ここは静かな永遠亭。
ここに居るのは八意永琳、永遠亭のお医者さん。
彼女が廊下を歩いていたら、小さな兎に呼び止められた。
「えーりんさまー!」
もふっとぶつかる子兎に、あらあらうふふと永琳師匠。
おっきなお胸でふかふかと、子兎とっても気持ちが良さそう。
「えーりんさまのおむねふかふかー!」
「ふふっ、ありがとう」
永琳ちょっぴり照れながら、子兎よしよし撫でたげる。
優しく温か師匠のお手てに、お目めを細めて嬉しそう。
「えーりんさま、またねー!」
「ええ、またね」
いっぱい撫でられ満足したのか、笑顔で手を振る小さな兎。
笑顔で彼女と別れると、今度は遠くで子供の泣き声。
どうしたのかしらと永琳行けば、そこには転んだ子兎が。
あらあら可哀想に。 膝を擦りむき泣いてる兎に、師匠は急いで近寄った。
「どうしたの? 大丈夫?」
「えいりんさまぁ……」
「ほら、男の子でしょ? 泣かないの」
泣いてる兎の手を取って、よいしょと起こした永琳師匠。
子兎あわわとつまづいて、師匠の方へと飛び込んだ。
大変大変! 師匠の履いてるスカートに、泥がいっぱい着いちゃった。
「あわ、ご、ごめんなさい!」
「あらあら、大丈夫よこれくらい。 洗えば落ちるわ」
倒れた子兎慌てて離れるも、師匠はやっぱり笑ってる。
それでも子兎涙目で、ほんとに平気? と聞き返す。
「ええ、大丈夫。 怒ってないわよ」
「……えいりんさまぁ~!」
あらあら、平気だって言ったのに。
やっぱり子兎泣きながら、師匠のお胸に飛び込んだ。
柔くて温か師匠のお胸。 子兎やっと落ち着いた。
「泣き止んだわね。 偉い偉い。 それじゃ、バイキン入らない様に消毒しに行くわよ」
「う、うん……でも……」
「あら、どうしたの?」
お手てを繋いで行こうとするも、子兎ちっとも動かない。
あんよをよーく見てみたら、腫れて真っ赤になった膝小僧。
「あらあら、歩けないのね……しょうがないわね」
「え、えいりんさま……?」
「はい、おいで」
うんしょとしゃがんだ永琳師匠、こっちにおいでと手で招く。
それ見た子兎ゆっくり歩いて、師匠の背中によじ登る。
「お、おもくないですか?」
「ん~? 平気よ。 てゐやウドンゲに比べればね」
子兎全然知らなかった。 永琳とっても力持ち。
それにとっても良い香り。
「あら……ふふっ、ませてるのねぇ」
「え……!? あ、その……ごめんなさい」
「いいのよ謝らなくても。 健康な証拠よ」
「うぅ~……」
綺麗な銀の長い髪。 師匠の顔は見られない。
だけどきっと笑われたよね。 子兎ちょっぴり恥ずかしい。
そうしてる内に辿り着く、永琳師匠の診療所。
座ってゆっくり消毒されて、ちょっぴり染みる膝小僧。
痛いよ痛いよでも我慢!
「ちょっと我慢してね……はい終わり」
「あ、ありがとうございます!」
「今度はちゃんと足下に気をつけるのよ」
頭をペコペコ立ち去る兎。 永琳ふうっと一息ついて、よっこいしょっと立ち上がる。
永琳師匠も休まなくっちゃ。 一人でゆっくりお茶の時間。
だけどまたまた何処からか、ひっくえっくとしゃくり泣く、小さな兎の鳴き声したわ。
あらあら今度はどこかしら? 声がするのはお尻の真下、たぶん軒下からかしら?
師匠が軒下覗いてみれば、そこにはやっぱり子兎が、小さく小さく泣いていた。
「あらあら、どうしたの? そんな所に……ほら、出てらっしゃい」
「……いやだ」
あらあらこれは困ったわねえ、とっても頑固な子兎ちゃん。
だけどやっぱり永琳師匠、ぴかんと閃きこう言った。
「あ~、このお団子美味しいな~。
でも食べ過ぎちゃって一個余っちゃった~。
誰か食べてくれる子が居ないかしらね~」
「あっ! 食べる食べる!」
師匠の言葉にピクリと跳ねて、子兎もそもそ出てきたわ。
やっぱり師匠はあたまいい!
「ふふっ、どうぞ……ねえ、何があったの? お話しして頂戴?」
「うん……実はね、寂しかったの」
膝に乗っけた子兎が、お団子もしゃもしゃ食べながら、だけどやっぱり涙声。
師匠は優しくででなでと、何があったか聞いてみます。
「寂しかったの? お父さんやお母さんは?」
「私がね、大っきくなる前にね、食べられちゃったの……」
「まあ、そうだったの……」
しゅんとお耳を垂らしながら、子兎も一度泣き出しそう。
その顔見ちゃった永琳師匠、どうしましょうかと首捻る。
う~ん、う~ん。 あ! そうだ!
