ズズーン……
紅魔館全体に響く破壊音から、約5分後。
部屋の扉が開かれ、一人の少女が箒に乗って颯爽と入ってきた。
「よう。元気にしてるか?」
「……残念。たった今元気じゃなくなったわ」
読んでいる本から顔を上げずに、七曜の魔女パチュリー・ノーレッジは呟くように答えた。
ここは、紅魔館内部に存在する大図書館である。
ずらりと並ぶ本棚には、古今東西ありとあらゆる種の本が収められており、
その中には、歴史の表では禁忌とされた、魔法使いにとって貴重な魔道書も含まれている。
しかも、蔵書の数は常に増え続けているために、
人の身で読み尽くすことなど到底適わぬ量となっていた。
望みの本を探すために、一つずつ本棚から取り出して表紙をなぞり、
書名を声に出して読むだけで半生を費やすことになる。
だが、そんな本の要塞とも言うべき図書館に、果敢に挑もうとする人間もいる。
「相変わらず不健康な顔色しているな。たまには外に出てみたらどうだ?」
自称普通の魔法使いこと、霧雨魔理沙である。
彼女はこの図書館の利用者の一人であり、魔道書を求めてよくやってくる。
しかし、本を借りては死ぬまで返さないという悪癖を持っているために、
あまり図書館の主からは歓迎されていなかった。
箒を降りて近づいてくる魔理沙に、パチュリーは暗い声で返した。
「……鼠が多いから外を出歩く気にはならないわ」
「あん? 鼠は暗い所に出るものだろう。でっかい屋敷の図書館とか」
「……そういうことよ。ここも明るくすればあなたは来なくなるわけ?」
そんなパチュリーの皮肉を、ふんと魔理沙は鼻で笑って
「お宝あるところに霧雨参上だぜ。と言っても、今日は本を借りに来たんじゃないんだ」
その言葉を聞いても、パチュリーは興味を示さなかった。
魔理沙はそんな態度を気にせずに、懐から本を一冊取り出した。
「なんと、今日は本を『貸し』にやってきたんだぜ。少しは驚いてくれてもいいだろう」
「どひゃー!!」
「……いや、そこまで驚いてくれなくてもよかったんだが」
本を手にしたままバンザイの格好をしているパチュリーに、魔理沙は後ずさりながら答えた。
青ざめた顔で目を見開く姿は、棺おけから飛び上がる死体のようであった。
はっきり言って怖い。
「一体どういう風の吹き回し?」
「いや、家が散らかっていて、いい加減住みにくくなったから、昨日掃除していたんだ。
そしたら部屋の隅から、面白い魔道書が見つかってな」
蒐集家である魔理沙は、しかし集めたアイテムや本を整理整頓することがなかった。
家の中に適当に放っておくために、本人もどこに何があるかよく分かっていない。
だから、たまに掃除すると、記憶にないような色々な物が出てくるのだった。
「……なるほどね。でも、この図書館にすら無いほど珍しい本が、貴方の家にあるとは
思えないけど」
あっさりと元の無表情に戻って、再びパチュリーは手元の本を読むことに集中しだした。
「む。何だ。急に落ち着きやがって。さっきの驚きようは何だったんだ」
「あれは一種のサービスよ」
「サービスだったんかい」
さすが小悪魔曰く、年中むきゅーのエンタヒーローなだけある。
――パチュリー様って可愛いんですよー。
この間も「目から牛乳を出す魔女が見たいです」って頼んだら、
「馬鹿じゃないの」って一度はきっぱり断ったのに、
次の日には、机の上にヨガの本がたくさん並んでいるんですから。
まだ成功してないみたいですけど。
この場合、問題はパチュリーにあるのだろうか、それとも小悪魔にあるのだろうか……。
そんな疑問はひとまず置いておき、魔理沙は持ってきた本をパチュリーに突きつけた。
「まあ、とりあえず一度確かめてみてくれよ。せっかく持ってきたんだから」
物憂げな表情でパチュリーは、ちらっと視線を上げた。
そのままジーっと魔理沙の手元を見つめていたが、
何を思ったか席を立ち、魔理沙の方へ歩いてきた。
「おっ。ようやく借りる気になったか……って。こ、こら」
ひょい、とパチュリーは魔理沙の手から本を抜き取り、中身や背表紙を確かめはじめた。
顔つきは真剣そのものであり、本が痛まないように注意しつつ、指で書名をなぞっている。
魔理沙は、そんなパチュリーの反応に満足し、腰に手を当てて威張った。
「どうだ。こんな本この図書館に置いてないだろう。まいったか」
「……確かに置いてないわね」
パチュリーは本を閉じてうなずいた。
「……今は、だけど」
「…………は?」
「小悪魔」
パチュリーが短い声で呼ぶ。
「はーい」と、そこに眼鏡をかけた小悪魔が、蔵書目録を抱えてやってきた。
パチュリーは無言で、魔理沙が持ってきた本を小悪魔に渡した。
本を受け取った小悪魔は、一度それをひっくり返して確かめ、
やがて机の上でパラパラと目録をめくりはじめた。
さらに、隣に置いた貸し出し張の日付もチェックしている。
その光景を見て、魔理沙は何やら嫌な予感がしてきた。
「えーと……あ、はい。間違いありません。うちの蔵書です。
正確に言えば、魔理沙さんが、この図書館から最初に持ち出した本ですね」
予感は的中した。
「…………」
「やっぱりね。まさか今になって戻ってくるとは思わなかったわ」
「…………」
「返却ごくろうさま」
「…………あー、その、なんだ」
魔理沙は、ばつが悪い顔をして、頭をかいた。
