風見幽香は静かに暮らしたい。
一日中花に囲まれて過ごしていたい。あとはたまに誰かを虐めてストレス解消をするだけ。
風見幽香は満ち足りていた。
そう、数ヶ月前までは。
「いらいらするわあ」
いらいらの原因は、霧雨魔理沙。
なぜだか知らないが、ここ数ヶ月で急激に強くなり、撃ち合いで負けるようになった。
大妖怪・風見幽香がただの人間に負けるなんて許されない。
そのことが彼女をいらいらさせていた。
「場所がここじゃなければ……」
――いえ、言い訳ね。
途中で言葉を止める。
「散歩でもしようかしらね」
家の中にいると、負けて悔しくて閉じこもっているみたいに思えて更にいらいらしてくる。
幽香は気分転換のため、太陽の畑に向かった。
◆
「おはよう。あなたたち」
幽香は柔らかい笑顔で朝の挨拶をする。
彼女のことを少しでも知っている人間がそれを見たら、震え上がるような振る舞いだ。
相手はもちろん人間ではない。彼女が挨拶をした相手は向日葵だった。
幽香はしばらくの間、なにともせず微笑みながら向日葵を見つめていた。
向日葵たちのさざめきを愉しんでいる幽香の耳に、遠くから自分を呼ぶ声が聞こえた。
このところよく聞く声だ。愉しみを邪魔された幽香は軽く舌打ちをする。
「また来た。うざいわあ……」
スタッ。
「よう、幽香。ちょっと弾幕に付き合ってくれよ」
やってきたのは霧雨魔理沙だった。
「帰ってくれない? 私は今、向日葵浴をしていて忙しいんだけど」
「向日葵浴なんて初めて聞いたな。どんな効用があるんだそれ?」
「癒されるのよ」
「向日葵は怯えてるぜ」
「殺すわよ」
魔理沙はにやりと笑い、首を掻っ切るジェスチャーをしながら言った。
「Go ahead.Make my day.」
ああ。やっちゃった。つまらない挑発に乗っちゃったわ。仕方がない。適当に撃ち合って切り上げよう。
二人の魔力が膨れ上がった。空気が張り詰める。今にも争いの口火が切られようとした。その時――
「けんかはー、だめですよ?」
なんとも間の抜けた声が響いた。
張り詰めた空気やら魔力やらが一気に霧散する。
「な、なんだあ? どっから聞こえた?」
「さ、さあ。というかここにはあなた以外の人間なんて滅多にこないし、事実さっきまでは……」
二人はきょろきょろと辺りを見回したが、何も見つからなかった。
「ここですー。まんなかですー」
言葉通り、対峙する二人の真ん中に、『それ』はいた。妖精よりも少し小さい。30cmくらいしかない。
「な、なんだこれ? 随分ちっこいな」
「知らないわよ。なんなのあなた?」
「そういえばー、ごあいさつがまだでした。おはよーございます。おかあさん」
そう言って、『それ』は幽香に向かい、ぺこりとお辞儀をした。
…………。
「「はぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」」
太陽の畑に、二人分の叫びが木霊した。
◆
家に戻った幽香は『それ』をテーブルの上に置いて尋ねた。
「で、あなたは一体なんなの?」
「なんなのって、さっきお母さんって言ってたじゃないか。お前の子だろ」
「違うわよ!」
「おかあさんですよ?」
「ああもう……大体なんでにこにこしてるのよ! 鬱陶しい!」
「ぼくたちはーおかあさんがぼくたちにむけるかおしかしりません。だからほかのかおできないんです」
「私が、向ける……顔? あなた……向日葵なの?」
「はい。ひまわりがおとおさんで、おかあさんがおかあさんです」
「お前……向日葵とやっちゃったのか」
「どういうことよ!」
「これは、無意識の仕業だね~」
第四の声が聞こえた。
…………。
「「誰!?」」
「あは、驚いた? こいしだよ~」
第四の声の正体は地霊殿の主、古明地さとりの妹、古明地こいしだった。
「お、お前は本当に心臓に悪いな。頼むから普通に出てきてくれ」
「何よ、気づかなかったのはそっちじゃない。私魔理沙と一緒にきたよ?」
「げ、本当かよ。全然気がつかなかった」
こいしは無意識を操ることができる。彼女の存在自体を魔理沙と幽香の無意識下に滑り込ませていたのだろう。無意識の内に。
「何、知り合い? 魔理沙の知り合いだったら出て行って」
「知らない人だぜ」
「じゃあ出て行って」
「ひどいな~。無意識の匂いにつられやってきたらこの扱い。その子の説明しなくていいの?」
「この子のことがわかるの?」
「この子のことっていうか、あなたのことなんだけどね」
「私のこと?」
「うん、そう。あなた程強い妖怪になると、何もしなくても流れる魔力は半端じゃないよね。それが向日葵に影響しちゃったんだと思うよ」
「私はここにずっと住んでるのよ?なんで今更になってそんなことが……」
「流れ出る魔力になんらかの意思が混ざったのよ。ここ最近で何か心情の変化はない?気分が高揚してるとか、ストレスとか」
思い当たる節は、あった。
最近は魔理沙に負けているからストレスが溜まっていたのだ。つまり、今回の事件は魔理沙のせい。魔理沙ぁあああ!
