Coolier - 新生・東方創想話

魔法使いも大変だな~

2009/02/02 22:46:52
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魔法の森のどこかにある小さな洋館。

そこでは、今日もいつも通りアリスは人形つくりに精を出している。

「なぁ、アリス~。外に出て遊ぼうぜ!!」

そして窓の外からはいつもの黒白が顔を覗かせている。

「五月蝿いな。さっきから言っているように、私は今、忙しいんだ」

二本しかないはずの腕が3本にも4本にも見えるような速さで

人形を縫いながらも、息一つ乱だすことのないアリス。

流石、伊達に人形使いではない。

「え~そんなのアリスじゃないよ~。アリスって言ったら、魔理沙を見たら

息が荒くなって『ハァ。ハァ。ハァ』言って興奮したり、もっとひ弱だったりして、

とにかくもっとマリサに対して、でれるべきだ!!」

自信満々に断言する魔理沙に対して、眉間にしわがMAXのアリス。

「なぁ、お前、今すぐに死にたいか」

手のほうは人形つくりに向かっているも、上海を肩にのせ攻撃態勢をとるアリス。
        
「いや、ごめん、ごめん。言い過ぎたよ、アリス。でも、アリスは魔法使いなんだから

死ぬこともないし、今無理してそんなに人形つくらなくてもいいんじゃないか?」

「わかってないな。そうじゃないんだよ。人形つくりってのは、こう創作意欲が

あるうちにパーっと作らないと、いい作品はできないんだよ」

頭をかきながら、アリスはどこぞのマンガ家のように答える。

「ふ~ん。(もうそういうところも、他で見るアリスとは違うよな)

