「始まりました。今週の『アッキュンこすずのふしぎことばレッスン☆』の時間です」
「よろしくお願いします」
「司会のアッキュンこと稗田阿求です」
「アシスタントの小鈴ちゃんです」
「まずはいつものように、世界各国でのあいさつの言葉から始めたいと思います」
「あいさつは大事ですもんね」
「今日はヘルサレムズ・ロットでの、見知らぬ人と仲良くなりたい時のあいさつです」
「楽しみですね」
「『おい兄ちゃん、ちょっと跳んでみろ』。小鈴ちゃん、繰り返して」
「はいアッキュン。『おい兄ちゃん、ちょっと跳んでみろ』」
「『おい兄ちゃん、ちょっと跳んでみろ』……これは『今日はいいお天気ですね、明日も良い天気になるといいですね』という意味が込められています」
「とっても素敵だと思います」
「先日、私はこの言葉を実践してみたんですよ」
「まあ、それは素晴らしいですね。アッキュンはその人と仲良くなれたんですか?」
「はい、直後に優しい笑顔で千五百m急転直下の経験をさせてくれました。妹紅さんは優しいですね」
「まるでジェットコースターみたぁい」
「……」
「……」
「……はい」
「では次のコーナーです」
「咄嗟の時に役立つ英語、その百六十七語です」
「楽しみですね」
「『This is a pen』……これはペンです。小鈴ちゃん、繰り返して」
「はいアッキュン。『This is a pen』……これはペンです」
「『This is a pen』……例文を演じてみましょう。小鈴ちゃん」
「『I don’t speak English』」
「I don’t speak English『This is a pen』」
「『ah?』」
「『No! This is a pen!』」
「『No I don’t speak English!』」
「『No! NoNoNo! This is a pen! This is a pen! This……This is a peeeeen!!!』」
「……とても和やかに会話できましたね!」
「はい、まるで百年来の知己に出会ったような会話です。皆さんも、何かあれば咄嗟にThis is a pen!」
「いつでもどこでもThis is a pen!」
「君と僕とでThis is a pen!」
「ウフフフフフフフ」
「アハハハ」
「……」
「……」
「はい、では次のコーナーに行ってみましょう」
「次のコーナーはなんですか、小鈴さん?」
「はい、次のコーナーはなんでしょう」
「え? 次のコーナーですよね?」
「ええ、つぎのコーナーですよ?」
「……台本見ます?」
「失礼します……はい、次のコーナーは日常で気を付ける言葉の齟齬についてです」
「もし勘違いしたまま会話が進んでは危険ですからね!」
「はい、そう言うことになります」
「では……『私は消えて無くならない為に妖怪に仏教を教えているのです』。小鈴ちゃん、繰り返して」
「はいアッキュン『私は消えて無くならない為に妖怪に仏教を教えているのです』」
「『私は消えて無くならない為に妖怪に仏教を教えているのです』……これは『てめえみたいに下の連中より上にのさばる気はねえんだよクソバイタ』です」
「まあ、とっても素敵!」
「はい、感情が籠ってますね」
「アッキュン、私もう少しお勉強したいです!」
「もう、小鈴ちゃんはしょうがないなあ」
「えへへ」
「ではもう一文……『なる程、だから貴方の寺にいる妖怪は古臭い奴らばかりなのね』。小鈴ちゃん繰り返して」
「はいアッキュン『なる程、だから貴方の寺にいる妖怪は古臭い奴らばかりなのね』」
「『なる程、だから貴方の寺にいる妖怪は古臭い奴らばかりなのね』……これは『ケッ、カビの生えた偽善者ババアが腐ったこと言ってんじゃねえよカス。死ね』です」
「まあ、とっても仲良しさん!」
「そうですね。もしこんな発言をしながら会話する人がいたら、きっとその人たちは夫婦と呼んでも差し支えないぐらい仲良しさんですね!」
「うふふ、きっと『私から見れば人間を御しやすくするだけのお前の宗教の方がよっぽど邪悪である!』と言ったら『悔しいんでしょ? 僧侶と道士の評価が段違いで』と返すツーカーのコンビに違いないわ!」
「そうね、きっと思想や信念の対立なんて根の深いところには目も向けず、浅はかにも対立関係で手柄をハゲタカのように奪い合っていると言うだけで夫婦扱いなんてされないとってもとってもとってもふわふわした関係に違いないわ!」
「……」
「……」
「……あ、もうお時間ですか?」
「やだ、私もっとアッキュンとお勉強したぁい!」
「うふふ、そう言わないの。来週もお勉強すればいいじゃない」
「それもそっかー!」
「では、来週のコーナーは?」
「はい! 来週は『ザギバスゲゲル グロンギ語でのお中元』『魔動機文明語での日常会話』『咄嗟に断る為の新ぬっほん語』です!」
「みんな、来週も元気にお勉強しましょうね?」
「きゅきゅーん!」
○
「……」
「……」
「……一輪、これはどういう夢なんですか?」
「え、私に聞くの?」
「貴女以外に冷静さを喪わずに判断できる人がいるとは思えません」
「ゴメン、私もヤバい。急いであんたの頭のねじを締め直したい」
「……出来る?」
