Coolier - 新生・東方創想話

東方黒妖録

2022/03/06 07:19:56
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鈴奈庵で店番をしてる小鈴は文々。新聞を読んでいた。内容は、人里に妖怪の襲撃の危険性の勧告で、里の人間達は、里の外には滅多に出ないので余り気にしていない。

「人里に襲撃ね…怖い世の中になったものね。」

「小鈴さん!新聞読みましたか!」

射命丸が人間に変装して、新聞を届けに来たようだ。
小鈴は射命丸から新聞を受け取ると、代金を払う。店の台に新聞を置いておく。

「文さん。怖い世の中になりましたね。」

「妖怪の襲撃ですね。決して人里からは出ないで下さいよ。貴女にいなくなられたら、寂しくなりますから。」

「出ませんよ。力のない私が出たら、一瞬で殺されちゃいます。だから、私ができることは…」

小鈴は引き出しから封書を取り出すと、射命丸に手渡した。

「今回もありがとうございます。」

「人里内に知り合いがいたからよかったですよ。天狗文字に書き直しておきました。確認してください。」

「助かりました。小鈴さんだけですよ。妖怪文字を読める人間なんていませんから。」

お茶と団子を出す。射命丸は団子を食べながら封書を確認する。確認した内容を手帳に書き出した。小鈴は本のチェックをしながら、新聞の続きを読む。

「小鈴さん。確認終わりましたよ。」

「わかりました。封書はどうしますか?」

「上に出さないと駄目なので、貰いますね。霊夢さんには御内密に…」

「わかってます。」

射命丸は鈴奈庵を出ていった。

「お客さん…来ないな…」

「元気にしてかい?」

「マミゾウさん!」

化け狸の妖怪、マミゾウが鈴奈庵に本を持ってやって来た。

「人里の外は怖いのう。散歩もできんぞ。」

「何かあったんですか?」

「野良妖怪が殺されているようじゃ。」

「そうなんですか。」

「どうした小鈴。余り驚いておらぬの。」

新聞をマミゾウに見せる。

「私…人里の人間では、妖怪殺しは気にはならないと思います。」

「人里に襲撃…やめたやめた、こんな陰気臭い話は無しじゃ。小鈴。知り合いから妖魔本を取り寄せたのじゃが…」

「確認しますね。」

小鈴は妖魔本を開くと、確認のために、読み始める。

「これは…妖怪文字…しかも、河童が書いたものですね。随分古い本ですが…」

「わかるのか!?」

「少しは、海について書かれています。ちょっと待ってください。」

金庫からお金を取り出して、マミゾウに渡す。

「この金額でどうですか?」

「うむ。また来るからの。」

「ありがとうございました。」

マミゾウは鈴奈庵を出ていった。

「そろそろ、店を閉めるかな。」

小鈴は本のチェックを終えて、店内を片付ける。すると、魔理沙が入ってきた。

「魔理沙さん。どうしたんですか?」

「ちょっと野暮用でな。妖怪に関係する本を見せてくれないか?」

「……何か、事情があるみたいですね。何がいいですか?」

「幻想郷誕生から今までの存在していた妖怪に関係する本。」

「見てみますね。ソファーに座って待ってください。」

小鈴は店の奥の倉庫に行き、本を調べ始める。倉庫には、昔の本などが保管されている。殆んど、小鈴の私物化しているが。

「この本かな?魔理沙さん。この本はどうですか?」

店内に戻ってきた小鈴は、魔理沙に本を進めてみる。

「随分と古い本…いや、新しく製本されたものか。」

「はい。とある方から、製本の依頼があったんですよ。版画の持ち込みだったので、問題なくできましたけど…」

「ん?けど、どうしたんだ。」

「あれは…妖怪なんですかね?紫さんと同じ柄の服を着ていたんですが…」

「紫と同じ…小鈴。その妖怪は安心しても大丈夫だ。多分、私もあったことがあるから。」

「そうなんですか!なら、安心ですね!」

小鈴は新しいしかも、魔理沙から安全だと言われている妖怪に興味を示した。そんな小鈴を見て、失敗したような表情をする魔理沙。

「この本借りてくぜ。」

代金を払い、出ていった。

「今日は店仕舞いだ!でも、夕方なのよね。」

片付けながら、外の看板を外して店を閉める。

「どうしようかな?」

小鈴は家の中に入っていった。
 
次回をお楽しみに
クロス
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