Coolier - 新生・東方創想話

境界の妖怪とは何者か

2025/08/17 12:55:07
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人里の人間にはあまり知られていないが幻想郷を作った妖怪の賢者たちが存在している
その中でもひときわ謎に包まれているのが大妖怪にして神隠しの犯人である八雲紫である
八雲紫に関してはほぼ全ての幻想郷縁起に存在が記されているので人里の人間でも知らない者はいないだろう
しかし彼女は何者なのだろうか?
確かに妖怪は人の心から生まれた存在でそれ以上もそれ以下もないと言われれば話は終わってしまう
しかし、私たちが知りたいのは彼女が何なのかなのではなく、何者かということである。
人が突然消えるという事件は外の世界の各地で残っている。
しかし、未解決のものが数多くあり犯人が謎に包まれていることも多い
その為、外の世界の人間は神が行った所業だと信じ、神隠しと名前を付け八雲紫が生まれたというのが彼女の発生理由だと考えられる。
しかし、彼女は神ではなく妖怪である。
なぜ妖怪なのか。
例え恐怖による信仰でも神様になることはできる。
そもそもほとんどの神様がそうである
人間が自然を恐れ神話を作り出し祭り上げた末に存在するのが神様である
逆に信仰が集まらず、恐怖だけの存在とされた末に生まれるのが妖怪である
つまり、彼女には信仰が集まらなかったということを示している。
なぜ彼女には信仰が集まらなかったのか?彼女は何者なのか?
次号乞うご期待

「何なのよこの新聞は?」
と私は目の前にいる烏天狗に問いかける
「あやや、さすがに私だってこの記事を書く際は本人に許可を取りましたよ。なんなら私はご本人にお願いされてこの記事を書いたんですから。」
「はあ?ご本人ですって?!あいつ一体何を考えているのかしら・・・」
「これは私の憶測ですが、恐らくあの方は自分の存在を明確に示そうとしているのではないでしょうか。最近は摩多羅神と言い、地獄の僧侶の鬼と言いそういう方々が多いですし。」
「でも、あいつがこんなことを始める意味なんてあるのかしら?」
「それはご本人に聞いてみてはいかがですか?」
「わざわざ妖怪に言われなくてもそうするわよ」
「というかあなたは気にならないんですか?彼女が何者なのか」
「私はあいつが何であろうが妖怪である限り、退治するわ。そして、今丁度いい烏天狗が目の前にいるから退治させてもらうわ。」
と私は構える。
「いやはや、やはり血の気の多い方ですね~。」

「あら、新しい新聞?随分と奇抜な内容のようだけど」
と私は小鈴に問いかける。
「そうよ。でも今回のは確かに少し奇抜かもね。でも知らなかったことを知れて少しうきうきしてるわ」
「そうね。でもなんでこんな記事を今更出すのかしら?こういう情報は私が書いた幻想郷縁起に載っているはずだけど。」
「確かにそうよね。でも私何度か助けてもらったことがある人だし、手軽に知れてちょっと拍子抜けした気分だわ。でもタイムリーなことに彼女みたいな女性を書いた浮世絵が入荷してるのよね。」
「まあ、まだ小鈴は子供だしいいのだけど・・・ってえ?浮世絵?!」
「そうよ。妖気は帯びてないし、文字も書いてないからどうしようって感じだけど」
と言い小鈴は壁にかかった浮世絵を指さした。
金髪の美しい女性が描かれていて、彼女の周りには大量の目が浮かんでいた。
「でも妙ね。この新聞には本人に関する文献は残っていない書いてあるけど・・・」
「そうよね。やっぱり売り物にしようかしら?」
「これは気になるわね・・・小鈴調べるわよ!」
「え?調べるって言ったって文字が書いてないから私にはわからないわよ!?」
「ええ。だから今から聞きに行くわ。」



「確かにこれは彼女を書いた浮世絵だよ」
と古びた骨董品屋で青年が少女たちに向かって答えた。
「でも確か記録は残っていないって。」
と小鈴が答えた。
「記録が隠されているんだよ。彼女は境界を操れる。記憶の境界を操れば、誰も彼女のことはわからないし記録の境界を操れば記録は消える。つまり何でもありなのさ、彼女は。」
「随分と彼女のことについて詳しんですね」
と私は彼に質問する。
「いや、共通の知り合いから最近知り合ったんだよ。特に親しいというわけではないし、あっちがどう思っているかは知らないが僕は彼女が苦手だよ。まあ、言うなれば持ちつ持たれつな関係さ。」
苦手なのに持ちつ持たれつな関係は矛盾している気がする。

「やっと見つけたわ!あんたいったいどういうつもりなの?」
と私が質問する。
博麗神社の屋根の上で金髪の少女は怪しく笑いながら、
「いや、私はただそういう気分だっただけよ。妖怪なんてそういうものですもの。」
「今までちまちま自分の痕跡を消してきた奴がよく言うわ。」
「まあ、理由を言うとしたら、最近は月の民や地獄の者、外の世界の人間によって何度も危機一髪というところで首の皮一枚の状態で幻想郷は保たれた状態だから、私が少し力をつければ安定すると思っただけよ」
「そういうものかしら。」
「妖怪は過去から生まれた今を馳せるものなのよ。」
とその少女は再び微笑む。
アイデアが沸いたので書きました
しかし、本当に彼女は謎ばかりですね
岸野洋成
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コメント



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1.無評価名前が無い程度の能力削除
よくよく考えるとすごく中途半端な終わり方をしたので、まだ終わらないかも?
3.90名前が無い程度の能力削除
良かったです