今の日本は…いや、日本に限らず世界中ではウ◯トラマン人形やリ◯ちゃん人形、その他もろもろのアニメからもキャラクターフィギュアは創り出され“人形”が与える経済効果は莫大なものとなっている。
フィギュア業界の競争は激化、そんななか幾つかの会社はより精密なよりリアルなフィギュアを制作すべく自身をAと名乗る者と秘密裏に契約を結んでいる。Aは絶対に顔を見せない、しかしAから与えられるアイデア、技術は一級品でありAから与えられた情報を取り入れた商品は必ずと言って良いほどヒットをおさめるのであった……
「…で、そのAってのが、アリス、お前だってわけだな」
「ええ、そうよ」
魔理沙に金を稼ぐ良いつてがあると連れて来られたのは人形使いの家であった。本当に金を持っているのかと疑惑を投げかけたところ今の話を聞かされたのである。くっそ成功者め。
「しかし、よく人間界とコンタクトが取れたわね」
「スキマ妖怪に売り上げの2割という条件を出したらなんとかしてくれたわ」
「どうやって紫と連絡とったんだ?」
「うるさいわね、そんなとこまでいちいち考えて無いわよ!」
「今のは誰の心の叫びなのさ…」
アリスは分が悪くなる前に話を切り上げレミリア達にしてもらう仕事の説明へと移行した。GJ。
「あなた達にはここにある見本の人形と同じものを作ってもらうわ。構造はとても簡単だから素人のあなた達にも作れるでしょ」
「アリスはなにをするんだ」
「私は今日中にグッ◯スマ◯ルカンパニーに送る企画書を仕上げなきゃいけないのよ」
「なんだか貴方がとても遠い存在に感じるわ」
ー場面切り替わってー
レミリア達は作業部屋に連れて来られていた。随分と整った設備であり、曰く3Dプリンターと呼ばれるものまであった。ケッ、金持ってやがる。カリスマは荒み行くのであった。
「ここに作り方の紙があるでしょう?この通りに作ればそんなに難くないと思うわ。じゃ、私は仕事があるから」
アリスはそう言うと先ほどまでいた部屋に戻ってしまった。
「…なんだか今のお姉様よりカリスマを感じるね」
「バカな」
「ほら、二人ともさっさと仕事に取り掛かっちまおうぜ」
魔理沙に言われ、人形を作る材料を確認する。胴体、四肢、頭がバラバラになって山積みにされておりその横には人形用の服、帽子がこれまた山積みにして置いてあった。
「これ、夜には絶対見たく無いわ」
「まぁ人形の原型なんてこんなものだぜ」
微ホラーである。夏だね。
「これは分担作業にした方がいいかもね」
「じゃあ私が人形一体に必要な部品をまとめてレミリアに渡し…」
「今度は私が人形の四肢、頭を組み立ててフランに渡し…」
「最後に私が服と帽子を着せる」
成る程効率的である。
「よっしゃ!どんどん作ってガンガン稼ぐぜ!」
「そして稼いだお金でリムジンを買うのよ!」
「取り敢えずお姉様は一回殴っとくね!」
ボグシッ☆
鈍い打撃音とともに人形制作はスタートした。
「本体!服!帽子!ヘイ!レミリア、ヘイ!」
「手!足!頭!ヘイ!フラン、ヘイ!」
「うわぁ、やる気あったらあったでウザい!!」
テンションこそおかしいもののレミリア達の動きに無駄はなく、初めてやったとは思えないほどテンポ良く作業は進んで行った。これなら一週間もあれば紅魔館の財政は立て直るかもしれない。時給いくらとか知らないけど。
…5分経過
「本体、服、帽子…レミリア、ホレ」
「手、足、頭…フラン、はい」
「う、うん…」
…10分経過
「これとこれとこれか…ホレ」
「これとこれとこれね…はい」
「テンション凄い降下してない?」
…15分経過
「………ホレ」
「………はい」
「うわ、とうとう必要最低限の言葉しか発しなくなった」
…20分経過
「飽きた」
「飽きたわね」
「おい」
まぁ…予想はしてたけどさ…そんなに上手くは行かないって、分かってたけどさ…にしても酷い姉と白黒の現状にフランは嘆いた。
「幾ら何でも集中切れるの早過ぎでしょ!?」
「こんな単調な作業やってられないわよ」
「そうだぜ。もっとこうやりがいのある仕事をだな…」
