※シリアス分なんてきっとない、ギャグを目指した何か。少し美鈴とパチュリーの扱いが悪いです、注意
「…………むぅ…? う~ん…」
その日の朝、レミリアは妙な予感で目が覚めた。
ただの予感と言うなかれ。強力な妖怪や強い霊力を持つ者の予感というのは得てして当たるものなのだ。
まして彼女が持つのは『運命を操る程度の能力』、その能力を用いたならば、普通の人の予感が『何かが起こりそう』程度にしか働かないのに対し、
彼女は『何が何時何処でどうしてどのように起こるか』まで読み取ることができる。
さらに言えば、『何を何時何処でどのようにすれば対処できるか』までももちろんわかる。
さらにさらに言えば、極端にありえないことや一部の例外を除いて、人々やその他生命の未来も掌で踊らせることもできる。
求聞史紀ではすれ違ったり話をしたりするだけでその人の運命が変わる程度にしか述べられなかったが、その程度の力では
この幻想郷のバランスを保つ勢力の一角のラスボスなど張れないのである。日頃から力を使わないのは、元世界で一番強い魔術師も嫌ったように
先の未来が何でもわかるのは愉快なことではないし、何より力を使うのがめんどくさいだけのことである。
なので、彼女は能力を専ら紅魔館の危機管理にしか使わない。某グルメ四天王の言うように、組織のトップに必要なのは戦闘能力だけでなく、
組織をいかに守っていくかの能力である。顕著にそれを用いたのは先の隕石破壊事件。別に自分は隕石に押し潰されようが衝撃波で消し飛ぼうが
再生は余裕で可能なのだが、館や妹を除く住人達はそうでないので、彼女らを守るため、隕石を完膚なきまでに破壊できる妹に壊すように仕向けたのだ。
と言っても、今回の予感には何もしないのだが。
「変な予感がするけど…まぁ大きな被害もなさそうだからいっか…」
深く考えず、とりあえず着替えのため咲夜を呼ぶことにした。
☆ ☆ ☆
着替えに朝食が普段通り終わり、レミリアと咲夜は2人並んで廊下を進む。
「お嬢様、本日のご予定は何かございますか?」
「んー……特にないのよねぇ…何か出掛ける気分にもならないし」
朝の予感からか、今一つ出掛けるのに躊躇いがある。別に問題はないと思ってはいるのだが。
ちょうど1階の玄関前大広間に到着した時、前方からやってきた妹と目が合った。
「あら、フランおはよう」
「妹様、おはようございます」
「あら、咲夜にお姉さま、おはよう。今日は清々しいほどに灰色ないい天気ね。こんな吸血鬼日和なのにお姉さまは私にお出掛けしてはいけないと言うのでしょう? ああひどい! そんなお姉さまには今すぐここで爆散してもらいたいのだけれどいかがかしら?」
今日も元気に気が触れています。
「あんた私のこと嫌いなの?」
引き攣った顔で妹に返す。
「美味しいご飯を作ってくれる咲夜ほどには好きじゃないよ」
ストレートである。心の中で涙する。どこで育て方を間違ったのかしら?と。
「はぁ…もういいわ。咲夜、フランに朝食を作ってやって。フランの好きな物も嫌いな物もまとめて」
「はい。畏まりました」
主が自分と比較されて貶された上でもこの対応、瀟洒である。
「んー、ご飯よりも咲夜の血がいいなぁー。もしくは乳ー。あっ、これブレンドしたらすごい美味しいんじゃないかしら? ねえ搾らせてよぁだっ!?」
「不適切な台詞を通報しましたぁ!」
拳骨である。人の拳骨は人でも痛いように吸血鬼には吸血鬼の拳骨が地味に効くのである。多分。
咲夜も咲夜で時を止めて冷汗を拭い内心の動揺を悟らせないようにしている。
「うー、お姉さまなんて消滅しちゃえー!」
「おいおい……」
頭を抱える。フランドールが「このロリ悪魔ー巫女フェチー幼女ー」とわけのわからない捨て台詞を吐いて去ろうとした時、
「……………ぁぁぁぁ」
何かが外から聞こえた。
「「「?」」」
「ぁぁぁぁぁああああああああーーーーーーー!!!」
玄関扉が破壊される爆音とともに緑と赤のコラボレーションが3人に向かって飛び込んでくる。
「紙絵!」
「見切り!」
「ザ・ワールド!」
正体は知っているのにしっかり避けているあたりこの3人サドいのである。サドいとはSという意味と素早い、行動が速いという意味があり、この場合どちらでも正しい。ちなみに作者はよく後者の意味で使う。え、自分だけ? ハハハ、まさか……。
玄関向かいの壁に大の字で埋まる緑赤。ここで碧紅と書くと召喚夜3になるから気を付けよう!