魔理沙の方を睨むと、魔理沙は何かに夢中になっていた。
「ちょっと、さっきから黙って何してるのよ」
「ああ、いや。幽香の顔を見てただけだ」
「はあ? 私はこっちよ。馬鹿じゃないの、死ねば?」
「さっきこいつ、幽香が向けた表情しかできないって言ってたろ? つまりこのにこにこ顔は幽香の顔ってことだ。……ふーん。お前、こんな顔もできるんだな」
にやにやしながら魔理沙が言った。
「さっきの続きをしましょうか」
幽香の魔力が膨れ上がり、部屋中に充満する。
それを制し、魔理沙は言った。
「待て待て。喧嘩するつもりはない。この子が怯えるだろ。よく見りゃ結構可愛いぜ」
むう。私とて自分の家を吹き飛ばしたりはしたくない。ここは我慢しておこう。
「それより、こいつの名前を決めないか?いつまでもこいつじゃ不便だぜ」
「んー、じゃあ向日葵から生まれたから向日葵太郎」
「そんなスナック菓子みたいな……」
「半分はあなたから生まれたんだから、幽太郎でもいいんじゃないの~」
「どうやら吹き飛ばされたいみたい……あらぁ、いないわ!?」
「相変わらず神出鬼没だな。……で、どうするんだ?」
「どうするって言ったって……私が作ったっていうのは事実みたいだし、一先ず置いておくしかないでしょ」
「まあ。そうだな。お前が産んだんだしな」
「やっぱり喧嘩したいみたいね」
「誤解するな。事実を言っただけだ。それにほら、話が長いから寝ちゃったぜ。静かにしろよ」
お前がうるさくさせてるんだろうが!
そう叫びたいのを我慢し、向日葵太郎の寝顔を見た。
(か、可愛い……)
しばらく見ていると、横で魔理沙がにやにやしているに気づいた。
「……何よ」
「いやあ、別にい? ただこれで、いつも寂しく向日葵にぶつぶつと話しかけてる幽香が母性愛たっぷりゆうかりんになるなーと思っただけさ」
「ならないわよ」
「向日葵に話しかけてるってのは否定しないんだな」
こいつ殺してえ。話しかけてるけどさ。
「そんじゃ私はそろそろ帰るとするぜ。またなー!」
もう来んな! と言う前に、魔理沙は見えなくなっていた。
くー……くー……。
客人(とは見なしたくはないが)もいなくなり、残ったのは疲れと向日葵太郎の寝息。
「はあ……」
こうして、幽香と向日葵太郎の奇妙な生活が始まった。
◆
育てると言っても、何をしたらいいのかわからない。一応人型だが、話を聞くところによると、向日葵の精みたいなものらしいから、人間の育て方と全く同じということもないだろう。そもそも人間の子供だって育てたことはない。
とりあえず聞いてみることにした。
「あなた、何を食べるの?」
「おみず、のみます」
「それだけ?」
「あとは、おひさまです」
「ふーん」
幼児食やおしめなどが必要かもと思っていた幽香にとっては朗報だった。
「まんま向日葵ってわけね。まあ、手間がかからなくていいけど」
「おかあさん」
「その、おかあさんってのはやめなさい」
「でも、おかあさんはおかあさんですよ?」
「いいからやめなさい。せめて幽香さんにしなさい」
「うー……わかりましたー」
「で、なによ」
「えと、よろしくおねがいします」
ぺこり。
「はいはい。よろしくね」
魔理沙やこいしの来訪に向日葵太郎の出現で疲れた幽香は、早々に床に着いた。
◆
「あ、おか……ゆーかさんおはよーございます」
朝起きたら向日葵のような笑顔で迎えられた。まあ、事実向日葵だしね。
「……おはよう」
別にそこまで嫌ってわけではないけれど、今までずっと一人で暮らしてきたから急に二人暮らしになったことに違和感を感じざるを得ない。
向日葵太郎に水を与え、簡単に朝食を済ませ、身支度をして向日葵太郎に声をかける。
「それ飲み終わったら散歩に行くわよ」
「あ、はーい!」
こくこくこくこく、けほっけほっ!