「すまん」
「謝ってすむなら図書館はいらないのよ」
「……じゃあ、もう少し借りていていいか?」
「そんなわけないでしょ。少しは反省しなさい」
「おお、反省するぜ。というわけで、かわりに何か借りていくとしよう」
あっという間に態度を切り替えた魔理沙は、鼻歌を歌いながら本棚に向かっていった。
全く反省する様子がない。
これでは魔理沙の家にあるだろう他の本の返却は期待できなさそうである。
パチュリーは深く長いため息をついた。
※※※※※
「ん? そりゃ何だ」
本を物色していた魔理沙の目に、パチュリーの読書机の上にある小さなビンが止まった。
ビンの中にはカラフルな球体が詰まっており、飴玉か何かに見える。
他にも同じような小ビンが、パチュリーの椅子の後ろにある棚に、いくつか並んでいた。
「読書のお供に甘いものを……ってか?」
「……飴に見えるだろうけど違うわ。まあ魔法薬の一種ね。たいしたもんじゃないけど」
「ふ~ん。お前ってこういうのも作るんだな。本ばっかり読んでると思っていたぜ」
魔理沙は机の上のビンを手に取り、明かりにかざして、中の薬とやらを確かめている。
「当たり前でしょ。魔法使いとしてはあなたより先輩なのよ」
「それもそうか。んで効果は一体なんなんだ?」
カラカラ、とビンを振りながら魔理沙は聞いた。
「まあ一言で言えば、『胸を大きくする薬』よ」
パチュリーの口調は軽いものだったが、魔理沙の表情は大きく変わった。
遊び相手の鼠を見つけた猫のような笑みを浮かべる。
「ほう」
「強い作用を持つから一日一粒。それ以上の服用はオススメできないわ」
「なるほどな」
魔理沙は説明を聞きながら、パチュリーのふくらんだ胸元を見つめていた。
確かに、前に来たときよりも大きくなっていた。効果はあるのだろう、きっと。
ふっふっふ、と笑って、魔理沙はビンをサッとスカートの下にしまいこんだ。
「待ちなさい。あなたにあげるとは言ってないわよ」
「ちょっと借りるだけだぜ」
「消費物に借りるも何もないでしょ」
「じゃあな、パチュリー。死んだら返すからよろしくだぜ~」
そのままあっという間に箒に飛び乗って、魔理沙は出口へと向かう。
パチュリーは、持ってかないで~、とむなしく手を伸ばしながら叫んだが、
白黒の泥棒鼠はすぐに視界から消えて、部屋の外へと飛び去っていった。
「…………」
図書館に静寂が戻る。
そこに、クスクスと笑い声が響いた。
小悪魔である。
「成功しましたね。パチュリー様」
「……まさかこんなに上手くいくとは思わなかったわ」
パチュリーは呟いて、胸元に入った『詰め物』を引っ張り出した。
万が一魔理沙に直接胸を触られていたら、偽物だということがバレていただろう。
「絶対興味を持つはずだ、って私言ったじゃないですか。あの魔理沙さんですし」
「ふふ、そのあとの私の演技も良かったのかも」
パチュリーは少し笑みを見せて、魔理沙が落としていった本の埃をパッパと払う。
「まあこれで魔理沙も少しは懲りるでしょ」
「仕返しに暴れに来るかもしれませんよ」
「その時はその時よ。それにしても実験に失敗してあんな薬が出来たときには驚いたわ」
「有効利用しようと思えばできそうですけど」
「せいぜいが一発芸程度でしょ。……何よその目は。私はもうやらないわよ」
「はい。わかっておりますとも」
軽く睨むパチュリーに、小悪魔は鉄壁の笑みで返した。
「……まあいいわ。後で様子を見にいってやろうかしら。喘息の調子もいいし」
そう言って、読みかけの本を手に机に向かうと、
「……あれ? 小悪魔」
「はい。なんでしょう」
「お茶。いつの間に替えたの」
カップを掲げながら、パチュリーは聞いた。
魔理沙が来たときには既に冷めていたはずの紅茶からは、湯気が立ちのぼっていた。
「ああ。咲夜さんじゃないですか?」
「ああそうか。気が付かなかったわ。完璧で瀟洒なメイドとはよく言ったものね」
さりげないメイド長の仕事を褒め称え、
満足そうにパチュリーは、入れたての紅茶が入ったカップを傾けた。
※※※※※
時刻は夜。
魔法の森の木々の間から、満月が顔を覗かせている。
その光が照らす道を、アリス・マーガトロイドは人形を連れて歩いていた。
目的地は同じ魔法の森に住むライバル魔法使い、霧雨魔理沙の家である。
別に決闘に行くわけではない。留守中に彼女の人形が、招待の手紙を受け取ったのだった。
――アリスへ。ナイスバディな魔理沙さんを見に家に来ること。
あいつ、ついにキノコで頭が狂ったか。
そう思って即座に手紙を捨てようかと思ったが、
ちょうど月が綺麗な夜だったので、散歩がてら寄ってみようと思ったのだ。
本当に魔理沙がナイスバディになっていれば、それはそれで面白そうだったし、
ひょっとすれば、何らかのマジックアイテムを手に入れた可能性もある。
蒐集家としての血も騒いでいた。
同じ魔法の森に住んでいるということで、魔理沙の家にはすぐに着いた。
アリスはコンコンと扉をノックした。
……返事が無い。
部屋の明かりは点いている。
もう少し強めにノックした。
「魔理沙? アリスだけど。呼ばれてきたわよ」
やはり返事が無い。
が、中から何かが動く物音がした。
「魔理沙ー! 居留守を使う気? 出てらっしゃい!」
――ま、待ってくれアリス!
