風景が落ちてた。
とても早く、しかし遅く感じた。私はそう感じていた。なぜ、こんなに風景が見える?自分でも不思議に思ってる。
確かにあの紅い巫女と弾幕の撃ち合いで戦い合っていた。
神奈子様と諏訪子様が消えるのを止めるためにこの幻想郷に来て。
自分の存在があっちの世界では無価値だから......
いろんな事が頭に回る。自分は何をしている......
目を大きく開ける。地面に落下してる自分を意識する。
「チッ」
舌打ちをして体勢変え上に上がろうとする。その時に上から何かが来た。
「弾幕!!」
無数の紅い弾幕が私に向かって来る。その弾幕を避ける。
なんで
紅い弾幕を避けながら自分でも緑の弾幕を作る。
「この!!たかが巫女が!!」
叫びながら緑の弾幕を飛ばす。紅い弾幕と緑の弾幕がぶつかりあい、混ざり溶け合うように消える。
しかし紅い弾幕が嵐のように降ってくる。紅い弾幕を避けながら緑の弾幕を作り迎撃するが数は圧倒的な違いである。
「なんで。私は人神よ。たかが巫女に」
神奈子様と諏訪子様は言ってくれた。自分は人神であると。誰も自分を見てくれなかった。親も学校も......誰も......
「博麗!!」
自分で作った緑の弾幕と共に紅い弾幕の嵐に飛び込む。
「くぅ」
紅い弾幕が自分の体に当たる度に激痛が走る。しかし耐える。紅い弾幕と緑の弾幕がぶつかり合い激しく破裂する。早苗は一心不乱に前を見つめる。そして見えた。紅い弾幕を出してる紅い巫女。
「博麗霊夢」
自分が倒さなければならない敵。紅い弾幕の嵐から抜ける。そのまま紅い巫女に距離を詰める。無言の表情の紅い巫女と目が合う。その巫女に緑の弾幕を叩きつける。緑の弾幕が紅い巫女に向かう。紅い巫女は手に持っていたお祓い棒近づいてきた緑の弾幕をすべて叩き落した。
「嘘......」
そして何が衝撃が体を走った。周りが暗くなった。
私は空気。 いつも周りとは浮いた存在だった。両親も私を腫物扱いしていた。学校でも自分の存在は空気だった。しかし、守矢神社に行けば神奈子様と諏訪子様が見てくれた。その二人が人々の信仰がなくなり消えかける。あの二人が消えればまた私の存在は空気になる。それを止めるために私達は幻想郷に来た。
「......」
目を覚めた。青い空が見えた。あっちの世界と変わらない青い空。しかし何かが違う。あっちの世界ではただぼんやりと見ていた。しかしこの世界の青い空は。
ゆっくりと体を起こす。全身に痛みが走る。自分はあの紅い巫女にお祓い棒で叩き落された。と理解した。風景が青い空から変わる。大きな木々が生い茂る風景が見えた。そして紅い巫女。
全身に何かが駆け巡る。
「負けられない」
負けられない。自分の存在をすべてを賭けても。
よろよろと立ち上がる。紅い巫女は無言のままお祓い棒を肩にかけていた。私は緑の弾幕を出せるだけだした。紅い巫女も紅い弾幕を出す。
これが最後の弾幕ごっこ
紅い巫女もそれを察してるだろう。紅い弾幕微かに動く。先に自分から動いた。緑の弾幕が紅い巫女に向かって放つ。紅い弾幕が緑の弾幕に対応するように動く。私は走った。紅い巫女に。紅い巫女は肩にかけてるお祓い棒を構えた。
紅と緑の弾幕達が混ざり合い溶け合い・爆発する。その中を駆ける。先に無表情の紅い巫女がいる。何も考えることはない、ただその紅い巫女に駆ければいい。そうただ少し微笑してる巫女に......