「あーあー。別に急がなくてもいいわよ」
「ご、ごめんなさい……」
「いいってば」
ごしごしごし。
「さ、行くわよ」
向日葵太郎を抱きかかえ、幽香は太陽の畑へと向かった。
◆
「あなたたち、おはよう。今日も暑いわね」
慈愛に満ちた表情で向日葵たちに挨拶をする。
「さ、お水よ。たくさん飲みなさい」
如雨露で向日葵たちに水を与えていく。普段は血の雨しかこの妖怪の周りには降らないが、さすが花の妖怪と言ったところだろうか。花に水を与える幽香の姿は、人間には決して到達しえない美しさがあった。
そんな幽香の様子を、向日葵太郎は幽香の腕の中からぽーっと見つめていた。
◆
「ただいま」
散歩から帰ってきた幽香は心が癒されていることを感じた。
やはり散歩はいい。毎日してるけど飽きが来ない。
「気持ちよかったわね。向日葵太郎」
返事がない。
「向日葵太郎?」
見ると、向日葵太郎は幽香の腕の中でぐったりとしていた。さすがの大妖怪幽香も焦る。
「向日葵太郎!? どうしたの、ねえ!?」
幽香は、腕の中の存在がどんどん希薄になっていく様子を感じた。
◆
幽香はとりあえず、ぐったりとした向日葵太郎をベッドに寝かせたが、どうしたらいいのか全く検討もつかなかった。熱もないし呼吸も荒くないのだ。
存在が希薄になってゆく。ただただそれだけなのだ。
「ど、どうしたら……」
竹林の医者? 管轄外だ。ひ、肥料かしら。違う気がする。
こうなったら……。
「紫に見てもらうしかないわね……」
癪だがそれしかない。紫なら原因がわかるだろう。
そして家を出て行こうとした、まさにその時――
「……紫ってどこにいるのかしら」
――自分が紫の居場所を知らないことに気づいた。
「肝心な時に役に立たないわね!」
八つ当たりもいいとこだが、それでも口に出さずにはいられなかった。
八方が塞がった。一体どうしたら……。
そこに、緊張感の欠片もない声が響いた。
「ありゃ。これはひどいね」
ビクゥ!
「お、驚かさないでよ!」
いつの間にか部屋の中には先日見た、なんかふわふわした女がいた。
それにしても、一度ならず二度までもこの風見幽香が気配すら感じることができなかった。屈辱だわ……。いやいや、今はそんなこと考えている場合ではない。
「あなた、何かわかるの?」
「わからないよ」
「帰れ」
漫才をしている場合ではないのだ。
「だから、今から調べてくるんじゃない~」
「し、調べてくる?」
「私は無意識を操ることができる。生まれて間もないこの子には心にガードがないから簡単に潜りこめるよ」
それじゃ行ってくるね~。
そう言ってこいしはその場に倒れた。
「ちょ……」
何も言う暇がなかった。なんてマイペースなやつなんだろう。だが今はこいつに頼るしかない。
「……お願い」
「ただいま~」
「はやぁ!?」
祈る暇すらありゃしない。先ほどからペースを掻き乱されまくりだった。
「ちょ、大丈夫なの?」
「うん。大丈夫。無意識に意識を集中させたから意識が途切れちゃっただけ」
お前のことじゃねーよ。あと何言ってるかわかんねーよ。
「それで、何かわかったの?」
「うん……」
こいしは躊躇いがちに言った。
「原因はね、あなたなの」
「……え?」
何を言い出すのだろうこいつは。それとも聞き間違いだろうか。
「この子の中で、あなたにとって自分はいらない子だって意識が芽生えている」
「な、なんで? 私は別に何も……」
「何もしなかったからじゃないかな」
「どういうことよ」
「この姿になってから、一日も欠かさずに与えられてきたお日様の光を浴びてない。そう思っていたよ」
「日光ならさっき――」
「お日様は、あなたの笑顔なの」
「――ッ」
「さっきの散歩だってそう。自分の仲間はいっぱいお日様を浴びてるのに、僕だけは浴びてない。おかあさんにとって僕はいらない子なのかな、って。はっきりとした言葉じゃないけど、そんな気持ちが曖昧にだけど流れてきたの」
「そ、そんな……向日葵太郎……」
本当は、嬉しかった。
自分が育てた向日葵がそれに応えるようににこにこと笑ってくれる。
この可愛い向日葵たちの声が聞けたらな。そんなことを思った事もあった。その願いが叶ったのに……なんだか気恥ずかしくて、くだらないプライドが邪魔をして素直になれなかった。
