さあ、魔理沙誓いの言葉を言いなさい
…………
何を躊躇しているのです。アーサーと永遠に添い遂げると誓うのです
……私は、アーサーと永遠にそい
その言葉!待った!
霊夢?
魔理沙の家は、何代か続く豪商の家だったが投機ビジネス失敗によりその財産を殆ど失っていた。
霧雨の親父は贅沢な暮らしが忘れられずに生きていた。
金持ちのアーサーに娘を売ってでもそれを維持したかった。
母が危篤という偽情報に魔理沙は騙され実家にもどった。そこで縁談を無理やり進めらられアーサーと結婚させられることになっていた。
五十代後半男の第10番婦人として。
「魔理沙、アンタ何やってんのこんな所で? 早く森の家に帰ろう」
「見れば分かるだろお嫁さんだ。10番目のな」
魔理沙の瞳には涙が溜まっていたけどそれを落とさないようにしている。
気丈に振舞う様子が無理してるって結婚式に参列している誰でも分かっている。
それでも、金の力に屈服した奴等だから見て見ぬふりをしていた。
「アンタそんなことで良いの?」
「良い? 良いに決まってるだろ? 私がアーサーと結婚すれば家は安泰、親父もお袋も、霧雨店の従業員だって助かるんだ」
この結婚は何も霧雨の親父が贅沢をするというだけではない。霧雨店に関係する全てのものに影響している。その関係者の家族までいえば100人までとは行かないがそれ相応の人数だ。
「その風貌からして博麗の巫女様と見たが、あなたにこの結婚に口を挟む権利は無いはずだが」
口調こそまだやわらかい印象だがアーサーは明らかに不愉快だという体で霊夢に話かけてきた。
「このエロジジイ! 金で魔理沙を買ったくせに何が権利だっていうの?」
「金で買ったとは人聞きが悪い撤回してくれないか?」
「この人攫いが」
一昔前だったら人身売買だって普通だった郷でも、慧音先生や阿求先生と言った人権派が活躍したことにより目立つことがなくなった。
だから、今ではこのように売られる者が女子ならば名目上妻や娘として引き取られるのだった。
「博麗の巫女様というのは、口汚く人を罵るのか?」
「アンタみたいな外道には十分だと思うけど」
霊夢はあらあら何言ってるのかしらと言いたいような動作でそういった。
「なんだと」
「何よ!」
霊夢とアーサーはお互いにらみ合う。まさに一触即発だった。
アーサーの護衛たちが騒ぎを聞きつけて式場に入ってくる。
「アーサー様、この小娘は?」
「侵入者だ。排除しろ」
「は!」
護衛たちは剣を抜いて霊夢ににじり寄ってくる。
全員鍛えられた様子で、博麗の巫女である霊夢に負い目を感じること無い様子だ。
「ふん、なによ! 返り討ちにしてやるわ」
全員は斃せそうもないが霊夢も意地だ。ここは引けない。
お互い、間合いを取り合う。最初に動いた奴は多分死ぬだろう。
「……ごめん、霊夢。帰ってくれ」
そんな、少しの沈黙を破ったのは魔理沙だった。
「ま、魔理沙」
「帰ってくれ」
魔理沙の本音はこんな結婚式は嫌で逃げ出したかった。
それをすれば、魔理沙は自由になれるだろう。
しかし、その魔理沙が得た自由の変りに結局代償を払う者達が居るのだ。
ここで逃げれば、霧雨店の人々は報復されて確実に路頭に迷うことだろう。
逃げることは出来なかった。
「……後悔……、いえ、もういい。……せめて、お幸せに」
霊夢は冷めた表情になって魔理沙に最後の言葉を言った。
もう、この親友は遠い所に行ってしまったと悟ったのだった。
「ああ、霊夢。ありがとう」
魔理沙の作り笑いの瞳から流れるのは涙。
霊夢は護衛の隙を見て去って行った。
魔理沙はアーサーと結婚したのだった。とても、とても、豪華絢爛な式だった。
そして、霧雨家とアーサーは姻戚関係になった。
この後、霧雨店は金持ちアーサーの援助で大いに勢いを取り戻し繁盛したという。
魔理沙の幸せと引き換えに。
…………
何を躊躇しているのです。アーサーと永遠に添い遂げると誓うのです
……私は、アーサーと永遠にそい
その言葉!待った!