ゆとりみたいなこと言いやがって…しかしこいつらを働かせんことには、いつまでたっても紅魔館の財政は傾いたままである。フランはバカ共を焚きつけるべく、何かの本で読んだそれらしいことをそれっぽくレミリア達(バカ共)に説くことにした。
「いい?お姉様に魔理沙?つまらないことをつまらないと言って投げ出すのは誰でもできるの。各々の技量というものはね、如何につまらないことを面白いこととして受け取れるかにあるのさ。“おもしろきこともなき世をおもしろく”って木がすごい高いみたいな名前の人が言ってたでしょ?とにかく…まぁ…そんな感じ…」
なんか最後の方がふわふわした感じになってしまった。調子に乗ってよく覚えてない人の名言を引用してみたのが悪かったらしい。しかしそんなフランの言葉はしっかり二人の心に届いたようである。
「つまらないことを…」
「面白く…」
フランの言葉を繰り返す二人…
「なるほどな!なんだか大切なことに気付かされた気分だぜ!」
「ええ!流石はフラン!レミリア・スカーレットの妹!」
「うっはぁ〜不名誉!」
一度消えた闘志が再び燃え上がったらしい。また鎮火しないことを切に願う。こちらはもう着火材料を持ち合わせていない。
「しかしどうやってこの人形作りを面白くするんだ?」
「ふふ、それはもう考えてあるわ…魔理沙、人形のパーツを寄越しなさい」
レミリアは魔理沙から人形構成セットを一式貰うと先ほどまでの通り胴体に手、足と四肢をつけていった。此処まではセオリー通り、なにも変わらない…しかし、レミリアマジックが展開されるのはこれからである。レミリアは完成した胴体に頭をつけることなくおもむろにあるものを取り出した…
……そう…納豆である。
50回ほどよくかき混ぜる、見事なのびを見せる納豆。鰹だし、からしで味つけをすればご飯が何杯でもいける理想的な仕上がりとなる。しかし、レミリアはその納豆で空腹を満たすことはしなかった。そのかわり今組み立てた人形の胴体にぶち込んだ。
もう一度言おう…
ぶち込んだ。
そして最後に蓋をするように人形の頭を取り付けた。
「どう?こうすれば人形としても楽しめて、納豆としても美味しく頂ける…こうやってオリジナルのアレンジを考えて人形を作れば面白くなるじゃない?」
「おお!確かに!流石だぜ!!」
「ふふ、私を誰だと思っているの?」
「救いようのないノータリンと認識してますが!?」
フランちゃん絶句である。なんで495年間地下に閉じ込められていた私より常識を持ち合わせていないのだろうかこの馬鹿姉は?
「あら?フラン?何か不満があって?」
「不満しかないよ‼︎なんで納豆なのさ!?腐るよ!!」
「納豆なんてもともと腐ってるようなものじゃない」
「お前たった今納豆を愛する資格を失ったからな!?」
「おーい!私はなめこの味噌汁入れてみたぜ!」
「いいじゃない、やるわね?」
「バカヤロォウ!!」
「なんだ?フラン?なんか文句があるのか?」
「文句しかないよ!!なんでなめこの味噌汁なのさ⁉︎やっぱり腐るよ!!」
「なめこなんてもともと腐ってるようなものだぜ」
「腐ってねぇよ!!!」
「ねぇ、なめこと納豆の融合なんてどうかしら?」
「おお!グッドアイデアだぜ!じゃあさっそくレミリアの納豆を私のなめこ味噌汁に……」
「貴様ら歯ぁ食いしばれ!!」
直後フランの拳がバカ共の頬を撃ち抜く。
「そんな…親父にもぶたれたことないのに!!」
「私は妹にならここ最近凄い頻度で殴られてるわ」
「うるせーよ!次、人形に何か不純物を入れたらレヴァ剣だかんな!?レヴァ剣だかんな!?」
魔理沙、レミリアはまだ何か納得のいかないところがありそうであったが、流石にレーヴァティンは勘弁願いたいらしい。素直に人形制作に取り掛かった。
魔理沙が人形の四肢と胴体、そして服、帽子を1つずつ取ってまとめレミリアに渡す。それを受け取ったレミリアはお手本の人形と見比べながら胴体に四肢を付けていき、手足の角度も手本に忠実になるよう微調整し、胴体に納豆を流し込み最後に頭をつける。その頭もちゃんと正面を向いているか確認したうえで完璧とみなし服、帽子と共にフランへと渡した。
ズドォォォォォォォォオン!!!!!!!