今更になってそれを後悔する。
「向日葵太郎……」
幽香は向日葵太郎の小さな手を握る。
「何か、何か方法はないの?」
「あるにはあるけど……危ないよ?」
「何だってするわ。教えて」
「うんとね、あなたの意識を、この子の無意識内に侵入させるの。でも、もし意識を侵入させてる間にこの子が消えちゃったら、あなたの意識ごと消えちゃうよ。それでもやる?」
「ええ。やるわ。早くして」
「そう、わかった。じゃあ行くよ。花の妖怪が植物状態とかぴったりすぎて笑えないから、絶対戻ってきてね!」
こいしがそう言った途端、意識が遠くなった。
幽香の意識は、眠りにつくように向日葵太郎の中へと沈んでいった。
◆
「ん……」
目を覚ましたら、一面に向日葵が咲いていた。
「これが向日葵太郎の中……」
「そうよ」
「!?」
後ろから、あるはずのない誰かの声がし、幽香は警戒体勢を取った。
振り向いた幽香の目に映った人物は……
「わた……し……?」
風見幽香だった。
目の前にやたらとにこにこした自分がいる。
距離をとり、言った。
「あなた、何者?」
「ふふ、風見幽香よ。見たらわかるでしょう?」
「ふざけてんじゃないわよ……」
体中に魔力を行き渡らせる。いつでも戦闘を開始できるように。
しかし、目の前の幽香は慌ててそれを制した。
「待って待って。ごめんなさい。ちゃんと説明するからそんな喧嘩腰にならないで。ね?」
何なんだこいつは?姿形はそっくりだが、性格がまるで違う。
ひとまず戦闘にはならないと踏んだ幽香は魔力を霧散させた。
それを見た目の前の幽香は安心したように、微笑みながらありがとうと言った。
「ちゃんと説明してもらうわよ。時間がないからしゃきしゃき答えなさい」
「わかったわ」
「まず、あなたは一体何者なの?」
「私はあなたよ。……向日葵太郎のイメージから生まれた、ね」
「ということは何よ。向日葵太郎の中では、私はそんなにこにこしてて柔らかいイメージってこと?」
「そう。向日葵太郎は――ううん、向日葵太郎だけじゃなく、太陽の畑に咲いてる全ての向日葵はあなたのことを太陽だと思っているわ」
「そう……とんだ勘違いね」
「そうかしら?」
「何よ」
「地のあなたはそうではなくとも、少なくても向日葵たちに向けた太陽の笑顔は本物のはずよ」
微笑み、首を傾げながらそう言った目の前の幽香は、自分から見ても――恥ずかしいけど――太陽みたいだった。
他人から(自分だが)太陽だと言われたことと、自分にもこんな笑顔ができるんだと知ったことから、妙に恥ずかしくなりそっぽを向きながら言った。
「さ、さあ。どうかしらね」
「ふふ」
「ふ、二つ目よ!」
「どうぞ」
「私がなんでここにいるかわかってるわね?」
「ええ。すでにここも崩れてきているわ」
「どうすればいいか教えなさい」
「うーん。とりあえず、叫んでみたら?」
「はあ?大丈夫なのそんなんで?」
「わからないけど、他に思いつかないし……。何より、無意識層でのことなんだから、そういう気持ち、意識が大事なんじゃないかしら」
「そ、そう。わかった、やってみるわ」
幽香は目を閉じ、向日葵太郎のことを思い描く。
スー……ハー……スー……。
(どうか……届いて!)
「向日葵太郎ー! 早く戻ってきなさーい!畑の向日葵たちも! あなたも! みんなみんな大事な私の向日葵よ! 心配かけるなこの馬鹿ぁーー!!」
ハァハァ……。
「崩れが、収まった……」
「と、届いたってこと?」
「どうやらそうみたいね。おめでとう」
「はああああぁ。間に合ってよかった」
安心して、どっと疲労感が押し寄せる。
幽香は思わず尻餅をつきそうになった。
「そろそろ向日葵太郎が起きるわよ。そろそろ行きなさいな」
「そうするわ。世話になったわね」
「いいえ。こちらこそありがとう」
「じゃあね」
「ええ」
無事に解決できてよかった。
さあ帰ろう。そう思ったときだった。
「…………」
「……? どうしたの?早く出ないと閉じ込められちゃうよ?」
「脱出の仕方がわからないわ……」
「えー!?」
「ど、どうしましょう。向日葵太郎が起きて、次に寝たときまでに脱出方法を考えるってのはできるの?」
「無理よ。長くここにいたら、あなたは向日葵太郎の無意識として認識されてしまう。ここの住人になっちゃうのよ」
