Coolier - 新生・東方創想話

歩け! イヌバシリさん vol.12(完)

2014/11/17 02:39:51
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【 epilogue 】




騒ぎが起きてから数日後。



診療所の病室。

「モミちゃんが八坂神奈子の御柱を壊して、その衝撃で吹っ飛ばされたワケよ」

意識を取り戻し、回復に向かっている天魔に大天狗はその時の状況を説明する。

「吹っ飛んだ方向は崖になってて、その下は渓流だったんだけどね。どこに落ちたと思う?」
「落ちた先が渓流なら川底では?」
「それがね、なんと崖から生えてたヤマモミジの枝の上だったのよ。あり得なくない?」

椛が吹き飛ばされたと思われる軌道上には、枝の折れたヤマモミジが何本もあり、何回も引っ掛かり衝撃を分散させながら、受け止められたのだという。

「それはすごいのう」
「でしょ!? あの時、ほんのちょっとでも条件が違ってたら、今頃はド座衛門か崖の落書きよ。これじゃあまるで…」
「山が助けた、と思ってしまいますな」
「ねー」

その後、椛は自分の足で詰所まで戻ったという。
椛が辿り着いた時、詰所では椛を捜索する為に文と部下の隊員達が集まっていた。

「戻ってきたモミちゃんは、泣いてたそうよ。まるで縁日で親とはぐれた子供みたいに手で目をこすりながら」
「かなりの衝撃でしょうし。痛みも相当なもの。泣きもしましょう」
「違うわ」
「違うとは?」
「あの子はね、肉体の痛みじゃ絶対に泣かないの。そういう強い子なの。泣くのはね、ココを強く掻き立てられた時」

大天狗は自分の胸に手を当てた。

「ずいぶんとその白狼天狗を買っておるのですな」
「天魔ちゃんと同じ、私の大親友だからね」
「今度、茶でも誘ってみるか」
「ところで天魔ちゃん。あの件、本当に良かったの?」
「あの件とは?」
「決まってるでしょう。守矢よ、モ・リ・ヤ。手を出すなってどういう事?」

天狗から、守矢神社への報復は一切行われていなかった。

「ずっと考えておった。欠点だらけの天狗で何が最も必要なのかを」
「必要なものねぇ、力か技か、体力か知力か、挙げたらキリがないわ」

ダムで神奈子に言われた事を思い出し、嫌な気持ちになりかける。

「寛容さだと儂は思う」
「心にゆとりを持てって事?」
「組織としての行動を重んじる儂たち全員がそれを持てば、きっと天狗は良い方向へ向かえるはずじゃ」
「まぁ天魔ちゃんが決めたことなら私はそれに従うまでよ。今までも、これからも」
「恩に着る」
「それじゃあ。哨戒部隊の会合があるから失礼するわね」
「うむ、儂もなるべく早く復帰しよう」
「いい機会だからゆっくりしときなさい」

手をヒラヒラと振って大天狗は去って行った。

大天狗が退室してすぐ、病室の窓が開いた。

「よっと」

窓から入ってきたのは諏訪子だった。

「なにもそんな所から来ずともよかろう?」
「もっと嬉しそうにしなよ。こっちはお姫ちゃんにギタギタにされた身体に鞭打って来たんだからさ」

諏訪子は今、その身を現界させているのがやっとだった。

「コソコソせずとも、そなたが来たら正面から通すよう言いつけてある」
「そんな事よりも、お咎め無しってどういう事だよ?」

今回の騒ぎは大天狗がすぐに対処したおかげで公にはならず、山の外にも内にも漏れることはなかった。
守矢神社の企みは明るみになることはなく、天狗からの報復も賠償請求もしないと、文の口から伝えられた時、諏訪子は耳を疑った。

「そう言うな。大天狗殿を説得するのには苦労したのじゃぞ?」
「私は殺そうとしたんだぞ?」
「ここ数年、栗が豊作でみんなが喜んでおる」
「あ?」
「秋姉妹殿の功績であろうが、少しは守矢の力でもあるのではないか?」
「少しじゃないよ。思いっきり私らのおかげだよ」
「つまりもう、守矢神社もこの山の一部という事じゃ。急に欠けられては困る」
「本当に仲良くなれると思ってるのか?」
「昔、戦争した相手と仲良くしている奴の台詞とは思えんな」
「ぐっ」