魔理沙の声が聞こえる。何やら慌てているようだが。
――すまん! 今日のところは帰ってくれ!
「はぁ?」
アリスは呆れた。
人を呼んでおいて、顔も見せずに帰ってくれとは何ごとか。
「来いって言ったのはあんたじゃないの! ナイスバディになったんじゃないの?」
――頼む! その話は忘れてくれ! そのまま回れ右してお帰りくださ……。
ここまで必死そうな声を出す魔理沙も珍しい。
アリスは最後まで聞かずに、ドアノブをひねった。
鍵は開いていた。
「とりあえず、納得できる理由を聞かせてもらってから帰るわ」
――あ、こら。入ってくんな!
「お邪魔します」
礼儀正しく一言断ってから、アリスはドアを開き、魔理沙の家に入った。
家の奥からは、ますます慌てて何かをひっくり返す音が聞こえてくる。
……なぜか魔理沙にして足音が大きいような気がするのだが。
「上がるわよ魔理沙。どうせ、部屋がまだ片付いてない、とかいう話なんでしょ」
魔理沙の家の散らかりっぷりは、幻想郷でも有名だった。
「大目に見てあげるから、何を手に入れたのか教えてちょ……う……だい?」
言葉が途切れ途切れに終わる。
アリスは、ぽかんと口を開けたまま、部屋の隅で震えている人物を見上げていた。
そう。見上げていた。
魔理沙は決して身長が高いほうではない。むしろアリスよりも低い。
だからこの、涙目になって体に毛布を巻きつけている人物は、魔理沙ではない……はずだ。
というか、これほど大きな人間をアリスは知らない。
何というか、身長が高いだけではない。
確かに2mを軽く越えているように見えるが、横幅も比例して大きい。
人間の少女のバランスを保ったまま大きくしたような姿であり、
まるで精巧にできた巨大な人形のようであった。
だがこれは生きている。
そして……泣きそうな表情ではあるが、魔理沙に顔がそっくりであった。
しばらくアリスの口は開いたままだったが、やがて恐る恐る聞いていた。
「えーっと、魔理沙の親戚の巨人さん? はじめまして。アリス・マーガトロイドです」
「……くすん」
「それとも魔理沙が作った巨大人形? これが見せたかったマジックアイテムとか」
「……ぐすっ、うう」
「……どうやら違うみたいね。つまり、あなたは本物の魔理沙なのね?」
くっ、とアリスは吹き出しかけた。何て姿だ。
そこで、巨大魔理沙が耐え切れずに、顔を真っ赤にして泣き出した。
「うわ~ん、バヂュリーのばがやろ~!」
「ちょ、ちょっと落ち着いて」
アリスは慌ててなだめた。
通常の魔理沙の3倍の迫力はある豪快な泣きっぷりだ。
前に戦った、大きくなった鬼の伊吹萃香を思い出す。
魔理沙の家の居間は狭くはないが、こんな巨大な状態で暴れられては、
同じ部屋にいるこっちがひとたまりもない。
ここは刺激しない方がいい、とアリスは判断した。
「落ち着いて。とりあえず何があったのか話してみなさい」
「うう。……パチュリーが。パチュリーのやつが」
涙声で話す魔理沙の説明を、アリスは笑うのを必死でこらえながら聞いた。
どうやら、昼間にパチュリーから奪った胸が大きくなるという魔法薬は、
『服用した人間の体を巨大化させる薬』だったらしい。
間違いなく、いつも本を魔理沙に強奪されている仕返しだろう。
だけど、嘘はついていない。魔理沙の胸の質量は、姿が大きくなった分だけ増えていた。
もちろん体全体が大きくなったので、スタイルが良くなったわけではない。
むしろ、巨大化のために合うサイズの服がなくなり、仕方なく毛布を体に巻きつけているということだった。
おまけに魔法も使えなくなっているらしい。
「ぐすぐす……こ、こんな姿じゃ外に出られないし」
「あー、わかったから泣かないで。一緒に解決策を考えてあげるから」
「ぐすっ、ずずっ、すん」
「それにしても、あんたってそんなに悩んでたの? その……胸のサイズに」
「い、いいじゃないか。そんなこと」
魔理沙は弱々しく言った。
巨乳を夢見て服用した者に、精神的ダメージを与える魔法薬。
日陰の魔女にふさわしい陰湿ながら見事な悪戯であった。
半裸で泣きながら下を向く巨大な魔理沙を見て、アリスは何となく哀れに思えてきた。
しかし、助けてやろうにも、解除薬はパチュリーに聞かなければ分からない。
「まあ、たぶん効果は一日で切れるでしょ。そこまで意地悪するとは思えないし……。
それで戻らなかったら、私があんたが借りた本を持って、謝りに行ってあげるわよ」
「うう……ありがとうアリス。お前っていい奴だったんだな」