「そんな……」
なんてことだ。せっかく向日葵太郎を助けたのに、今度は自分がピンチになるなんて。
「……私に任せて」
「な、何か案があるの?」
「私の中に残ってる魔力全てを使って、あなたを無理やり弾き飛ばすの」
「魔力を全部使ったら、あなたは……」
「ええ。消えるわね」
「…………」
「いいのよ。どの道、現実であなたがいなくなれば、向日葵太郎は生きていけない。そしたら私も消えるもの」
「なんだか……自分と同じ顔が消えるってのも、縁起が悪くて嫌なものね」
「あはは。そうね。……ひとつだけ、覚えておいて。私はあなたの予備みたいなもの。私が消えて、もし同じようなことがあったら、次は向日葵太郎は一瞬で消えちゃうわ。…………向日葵太郎を、よろしくね」
ずっとにこにこしていた幽香が、初めて真剣な眼を見せた。
「ええ。任されたわ。……悪いわね」
「いいのよ。じゃあいくわよ。マスター……」
「え、ちょ、それで帰すわけ!?」
「スパーク!」
「きゃあああああああ!」
幽香は絶叫しながら消えたいった。
どうやら、私の役割はここまでのようね。
「ふふ。それにしても。悪いわね。か。似合わないわね」
体が消えていく。
「いいのよ――」
幽香はぽつりと呟いた。
「――どうせひと夏の命だったわけだしね」
◆
「ううん……」
目を覚ましたらそこは、いつもと変わらぬ自室風景だった。
「よかった。戻ってこれた……」
「あ、おかえり~」
こいしが相変わらず緊張感のない声で出迎えた。
「おかえり~、じゃないわよ! 帰り道くらい用意しておきなさい! かなりのピンチだったんだからね!?」
「あ、ごめんごめん。忘れてたよ」
あはは。
全く悪びれる様子のないこいしに、怒るどころか呆れてしまった。まあいいか。戻ってこれたんだし。
「そ、それより向日葵太郎は!?」
「大丈夫だよ。大丈夫だから、そんな心配そうな顔しちゃだーめ。ほら、そろそろ起きそうだよ」
向日葵太郎の方を見る。
向日葵太郎は、ううん、という呻き声と共に、何事もなかったかのように目を覚ました。
よかった……。安堵の気持ちが広がり、自然と笑みが零れる。
「ゆーかさん。おはよーございます」
「ええ。おはよう。向日葵太郎」
幽香は、向日葵太郎がいることを噛み締めるように、一言一言を優しく紡いだ。
「あれー? ゆうかさん、なにかいいことあったですか?」
「ええ。とってもいいことがあったの。だから嬉しいのよ」
幽香は、向日葵太郎を優しく抱きしめた。
「ふわー。それは、とてもよかったです」
向日葵太郎が幽香の胸の中でくすぐったそうに動く。それは気恥ずかしさか、嬉しさか、他の向日葵たちへの申し訳なさか。恐らくは全てだろう。万感の思いが向日葵太郎の心の中で暴れ周り、じっとすることができなかった。
「ふふ。暴れないの。くすぐったいじゃない」
向日葵の匂い……。
向日葵太郎の確かな存在の証が幽香の心を満たした。
あ。そういえば。
「あなたにも世話になったわね」
「えへへ。役に立ったでしょ」
「ええ。でも……なぜここまでしてくれるの?」
「それはねー」
こいしは少し恥ずかしそうに笑いながら言った。
「好き、なんだ。向日葵。黄色と緑。私とお揃いだもん」
「そ、それだけ?」
たったそれだけの理由でここまで手伝ってくれたのか。
「その……あ、あ、ありが、とう……」
誰かに対する初めての感謝の言葉は、恥ずかしくてそっぽを向きながらだった。
…………。
あれ?
「いない……」
どうやらさっきの告白の直後にいなくなったらしい。来るのも帰るのも急なやつだ。
「ふう……なんだか疲れたわね」
「ゆーかさん、おつかれちゃったですか?」
「ちょっとね。でも寝るには早いし、あなたは寝てたから眠くないでしょう? お話しでもしてましょうか」
「おはなしするですー」
幽香はその日、夜中まで向日葵太郎と他愛のない話を続けた。
◆
「向日葵太郎ー! 走ったら転んじゃうわよー!」
「だいじょぶですー!」
幽香と向日葵太郎の共同生活が始まって二週間ほどが経過していたが、その仲は驚くほど親密になっていた。
幽香は向日葵太郎を慈しみ、向日葵太郎は幽香を慕った。それはまるで、本当の親子のように。
急に向日葵太郎が立ち止まった。幽香は訝しく思い、向日葵太郎の視線の先を追った。