緑赤……美鈴の色々な意味での失態に呆れるレミリアと咲夜。
「まったくこの門番は……また魔理沙かしら? いっぺん締め上げて拷問にでもかければ2人とも直るかしら?」
「あらあら、でしたら魔理沙はこの私めがイジメテやりますわ」
「なんで嬉しそうなのよ咲夜」
「魔理沙可愛いじゃないですか」
「あ? ああ……あ? あァ!?」
主従が妙なやり取りをしている最中、フランドールが美鈴に近寄る。無論、憐憫の情や心配の色は欠片もない。
「えーと、メイリン↑だっけ? 何回も何回もやられ続けて門番やってる意味なんてあるのかしら? そもそもこの館に門番って要るの? 私達に害なせるくらい強い奴なら門番なんて瞬殺でしょう? そうでなくても、私にとっちゃ遊び相手は多い方がいいんだから、ただでさえ少ない侵入者を止められちゃ退屈なのよね。そっか、たまに魔理沙が本来より少ない魔力の状態でやってくるのはあなたなんかに無駄打ちしてるからね? やめてよ、魔理沙とはもっともっと本気で遊びたいんだから、お互いベストの状態でやりたいのよ。あなた今度から魔理沙が来たら通しなさい。約束ね? 破ったら八つ裂きにして鼠の餌にしちゃうよ?」
どこまでも(一部の人大喜びな)冷めた目で美鈴に毒を吐き続けるフランドール。希望の虹何処行った。レミリアと咲夜でさえ引いている。
意識が飛んでいるから聞こえてはいないだろうが、彼女の言葉は言霊となって美鈴の魂に深い傷を残すことだろう。合掌。
「仕方ないわね……咲夜、魔理沙を迎え撃つわよ。たまには体を動かさないとね」
アップを始める吸血鬼姉。メイドも短い肯定とともにナイフを構える。
図らずも紅魔館の3トップが揃った。魔理沙も流石にこれには敵わないだろう。
いつもの魔理沙だったならば。
「邪魔するぜ~」
「「!?」」
魔理沙の声とともにやってきた、尋常でない魔力にレミリアと咲夜が一瞬動きを止める。
しかし普段のスペカ勝負ならそんな隙を見逃さず飛んでくる弾幕がやってこない。
「よっす、レミリアに咲夜。あとフランもな」
「……あんた、なにもん?」
レミリアが呆けながら尋ねる。
そこに立っていたのは、普段と違い真っ黒なローブを纏い、烏天狗のような黒い翼を背負って、
「私か? 私こそは星空に輝く恋の吸血鬼…」
いつものように不敵に笑む、
「霧雨魔理沙だ」
霧雨魔理沙本人だった。ついでに言えば自称の肩書きは厨二くさかった。
☆ ☆ ☆
「未来からやってきたぁ~!?」
4人でテラスにて始めたとりあえずお茶会。魔理沙が呆けた咲夜に給仕を依頼し始まることとなった。ちなみに美鈴は壁から堀り出せなく放置である。
席は3人分しか埋まっていない。魔理沙がフランドールを抱きかかえているのである。ザ・膝の上の聖域。
フランドールは子供扱いに不満ながらまんざらでもなさそうである。
そこへ「私は未来から来たんだ」の台詞であり、レミリアが驚愕した。
「そうだ。だいたい6~7年後からかな、この時代の私よりも若干成長してるだろ?」
ああ、そうねと咲夜が納得する。自分の首程度だったはずの魔理沙の身長が同じくらいになっていた。
「でも、胸はあんまり大きくなってないわね」
「魔理沙、当たってないよ」
「消し飛ばすぞお前ら」
ニヤニヤしながら告げる咲夜とフランドールに魔理沙も怒る。
「まぁ、それで? 何であんたが吸血鬼になってんの? それも低級ゾンビじゃなくて私達と同レベルなくらい強いヤツに」