「よしてよ、気持ち悪い。ま、これに懲りて借りた本はちゃんと返すことね。私のも」
「う、うん。前向きに検討するぜ」
「……検討するだけじゃなくてね」
アリスは呆れてため息をついたが、すぐにふふっと笑った。
魔理沙が泣く姿なんて滅多に見られるものではない。
いつもは生意気そのものであったが、こうして弱気になると意外に可愛いところがある。
珍しいものが見れた、ということでは、今夜ここに来たのは正解だった。
それにしても、姿が大きくなると逆に態度が小さくなるというのは妙な話だ。
よしよし、と頭を撫でてやりながら
「でも一粒試すだけで良かったわね。全部飲んでたら、今ごろどうなってたことやら……」
ズズーン………
突然、
話の途中で、遠くで何かが崩れるような音がしてアリスは言葉を切った。
外からだ。方角は……紅魔館だろうか。
「また魔理沙が魔砲をぶっ放したのかしら」
「アリス。私はここにいるぜ」
「それもそうよね。じゃあ何の音なの? こんな夜中に」
寝静まっていた森のカラスも、今の音で一斉に飛び立ったようであった。
なんだか異様な雰囲気を感じる……。
アリスは人形を連れて立ち上がった。
「待ってて魔理沙。ちょっと様子を見てくるから」
「わ、私もいくぜ」
「馬鹿。その格好で外に出る気?」
「そ、そうだな。でも一人にして遠くにいかないでくれよ」
「わかったわよ。まったく、いつもの強気はどこに行ったのかしら」
アリスは苦笑しながら、玄関へと向かった。
※※※※※
外に出たアリスは、辺りを見回した。
やはり音は紅魔館から聞こえたものだった。
すでに夜の闇は深かったが、飛び上がらずとも、煙がもうもうと立ち込めているのが、
ここから見える。
ひょっとして、地下で暮らしているという噂の妹君が暴れ出したのだろうか。
いや、煙の中で何かが動いている。
巨大な何かの影が……
あれは。
「嘘でしょ……」
大きくなった魔理沙を見たときとは比べ物にならないほどの衝撃を受けて、
アリスはぺたりと大地に座り込んだ。
体の時が止まったかのようだ。
人形たちが心配して周りを飛んでいるが、声をかけてやることができない。
遠くを見つめるアリスの瞳には、それほど禍々しい存在が映っていた。
満月の下。
金色の光を身に浴びて、巨大な女性が立っていた。
足を挿している紅魔館が、子供の玩具に見えるほどの大きさだ。
その身に一糸まとわず、夜風に銀髪をなびかせる姿は
神話に出てくる女神のようであった。
握り締められた両拳が、
ゆっくりと持ち上がっていく。
オオオオオオオ……
と。
怒りと悲しみに満ちたその咆哮は、
幻想郷全ての眠りを覚ますほどに大きかった。
満月だったことが幸いして、これらの歴史は全て無かったことになった。
紅魔館全体に響く破壊音から、約5分後。
部屋の扉が開かれ、一人の少女が箒に乗って颯爽と入ってきた。
「よう。元気にしてるか?」
「……残念。たった今元気じゃなくなったわ」
読んでいる本から顔を上げずに、七曜の魔女パチュリー・ノーレッジは呟くように答えた。
ここは、紅魔館内部に存在する大図書館である。
ずらりと並ぶ本棚には、古今東西ありとあらゆる種の本が収められており、
その中には、歴史の表では禁忌とされた、魔法使いにとって貴重な魔道書も含まれている。
しかも、蔵書の数は常に増え続けているために、
人の身で読み尽くすことなど到底適わぬ量となっていた。
望みの本を探すために、一つずつ本棚から取り出して表紙をなぞり、
書名を声に出して読むだけで半生を費やすことになる。
だが、そんな本の要塞とも言うべき図書館に、果敢に挑もうとする人間もいる。
「相変わらず不健康な顔色しているな。たまには外に出てみたらどうだ?」
自称普通の魔法使いこと、霧雨魔理沙である。
彼女はこの図書館の利用者の一人であり、魔道書を求めてよくやってくる。
しかし、本を借りては死ぬまで返さないという悪癖を持っているために、
あまり図書館の主からは歓迎されていなかった。
箒を降りて近づいてくる魔理沙に、パチュリーは暗い声で返した。
「……鼠が多いから外を出歩く気にはならないわ」
「あん? 鼠は暗い所に出るものだろう。でっかい屋敷の図書館とか」
「……そういうことよ。ここも明るくすればあなたは来なくなるわけ?」
そんなパチュリーの皮肉を、ふんと魔理沙は鼻で笑って
「お宝あるところに霧雨参上だぜ。と言っても、今日は本を借りに来たんじゃないんだ」