その視線の先には、向日葵をほじくって種を食べている数人の子供たちの姿があった。
仲間が食べられている姿を見るのは、つらいだろう。そう思い、幽香は軽く脅しを入れることにした。
「こら、あなたたち――」
種の代価はあなたたちの命よ、と言おうとしたところで、向日葵太郎が自分のスカートの端をきゅっと握っていることに気がついた。
「どうしたの、向日葵太郎?」
「いーのです」
「仲間が食べられちゃってるのよ?」
「ぼくたちのこときれーっていうかおも、ぼくたちのことおいしいっていうかおも、ぜんぶぼくたちのおひさまです。……ごめんなさい。ゆーかさんはひまわりたべられちゃうのやですか?」
「ううん。あなたがいいのならそれでいいの」
「はい。それでいーです」
そう。ならいいわ。
幽香は、まるで母親が幼い子供が真っ直ぐに育っていることを嬉しく思うような表情で微笑み、視線を子供たちに移した。
「それにしてもおいしそうに食べてるわねー。あなたも食べてくる?」
「ともぐいを、しろとっ」
「ふふ。冗談よ」
「はわー。ゆーかさんのじょうだんは、ひやひやですー」
「だって夏だもの。ちょうどいいでしょ?」
「あついのすきですよ?」
「あら、私もよ」
「あは、いっしょです」
「一緒ね、ふふ」
くすくすと笑い合う二人。なんて楽しいのだろう。
幽香はこの時間がいつまでも続けばいいと思った。
いつまでも続くと思っていた。
◆
「ごちそーさまです」
「あら。もういいの? あんまり飲んでないじゃない」
向日葵太郎に与えた水は、いつもの半分しか減っていなかった。心配になった幽香は尋ねた。
「どこが具合でも悪いの?」
「だいじょぶですー。おなかぽんぽんです」
「そう? ならいいんだけど……。そういえば風は少し冷たくなってきたわね。夜は暖かくして寝るのよ」
「はーい」
「もう少しで秋ね。幻想郷の秋は綺麗なのよ。秋になったら少し遠出をしてみましょうか」
「いっぱいおさんぽですか?」
「うん。いっぱいお散歩しましょ」
「たのしみですー」
その時は妖怪の山の雪溶け水を向日葵太郎に与えるのもいいな。
幽香は終わり行く夏に切なさを感じ、迫り来る秋に期待を抱いていた。
これから色んな季節を向日葵太郎と過ごしていこう。きっと楽しいだろう。
そんなことを考えていた。
◆
別れは突然やってきた。
「さあ。向日葵太郎、お散歩に行くわよ」
「…………」
「向日葵太郎?」
ドサッ。
向日葵太郎が崩れ落ちた。
「向日葵太郎!?」
まさか、また私はやってしまったのか?
そんな不安が膨らんだ。幽香は慌てて向日葵太郎に駆け寄った。額に手を当ててみる。熱はない……いや。
「冷たい……?」
向日葵太郎の表情を見ると、前回と同じということではなさそうだ。苦しそうにしている。
「一体何がどうなってるの……?」
幽香はとりあえず、向日葵太郎をベッドに寝かせた。
原因がわからない。昨日まであんなに元気だったじゃない。
――待て。本当にそうだったか?向日葵太郎は昨日水を残してたじゃないか。 予兆はあったのだった。それに気づけなかった自分に腹が立つ。
「ごめんね、向日葵太郎……。待ってて、すぐに戻ってくるから」
今からでも間に合うはず。
幽香は迷いの竹林の奥にいるという医者を呼びに行こうとした。
きゅっ。
幽香の袖が、小さい手に引かれる。
「向日葵太郎! 気がついたのね」
「いっしょに、いて、ください」
「向日葵太郎。ちょっとの間だけ我慢して。すぐに医者を連れて戻ってくるから」
「おねがい、します……」
「向日葵太郎……」
思えばそれは、向日葵太郎の初めてのわがままだった。
幽香の袖を掴む手からは、小さいながらも、決して離さないという意志が伝わってくる。
「わかったわ。ずっと一緒にいてあげる」
向日葵太郎の手を、そっと包むように握る。
向日葵太郎は、ほっとしたように、また眠りについた。
考えても考えても原因は思いつかない。
「これで終わりなんて嫌よ……。秋には山まで散歩しようって言ったじゃない……向日葵太郎……」
――ドクン。
心臓が一瞬止まって、また大きく動き始めた。
――ドクンドクンドクン。
鼓動がどんどん速くなり、体中に嫌な汗がつたう。
今、私は、なんて、言った?