青い空だった。雲一つない空。何もない空を何も考えずに見ていた。
「すっきりした?」
声がした。私の視界は見えないが紅い巫女の声である。自分は地面に大の字になって寝ていた。起き上がれないほど体が重かった。
「すっきりか」
私は答えた。何もかも空っぽだった。
「あんたとの弾幕ごっこはめんどくさかったわ。妙に真剣になって相手してる私の方がしんどかったわよ」
「すいません」
自然と謝っていた。
「お。素直だね。最初の頃はあれだけ尖ったのにいつの間にか丸くなったね」
クスクスと紅い巫女の笑い声がする。
「しかし、まあ、それだけ必死だったことは理解したわ。だからそれなりの力を出して迎えたわ」
「全力じゃないんですか?」
「博麗の巫女を舐めんじゃないわよ」
「すいません」
私はまた謝っていた。
「いいわ。私も楽しめたし。それにまだあんたの神様達も成敗しないといけないし。もう行くわ」
紅い巫女の足音が聞こえた。
「あと早苗。あんたがあっちの世界で何かあったのかは知らないけど、そんな辛気臭い荷物なんてさっさと捨てなさい。幻想郷はなんでも受け入れるけど、そんな荷物はこの世界にはいらない」
「すいません」
青い空が潤んで歪んでいく。
「神様は信仰はないと存在を無くす。だから多くの信仰は必要だけど。あの二人に神はあんただけの信仰だけで十分満足してるんじゃないの?」
「す、すいま......」
息が苦しくてまともに話せなかった。
「どのみち、あの二人の神を成敗してこの異変を終わらせないといけないからね。まあ、この異変が終わって辛気臭い荷物捨てたら、博麗神社に来なさい。あの神達の信仰はしないけど、布教活動の真似事の手伝いだけはしてあげるわ」
「......」
もう言葉がなかった。ただ胸が破裂しそうだった。
「早苗、いい家族をもってるね。同じ巫女して少し羨ましいよ」
ボソリと紅い巫女は言いうと飛び立つ音が聞こえた。
青い空。私は嗚咽をして泣いていた。周りに見てほしくて必死だった。でも自分が周りを見てなかった。紅い巫女があの戦いの中で気づかせてくれた。自分が余計な荷物を背負ってること。年甲斐もなく大声を出して泣いた。これだけ泣いたのはいつ頃だろうか?記憶がない。思い出そうとしても思出せない。
自分の過去。それが余計な荷物なんだろう。でも今は考えるのはやめよう。ただ大声で泣いてすべてを捨てればいい。
涙でぐしゃぐしゃに見える青い空を向かって私は大きな声で泣いた。
・
・
・
・
「早苗。空は今日も青いね」
「そうですね。霊夢さん」
青い空を霊夢さんと二人でぼーと青い空を守矢神社の境内にある社務所で見ていた。
「なんで私、守矢神社にいるんだろう?」
「一か月ぐらいますね」
霊夢さんと私はお茶を啜っていた。
「ロープウェイあるのに誰も参拝こないね」
「はい、最近、妖怪の山で最近サバゲーブームでなんか過激になってロープウェイに弾幕式ロケットランチャーが当たって破壊されて使用不能状態です」
霊夢さんと私はせんべいをぼりぼりと食べる。
「山の風紀を乱す妖怪は退治したほうがいいかな?」
「サバゲーに神奈子様・諏訪子様も参加したり河童たちと手を組んでサバゲーグッズを売ったりと金儲けしてますから霊夢さんが行くと余計悪化すると思います」
霊夢さんはせんべいを食べ終えるとお茶を啜り、青い空を見続ける。私はぼりぼりと食べながら社務所から境内を見る。
「......」
境内は銃や軍服が展示してあり、どこからか持ってきたのか戦車やゼロ戦まで展示してある。社務所にはサバゲーグッズがずらりと並んで、神社に売ってるお守りなどはことごとく撤去されいた。
「早苗。守矢神社って軍事博物館だった?」
「常識は捨てるものだと神奈子様と諏訪子様は口癖のように言ってこうなりまして、」
「捨てすぎだろ」