その言葉を聞いても、パチュリーは興味を示さなかった。
魔理沙はそんな態度を気にせずに、懐から本を一冊取り出した。
「なんと、今日は本を『貸し』にやってきたんだぜ。少しは驚いてくれてもいいだろう」
「どひゃー!!」
「……いや、そこまで驚いてくれなくてもよかったんだが」
本を手にしたままバンザイの格好をしているパチュリーに、魔理沙は後ずさりながら答えた。
青ざめた顔で目を見開く姿は、棺おけから飛び上がる死体のようであった。
はっきり言って怖い。
「一体どういう風の吹き回し?」
「いや、家が散らかっていて、いい加減住みにくくなったから、昨日掃除していたんだ。
そしたら部屋の隅から、面白い魔道書が見つかってな」
蒐集家である魔理沙は、しかし集めたアイテムや本を整理整頓することがなかった。
家の中に適当に放っておくために、本人もどこに何があるかよく分かっていない。
だから、たまに掃除すると、記憶にないような色々な物が出てくるのだった。
「……なるほどね。でも、この図書館にすら無いほど珍しい本が、貴方の家にあるとは
思えないけど」
あっさりと元の無表情に戻って、再びパチュリーは手元の本を読むことに集中しだした。
「む。何だ。急に落ち着きやがって。さっきの驚きようは何だったんだ」
「あれは一種のサービスよ」
「サービスだったんかい」
さすが小悪魔曰く、年中むきゅーのエンタヒーローなだけある。
――パチュリー様って可愛いんですよー。
この間も「目から牛乳を出す魔女が見たいです」って頼んだら、
「馬鹿じゃないの」って一度はきっぱり断ったのに、
次の日には、机の上にヨガの本がたくさん並んでいるんですから。
まだ成功してないみたいですけど。
この場合、問題はパチュリーにあるのだろうか、それとも小悪魔にあるのだろうか……。
そんな疑問はひとまず置いておき、魔理沙は持ってきた本をパチュリーに突きつけた。
「まあ、とりあえず一度確かめてみてくれよ。せっかく持ってきたんだから」
物憂げな表情でパチュリーは、ちらっと視線を上げた。
そのままジーっと魔理沙の手元を見つめていたが、
何を思ったか席を立ち、魔理沙の方へ歩いてきた。
「おっ。ようやく借りる気になったか……って。こ、こら」
ひょい、とパチュリーは魔理沙の手から本を抜き取り、中身や背表紙を確かめはじめた。
顔つきは真剣そのものであり、本が痛まないように注意しつつ、指で書名をなぞっている。
魔理沙は、そんなパチュリーの反応に満足し、腰に手を当てて威張った。
「どうだ。こんな本この図書館に置いてないだろう。まいったか」
「……確かに置いてないわね」
パチュリーは本を閉じてうなずいた。
「……今は、だけど」
「…………は?」
「小悪魔」
パチュリーが短い声で呼ぶ。
「はーい」と、そこに眼鏡をかけた小悪魔が、蔵書目録を抱えてやってきた。
パチュリーは無言で、魔理沙が持ってきた本を小悪魔に渡した。
本を受け取った小悪魔は、一度それをひっくり返して確かめ、
やがて机の上でパラパラと目録をめくりはじめた。
さらに、隣に置いた貸し出し張の日付もチェックしている。
その光景を見て、魔理沙は何やら嫌な予感がしてきた。
「えーと……あ、はい。間違いありません。うちの蔵書です。
正確に言えば、魔理沙さんが、この図書館から最初に持ち出した本ですね」
予感は的中した。
「…………」
「やっぱりね。まさか今になって戻ってくるとは思わなかったわ」
「…………」
「返却ごくろうさま」
「…………あー、その、なんだ」
魔理沙は、ばつが悪い顔をして、頭をかいた。
「すまん」
「謝ってすむなら図書館はいらないのよ」
「……じゃあ、もう少し借りていていいか?」
「そんなわけないでしょ。少しは反省しなさい」
「おお、反省するぜ。というわけで、かわりに何か借りていくとしよう」
あっという間に態度を切り替えた魔理沙は、鼻歌を歌いながら本棚に向かっていった。
全く反省する様子がない。
これでは魔理沙の家にあるだろう他の本の返却は期待できなさそうである。
パチュリーは深く長いため息をついた。
※※※※※
「ん? そりゃ何だ」
本を物色していた魔理沙の目に、パチュリーの読書机の上にある小さなビンが止まった。
ビンの中にはカラフルな球体が詰まっており、飴玉か何かに見える。
他にも同じような小ビンが、パチュリーの椅子の後ろにある棚に、いくつか並んでいた。
「読書のお供に甘いものを……ってか?」