 なら私にも手伝えることはないか?」

「ない!!」

思考時間コンマ2秒の即答。

「でも、あたしはアリスの役に立ちたいんだぜ・・・・・・」

魔理沙の目のは溢れんばかりの涙がたまっている。

そして、いくらアリスといえどもそんな捨て犬の眼差しをした子にまで厳しくできるわけなくて。

「わかったよ。上海!!扉開けてやれ。くれぐれも私の邪魔だけはするなよ」

そう言って上海に扉を開けさせるのであった。

「で、あたしは何を手伝えばいいんだ?」

魔理沙の目も再びなんにでも好奇心旺盛な少年の顔つきが取り戻る。

「いや、何もするな(邪魔をするなといったはずだろ)」

コンマ0.1秒とそのタイムはさらに縮まる。流石な感じのアリスさん。

「う~ん。それじゃあ、コーヒーでも入れてやるぜ」

部屋に入ったことで調子にのった魔理沙はアリスの回答を無視して

台所へと足を運べる。そしてアリスはそんな魔理沙に対してあきれながらも

上海にしか聞こえないような小さな声で

「なぁ、上海。私はいいからあいつを手伝ってくれ」

と呟き、上海を台所へと向かわされるのだった。

しかし、コーヒー作りが開始されてから3分後、台所からの物音でアリスの手は止まる。

「ごめん、失敗しちゃったぜ」

テヘッのポーズのつもりなのか、右手ひとさし指を唇につけて謝る魔理沙。

床にはコーヒーの粉がまばらに飛び散っている。

「表でろ」

「いやいや、次は絶対失敗しないからさぁ。あたしを信じてくれだぜ」

「はぁ~」

アリスからため息が漏れる。

そしてアリスはその場で実際に表に出せない自分の甘さにも恥じるのであった。

その後も魔理沙の失敗は「料理」「洗濯」「掃除」と次々と失敗を重ねていく。

「なぁ、いい加減出て行ってもらえないか?」

眉間の数が多すぎて、画像では表現できないほどのアリスが

魔理沙に迫る。魔理沙に残された道ももうただ一つしかない。

「いや~本当、ごめんなさい。もう何もしないから。本当、アリスさんの

横でじっとにさせてもらいますから」

魔理沙はそう言うと、再び生まれて数ヶ月の柴犬のような眼差しでアリスを

じっと見つめる。

「なら、始めからそうしていろ」

アリスは魔理沙の後片付けをした後、

彼女をつれ作業室の椅子につき、素早い動きで人形を縫い始める。

そして魔理沙はその元気が溢れんばかりの体を小さくさせるように

アリスの横でただ体育座りをしながらアリスの作業を眺める。

少女製作中・・・

アリスが作業を始めて早3時間。

その間、二人が口を利くことはなかった。

雰囲気が悪くなったわけではないが、アリスの真面目さが魔理沙の胸にも

届いていたのだろう。それでも魔理沙には一つの不安があった。

そう、ひょっとして自分はアリスに嫌われているのではないかという不安が。

その不安は無言の時間が続くほど、大きさを増していく。

そしてついにその増幅した不安はあふれ出す。

「なぁ、アリスはあたしが今日来たことやっぱり迷惑だったか?」

「あぁ、迷惑だ(語りかけるなよ)」

「そうか・・・・・・」

「でも、まぁ、黙って横にいるくらいなら、邪魔ではない」

アリスは手を休め、そのかわりに頬を赤く染める。

「うん」

魔理沙は小さくコクリとうなずく。

アリスは先ほどの自分のセリフが恥ずかしかったのであろうか、マリサの顔をみることができず

その代わりに窓に目をやる。

「もう、こんな時間だし。とっと家に帰れ」

「でも、まだ夕方だぜ」

魔理沙の言う通り、空はまだきれいな蜜柑色であったし、

魔理沙だって子供じゃあるまいし、帰るにはまだ早すぎる時間だ。

だからこそ、魔理沙はわからなくなる。

ときに恥ずかしがりながら優しい言葉をかけてくれるアリス。

それでも、平然と『嫌い』とは言わんばかりに自分を避けるアリス。

どちらが本当のアリスなのかを。

本当のところ彼女が、自分のことをどう思っているのかを。

だから。

「アリスはあたしのことをどう思っ・・・・・・」

しかし、その言葉は、アリスの一言ではかき消される。

「そうだ、お前、前うちに来たとき、手が冷たくてどうとかこうとか言ってたな」

「えっ、うん」

魔理沙の声はますます小さなものへと変わる。その一方で不安ばかりが大きさを増す。

「ほら、これやるよ」

そう言ってアリスは棚から取り出した手袋をマリサに渡す。

「これを、あたしに・・・・・・でも」

「嫌でも、返品不可だからな。人形つくりのあまり物で作ったやつだけどよ。

欲しがってただろ」

「うん・・・・・・ありがとう」

魔理沙の顔は依然として曇ったままだ。

「なら、とっとと帰れ」

そういいながら、アリスは魔理沙の顔を見ないようにしてを見送るのであった。

そのとき、アリスの目から綺麗な雫が落ちたのに気づいたのは上海だけだった。



アリスは魔理沙が帰った後も黙々と人形つくりに専念する。

まりさが来たことでできたタイムロスを埋めるかのようなハイスピードで。

そしてそんな作業が終わったのは真夜中のことだった。

「ふっ~。やっと終わった」

アリスは作業により膠着した全身の筋肉を解放するように、大きな伸びをする。