――秋――向日葵――
嫌だ。そんなことない。
頭では否定しても、心がどうしても確信してしまう。
原因は……。
「寿、命……」
失念していた。向日葵太郎は、向日葵から生まれたのだ。寿命は向日葵のそれと同じと考えていい。
なぜこんなことに気がつかなかったのか。いや、本当は心のどこかでは気づいていたのかもしれない。だけど気づかないフリをしていた。
だって、せっかくここまで大切だと思えるようになったのに。家族だって……。
絶望が幽香の心を覆い尽くす。何も考えられない。
そこに、ぽつりと呟きが聞こえた。
「ゆーか、さん……」
振り絞るように呟く。
「みんなの、ところに……」
「向日葵太郎……。ええ、行きましょう」
◆
太陽の畑。
少し前までは一面に誇らしげに咲いていた向日葵たちも、みんな萎れかけていた。
風が冷たい。その風の冷たさはまるで、向日葵太郎をつれていってしまう悪魔にも思えた。
「向日葵太郎……着いたわよ」
「ゆーかさん……ぼく、ゆーかさんのことだいすきです」
「私もよ。向日葵太郎」
「ゆーかさん、つよくて、やさしくて、おひさまでした」
「やだ。戦ってるとこ見てたの?ふふ、いつも負けちゃってて情けなかったでしょ」
向日葵太郎は、ふるふる、と首をふる。
「そんなことないです。ゆーかさん、いつもぼくたちのこと、まもってくれてました。だから、ゆーかさんは、いちばんです」
「向日葵太郎……」
そこにひとつの声が割り込んできた。
「こんにちわ。風見幽香さん」
「…………名も無き神がなんの用かしら?」
「名前あるよお! 静葉、秋静葉だよお!」
現れたのは紅葉を司る神、秋静葉だった。
静葉は厳かに言った。
「季節を引き継ぎにきたわ」
「帰りなさい。ここは秋に一番遠い場所よ。この向日葵たちが見えないの?」
いらいらを隠そうともせずに幽香は言い放った。
「ううん。ここが一番秋に近い場所。私が秋の匂いにつられてやってきたんだもの」
「意味がわからないわ」
「その年の夏。一番いい笑顔で咲いた向日葵たちからバトンタッチをされる場所。……そこが秋の始まりよ」
静葉は視線を向日葵たちに移した。
「ここの向日葵たちは、とても幸せだったようね。……ごらんなさい」
幽香は、向日葵たちの方を見た。
「全部、私の方を向いている……?」
しかも全て萎れて頭がしなっている。その姿はまるで――。
「あなたに感謝しているのよ」
――そう、お礼を言われているみたいだった。
「いい子達に育てたみたいね。おかげでとてもいいバトンを受け取れたわ」
あとは、その子だけね。
静葉は、向日葵太郎を見ながらそう言った。
「その子からだけ、バトンを受け取っていない。自分がなんなのか、よくわかっていないのね。花の妖怪よ。あなたにとって、その子は何?」
「私にとって、向日葵太郎は……」
初めはむずがゆかった。嬉しかったけど、どうしても我慢できなくてやめさせた。
でも、今ならはっきりと言える……。この子は、向日葵太郎は……。
「私の……大事な子供よ」
一点の迷いもなく、静葉の目を見据え言った。
「おかあ、さん……」
「向日葵太郎……」
向日葵太郎は、とびっきりの幽香の笑顔で言った。
「またね、です」
「ええ。またね。向日葵太郎」
向日葵太郎の体がゆっくりと、消えていった。
別れの挨拶は、またね、だった。
そう。これで終わりのはずはない。
ふわふわ女は言った。向日葵太郎は無意識の内に私が作り出したと。ならばきっと、来年も、再来年も、ずっとずっと向日葵太郎はここにいるはず!
「最後のバトン、確かに受け取ったわ」
それじゃあね。
「待ちなさい」
帰ろうとする静葉を、幽香は引き止める。
「この子たちのバトンを受け取ったのなら、今年の秋を、かつて無いほど彩りなさい」
「……ええ。任せて!」
幻想郷に、秋がやってくる。
◆
ザッザッザッ
風見幽香は森を歩いていた。目的地は勿論、生意気な黒白魔法使いの家だ。
しばらく歩くと、家が見えてきた。
コンコンッ。
ノックをしたら、ドタドタドタとうるさい足音がし、ドアが開けられた。
「あー、誰だ? 霧雨さんならこれから出かけるから留守だぜ――――って、幽香?」
「こんにちわ。喧嘩しにきたわ」
「いきなりご挨拶だな。まあいいが、最近嫌がってたじゃないか。どうしたんだ?」
「強くなる必要ができたのよ。あの子たちを守りながらでも立派に戦えるようにね」
守れたけど勝てませんでした。では格好悪すぎる。ならば守りながらでも勝ってみせよう。幽香はそう思ったのだった。
「へ、よくわからんが、弾幕なら付き合うぜ。終わったら対幽香連勝記録絶賛更新中の帯でも作っておこう」
「今回こっちから出向いたのは、今までのストレス発散。太陽の畑じゃシールドを張りながら戦っていたから本気を出せなかったのよ」
「ハン、子供の言い訳かっての」
二人の魔力が膨れ上がる。どちらもいつでも動ける状態だ。
ジリ……ジリ……
「「さあ」」
「尻尾巻いて来年の夏まで引きこもってな!!」
「あなたの泣き声で秋を彩ってあげるわ!!」
~続け~
こいしが出てくるのが不自然な感じだったり、今度は幽香が妙に優し過ぎたり。
でも、悪くは無かったです。
最後はちょっと悲しくもありますけど、「またね」と二人で約束を交わしたのが素敵ですね。
二人の生活に暖かくなる良いお話でした。