「何事!?」
突然作業部屋から響いた轟音に驚くアリス…間違いなく芳しくない事態が発生している。
アリスは急いで作業部屋へと駆け込む、するとつま先に何かが当たった…その何かに視線を落とすとそれは鉄屑と化した3Dプリンター…
アリスは涙目で部屋全体を見わたした。
イヤァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ
「結局クビになっちゃったわね」
「その最大原因が自分にあることが至極遺憾だよ」
なんやかんや責任を全て魔理沙になすりつけた吸血鬼姉妹は帰路についていた。その表情は暗い。
「これから紅魔館はどうなってしまうのかしら…」
「お姉様、紅魔館をどうにかしようって気があったんだ…」
「あったわよ、十二分にあったわよ」
何か良い現状の打開策も思いつかぬまま紅魔館館へと着いてしまった。しかしその門前に立つ美鈴の表情は二人とうってかわって明るい。
「あら美鈴、ご機嫌ね。クマゼミでも捕まえたの?」
「お嬢様は私のことなんだと思っておられるのでしょうか?」
「じゃあなんでそんなに嬉しそうなの?」
「ええっと、それはですね…「私から説明いたしましょう」!」
そう言って颯爽と現れたのは十六夜咲夜、紅魔館が誇る完全無欠のメイド長。
「お嬢様、妹様、紅魔館の財政は立て直りました」
「え…」
先ほどまでの自分たちを悩ませていた元凶が急に消え去り、戸惑う吸血鬼姉妹。
「私は人里へ出稼ぎに行った際、自身の能力を生かしてパフォーマンスを行いました。するとそれが反響を呼んで、様々なテレビ局から出演のオファーを貰えるようになり、無事紅魔館復興に必要なだけのお金を稼ぐことが出来たのです」
咲夜はそう誇らしげに語る、それだけ偉大なことを成し遂げたのだ。彼女は紅魔館の救世主と言えよう。
「「咲夜…」」
「この咲夜、お嬢様、妹様のためならこの程度のこと造作もございません…」
「「…のこと忘れてた…」」
「ファッ!?」
完
フィギュア業界の競争は激化、そんななか幾つかの会社はより精密なよりリアルなフィギュアを制作すべく自身をAと名乗る者と秘密裏に契約を結んでいる。Aは絶対に顔を見せない、しかしAから与えられるアイデア、技術は一級品でありAから与えられた情報を取り入れた商品は必ずと言って良いほどヒットをおさめるのであった……
「…で、そのAってのが、アリス、お前だってわけだな」
「ええ、そうよ」
魔理沙に金を稼ぐ良いつてがあると連れて来られたのは人形使いの家であった。本当に金を持っているのかと疑惑を投げかけたところ今の話を聞かされたのである。くっそ成功者め。
「しかし、よく人間界とコンタクトが取れたわね」
「スキマ妖怪に売り上げの2割という条件を出したらなんとかしてくれたわ」
「どうやって紫と連絡とったんだ?」
「うるさいわね、そんなとこまでいちいち考えて無いわよ!」
「今のは誰の心の叫びなのさ…」
アリスは分が悪くなる前に話を切り上げレミリア達にしてもらう仕事の説明へと移行した。GJ。
「あなた達にはここにある見本の人形と同じものを作ってもらうわ。構造はとても簡単だから素人のあなた達にも作れるでしょ」
「アリスはなにをするんだ」
「私は今日中にグッ◯スマ◯ルカンパニーに送る企画書を仕上げなきゃいけないのよ」
「なんだか貴方がとても遠い存在に感じるわ」
ー場面切り替わってー
レミリア達は作業部屋に連れて来られていた。随分と整った設備であり、曰く3Dプリンターと呼ばれるものまであった。ケッ、金持ってやがる。カリスマは荒み行くのであった。
「ここに作り方の紙があるでしょう?この通りに作ればそんなに難くないと思うわ。じゃ、私は仕事があるから」
アリスはそう言うと先ほどまでいた部屋に戻ってしまった。
「…なんだか今のお姉様よりカリスマを感じるね」
「バカな」
「ほら、二人ともさっさと仕事に取り掛かっちまおうぜ」
魔理沙に言われ、人形を作る材料を確認する。胴体、四肢、頭がバラバラになって山積みにされておりその横には人形用の服、帽子がこれまた山積みにして置いてあった。
「これ、夜には絶対見たく無いわ」
「まぁ人形の原型なんてこんなものだぜ」