霊夢?
魔理沙の家は、何代か続く豪商の家だったが投機ビジネス失敗によりその財産を殆ど失っていた。
霧雨の親父は贅沢な暮らしが忘れられずに生きていた。
金持ちのアーサーに娘を売ってでもそれを維持したかった。
母が危篤という偽情報に魔理沙は騙され実家にもどった。そこで縁談を無理やり進めらられアーサーと結婚させられることになっていた。
五十代後半男の第10番婦人として。
「魔理沙、アンタ何やってんのこんな所で? 早く森の家に帰ろう」
「見れば分かるだろお嫁さんだ。10番目のな」
魔理沙の瞳には涙が溜まっていたけどそれを落とさないようにしている。
気丈に振舞う様子が無理してるって結婚式に参列している誰でも分かっている。
それでも、金の力に屈服した奴等だから見て見ぬふりをしていた。
「アンタそんなことで良いの?」
「良い? 良いに決まってるだろ? 私がアーサーと結婚すれば家は安泰、親父もお袋も、霧雨店の従業員だって助かるんだ」
この結婚は何も霧雨の親父が贅沢をするというだけではない。霧雨店に関係する全てのものに影響している。その関係者の家族までいえば100人までとは行かないがそれ相応の人数だ。
「その風貌からして博麗の巫女様と見たが、あなたにこの結婚に口を挟む権利は無いはずだが」
口調こそまだやわらかい印象だがアーサーは明らかに不愉快だという体で霊夢に話かけてきた。
「このエロジジイ! 金で魔理沙を買ったくせに何が権利だっていうの?」
「金で買ったとは人聞きが悪い撤回してくれないか?」
「この人攫いが」
一昔前だったら人身売買だって普通だった郷でも、慧音先生や阿求先生と言った人権派が活躍したことにより目立つことがなくなった。
だから、今ではこのように売られる者が女子ならば名目上妻や娘として引き取られるのだった。
「博麗の巫女様というのは、口汚く人を罵るのか?」
「アンタみたいな外道には十分だと思うけど」
霊夢はあらあら何言ってるのかしらと言いたいような動作でそういった。
「なんだと」
「何よ!」
霊夢とアーサーはお互いにらみ合う。まさに一触即発だった。
アーサーの護衛たちが騒ぎを聞きつけて式場に入ってくる。
「アーサー様、この小娘は?」
「侵入者だ。排除しろ」
「は!」
護衛たちは剣を抜いて霊夢ににじり寄ってくる。
全員鍛えられた様子で、博麗の巫女である霊夢に負い目を感じること無い様子だ。
「ふん、なによ! 返り討ちにしてやるわ」
全員は斃せそうもないが霊夢も意地だ。ここは引けない。
お互い、間合いを取り合う。最初に動いた奴は多分死ぬだろう。
「……ごめん、霊夢。帰ってくれ」
そんな、少しの沈黙を破ったのは魔理沙だった。
「ま、魔理沙」
「帰ってくれ」
魔理沙の本音はこんな結婚式は嫌で逃げ出したかった。
それをすれば、魔理沙は自由になれるだろう。
しかし、その魔理沙が得た自由の変りに結局代償を払う者達が居るのだ。
ここで逃げれば、霧雨店の人々は報復されて確実に路頭に迷うことだろう。
逃げることは出来なかった。
「……後悔……、いえ、もういい。……せめて、お幸せに」
霊夢は冷めた表情になって魔理沙に最後の言葉を言った。
もう、この親友は遠い所に行ってしまったと悟ったのだった。
「ああ、霊夢。ありがとう」
魔理沙の作り笑いの瞳から流れるのは涙。
霊夢は護衛の隙を見て去って行った。
魔理沙はアーサーと結婚したのだった。とても、とても、豪華絢爛な式だった。
そして、霧雨家とアーサーは姻戚関係になった。
この後、霧雨店は金持ちアーサーの援助で大いに勢いを取り戻し繁盛したという。
魔理沙の幸せと引き換えに。
「魔理沙がお嫁に行ったら霊夢はどうするか?ドッキリ大成功~!!」
レミリアと美鈴ガーネットが出てくるんじゃないかと別の意味でハラハラした。