兎涙目で、ほんとに平気? と聞き返す。



「ええ、大丈夫。 怒ってないわよ」

「……えいりんさまぁ~!」



あらあら、平気だって言ったのに。
やっぱり子兎泣きながら、師匠のお胸に飛び込んだ。
柔くて温か師匠のお胸。 子兎やっと落ち着いた。



「泣き止んだわね。 偉い偉い。 それじゃ、バイキン入らない様に消毒しに行くわよ」

「う、うん……でも……」

「あら、どうしたの?」



お手てを繋いで行こうとするも、子兎ちっとも動かない。
あんよをよーく見てみたら、腫れて真っ赤になった膝小僧。



「あらあら、歩けないのね……しょうがないわね」

「え、えいりんさま……?」

「はい、おいで」



うんしょとしゃがんだ永琳師匠、こっちにおいでと手で招く。
それ見た子兎ゆっくり歩いて、師匠の背中によじ登る。



「お、おもくないですか?」

「ん~? 平気よ。 てゐやウドンゲに比べればね」



子兎全然知らなかった。 永琳とっても力持ち。
それにとっても良い香り。



「あら……ふふっ、ませてるのねぇ」

「え……!? あ、その……ごめんなさい」

「いいのよ謝らなくても。 健康な証拠よ」

「うぅ~……」



綺麗な銀の長い髪。 師匠の顔は見られない。
だけどきっと笑われたよね。 子兎ちょっぴり恥ずかしい。



そうしてる内に辿り着く、永琳師匠の診療所。
座ってゆっくり消毒されて、ちょっぴり染みる膝小僧。
痛いよ痛いよでも我慢!



「ちょっと我慢してね……はい終わり」

「あ、ありがとうございます!」

「今度はちゃんと足下に気をつけるのよ」



頭をペコペコ立ち去る兎。 永琳ふうっと一息ついて、よっこいしょっと立ち上がる。
永琳師匠も休まなくっちゃ。 一人でゆっくりお茶の時間。


だけどまたまた何処からか、ひっくえっくとしゃくり泣く、小さな兎の鳴き声したわ。
あらあら今度はどこかしら? 声がするのはお尻の真下、たぶん軒下からかしら?


師匠が軒下覗いてみれば、そこにはやっぱり子兎が、小さく小さく泣いていた。



「あらあら、どうしたの? そんな所に……ほら、出てらっしゃい」

「……いやだ」



あらあらこれは困ったわねえ、とっても頑固な子兎ちゃん。
だけどやっぱり永琳師匠、ぴかんと閃きこう言った。



「あ~、このお団子美味しいな~。
 でも食べ過ぎちゃって一個余っちゃった~。
 誰か食べてくれる子が居ないかしらね~」

「あっ! 食べる食べる!」



師匠の言葉にピクリと跳ねて、子兎もそもそ出てきたわ。
やっぱり師匠はあたまいい!



「ふふっ、どうぞ……ねえ、何があったの? お話しして頂戴?」

「うん……実はね、寂しかったの」



膝に乗っけた子兎が、お団子もしゃもしゃ食べながら、だけどやっぱり涙声。
師匠は優しくででなでと、何があったか聞いてみます。



「寂しかったの? お父さんやお母さんは?」

「私がね、大っきくなる前にね、食べられちゃったの……」

「まあ、そうだったの……」



しゅんとお耳を垂らしながら、子兎も一度泣き出しそう。
その顔見ちゃった永琳師匠、どうしましょうかと首捻る。



う~ん、う~ん。 あ! そうだ!



師匠は子兎抱きしめて、優しく小さく囁いた。



「ねえ。 今だけでも良いわ。 『お母さん』って呼んでみて?」

「え……?」

「ごめんなさいね。 流石に本当のお母さんにはなれないけど……
 今だけでも、ね?」

「……っ、ふぇっ……お母さん……!」

「ふふっ、よしよし」



あらあらスカートが冷たいわ。 だけど今は我慢我慢。
えんえん泣いてる子兎を、延々なでなで永琳師匠。


見上げた夜空にお月様、あの子達も元気かしら?
ずっとずっとの大昔、月に忘れたあの子達。 今も元気にやってるかしら?



「……あら?」



お月見終わった永琳師匠、静かになったと下見たら、子兎くうくう寝ちゃってた。



「……おやすみなさい」



うんしょと抱っこで子兎持って、師匠は寝床へ運んでく。
柔らか師匠の胸の中、せめて夢では幸せに、家族と一緒に幸せに。










「師匠ー! 今日の薬売り終わりまし……た?」

「あら、お疲れ様ウドンゲ」



お仕事終わった鈴仙が、師匠の元へと走って戻る。
戻った先で見たものは、ふわふわもこもこ兎達。
師匠の周りに固まって、師匠がどこだか分からない。



「……師匠、いつから毛玉に進化されたんですか?」

「え~っと、昨日から?」

「一体何が……」

「いえ、ちょっと兎達をかまってあげてたらこんなに……」

「さいですか……で、てゐは師匠の胸元で何やってんの?」

「うん? いやあ、これが中々気持ち良い」

「あ、そ……」



納得したけど気になっちゃう。
じーっと鈴仙見詰める。 なんかちょっぴり羨ましそう。
それ見た師匠はニッコリ笑い、彼女を手招き誘ったわ。



「おいでおいで~」

「なっ、何言ってんですか師匠、私がそんな子供みたいな……」

「お~よしよし」

「あれっ!?」



ハッと気付けば鈴仙は、ふっくら柔らか胸の中。
師匠のおっきなおっぱいは、ふかふかむにむに温かい。



「にゃ~……師匠ぅ……師匠ぉ~」

「ふふっ、甘えん坊さんねえ鈴仙ったら」



師匠を抱きしめすりすりと、鈴仙ったら子供みたい!