霊夢さんは私の方を向いて突っ込む。
「それだし霊夢さんが信仰は早苗だけ十分だとか言いましたら、『早苗の一人だけの信仰だけ十分なのか!!』とかでなんかはっちゃけはじめましてね」
「いや、あんたら変に解釈してるぞ」
「すいません」
私は霊夢さんに謝る。
「いいよ。あの辛気臭い早苗達より今のはっちゃけた早苗達の方がいいよ」
「そうですか」
今の早苗達がいい。もう昔の自分とは違うと実感してる。
「ところで霊夢さん博麗神社にはいつ戻るんですか?」
「うー。今は神社に戻りたくない。あの歌仙がうるさいから」
「あの仙人ですか?」
霊夢さんは顔を戻してお茶を啜る。
妖怪の山で仙人をしていた茨木歌仙さんがなぜか博麗神社に入りびたり霊夢さんに説教する。そして神社の経営のやり方まで口を出し、霊夢さんと喧嘩してなぜか霊夢さんが博麗神社を飛び出した。
霊夢さん曰く、
「そんなに参拝客がほしいならあんたがやりなさいよ」
と、言いそのまま守矢神社に駆け込んだ。事実上の家出でである。そして歌仙さんが巫女になってから参拝客が続々と来て完全に霊夢さんの立場がなくなった。
「私の帰る場所がない」
そのまま守矢神社に居候する形になってる
「霊夢さん。私と戦った後に言ったこと逆になってますね」
「ああ、私が守矢神社に来てしまってるし。我ながら情けない」
霊夢さんお茶を啜り終えると机の上に湯呑を置いた。
「霊夢さん。もう守矢神社の巫女になったらどうですか?」
「うーん。最近、あの神二人組が勝手に私専用の守矢の巫女服持ってきてやたら進めてくるからね」
「あ、もう勧誘してましたかー」
私もお茶を啜り終え湯呑を机に置く。
「でも、守矢神社の巫女も悪くないかもね」
「え?」
私は霊夢さんを見る。
「三食・昼寝付き・小遣いありの好待遇だからね。守矢神社の巫女になれば」
「そんな条件だしてたんですか?」
神奈子様と諏訪子様のはちゃっけぶりは少しは止めないといけないと私は思った。
「それだし、このはっちゃけた家族の輪に飛び込むも悪くないかもね」
霊夢さんが顔が私の方に向く。
「霊夢さん。もし、守矢神社の巫女になればどんなに強くても私が先輩ですからビシビシ行きますよ」
「望むところよ」
言うと、霊夢さんがクスと笑う。私もつられて笑った。そのまま霊夢さんと笑いながら青い空を見た。
いままでは青い空をぼんやりと見ていた。そしてボロボロになって大声で泣きながら青い空を見ていた。今は霊夢さんと一緒に笑いながら青い空を見ていた。同じ青い空。しかし見える風景は違う。私はそれが分かった。今はそれで充分である。まだまだこれからだから、この幻想郷で生きるということが。
とても早く、しかし遅く感じた。私はそう感じていた。なぜ、こんなに風景が見える?自分でも不思議に思ってる。
確かにあの紅い巫女と弾幕の撃ち合いで戦い合っていた。
神奈子様と諏訪子様が消えるのを止めるためにこの幻想郷に来て。
自分の存在があっちの世界では無価値だから......
いろんな事が頭に回る。自分は何をしている......
目を大きく開ける。地面に落下してる自分を意識する。
「チッ」
舌打ちをして体勢変え上に上がろうとする。その時に上から何かが来た。
「弾幕!!」
無数の紅い弾幕が私に向かって来る。その弾幕を避ける。
なんで
紅い弾幕を避けながら自分でも緑の弾幕を作る。
「この!!たかが巫女が!!」
叫びながら緑の弾幕を飛ばす。紅い弾幕と緑の弾幕がぶつかりあい、混ざり溶け合うように消える。
しかし紅い弾幕が嵐のように降ってくる。紅い弾幕を避けながら緑の弾幕を作り迎撃するが数は圧倒的な違いである。
「なんで。私は人神よ。たかが巫女に」
神奈子様と諏訪子様は言ってくれた。自分は人神であると。誰も自分を見てくれなかった。親も学校も......誰も......