微ホラーである。夏だね。
「これは分担作業にした方がいいかもね」
「じゃあ私が人形一体に必要な部品をまとめてレミリアに渡し…」
「今度は私が人形の四肢、頭を組み立ててフランに渡し…」
「最後に私が服と帽子を着せる」
成る程効率的である。
「よっしゃ!どんどん作ってガンガン稼ぐぜ!」
「そして稼いだお金でリムジンを買うのよ!」
「取り敢えずお姉様は一回殴っとくね!」
ボグシッ☆
鈍い打撃音とともに人形制作はスタートした。
「本体!服!帽子!ヘイ!レミリア、ヘイ!」
「手!足!頭!ヘイ!フラン、ヘイ!」
「うわぁ、やる気あったらあったでウザい!!」
テンションこそおかしいもののレミリア達の動きに無駄はなく、初めてやったとは思えないほどテンポ良く作業は進んで行った。これなら一週間もあれば紅魔館の財政は立て直るかもしれない。時給いくらとか知らないけど。
…5分経過
「本体、服、帽子…レミリア、ホレ」
「手、足、頭…フラン、はい」
「う、うん…」
…10分経過
「これとこれとこれか…ホレ」
「これとこれとこれね…はい」
「テンション凄い降下してない?」
…15分経過
「………ホレ」
「………はい」
「うわ、とうとう必要最低限の言葉しか発しなくなった」
…20分経過
「飽きた」
「飽きたわね」
「おい」
まぁ…予想はしてたけどさ…そんなに上手くは行かないって、分かってたけどさ…にしても酷い姉と白黒の現状にフランは嘆いた。
「幾ら何でも集中切れるの早過ぎでしょ!?」
「こんな単調な作業やってられないわよ」
「そうだぜ。もっとこうやりがいのある仕事をだな…」
ゆとりみたいなこと言いやがって…しかしこいつらを働かせんことには、いつまでたっても紅魔館の財政は傾いたままである。フランはバカ共を焚きつけるべく、何かの本で読んだそれらしいことをそれっぽくレミリア達(バカ共)に説くことにした。
「いい?お姉様に魔理沙?つまらないことをつまらないと言って投げ出すのは誰でもできるの。各々の技量というものはね、如何につまらないことを面白いこととして受け取れるかにあるのさ。“おもしろきこともなき世をおもしろく”って木がすごい高いみたいな名前の人が言ってたでしょ?とにかく…まぁ…そんな感じ…」
なんか最後の方がふわふわした感じになってしまった。調子に乗ってよく覚えてない人の名言を引用してみたのが悪かったらしい。しかしそんなフランの言葉はしっかり二人の心に届いたようである。
「つまらないことを…」
「面白く…」
フランの言葉を繰り返す二人…
「なるほどな!なんだか大切なことに気付かされた気分だぜ!」
「ええ!流石はフラン!レミリア・スカーレットの妹!」
「うっはぁ〜不名誉!」
一度消えた闘志が再び燃え上がったらしい。また鎮火しないことを切に願う。こちらはもう着火材料を持ち合わせていない。
「しかしどうやってこの人形作りを面白くするんだ?」
「ふふ、それはもう考えてあるわ…魔理沙、人形のパーツを寄越しなさい」
レミリアは魔理沙から人形構成セットを一式貰うと先ほどまでの通り胴体に手、足と四肢をつけていった。此処まではセオリー通り、なにも変わらない…しかし、レミリアマジックが展開されるのはこれからである。レミリアは完成した胴体に頭をつけることなくおもむろにあるものを取り出した…
……そう…納豆である。
50回ほどよくかき混ぜる、見事なのびを見せる納豆。鰹だし、からしで味つけをすればご飯が何杯でもいける理想的な仕上がりとなる。しかし、レミリアはその納豆で空腹を満たすことはしなかった。そのかわり今組み立てた人形の胴体にぶち込んだ。
もう一度言おう…
ぶち込んだ。
そして最後に蓋をするように人形の頭を取り付けた。
「どう?こうすれば人形としても楽しめて、納豆としても美味しく頂ける…こうやってオリジナルのアレンジを考えて人形を作れば面白くなるじゃない?」
「おお!確かに!流石だぜ!!」
「ふふ、私を誰だと思っているの?」
「救いようのないノータリンと認識してますが!?」
フランちゃん絶句である。なんで495年間地下に閉じ込められていた私より常識を持ち合わせていないのだろうかこの馬鹿姉は?