不機嫌さを隠さずレミリアが問う。問うてはいるが答えはほとんどわかっていた。魔理沙を高潔な吸血鬼にしようなどとしたがるのは
1人くらいしかいないのだ。それがわかっているだけに不機嫌さも隠せない。
「もちろん、このフランのおかげさ。大まかな流れは端折るけど、私はフランとくっついたのさー」
いい笑みでフランドールを愛でる魔理沙。それにむ~と唸りながらも離れようとはしないフランドール。頭を抱えるレミリア。にこやかな咲夜。
レミリアとてこんな未来を想定・想像しなかったわけではない。大事な妹の行く末を運命視した時、数多くの未来の中にいくつかあった。
当の本人がやってくるとは夢にも思わなかったが。
「ま、魔理沙。子供扱いはやめてよ。私はあなたよりも年上のレディなのよ。それに私はあなたのこと、そんなにす…好きじゃないわよ…」
「何だ? じゃあフランは私のこと嫌いか? こんな風に抱かれたいって思ったこと、なかったか?」
「え!? べ、別に嫌い…でも、ないけどぉ……」
「ん~?」
「……ゆ、ゆ…」
「ゆ?」
「ゆ……夢の中でだったら、あった…かもしれない…」
「あーもー可愛いなぁ!」
「ぎゃっ! だ、抱きしめるなぁー!」
いちゃつくなこの女郎。咲夜も咲夜でニコニコしながら2人を見つめてるし。レミリアは項垂れた。
「それに、私のマスタースパークに憧れて、部屋で1人で『いくぜー! マスタースパーク! どぉーん!』って私の真似したこともあるんだろ?」
「!!? な、何で魔理沙がそれを知って!?」
フランドールなりの黒歴史である。想像したのかレミリアと咲夜もニヤついた。
「レミリアに聞いたぜ♪」
「えっ私そんなこと言ってな」
「消え失せろ!!!」
一瞬で破滅の炎を精製、顔と同じぐらい赤い炎を向かいのレミリアにぶつけ彼女の頭をパーンした。爆笑する魔理沙とちゃっかり余波から逃げる咲夜。
「うー、うー!」
何処かの誰かのように唸るフランドール。そんな彼女を魔理沙が宥める。
そんな魔理沙に咲夜が尋ねる。
「そういえば魔理沙、あなたはタイムスリップしてきたのよね? そんな魔法をどうやって覚えたの?」
「いんや、これは厳密には私の魔法じゃないぜ。これにはその……深ーいわけがあるのさ」
「へぇ、聞かせてもらっても?」
「ああ」
☆ ☆ ☆
「あれは、そうだな。私とフランが結婚して、フランがフランドール・スカーレットからフランドール・霧雨になって半年ぐらい経った――」
「表に出ろ貴様ァ!! 嫁にはやらんぞ!!」
「――頃ー、レミリア、話を折るなよ…あれだ、レミリアが霊夢に告白したのさ。私とフランみたいな例があるし、吸血鬼生活も悪くないぞってな。あいつもあいつでそんなに私生活に支障をきたさない私を見て多かれ少なかれ持っていた吸血鬼への偏見もなくなったみたいで、ちょうど結界管理の才能を持った後継ぎも見つかったことだし、レミリアにも好意も持ってなかったわけでもなし、ってことで半ば形式的な条件をもとに承諾したのさ」
「え!? やった! 霊夢が私のモノになるのね!? その条件って何!?」
「お姉さまうるさい黙れ」
「『あなたはコンティニュー・エクステンドなしスペカ5枚の残機1で、私はスペカ10枚分×残機5回。あなたが攻略できたら吸血鬼になってあげるわ』霊夢の出した条件だぜ。スペルカードルールとしては勝ち負けの報酬が気に入らないなら断ればいいのに、ちゃんと受けてやるあたりにツンデレを感じるぜ。『わっ私を伴侶にしたいならこれくらいはできないとね!』ってところか? ちなみに難易度はLunaticだったぜ」