「……飴に見えるだろうけど違うわ。まあ魔法薬の一種ね。たいしたもんじゃないけど」
「ふ~ん。お前ってこういうのも作るんだな。本ばっかり読んでると思っていたぜ」
魔理沙は机の上のビンを手に取り、明かりにかざして、中の薬とやらを確かめている。
「当たり前でしょ。魔法使いとしてはあなたより先輩なのよ」
「それもそうか。んで効果は一体なんなんだ?」
カラカラ、とビンを振りながら魔理沙は聞いた。
「まあ一言で言えば、『胸を大きくする薬』よ」
パチュリーの口調は軽いものだったが、魔理沙の表情は大きく変わった。
遊び相手の鼠を見つけた猫のような笑みを浮かべる。
「ほう」
「強い作用を持つから一日一粒。それ以上の服用はオススメできないわ」
「なるほどな」
魔理沙は説明を聞きながら、パチュリーのふくらんだ胸元を見つめていた。
確かに、前に来たときよりも大きくなっていた。効果はあるのだろう、きっと。
ふっふっふ、と笑って、魔理沙はビンをサッとスカートの下にしまいこんだ。
「待ちなさい。あなたにあげるとは言ってないわよ」
「ちょっと借りるだけだぜ」
「消費物に借りるも何もないでしょ」
「じゃあな、パチュリー。死んだら返すからよろしくだぜ~」
そのままあっという間に箒に飛び乗って、魔理沙は出口へと向かう。
パチュリーは、持ってかないで~、とむなしく手を伸ばしながら叫んだが、
白黒の泥棒鼠はすぐに視界から消えて、部屋の外へと飛び去っていった。
「…………」
図書館に静寂が戻る。
そこに、クスクスと笑い声が響いた。
小悪魔である。
「成功しましたね。パチュリー様」
「……まさかこんなに上手くいくとは思わなかったわ」
パチュリーは呟いて、胸元に入った『詰め物』を引っ張り出した。
万が一魔理沙に直接胸を触られていたら、偽物だということがバレていただろう。
「絶対興味を持つはずだ、って私言ったじゃないですか。あの魔理沙さんですし」
「ふふ、そのあとの私の演技も良かったのかも」
パチュリーは少し笑みを見せて、魔理沙が落としていった本の埃をパッパと払う。
「まあこれで魔理沙も少しは懲りるでしょ」
「仕返しに暴れに来るかもしれませんよ」
「その時はその時よ。それにしても実験に失敗してあんな薬が出来たときには驚いたわ」
「有効利用しようと思えばできそうですけど」
「せいぜいが一発芸程度でしょ。……何よその目は。私はもうやらないわよ」
「はい。わかっておりますとも」
軽く睨むパチュリーに、小悪魔は鉄壁の笑みで返した。
「……まあいいわ。後で様子を見にいってやろうかしら。喘息の調子もいいし」
そう言って、読みかけの本を手に机に向かうと、
「……あれ? 小悪魔」
「はい。なんでしょう」
「お茶。いつの間に替えたの」
カップを掲げながら、パチュリーは聞いた。
魔理沙が来たときには既に冷めていたはずの紅茶からは、湯気が立ちのぼっていた。
「ああ。咲夜さんじゃないですか?」
「ああそうか。気が付かなかったわ。完璧で瀟洒なメイドとはよく言ったものね」
さりげないメイド長の仕事を褒め称え、
満足そうにパチュリーは、入れたての紅茶が入ったカップを傾けた。
※※※※※
時刻は夜。
魔法の森の木々の間から、満月が顔を覗かせている。
その光が照らす道を、アリス・マーガトロイドは人形を連れて歩いていた。
目的地は同じ魔法の森に住むライバル魔法使い、霧雨魔理沙の家である。
別に決闘に行くわけではない。留守中に彼女の人形が、招待の手紙を受け取ったのだった。
――アリスへ。ナイスバディな魔理沙さんを見に家に来ること。
あいつ、ついにキノコで頭が狂ったか。
そう思って即座に手紙を捨てようかと思ったが、
ちょうど月が綺麗な夜だったので、散歩がてら寄ってみようと思ったのだ。
本当に魔理沙がナイスバディになっていれば、それはそれで面白そうだったし、
ひょっとすれば、何らかのマジックアイテムを手に入れた可能性もある。
蒐集家としての血も騒いでいた。
同じ魔法の森に住んでいるということで、魔理沙の家にはすぐに着いた。
アリスはコンコンと扉をノックした。
……返事が無い。
部屋の明かりは点いている。
もう少し強めにノックした。
「魔理沙? アリスだけど。呼ばれてきたわよ」
やはり返事が無い。
が、中から何かが動く物音がした。
「魔理沙ー! 居留守を使う気? 出てらっしゃい!」
――ま、待ってくれアリス!
魔理沙の声が聞こえる。何やら慌てているようだが。
――すまん! 今日のところは帰ってくれ!