「あら?フラン?何か不満があって?」
「不満しかないよ‼︎なんで納豆なのさ!?腐るよ!!」
「納豆なんてもともと腐ってるようなものじゃない」
「お前たった今納豆を愛する資格を失ったからな!?」
「おーい!私はなめこの味噌汁入れてみたぜ!」
「いいじゃない、やるわね?」
「バカヤロォウ!!」
「なんだ?フラン?なんか文句があるのか?」
「文句しかないよ!!なんでなめこの味噌汁なのさ⁉︎やっぱり腐るよ!!」
「なめこなんてもともと腐ってるようなものだぜ」
「腐ってねぇよ!!!」
「ねぇ、なめこと納豆の融合なんてどうかしら?」
「おお!グッドアイデアだぜ!じゃあさっそくレミリアの納豆を私のなめこ味噌汁に……」
「貴様ら歯ぁ食いしばれ!!」
直後フランの拳がバカ共の頬を撃ち抜く。
「そんな…親父にもぶたれたことないのに!!」
「私は妹にならここ最近凄い頻度で殴られてるわ」
「うるせーよ!次、人形に何か不純物を入れたらレヴァ剣だかんな!?レヴァ剣だかんな!?」
魔理沙、レミリアはまだ何か納得のいかないところがありそうであったが、流石にレーヴァティンは勘弁願いたいらしい。素直に人形制作に取り掛かった。
魔理沙が人形の四肢と胴体、そして服、帽子を1つずつ取ってまとめレミリアに渡す。それを受け取ったレミリアはお手本の人形と見比べながら胴体に四肢を付けていき、手足の角度も手本に忠実になるよう微調整し、胴体に納豆を流し込み最後に頭をつける。その頭もちゃんと正面を向いているか確認したうえで完璧とみなし服、帽子と共にフランへと渡した。
ズドォォォォォォォォオン!!!!!!!
「何事!?」
突然作業部屋から響いた轟音に驚くアリス…間違いなく芳しくない事態が発生している。
アリスは急いで作業部屋へと駆け込む、するとつま先に何かが当たった…その何かに視線を落とすとそれは鉄屑と化した3Dプリンター…
アリスは涙目で部屋全体を見わたした。
イヤァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ
「結局クビになっちゃったわね」
「その最大原因が自分にあることが至極遺憾だよ」
なんやかんや責任を全て魔理沙になすりつけた吸血鬼姉妹は帰路についていた。その表情は暗い。
「これから紅魔館はどうなってしまうのかしら…」
「お姉様、紅魔館をどうにかしようって気があったんだ…」
「あったわよ、十二分にあったわよ」
何か良い現状の打開策も思いつかぬまま紅魔館館へと着いてしまった。しかしその門前に立つ美鈴の表情は二人とうってかわって明るい。
「あら美鈴、ご機嫌ね。クマゼミでも捕まえたの?」
「お嬢様は私のことなんだと思っておられるのでしょうか?」
「じゃあなんでそんなに嬉しそうなの?」
「ええっと、それはですね…「私から説明いたしましょう」!」
そう言って颯爽と現れたのは十六夜咲夜、紅魔館が誇る完全無欠のメイド長。
「お嬢様、妹様、紅魔館の財政は立て直りました」
「え…」
先ほどまでの自分たちを悩ませていた元凶が急に消え去り、戸惑う吸血鬼姉妹。
「私は人里へ出稼ぎに行った際、自身の能力を生かしてパフォーマンスを行いました。するとそれが反響を呼んで、様々なテレビ局から出演のオファーを貰えるようになり、無事紅魔館復興に必要なだけのお金を稼ぐことが出来たのです」
咲夜はそう誇らしげに語る、それだけ偉大なことを成し遂げたのだ。彼女は紅魔館の救世主と言えよう。
「「咲夜…」」
「この咲夜、お嬢様、妹様のためならこの程度のこと造作もございません…」
「「…のこと忘れてた…」」
「ファッ!?」
完
悪い意味でケータイ小説な作品でした。
ただもう少し練っていただければもっとよかったと思います
ぜ!」
…俺?
レミリア達がメインであるからこそ、舞台装置であるサブは丁寧に扱ってほしい。