Coolier - 新生・東方創想話

八ヶ岳または妖怪の山そして、☒☒☒☒☒

2025/09/10 23:40:36
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「霊夢はちゃんと無事に地上に帰ったかしら?」
水江浦嶋子の二の舞は御免だ。
前回の第二次月面戦争と違い今回は地上にもこちらにも非はなく、更に前回共に過ごしたことで愛着が湧いてしまった。
そもそも、今回の異変は外の世界の情報がユイマンの処理能力をはるかに超え、石長姫に幻想郷を停止させた末に起こった異変である。
しかし、石長姫…磐永阿梨夜は幻想郷を捨てたと歪曲して解釈してしまったが、この件に関しては幻想郷、月の都どちらに利があるものであった。
私たちが幻想郷を停止しなければ、外の世界の圧倒的情報力を前に妖怪は力を永久に失い幻想郷は壊滅し、同様に月の都の神々も力を失っていただろう。
まあ、月夜見様がいる限り、月の都がある限りそんなことは起こさせないのだが。
とそんなことを考えながら海眺めていると、
「お姉様どうしたんですか?いつにも増して夢現そうにして?まあ、今回起きたことを考えれば至しかないことかもしれませんが。」
私の妹、依姫が話しかけてきた。
どうやら、今回の件に関しての話が一通り終わったようだ。
そして、霊夢が来たことも気が付いていないようだ。
「何よ、人がいつもボーっとしてるような言い方をして?私はただこの海を見ながら、浅間浄穢山について考えていただけよ」
「浅間浄穢山…ですか…。」
そう、浅間浄穢山または八ヶ岳とも呼ぶ。
磐永阿梨夜が鎮座している山であり、現在は幻想郷で穢れてしまったものの、依然として不死の力を宿している。
この山は簡単に説明すれば、壮大な姉妹喧嘩の末に生まれたものである。
ただ、今現在妹の木花咲耶姫は不死山に鎮座しているはずだが、現在行方知らずだ。
「浅間浄穢山は現在地上の穢れに汚染されています、もう私たちが考えることでは…。」
「浅間浄穢山は力を失ってはいないわ、そもそもあの山は永遠に停止した月の都の根源ともいえるわ。そしてこの世で最も穢れた場所であるとも。」


「ねえ、いったいあいつって何者なの?」
博麗の巫女は稗田家のお屋敷で九代目阿礼乙女に問いかける。
「今回の異変で退治した石長姫のことについてですね。」
霊夢はずっと気がかりだった、あんな変な神様とは会ったことはないはずなのに、まるでいつも会う友人と出会ったような気分だった。
そこが更に磐永阿梨夜の得体の知れなさに拍車をかけていた。
「彼女は妖怪の山の祭神とも言いましょうか、彼女は実質的に守矢神社の神々や天魔よりも立場が上だといえます。」
「なるほど。だからあんな変な感覚だったのね。」
妖怪の山にいると感じる不死のエネルギー。
普通はそんなものにあてられていれば違和感を感じるはずだが、妖怪の山以外にもそのエネルギーは溢れ出している。
そうなってしまえば、もうそれは酸素と大差はない。
彼女は幻想郷の住民にとって最も異質で最も身近な神様なのである。
永遠に退屈なんでしょうか?それとも気楽なんでしょうか?
岸野洋成
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