「はぁ?」
アリスは呆れた。
人を呼んでおいて、顔も見せずに帰ってくれとは何ごとか。
「来いって言ったのはあんたじゃないの! ナイスバディになったんじゃないの?」
――頼む! その話は忘れてくれ! そのまま回れ右してお帰りくださ……。
ここまで必死そうな声を出す魔理沙も珍しい。
アリスは最後まで聞かずに、ドアノブをひねった。
鍵は開いていた。
「とりあえず、納得できる理由を聞かせてもらってから帰るわ」
――あ、こら。入ってくんな!
「お邪魔します」
礼儀正しく一言断ってから、アリスはドアを開き、魔理沙の家に入った。
家の奥からは、ますます慌てて何かをひっくり返す音が聞こえてくる。
……なぜか魔理沙にして足音が大きいような気がするのだが。
「上がるわよ魔理沙。どうせ、部屋がまだ片付いてない、とかいう話なんでしょ」
魔理沙の家の散らかりっぷりは、幻想郷でも有名だった。
「大目に見てあげるから、何を手に入れたのか教えてちょ……う……だい?」
言葉が途切れ途切れに終わる。
アリスは、ぽかんと口を開けたまま、部屋の隅で震えている人物を見上げていた。
そう。見上げていた。
魔理沙は決して身長が高いほうではない。むしろアリスよりも低い。
だからこの、涙目になって体に毛布を巻きつけている人物は、魔理沙ではない……はずだ。
というか、これほど大きな人間をアリスは知らない。
何というか、身長が高いだけではない。
確かに2mを軽く越えているように見えるが、横幅も比例して大きい。
人間の少女のバランスを保ったまま大きくしたような姿であり、
まるで精巧にできた巨大な人形のようであった。
だがこれは生きている。
そして……泣きそうな表情ではあるが、魔理沙に顔がそっくりであった。
しばらくアリスの口は開いたままだったが、やがて恐る恐る聞いていた。
「えーっと、魔理沙の親戚の巨人さん? はじめまして。アリス・マーガトロイドです」
「……くすん」
「それとも魔理沙が作った巨大人形? これが見せたかったマジックアイテムとか」
「……ぐすっ、うう」
「……どうやら違うみたいね。つまり、あなたは本物の魔理沙なのね?」
くっ、とアリスは吹き出しかけた。何て姿だ。
そこで、巨大魔理沙が耐え切れずに、顔を真っ赤にして泣き出した。
「うわ~ん、バヂュリーのばがやろ~!」
「ちょ、ちょっと落ち着いて」
アリスは慌ててなだめた。
通常の魔理沙の3倍の迫力はある豪快な泣きっぷりだ。
前に戦った、大きくなった鬼の伊吹萃香を思い出す。
魔理沙の家の居間は狭くはないが、こんな巨大な状態で暴れられては、
同じ部屋にいるこっちがひとたまりもない。
ここは刺激しない方がいい、とアリスは判断した。
「落ち着いて。とりあえず何があったのか話してみなさい」
「うう。……パチュリーが。パチュリーのやつが」
涙声で話す魔理沙の説明を、アリスは笑うのを必死でこらえながら聞いた。
どうやら、昼間にパチュリーから奪った胸が大きくなるという魔法薬は、
『服用した人間の体を巨大化させる薬』だったらしい。
間違いなく、いつも本を魔理沙に強奪されている仕返しだろう。
だけど、嘘はついていない。魔理沙の胸の質量は、姿が大きくなった分だけ増えていた。
もちろん体全体が大きくなったので、スタイルが良くなったわけではない。
むしろ、巨大化のために合うサイズの服がなくなり、仕方なく毛布を体に巻きつけているということだった。
おまけに魔法も使えなくなっているらしい。
「ぐすぐす……こ、こんな姿じゃ外に出られないし」
「あー、わかったから泣かないで。一緒に解決策を考えてあげるから」
「ぐすっ、ずずっ、すん」
「それにしても、あんたってそんなに悩んでたの? その……胸のサイズに」
「い、いいじゃないか。そんなこと」
魔理沙は弱々しく言った。
巨乳を夢見て服用した者に、精神的ダメージを与える魔法薬。
日陰の魔女にふさわしい陰湿ながら見事な悪戯であった。
半裸で泣きながら下を向く巨大な魔理沙を見て、アリスは何となく哀れに思えてきた。
しかし、助けてやろうにも、解除薬はパチュリーに聞かなければ分からない。
「まあ、たぶん効果は一日で切れるでしょ。そこまで意地悪するとは思えないし……。
それで戻らなかったら、私があんたが借りた本を持って、謝りに行ってあげるわよ」
「うう……ありがとうアリス。お前っていい奴だったんだな」
「よしてよ、気持ち悪い。ま、これに懲りて借りた本はちゃんと返すことね。私のも」
「う、うん。前向きに検討するぜ」
「……検討するだけじゃなくてね」
アリスは呆れてため息をついたが、すぐにふふっと笑った。
魔理沙が泣く姿なんて滅多に見られるものではない。
いつもは生意気そのものであったが、こうして弱気になると意外に可愛いところがある。