「無理ゲーだね」
「無理ゲーね」
「攻略してやるわよもう! 霊夢ったら素直じゃないんだから!」
「ああ。実際レミリアはその条件で勝ったからな。あんときのお前は笑えるくらいに強かったからなーその力どこに秘めてたってくらい」
「いよっしゃああぁぁーーー!!!」
「お姉さまうるさい黙れ」
「まあまあ。それで、霊夢もめでたく吸血鬼になり、ハッピーエンドになったかと思われたんだが……」
「何か事件でも起きたの!? 霊夢かフランに!?」
「いや、事件じゃないが、咲夜がな……」
「私?」
「ああ。咲夜は生涯人の身であることに拘ってたろう? ただある日私を呼び出してな、泣きながら告白してきたんだ。『あなたや霊夢までもがお嬢様達と同じ時間を歩めるようになったのに、私は人のまま…お嬢様達にも、あなた達にも置いていかれて、たった1人老いて死んでいくのが怖くなった』ってな」
「…っ!」
今まで少なからず悩んでいたことに触れられ、咲夜に緊張が走る。
「それで、私は咲夜も吸血鬼にならないかって誘ったんだ。私としても縁深い友人を失いたくなかったからな。咲夜も承認したんだが……」
「……それで?」
思わず問い詰めるような声色になってしまった。しかし魔理沙はそのことを気にせず、苦笑しながら告げる。
「その、な……フランに『いくら相手が咲夜でも浮気はダメ―!!』ってキレられて、レミリアに『貴様に咲夜の運命を委ねるくらいなら私がやるわ!!』って襲われて、霊夢は霊夢でレミリアに『お前は私をこんな身にしておいてまだ足りんのかー!!』ってキレるし、つまるところ修羅場ったのさ」
「「「あー、うん、わかる」」」
思わずハモってしまう3人。何せレミリアとフランドールは自分のことなのだ、容易に想像できた。
「それでさ、もう幻想郷中をフィールドにして第2次吸血鬼異変さ。あんときはヤバかったなー幻想郷的に。魔法の森に一本道がいくつもできたし、霧の湖は3分の1くらい干上がるし、妖怪の山にはクレーターがいくつもできるし、挙句西行妖がへし折れて幽々子が消えかけたりとかさ」
4人の吸血鬼の内、1人は紅い悪魔と呼ばれ幻想郷の勢力の一角の頂点を担い、1人はその妹にして破壊力や魔力の才は姉をも凌ぎ、
1人はスペカ戦の熟練者であり破壊力に長けた魔法に秀で、残る1人はスペカルールの創始者にして、天賦の才を持って元人間最強だった者。
そんな連中が有り余る魔力と再生能力を笠に縦横無尽に暴れまわるのだ、世界に爪痕が残らないわけがない。
ちなみに言えば魔理沙は八卦炉なしで従来のマスタースパーク以上の魔法を連発できるほどにスペックが上がったし、霊夢に至っては
自身を縛るあらゆるものから解放される『空を飛ぶ程度の能力』のおかげか太陽も雨も障害になっていなかったりする。
「よ、よくケリがついたわね……」
レミリアが引き攣る。
「ん? ああ、霊夢の後継ぎと紫が出てきたんだが、その2人がマジで『もう頼むからやめてくれ』って土下座したんだよ。流石にそこまでされてやめないわけにもいかなかったから、咲夜はとりあえずレミリアと私で吸血鬼にしたのさ」
「そう。ならよかったわ……」
咲夜が自身の行く末に安堵する。
「ん?」