師匠は子兎抱きしめて、優しく小さく囁いた。
「ねえ。 今だけでも良いわ。 『お母さん』って呼んでみて?」
「え……?」
「ごめんなさいね。 流石に本当のお母さんにはなれないけど……
今だけでも、ね?」
「……っ、ふぇっ……お母さん……!」
「ふふっ、よしよし」
あらあらスカートが冷たいわ。 だけど今は我慢我慢。
えんえん泣いてる子兎を、延々なでなで永琳師匠。
見上げた夜空にお月様、あの子達も元気かしら?
ずっとずっとの大昔、月に忘れたあの子達。 今も元気にやってるかしら?
「……あら?」
お月見終わった永琳師匠、静かになったと下見たら、子兎くうくう寝ちゃってた。
「……おやすみなさい」
うんしょと抱っこで子兎持って、師匠は寝床へ運んでく。
柔らか師匠の胸の中、せめて夢では幸せに、家族と一緒に幸せに。
「師匠ー! 今日の薬売り終わりまし……た?」
「あら、お疲れ様ウドンゲ」
お仕事終わった鈴仙が、師匠の元へと走って戻る。
戻った先で見たものは、ふわふわもこもこ兎達。
師匠の周りに固まって、師匠がどこだか分からない。
「……師匠、いつから毛玉に進化されたんですか?」
「え~っと、昨日から?」
「一体何が……」
「いえ、ちょっと兎達をかまってあげてたらこんなに……」
「さいですか……で、てゐは師匠の胸元で何やってんの?」
「うん? いやあ、これが中々気持ち良い」
「あ、そ……」
納得したけど気になっちゃう。
じーっと鈴仙見詰める。 なんかちょっぴり羨ましそう。
それ見た師匠はニッコリ笑い、彼女を手招き誘ったわ。
「おいでおいで~」
「なっ、何言ってんですか師匠、私がそんな子供みたいな……」
「お~よしよし」
「あれっ!?」
ハッと気付けば鈴仙は、ふっくら柔らか胸の中。
師匠のおっきなおっぱいは、ふかふかむにむに温かい。
「にゃ~……師匠ぅ……師匠ぉ~」
「ふふっ、甘えん坊さんねえ鈴仙ったら」
師匠を抱きしめすりすりと、鈴仙ったら子供みたい!
周りの兎が囃し立て、だけど気付けば寝息が一つ。
あらあら鈴仙眠っちゃった。 きっととっても疲れてたのね。
起こしちゃいけない、静かに静かに。
皆でお口に手を当てて、鈴仙様が起きない様に。
静かに、静かに…………
「……あら?」
姫様見掛けた永琳師匠。 兎に囲まれ座ってる。
だけど何だか様子が変。 こっくりこっくり首揺れる。
気になる姫様近づいて、師匠のお顔をちょこっと覗く。
「あらあら、珍しい」
ふわふわもこもこ兎に囲まれ、鈴仙永琳眠ってる。
皆が眠ったお昼時、永遠亭のお昼時。
皆で仲良くお昼寝タイム。
それ見た姫様にっこり笑顔。私だけ仲間はずれなんてずるい!
「……私も」
うずうずしていた輝夜姫、永琳師匠に近づいて、ゆっくりふんわり抱きしめた。
「あ……温かい……それに柔らかいし、良い匂い……」
師匠の柔らかおっぱいに、姫もふわぁとあくびを一つ。
周りのすやすや寝息に誘われ、姫様気付けば眠っちゃった……
「――あら、眠っちゃったのね……う~~~~んっ……!
っと……あれ?」
お昼寝から目覚めた永琳師匠、なんだか体がすんごい重たい。
何でだろうと見渡せば、お膝に鈴仙輝夜姫。
そのまた周りにふわふわもこもこ、兎がいっぱい眠ってた。
「あら……これじゃあ動けないわね。 じゃあもう少しだけ……
おやすみなさい……」
永遠亭の昼下がり。 皆が眠った昼下がり。
むぎゅっと二人を抱きかかえ、永琳師匠はまた寝ちゃう。
えーりんのおっぱいは魔法のおっぱい。 皆が安らぐ素敵なおっぱい!
自分も小さい頃オカンによく甘えたなあ………
あの人たちは何も分かってない。
そんな私の想いが証明された心地がしました。ありがとうございます。
母の胸元は温かい。
それは天地の理。
でも今はもう「そういう方向」でしか見られない自分がいてそれが何処となく淋しい。
これは良いお話。
ご飯3杯いけますな、ウン。
地の分の妙なリズムのせいですごく読みづらい……。
ところで、誤字報告をば
うどんげの
「あ……温かい……それに柔らかいし、良い臭い……」
というセリフ、臭いよりの匂いのほうがよろしいのではないでしょうか?
ここでそんな事言っても去勢されそうだなw
稀に見る希少な、幼児向けの東方って事で。
のでここに得点いれていきますね
七音、五音で構成されたリズムが斬新!
『おっぱい』、『おっぱい』、『おっぱい』、『おっぱい』、『おっぱい』