「博麗!!」
自分で作った緑の弾幕と共に紅い弾幕の嵐に飛び込む。
「くぅ」
紅い弾幕が自分の体に当たる度に激痛が走る。しかし耐える。紅い弾幕と緑の弾幕がぶつかり合い激しく破裂する。早苗は一心不乱に前を見つめる。そして見えた。紅い弾幕を出してる紅い巫女。
「博麗霊夢」
自分が倒さなければならない敵。紅い弾幕の嵐から抜ける。そのまま紅い巫女に距離を詰める。無言の表情の紅い巫女と目が合う。その巫女に緑の弾幕を叩きつける。緑の弾幕が紅い巫女に向かう。紅い巫女は手に持っていたお祓い棒近づいてきた緑の弾幕をすべて叩き落した。
「嘘......」
そして何が衝撃が体を走った。周りが暗くなった。
私は空気。 いつも周りとは浮いた存在だった。両親も私を腫物扱いしていた。学校でも自分の存在は空気だった。しかし、守矢神社に行けば神奈子様と諏訪子様が見てくれた。その二人が人々の信仰がなくなり消えかける。あの二人が消えればまた私の存在は空気になる。それを止めるために私達は幻想郷に来た。
「......」
目を覚めた。青い空が見えた。あっちの世界と変わらない青い空。しかし何かが違う。あっちの世界ではただぼんやりと見ていた。しかしこの世界の青い空は。
ゆっくりと体を起こす。全身に痛みが走る。自分はあの紅い巫女にお祓い棒で叩き落された。と理解した。風景が青い空から変わる。大きな木々が生い茂る風景が見えた。そして紅い巫女。
全身に何かが駆け巡る。
「負けられない」
負けられない。自分の存在をすべてを賭けても。
よろよろと立ち上がる。紅い巫女は無言のままお祓い棒を肩にかけていた。私は緑の弾幕を出せるだけだした。紅い巫女も紅い弾幕を出す。
これが最後の弾幕ごっこ
紅い巫女もそれを察してるだろう。紅い弾幕微かに動く。先に自分から動いた。緑の弾幕が紅い巫女に向かって放つ。紅い弾幕が緑の弾幕に対応するように動く。私は走った。紅い巫女に。紅い巫女は肩にかけてるお祓い棒を構えた。
紅と緑の弾幕達が混ざり合い溶け合い・爆発する。その中を駆ける。先に無表情の紅い巫女がいる。何も考えることはない、ただその紅い巫女に駆ければいい。そうただ少し微笑してる巫女に......
青い空だった。雲一つない空。何もない空を何も考えずに見ていた。
「すっきりした?」
声がした。私の視界は見えないが紅い巫女の声である。自分は地面に大の字になって寝ていた。起き上がれないほど体が重かった。
「すっきりか」
私は答えた。何もかも空っぽだった。
「あんたとの弾幕ごっこはめんどくさかったわ。妙に真剣になって相手してる私の方がしんどかったわよ」
「すいません」
自然と謝っていた。
「お。素直だね。最初の頃はあれだけ尖ったのにいつの間にか丸くなったね」
クスクスと紅い巫女の笑い声がする。
「しかし、まあ、それだけ必死だったことは理解したわ。だからそれなりの力を出して迎えたわ」
「全力じゃないんですか?」
「博麗の巫女を舐めんじゃないわよ」
「すいません」
私はまた謝っていた。
「いいわ。私も楽しめたし。それにまだあんたの神様達も成敗しないといけないし。もう行くわ」
紅い巫女の足音が聞こえた。
「あと早苗。あんたがあっちの世界で何かあったのかは知らないけど、そんな辛気臭い荷物なんてさっさと捨てなさい。幻想郷はなんでも受け入れるけど、そんな荷物はこの世界にはいらない」
「すいません」
青い空が潤んで歪んでいく。
「神様は信仰はないと存在を無くす。だから多くの信仰は必要だけど。あの二人に神はあんただけの信仰だけで十分満足してるんじゃないの?」
「す、すいま......」
息が苦しくてまともに話せなかった。
「どのみち、あの二人の神を成敗してこの異変を終わらせないといけないからね。まあ、この異変が終わって辛気臭い荷物捨てたら、博麗神社に来なさい。あの神達の信仰はしないけど、布教活動の真似事の手伝いだけはしてあげるわ」
「......」
もう言葉がなかった。ただ胸が破裂しそうだった。
「早苗、いい家族をもってるね。同じ巫女して少し羨ましいよ」
ボソリと紅い巫女は言いうと飛び立つ音が聞こえた。
青い空。私は嗚咽をして泣いていた。周りに見てほしくて必死だった。でも自分が周りを見てなかった。紅い巫女があの戦いの中で気づかせてくれた。自分が余計な荷物を背負ってること。年甲斐もなく大声を出して泣いた。これだけ泣いたのはいつ頃だろうか?記憶がない。思い出そうとしても思出せない。