珍しいものが見れた、ということでは、今夜ここに来たのは正解だった。
それにしても、姿が大きくなると逆に態度が小さくなるというのは妙な話だ。
よしよし、と頭を撫でてやりながら
「でも一粒試すだけで良かったわね。全部飲んでたら、今ごろどうなってたことやら……」
ズズーン………
突然、
話の途中で、遠くで何かが崩れるような音がしてアリスは言葉を切った。
外からだ。方角は……紅魔館だろうか。
「また魔理沙が魔砲をぶっ放したのかしら」
「アリス。私はここにいるぜ」
「それもそうよね。じゃあ何の音なの? こんな夜中に」
寝静まっていた森のカラスも、今の音で一斉に飛び立ったようであった。
なんだか異様な雰囲気を感じる……。
アリスは人形を連れて立ち上がった。
「待ってて魔理沙。ちょっと様子を見てくるから」
「わ、私もいくぜ」
「馬鹿。その格好で外に出る気?」
「そ、そうだな。でも一人にして遠くにいかないでくれよ」
「わかったわよ。まったく、いつもの強気はどこに行ったのかしら」
アリスは苦笑しながら、玄関へと向かった。
※※※※※
外に出たアリスは、辺りを見回した。
やはり音は紅魔館から聞こえたものだった。
すでに夜の闇は深かったが、飛び上がらずとも、煙がもうもうと立ち込めているのが、
ここから見える。
ひょっとして、地下で暮らしているという噂の妹君が暴れ出したのだろうか。
いや、煙の中で何かが動いている。
巨大な何かの影が……
あれは。
「嘘でしょ……」
大きくなった魔理沙を見たときとは比べ物にならないほどの衝撃を受けて、
アリスはぺたりと大地に座り込んだ。
体の時が止まったかのようだ。
人形たちが心配して周りを飛んでいるが、声をかけてやることができない。
遠くを見つめるアリスの瞳には、それほど禍々しい存在が映っていた。
満月の下。
金色の光を身に浴びて、巨大な女性が立っていた。
足を挿している紅魔館が、子供の玩具に見えるほどの大きさだ。
その身に一糸まとわず、夜風に銀髪をなびかせる姿は
神話に出てくる女神のようであった。
握り締められた両拳が、
ゆっくりと持ち上がっていく。
オオオオオオオ……
と。
怒りと悲しみに満ちたその咆哮は、
幻想郷全ての眠りを覚ますほどに大きかった。
満月だったことが幸いして、これらの歴史は全て無かったことになった。
確かに面白かった。
ただ、何か少し物足りないかも。
っていうか、服は!!??
でも、面白かったです。
最近胸ネタを見てなかった所為か
お茶の入れ替えでオチが読めなかったから余計にキました
デレデレしてないアリスとパチェが逆に新鮮でした
途中の紅茶のtipをすっかり忘れておりました…。
ついでに、なんだかエヴァの暴走を思い出しました。
最初読んだ時は、てっきりパッチェさんに貸してたパッドを回収に来たものとばかり。
そして何気にパッチェさんに要らんネタ振りする小悪魔可愛いよ小悪魔。
オチは読めましたがいかにもキャラがらしくて面白い話でした。
後楽園で大きなお友達と幼女を巡って争います!
しかも何粒飲んだんだwwwwwww
あえて名前は言いませんよ・・・ww
取り敢えずnice PAD.
咲夜さんは残念ってことで90w
これから、一糸まとわぬ咲夜さんを見に行きたいと思いまs(プチッ!
面白かったけど、意外性が何もない話でした。
それでもこの点をつけたいw
まずこれで噴きましたw
伏線忘れてて落ちでも噴きましたし、大身小心魔理沙も可愛いし、素晴らしかったです。
魔理沙がむちゃくちゃ可愛かったです
こんだけ清々しいと途中で分かってもニヤニヤしてしまいます。
……まぁそこまででかくなるとは想像もしてませんでしたがw
と思いながらニヤニヤしてました。面白かったです。
紅魔館に降り立った巨人の咆哮はそれは迫力あるものだったのでしょうねw
ナンダロウ……この胸に溢れるほのかに甘酸っぱい気持ちは……( ´Д⊂ヽ
いじましいね……辛かったんだね……咲夜さん。
とにかく、オチも含めてとても楽しませて貰いました。
GJ!
読みやすい文章でテンポも良かったのでどんどん読めました。
とても綺麗な文章だと思いました。
ただ、もっと読んでみたい気持ちが勝り、オチがあっけなかったのが少し残念。
あなたの長編を読んでみたいと思いました。
オチも瀟洒極まりないwwwwwwww
他の作品と時系列がつながってるのがいいですね!
巨(おお)きいのに貧(ちい)さいという矛盾……!
ああ、腹筋が痛いw
弱気魔理沙かわいいよ魔理沙。
最高!ww
そして最後、予想外の大きさに大爆笑www
地味に漫才をやってる小悪魔とパチュリーも見逃せないな
笑えます。
テンポもいいし、描写も良いし最高だわwwwww