周りの兎が囃し立て、だけど気付けば寝息が一つ。
あらあら鈴仙眠っちゃった。 きっととっても疲れてたのね。

起こしちゃいけない、静かに静かに。
皆でお口に手を当てて、鈴仙様が起きない様に。


静かに、静かに…………










「……あら?」





姫様見掛けた永琳師匠。 兎に囲まれ座ってる。
だけど何だか様子が変。 こっくりこっくり首揺れる。

気になる姫様近づいて、師匠のお顔をちょこっと覗く。



「あらあら、珍しい」



ふわふわもこもこ兎に囲まれ、鈴仙永琳眠ってる。
皆が眠ったお昼時、永遠亭のお昼時。


皆で仲良くお昼寝タイム。

それ見た姫様にっこり笑顔。私だけ仲間はずれなんてずるい!



「……私も」



うずうずしていた輝夜姫、永琳師匠に近づいて、ゆっくりふんわり抱きしめた。



「あ……温かい……それに柔らかいし、良い匂い……」



師匠の柔らかおっぱいに、姫もふわぁとあくびを一つ。


周りのすやすや寝息に誘われ、姫様気付けば眠っちゃった……









「――あら、眠っちゃったのね……う~~~~んっ……!

 っと……あれ?」



お昼寝から目覚めた永琳師匠、なんだか体がすんごい重たい。
何でだろうと見渡せば、お膝に鈴仙輝夜姫。
そのまた周りにふわふわもこもこ、兎がいっぱい眠ってた。





「あら……これじゃあ動けないわね。 じゃあもう少しだけ……


 おやすみなさい……」





永遠亭の昼下がり。 皆が眠った昼下がり。
むぎゅっと二人を抱きかかえ、永琳師匠はまた寝ちゃう。





えーりんのおっぱいは魔法のおっぱい。 皆が安らぐ素敵なおっぱい!
お月様が出ていると永遠亭面子の話を書きたくなります。
特に永琳師匠の。

おっぱいおっぱい言ってるけど、おっぱいっていう単語が卑猥なんじゃなくて、
おっぱいでそういう発想をする事が卑猥なんだと思う。
子供の頃の純粋な気持ちを思い出して欲しい。 そしたら次に、口に出して言ってみるんだ。

ほら、言ってごらん? 『おっぱい』って。 私も言うから。 『おっぱい』

次は10回言ってごらん?

『おっぱい』、『おっぱい』、『おっぱい』、『おっぱい』、『おっぱい』
『おっぱい』、『おっぱい』、『おっぱい』、『おっぱい』、『おっぱい』

ほら、もう恥ずかしく無くなった落ち着いた。


ね? 魔法の言葉でしょ?


※誤字修正しておきました。 ありがとうございます。
毛玉おにぎり
[email protected]
http://kimagurenagaya.web.fc2.com/
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コメント



0.2050簡易評価
1.100名前が無い程度の能力削除
いいですね~この永遠亭は。懐かしくてほんわかした雰囲気で大好きです。
自分も小さい頃オカンによく甘えたなあ………
2.100名前が無い程度の能力削除
面接で緊張した時に「おっぱいおっぱい」と唱えてたら落とされました。
あの人たちは何も分かってない。
そんな私の想いが証明された心地がしました。ありがとうございます。
5.100謳魚削除
そうですね、げに恐ろしきは発想力、ですね。
母の胸元は温かい。
それは天地の理。
でも今はもう「そういう方向」でしか見られない自分がいてそれが何処となく淋しい。
10.100名前が無い程度の能力削除
つまり・・・ビートまりおは自重しなくていいってことですねww
これは良いお話。
12.100名前が無い程度の能力削除
いいなぁ、こういう雰囲気。
13.100名前が無い程度の能力削除
いやぁ、ほんわかした雰囲気に軽妙な誌調の文章がマッチして・・・
ご飯3杯いけますな、ウン。
20.100名前が無い程度の能力削除
面白かったです。
21.50名前が無い程度の能力削除
良い話なんだけど……良い話なんだけど……。
地の分の妙なリズムのせいですごく読みづらい……。
23.100名前が無い程度の能力削除
なんという暖かなお話。ちょっといい気分にさせていただきました。

ところで、誤字報告をば
うどんげの
「あ……温かい……それに柔らかいし、良い臭い……」
というセリフ、臭いよりの匂いのほうがよろしいのではないでしょうか?
28.100名前が無い程度の能力削除
とりあえず、二匹目のボーイの「健康な証拠」について詳しく語ってもらおうかwww
30.50名前が無い程度の能力削除
永琳は飛びついてきた兎を鍋にしそうだけど、
ここでそんな事言っても去勢されそうだなw
31.100名前が無い程度の能力削除
そのまま絵本になればいいと思いますよ。
稀に見る希少な、幼児向けの東方って事で。
32.70コメントする程度の能力(ぇ削除
このバージョンが一番ほのぼのする
のでここに得点いれていきますね
35.90名前が無い程度の能力削除
ほんわかですなー
36.100名前が無い程度の能力削除
おっぱい…
39.90名前が無い程度の能力削除
これは詩的な作品ですな
七音、五音で構成されたリズムが斬新!
41.100名前が無い程度の能力削除
『おっぱい』、『おっぱい』、『おっぱい』、『おっぱい』、『おっぱい』
『おっぱい』、『おっぱい』、『おっぱい』、『おっぱい』、『おっぱい』
55.100名前が無い程度の能力削除
イイネ