自分の過去。それが余計な荷物なんだろう。でも今は考えるのはやめよう。ただ大声で泣いてすべてを捨てればいい。
涙でぐしゃぐしゃに見える青い空を向かって私は大きな声で泣いた。
・
・
・
・
「早苗。空は今日も青いね」
「そうですね。霊夢さん」
青い空を霊夢さんと二人でぼーと青い空を守矢神社の境内にある社務所で見ていた。
「なんで私、守矢神社にいるんだろう?」
「一か月ぐらいますね」
霊夢さんと私はお茶を啜っていた。
「ロープウェイあるのに誰も参拝こないね」
「はい、最近、妖怪の山で最近サバゲーブームでなんか過激になってロープウェイに弾幕式ロケットランチャーが当たって破壊されて使用不能状態です」
霊夢さんと私はせんべいをぼりぼりと食べる。
「山の風紀を乱す妖怪は退治したほうがいいかな?」
「サバゲーに神奈子様・諏訪子様も参加したり河童たちと手を組んでサバゲーグッズを売ったりと金儲けしてますから霊夢さんが行くと余計悪化すると思います」
霊夢さんはせんべいを食べ終えるとお茶を啜り、青い空を見続ける。私はぼりぼりと食べながら社務所から境内を見る。
「......」
境内は銃や軍服が展示してあり、どこからか持ってきたのか戦車やゼロ戦まで展示してある。社務所にはサバゲーグッズがずらりと並んで、神社に売ってるお守りなどはことごとく撤去されいた。
「早苗。守矢神社って軍事博物館だった?」
「常識は捨てるものだと神奈子様と諏訪子様は口癖のように言ってこうなりまして、」
「捨てすぎだろ」
霊夢さんは私の方を向いて突っ込む。
「それだし霊夢さんが信仰は早苗だけ十分だとか言いましたら、『早苗の一人だけの信仰だけ十分なのか!!』とかでなんかはっちゃけはじめましてね」
「いや、あんたら変に解釈してるぞ」
「すいません」
私は霊夢さんに謝る。
「いいよ。あの辛気臭い早苗達より今のはっちゃけた早苗達の方がいいよ」
「そうですか」
今の早苗達がいい。もう昔の自分とは違うと実感してる。
「ところで霊夢さん博麗神社にはいつ戻るんですか?」
「うー。今は神社に戻りたくない。あの歌仙がうるさいから」
「あの仙人ですか?」
霊夢さんは顔を戻してお茶を啜る。
妖怪の山で仙人をしていた茨木歌仙さんがなぜか博麗神社に入りびたり霊夢さんに説教する。そして神社の経営のやり方まで口を出し、霊夢さんと喧嘩してなぜか霊夢さんが博麗神社を飛び出した。
霊夢さん曰く、
「そんなに参拝客がほしいならあんたがやりなさいよ」
と、言いそのまま守矢神社に駆け込んだ。事実上の家出でである。そして歌仙さんが巫女になってから参拝客が続々と来て完全に霊夢さんの立場がなくなった。
「私の帰る場所がない」
そのまま守矢神社に居候する形になってる
「霊夢さん。私と戦った後に言ったこと逆になってますね」
「ああ、私が守矢神社に来てしまってるし。我ながら情けない」
霊夢さんお茶を啜り終えると机の上に湯呑を置いた。
「霊夢さん。もう守矢神社の巫女になったらどうですか?」
「うーん。最近、あの神二人組が勝手に私専用の守矢の巫女服持ってきてやたら進めてくるからね」
「あ、もう勧誘してましたかー」
私もお茶を啜り終え湯呑を机に置く。
「でも、守矢神社の巫女も悪くないかもね」
「え?」
私は霊夢さんを見る。
「三食・昼寝付き・小遣いありの好待遇だからね。守矢神社の巫女になれば」
「そんな条件だしてたんですか?」
神奈子様と諏訪子様のはちゃっけぶりは少しは止めないといけないと私は思った。
「それだし、このはっちゃけた家族の輪に飛び込むも悪くないかもね」
霊夢さんが顔が私の方に向く。
「霊夢さん。もし、守矢神社の巫女になればどんなに強くても私が先輩ですからビシビシ行きますよ」
「望むところよ」
言うと、霊夢さんがクスと笑う。私もつられて笑った。そのまま霊夢さんと笑いながら青い空を見た。
いままでは青い空をぼんやりと見ていた。そしてボロボロになって大声で泣きながら青い空を見ていた。今は霊夢さんと一緒に笑いながら青い空を見ていた。同じ青い空。しかし見える風景は違う。私はそれが分かった。今はそれで充分である。まだまだこれからだから、この幻想郷で生きるということが。
面白い話がいくらでも書ける良いテーマですよね。
シリアス早苗さん好きです。そこからどうやって今のあの早苗さんになっていくのか考えるの楽しいです。