夜空には無数の星が輝いていた。月もなく、普段は見かけることのできないような星までもが

自分を主張するかのように光っている。

「気分もいいし、外にでもでるか」

アリスはコートを羽織り、上海を残し家を後にする。

そして魔法の森でもひときわ木々が少ない自分だけのお気に入りの場所へと

足を運ぶのであった。

「いや~やっぱりここから見る星はひときわきれいだな」

「お前もそう思うか」

独り言に対して返事がかえってくる。

「すまんな霊夢。先約がいたとは知らなかった、私はこれで」

そう言って身を引こうとするアリスを巫女は返そうとはしない。

「せっかくなんだ、何人で、見ても減るもんじゃない。たまには一緒に見ようや」

アリスも正直、人形作りで疲れた目を休めたいのもあったので、星を見たい気持ちはある。

そして賛同したが後の祭り、巫女の星見改め酒盛りにつき合わされるのだった。

賽銭が少ないなどの愚痴から始まり、しまいには西方にゲスト出演したなどの

自慢話をアリスは永遠に聞かされ続けた。

しかし永遠にあけない夜はないもので、酒がなくなり、星も消えかかってくる。

そしてそれと同時に霊夢の声のトーンがへべれけのものから重みのある真面目な声に変わる。

「なぁ、ぶっちゃけ、魔理沙のことどう思っているわけ?」

「なんだ唐突に」

アリスも突然の変貌っぷりと予想外の質問に、手から汗が分泌する。

「私は魔理沙とは古くからの付き合いだ。だから、あいつが何かで悩んでたり、悲しい顔をしてたら

どうしても気になっちまう。で、最近私は思うんだ。お前と会った後のあいつはどこかすごく楽しそう

でもあり、でもどっかですげぇ不安を抱えているようにも見えるんだ。

だから私のお前の気持ちが知りたい」

アリスは大きく深呼吸をしてから言葉を発する。

「もし、私がそのまりさの反応を楽しんでいると言ったら、私を殴るか?」

「いや、殴る程度じゃすまないだろうな」

霊夢は懐から御札を数枚取り出し、再度口を開く。

「で、本当のところはどうなんだよ」

「だから、私はそもそも人間よりも人形を好む魔法使いであって・・・・・・」

「御託はいい。マジでやりあいあいたいのか?」

霊夢の目つきはいつになく冷酷なもので、弱小な妖怪ならその姿を見ただけで

凍り付いてしまうくらいの狂気を帯びていた。

「だから、私は、霊夢みたいな人間が嫌いだ」

そうポツリと呟いたのち

アリスも霊夢の魔理沙に対する思いを汲み取ったのか、言葉を続ける。

「霊夢はどこまで、魔法使いを知っている?」

「悪い、本職が巫女なもんであんまり知らないんだよ」

「そうか。魔法使いって言うのは、自分の力で不老の力を手に入れて、初めて、

一人前っていえるんだよ」

「そうなのか」

「それに魔法ってのは、魔法使いの想像力を具現化したようなものだ。つまり、私と

あいつが仲良くすればするほど、あいつはあいつ自身の想像力を失っていき、自分だけ魔法を

見失う。そうすれば一人前の魔法使いのもなれやしない」

「そういうことか」

霊夢の顔が、どこか悲しげなものへと変化する。

「だから、あいつが一人前の魔法使いになるまでは、私は変わるつもりはないよ。

たとえどんなにあいつを傷つけようとも。たとえあいつが私を嫌いになったとしても」

霊夢にはアリスがどんな顔をしているのかはわからなかった。

それはアリスの金色の髪が顔を隠しているためか。それとも隠そうとしているためか。

それでも、霊夢は言の葉を風にのせる。

「そうか。もし魔理沙が一人前の魔法使いになれたら、どうする?」

「そうしたら・・・・・・もっと素直に笑えるかもな」

そこには、霊夢が、いや幻想郷に住む誰もが見たことのない、

彼女の金髪の輝きにも負けないくらいの笑顔があった。

「それでは、もうそろそろ帰らせてもらうよ。上海も心配するだろうしね」

「あぁ」

霊夢は先ほどの笑顔が目に焼きついてまだ脳の半分が放心状態。

先ほどまで、うっすらと輝いてた星々も、朝の始まりと共に、永遠に広がる空にお別れを告げる。

そしてアリスはそんな霊夢に

「最後に、あんまりタバコは吸いすぎるなよ。マリサにうつったら困るからな」

と言い残し、一般人が一度迷ったら、もうでてこれない、森の奥へと消えていく。

そして、取り残された巫女は呟くのであった。

「魔法使いも大変なんだな~」

と。
このサイトを利用させてもらうのは初めてです。ふつつかものですが以後よろしくお願いします。今作では普段見られないようなマリアリを書きたいという心から書き始めた小説です。私の知っているアリスは魔理沙にどうしても振り回されるイメージがあったので、振り回されないイメージで書いたのですが
なんだかんだで振り回されているといえば振り回されてる話になってしまいましたね。魔法の設定については一応公式本である東方求聞史記と自分の想像で書き上げました。正直、こんなアリスは××という感じでしょうが
最後まで読んでくださったことをまことに感謝します。
衣波
http://ameblo.jp/te-tea/
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コメント