「頑張る」
「よろしく」
「応」
「よろしくお願いします」
「司会のアッキュンこと稗田阿求です」
「アシスタントの小鈴ちゃんです」
「まずはいつものように、世界各国でのあいさつの言葉から始めたいと思います」
「あいさつは大事ですもんね」
「今日はヘルサレムズ・ロットでの、見知らぬ人と仲良くなりたい時のあいさつです」
「楽しみですね」
「『おい兄ちゃん、ちょっと跳んでみろ』。小鈴ちゃん、繰り返して」
「はいアッキュン。『おい兄ちゃん、ちょっと跳んでみろ』」
「『おい兄ちゃん、ちょっと跳んでみろ』……これは『今日はいいお天気ですね、明日も良い天気になるといいですね』という意味が込められています」
「とっても素敵だと思います」
「先日、私はこの言葉を実践してみたんですよ」
「まあ、それは素晴らしいですね。アッキュンはその人と仲良くなれたんですか?」
「はい、直後に優しい笑顔で千五百m急転直下の経験をさせてくれました。妹紅さんは優しいですね」
「まるでジェットコースターみたぁい」
「……」
「……」
「……はい」
「では次のコーナーです」
「咄嗟の時に役立つ英語、その百六十七語です」
「楽しみですね」
「『This is a pen』……これはペンです。小鈴ちゃん、繰り返して」
「はいアッキュン。『This is a pen』……これはペンです」
「『This is a pen』……例文を演じてみましょう。小鈴ちゃん」
「『I don’t speak English』」
「I don’t speak English『This is a pen』」
「『ah?』」
「『No! This is a pen!』」
「『No I don’t speak English!』」
「『No! NoNoNo! This is a pen! This is a pen! This……This is a peeeeen!!!』」
「……とても和やかに会話できましたね!」
「はい、まるで百年来の知己に出会ったような会話です。皆さんも、何かあれば咄嗟にThis is a pen!」
「いつでもどこでもThis is a pen!」
「君と僕とでThis is a pen!」
「ウフフフフフフフ」
「アハハハ」
「……」
「……」
「はい、では次のコーナーに行ってみましょう」
「次のコーナーはなんですか、小鈴さん?」
「はい、次のコーナーはなんでしょう」
「え? 次のコーナーですよね?」
「ええ、つぎのコーナーですよ?」
「……台本見ます?」
「失礼します……はい、次のコーナーは日常で気を付ける言葉の齟齬についてです」
「もし勘違いしたまま会話が進んでは危険ですからね!」
「はい、そう言うことになります」
「では……『私は消えて無くならない為に妖怪に仏教を教えているのです』。小鈴ちゃん、繰り返して」
「はいアッキュン『私は消えて無くならない為に妖怪に仏教を教えているのです』」
「『私は消えて無くならない為に妖怪に仏教を教えているのです』……これは『てめえみたいに下の連中より上にのさばる気はねえんだよクソバイタ』です」
「まあ、とっても素敵!」
「はい、感情が籠ってますね」
「アッキュン、私もう少しお勉強したいです!」
「もう、小鈴ちゃんはしょうがないなあ」
「えへへ」
「ではもう一文……『なる程、だから貴方の寺にいる妖怪は古臭い奴らばかりなのね』。小鈴ちゃん繰り返して」
「はいアッキュン『なる程、だから貴方の寺にいる妖怪は古臭い奴らばかりなのね』」
「『なる程、だから貴方の寺にいる妖怪は古臭い奴らばかりなのね』……これは『ケッ、カビの生えた偽善者ババアが腐ったこと言ってんじゃねえよカス。死ね』です」
「まあ、とっても仲良しさん!」
「そうですね。もしこんな発言をしながら会話する人がいたら、きっとその人たちは夫婦と呼んでも差し支えないぐらい仲良しさんですね!」
「うふふ、きっと『私から見れば人間を御しやすくするだけのお前の宗教の方がよっぽど邪悪である!』と言ったら『悔しいんでしょ? 僧侶と道士の評価が段違いで』と返すツーカーのコンビに違いないわ!」
「そうね、きっと思想や信念の対立なんて根の深いところには目も向けず、浅はかにも対立関係で手柄をハゲタカのように奪い合っていると言うだけで夫婦扱いなんてされないとってもとってもとってもふわふわした関係に違いないわ!」
「……」
「……」
「……あ、もうお時間ですか?」
「やだ、私もっとアッキュンとお勉強したぁい!」
「うふふ、そう言わないの。来週もお勉強すればいいじゃない」
「それもそっかー!」
「では、来週のコーナーは?」
「はい! 来週は『ザギバスゲゲル グロンギ語でのお中元』『魔動機文明語での日常会話』『咄嗟に断る為の新ぬっほん語』です!」
「みんな、来週も元気にお勉強しましょうね?」
「きゅきゅーん!」
○
「……」
「……」
「……一輪、これはどういう夢なんですか?」
「え、私に聞くの?」
「貴女以外に冷静さを喪わずに判断できる人がいるとは思えません」
「ゴメン、私もヤバい。急いであんたの頭のねじを締め直したい」
「……出来る?」
「頑張る」
「よろしく」
「応」
どこの国の言葉だよwww