ありきたりな話かと思いましたが、なかなかどうしてオリジナリティがある話だと思いました。
季節のバトンという表現は素敵ですね。
清々しい読後感は前作同様もっと評価されるべき。
あと前作もそうですが、タイトルが奇抜過ぎず汎用過ぎずいい趣味してると思います(^q^)
向日葵太郎ちゃんも可愛くてぐっじょぶですです。
そして
>>「秋静葉だよぉ!」
ここで静ねぇへの信仰心が振り切れました。
はぁ……静ねぇが神奈子様のお姉ちゃんにならないかなぁ……(どんな組み合わせだよ)
キュッと来ました。
ぺこり。
名も無き神って…
幽香さんらしいというか…
もう少し地の文を工夫してみてはいかがですか?私の趣味ですが、効果音をそのまま書くのは安っぽい感じがするので。
次回作、期待してます。
無意識下をマスパでぶっ飛ばすなんて荒療治、流石ゆうかりんだww
私にはどうも『日常』というものを作る力が不足しているようです。
『日常』が浅いから『非日常』が活きない。
これから精進していかなければいけない点ですね。ありがとうございました。
>煉獄さん
よくお名前を見かけて「的を得たコメントをしているなあ」と思っています。
ちょっと自信がつきました。ありがとうございます。
>暴君コメかいた人
前回同様、自分が力を入れた部分を評価してもらえて、とても嬉しく思います。
>清々しい読後感
まさしくこれは、私が文章を書く上で目指したいと思っているところなので、そう言ってもらえると励みになります。ありがとうございました。
>8
おかげで私にもうつりました。もうタラちゃんにしか聞こえないorz
>謳魚さん
静葉は私の中でキャラクターがいまいち定まっていないので苦労しました。
静ねぇが神奈子様のお姉ちゃん……。難しいけど、考えてみます。期待しないでくださいね。
>11
静葉を出すのなら、やはりオリキャラ扱いネタは入れておかないと、と思いああいった扱いにしてみました。
ちょっとひどすぎたかもしれませんね。
>12
>もう少し地の文を工夫
私の一番の課題ですね。頑張りたいと思います。
>効果音をそのまま書くのは安っぽい感じがする
なるほど。参考になります。
アドバイスコメントは非常に助かります。これからもお願いしますね。
>13
そこまで手放しで褒められるのもむず痒いですが、嬉しいです。
>16
幽香といったらやはりマスパ、と思って無理やり詰め込んでみました。
不自然じゃなかったでしょうか?
某ジブリのカントリーロードが聞こえています。
読後感良かったです。
秋は哀愁ですねぇ(言葉にすると安っぽいけど)。
「人類は滅亡しました」の妖精さんとほとんど同じだったのが気になった。
特に
「でも、おかあさんはおかあさんですよ?」
「うー……わかりましたー」
この辺とか。
幽香ママ好きは多そうだから、練りこみが甘いと言われないか不安でした。
まあ実際甘いんですけど、楽しんでもらえたなら幸いです。
>31
秋を思う心。それは夏の終わりを愁うということなのかもしれません。
何言ってるかわかんないですね。
>34
タラちゃんだったり、妖精さんだったり。
どの既存の作品とかぶらないキャラを作りたいです。
というと二次設定っていう概念が壊れますかね。うーん、難しい。
これから色んな物語を作っていく中で、昔よりちょっぴり優しくなったゆうかりんを、いい脇役として出演させたいです。
もちろん主役でもまた何か作りたいです。
優しいゆうかりん、ぜひ見たいです。
母親ゆうかりんモノは結構ありきたりかなーとビクビクしながら書いた作品ですが、そう言ってもらえて安心できました。
ただいま秋モノを書いてます。季節が巡ったら優しいゆうかりんに会えるんじゃないでしょうか。
静葉さんのカリスマに惚れた
とにかく良い作品でした
わあ。こんな無名作家の過去作品読んでくれる人なんているんですね。
ありがとうございますー。これからも頑張っていきたいと思います。
感情を揺さぶる作品を作りたい。そう思って始めた創作活動です。
だから、偉大なる先人たちにはまだまだ程遠いですけど、そう言っていただけると励みになります。
ゆうかりんサイコーwww
ありがとうございます。
しかし今回の作品、ゆうかりんに助けられた感が否めない。
他のキャラクターでも評価を得られるように頑張りたいです。
やりすぎじゃー!(笑)
こんな激甘ゆうかりんは初めてです。悪くありません。悪くありませんが、カレーの王子様を久しぶりに食べた気分です。よよよい。
内容についてですが、いくつかの場面進行に、台詞の力を借りている部分が多いかも。
地の文を無駄に増やそうとは言えませんが、もう少し工夫すれば、さらに完成度が高くなると思います(同じSS書きとして、全く人のこと言えませんがね!)
しかし、後半の展開、読後感等に光るものがありました。この味は大事にしてほしいです。
世界観(日常)については焦らずとも、きっと作品を重ねて、その度に浸るごとに充実していくことかと思われます。
これからも楽しみにしていますね。
読了ありがとうございました。
ご期待に応えられるよう、精進していく所存です。
素敵ですね。向日葵がゆうかりんにお礼を言っている姿に涙が出ました。
今、読み返してみると、色々と粗末な部分が目立つ作品ですが、読者の方を少しでも満足させられたのなら、嬉しい限りです。