0.280簡易評価
1.無評価名前が無い程度の能力削除
まあ正直に言うと、違和感だらけ。
嫌いってわけじゃないけど。
2.60名前が無い程度の能力削除
構成をしっかり考えればあなたは化ける気がします
ので、今回はこの点数で
4.50煉獄削除
まずアリスや霊夢の口調などに物凄い違和感を覚えました。
アリスが魔理沙に振り回されるっていうイメージは良いのですけどね。
文章も良いと思います。
が、前述した通り、口調などに違和感がありました。
とりあえずは頑張ってくださいとしか言えません。
次回作などに期待したいです。
5.50名前が無い程度の能力削除
うーん…
キャラの口調やアルゴリズムが一般的なそれとはかなり違っていたので
もう少しキャラや世界観を見せる(説明する)ためのワンクッションが欲しかったですね…。
6.70名前が無い程度の能力削除
ストーリーは素晴らしかったです。
魔法使いとしての葛藤で悩むアリスがとても良く描かれていて、最後の霊夢の台詞にかなり共感させられました。
こんなアリス、個人的には大好きです。

しかし、文章の書き方について、違和感を感じる所が多々あったのが惜しかったかと。
具体例を挙げるなら、

>そこでは、今日もいつも通りアリスは人形つくりに精を出している。
「そこでは」「アリスは」と「は」が二つ続いてしまっている。
>その後も魔理沙の失敗は「料理」「洗濯」「掃除」と次々と失敗を重ねていく。
「失敗」が一つの文中に二つ入っている。

などです。
ほかに、誤字、脱字も気になりました。

推敲はちゃんとしましたか?
完璧だと思っていても、読み返してみると結構発見があるもんですよ?

評価は、違和感を感じた分を引かせて頂き70点で。
長々と長文、乱文失礼しました。
次回作、期待しています。
9.50名前が無い程度の能力削除
ストーリーはよかったのですが、上の方々が仰っているように、口調に違和感がありました。
これだと、全くの別人になってしまいますよ。

あと東方の二次をする際には、
一つの資料だけでは、というより様々な資料を読んでも掴みにくいものなので、キャラクター性などを考える際には充分にお気を付けください。
10.50名前が無い程度の能力削除
魔理沙が三人居る
12.40名前が無い程度の能力削除
他の方も仰っていますが、口調に違和感がありますね。
ストーリーが良いだけに、逆にソコが際立っているように感じられます。
原作はプレイされましたか?
せめて、原作の会話くらいは目を通されたほうが良いかと。
13.60名前が無い程度の能力削除
口調に違和感ががが
話の内容自体は非常に良いものなので、非常に残念です
もしもこれが動画みたいに絵が付いていたりすれば違和感も多少は拭え、よくあるキャラ崩壊した東方2次で済んだのでしょうけど
ただの文章で伝えるにはやはりそれなりのキャラクター性にあった口調が必要になってしまうと思います
16.20名前が無い程度の能力削除
普段見られないようなマリアリを書きたいと作者が思い過ぎたせいで、
そのまま暴走したような感じでした。
物珍しいものを書こうとする前に自力を鍛えてください。
17.20名前が無い程度の能力削除
アリスの口調が有り得ない。
アリスは確かに結構キツいこというけど
話し方は普通の女性です

このアリスは、殺意にでも目覚めたんでしょうか。
申し訳ございません、低得点とさせてください。
20.60名前が無い程度の能力削除
俺は口調からキャラを男に変換して読んだぜ!

新しい 世界が ひらけそうだ !
21.10名前が無い程度の能力削除
正直もう見たくないくらい違和感。
ニコニコで似たような喋り方をする動画が人気ですが、その影響だとしたらニコニコでやったらいいと思います。
人気でるかもしれませんよw