「い、いえ? で、それとタイムスリップに何の関係が?」
話を逸らす咲夜。元の疑問を返すことにする。
「それがな、咲夜が吸血鬼になって魔力や霊力が跳ね上がったからか、時間を操る能力が…進化? っつーのかな、したんだ。あくまでパラレルワールドとしての過去、未来に飛べるってだけで過去を変えたりは出来ないけど。それで咲夜に飛ばしてもらったのさ」
わかりやすくいうならドラゴン○ールのタイムマシンのようなものである。
「え、それじゃあ私達が数年後、魔理沙が言ったような未来を迎えられるとは限らないってこと?」
フランドールが若干落ち込むような声色で尋ねた。
「ああ。フラン、私と結婚したかったらしっかり『私』の心を掴めよ? お前のウェディングドレス姿、綺麗だったぜ?」
「えっ…!? ふ、ふん! 魔理沙がどうしても見たいって言ってくれれば着てあげなくもないよ!」
「うがーーーーーーー!!!」
またも妹を口説き落とす魔理沙にレミリアがキレた。しかしその妹に冷たく沈められる。
「お姉さまうるさい黙れ」
「ははっ、2人とも相変わらず元気だな」
「そうね。…ねえ魔理沙、1つ聞いてもいいかしら?」
「何だ? 私のスリーサイズと体重は教えんが、この時代の私のなら公表するが?」
「こっそり時を止めて測るからいいわよ……人から吸血鬼に変わった時、どんな気分だった? 後悔とか、しなかった?」
「……確かに、晴れの日も雨の日も気がよく滅入るよ。でも、それ以上に楽しいぜ。遊ぶのも弾幕張るのも魔法の研究もし放題だからな」
「そう…」
「あ、そう言えば未来のお前からお前に伝言があったんだった。自分で言いに行けばいいのによ」
「何て?」
「『少なくとも今の私は後悔しちゃいないから、残された時間を好きに生きなさい。どんな生き方でもお嬢様は認めてくれるわ』…だとよ」
一瞬呆けた咲夜だったが、その言葉を反芻・理解し、笑みを零す。
「……ふふっ、何よそれ。わかってるわよ。私が生涯仕えるお嬢様なんだから」
「そりゃよかった。……この時代のレミリアやフラン、私を頼むぜ?」
そう言って魔理沙は、
「んっ…!?」
咲夜の唇を奪った。ほんの数秒にも満たない短いキスである。
すぐに離れた後、咲夜が尋ねる。
「い、今のは?」
「約束だよ。吸血鬼との契約を破ると怖いぜ?」
「……そんなものなくても大丈夫よ、私を誰だと思ってるの? 吸血鬼に仕える完全瀟洒なメイド長、十六夜咲夜よ」
そう答えた咲夜の顔はいつものように誇らしく、頼もしかった。
「ああ、信じてるぜ。……それじゃあ私は自分の時代に帰るとするかな」
魔理沙の言葉に姉と取っ組み合いの喧嘩をしていたフランドールが反応し、レミリアを叩き伏せてから魔理沙の元に駆け寄った。
「えー!? 魔理沙帰っちゃうのーー!? 吸血鬼になったんだからすごく強くなったんでしょー? 弾幕ごっこしよーよ!」
「やってもいいが、今私とフランがやっちまったら多分お前はこの時代の私との弾幕ごっこが物足りなくなっちまうぜ?」
「う…それは何か嫌かも…」
「そうだそうだ早く帰れ!」
「お姉さまうるさい黙れ」
踏んだり蹴ったりの姉である。合掌。
「はいはい。フラン、これで勘弁してくれな?」
渋るフランドールの手の甲に、騎士のように跪いてキスをする。
一瞬呆けたフランドールだった。が、咲夜と同じでないことに気付くと怒りを露わにする。
「あっ……ふ、ふん! 咲夜みたいに口じゃないんだ?」
そんな彼女に対し魔理沙はニッと笑い、告げる。
「お前の唇はこの時代の私に譲るぜ」
「~~~~~っっ!!」
何も言えなくなるフランドール、スカーレットの名のように赤い顔で魔理沙を見送る。
「それじゃあな! レミリア、遊びすぎて愛想尽かされないようにしろよ!」
翼を広げて空に羽ばたき、魔理沙は一瞬で消えた。
「それが最後の台詞かよ!? ……あーもーお前なんかに言われなくてもわかってるよ! 私の城を守るためならどんなことだってしてやるんだから!」
そう誓い、振り向いて妹と従者に告げる。
「あんた達、今日から弾幕ごっこ能力強化月間に入るわよ! 主に私の戦闘能力の強化、ゆくゆくは私の未来の幸せのために!」
「畏まりましたわ、お嬢様。また、未来で後悔しないためにもこの不肖十六夜咲夜、全力でお相手させていただきます」
「お姉さまの未来のためなんてどうでもいいけど、あの魔理沙と全力で遊べるくらい強くなるために付き合ってあげてもいいよ」
そうして少女達は可笑しな来訪者に刺激され、それぞれの未来を掴むために戦い始めるのであった。
「さあ、Let's Shooting Party!!」
終
美鈴は何のために登場させたのでしょうか?吸血鬼化した魔理沙に吹き
飛ばされて、フランに門番としての存在理由を否定され、壁にめり込ん
だまま放置されて御仕舞い?
登場させる意味あったんですか?美鈴
(美鈴のが居る部分を除いて読んでも違和感があまり感じられない)
しかも、未来では(?)咲夜、霊夢も吸血鬼化して恐ろしく強くなって
紅魔館に居るみたいだし……門番としての存在意義はを根こそぎ奪われ
てますな
なんか、美鈴ががただひどい目にあうため「だけ」に出てくる感じです
(感じじゃなくて確信犯だ……)
もういい加減にして欲しいですね。美鈴虐待オチは
しかし美鈴の扱いが酷すぎる。
べつに美鈴虐待オチは見えない
昼間動けるのが美鈴だけになるから門番の重要性アップですね。
そして、幻想郷の管理者の新しい巫女と紫ですら 対処出来ない吸血鬼一家が住む紅魔館に、侵入する奴などいるまい。
侵入しても瞬殺間違い無し(壁にめり込んだ美鈴にフランがそう言ってる)そして、なにより平和な幻想郷。
美鈴の門番としての存在意義は、あるのか?
俺もあんたのことが嫌いだぜ。
へんなコメが多いけど私は結構楽しめました。
悲惨な目に合うキャラでした。初めは大した事では無かったのですが、段々とエスカレート
して、見るに耐えないのが当たり前になってしまって、美鈴好きの人からすれば「いい加減
にしてくれ」が正直なところでしょう。(兎に角、多過ぎるんです)
(紅魔館のメンバーは日々豪勢な食事を食べているが、美鈴は餓死寸前とか)
悲惨な目に合わしても良いのですが、ちゃんとフォローを入れないと。
今回のSSも未来で暴れたレミリア達を止めたのは巫女と紫ではなく、怒った美鈴が拳骨を
食らわせて止めたとかだったら、此処まで反感を食らわなかったでしょう。
取り合えず、注意してください。
誰かがリンチを喰らっている横で食べるメシは美味いですか?
誰かが悲嘆の涙を流している横で娯楽に興じて楽しいですか?
美味いって人も居るでしょう。楽しいって人も居るでしょう。
俺はダメです、少なくともね。
ゆで理論に逐一突っ込むくらい無粋だな
俺は楽しめたよ
しかし魔理沙プレイボーイだなwww