事実のため、言い返す言葉が見つからない。

「だからもう、斬った張ったはこれで最後にしてほしい」
「精々努力するよ。ウチの舵取りも、これで今度こそ懲りたろうし」

諏訪子は窓から退室する際、一度振り向いた。

「すまなかった」
「貸しイチじゃ。これから天狗側が粗相をした時は、一回は見逃してもらうぞ?」
「その寛大さには恐れ入るよ」

帽子の鍔を下げて表情を隠してから飛び降りた。









「もう完全に塞がったようなじゃな、あとは胃と肝臓あたりか」

静かになった病室で、天魔は腹に手を当て、傷の具合を診る。

「早う全快して、アヤツに会わ…」
「あのー」
「うおぅ!?」

部屋の隅で声がして思わず身体が跳ねる。
声の発信源には体育座りするはたての姿があった。

「いつからそこに居た?」
「一番最初から」
「なんと」

女中の計らいで最初に入れて貰うも、その時はまだ天魔は眠っていて、起こそうかどうか迷っている内に、大天狗が入室、その音で目が覚めた天魔は大天狗と会話を始めた。
引篭り時代に培った存在感を消す技能が功を奏して、今まで全く気付かれなかった。

「お母さんが曾孫で、私が玄孫なんですね」
「黙っていて悪かった。母の事は恨んでくれて構わん。煮るなり焼くなり好きにせよ。要望があれば全て飲もう」
「じゃあ一つだけ約束してください」
「言ってくれ」
「母さんは私に最期、『ごめんね』って言ったんです」
「…そうか」
「だから貴女まで、そんな言葉で私にさよならを言わないでください」
「…」
「これだけです」
「わかった。必ず守ろう」

その言葉を聞くと、はたては病室の戸まで移動する。

「今度、一緒に母さんと父さんのお墓参りに行きましょう。案内しますから」
「よろしく頼む」

天魔の身体を気遣い、はたては長居せず病室を出ていった。





診療所を出たはたては、帰り道にあった定食屋に立ち寄った。

(なんか面白そうな記事ないかな)

注文した料理が運ばれてくるまで、携帯型カメラに思いつく単語を打ち込み、暇を潰す。

「新聞のネタ探しですか」
「おわっ!?」

背後から掛けられた声に驚き、本能的にカメラを閉じる。

「すみません。覗き見するつもりはなかったのですが」

声の主である椛が謝罪する。

「この辺りに来るなんて珍しいね」
「この近くの寄合所で、来期の隊長職の顔合わせ会がありますので」

始まる前に腹ごしらえしておこうと立ち寄ったらはたてを見つけた。

「そうなんだ」
「相席しても良いですか?」
「うん」

はたての対面に座り、注文する。

「もう退院して平気だったの?」
「ええ、いつも以上に死にそうな目にあった割りには、思いのほか軽傷で自分でも驚いてます。はたてさんの方は?」
「私はその、あの後すぐ河童の秘薬を塗って貰ったから」

腕の怪我を見た時、椛は肝を冷やしたが、痕も残らず全快したようなので安心した。

「秘薬ってすごい貴重なんだよね? 私がいくら天魔様の血縁者だからって、ホイホイ使われると、大怪我した人だっていっぱいいるワケだし…」
「お会いして姓が姫海棠だと聞いた時、まさかと思いましたが、本当にそうだったとは」
「私の苗字って父方のだよね? どうしてそう思ったの?」

姫海棠という姓は天狗社会ではさして有名なものではない。

「貴女のお父上が生前、ご自分の奥方が由緒ある家の方だと語っていたのを思い出しまして」
「私のお父さんだった人を知ってるの?」
「昔、大天狗様から命じられた公に出来ない任務の際、現場での手引きはいつもその方がしてくださいました」
「そういう仕事をしてる人だったんだ」
「そのような仕事をされていましたが、我々を白狼天狗だからと差別せず、任務以外でも色々と世話を焼いてくださいました」
「優しい人だったんだね」
「性格も顔立ちも、はたてさんはお父上によく似ていらっしゃる。初めてお顔を拝見した時、あの方の娘だとすぐにわかりました」
「ふえ? そうなの? 顔似てる?」

ぺたぺたと自分の顔を触る。

「貴女が生まれた時は、とても喜んでいましたよ」
「…」
「はたてさんがまだ幼い頃に、不幸な事故で亡くなったと聞いた時は残念でなりませんでした」
「…」
「はたてさん?」
「よくさ『息子は母に、娘は父に似る』って言うでしょ? お母さんはさ、私に『あの人の面影がある』って言って嬉しそうにしてたけど、実は私、似るならお母さんが良いってずっと思ってたんだ」

父親似というのは、はたてにとって劣等感の一つだった。

「でも今は、それがとても誇らしい」
「それは良かったです」

彼も浮かばれるだろうと、椛は心の中で静かに思った。

「はい、おまちどう」

そんな時、料理が運ばれてくる。
同じものを頼んでいたため、来るのは同時だった。

「はたてさんも特上定食だったんですね?」
「うん。この前の新聞大会で良い賞を取ったから、ご褒美感覚で…」
「ふふっ」

椛は店内を見回して笑った。

「どうしたの?」
「そういえばこの店だったなぁと思いまして」
「なにが?」
「引篭りのはたてさんを説得しに行く前に、ここで文さんと食事をしたんです」

あの時も特上定食だったのを思い出す。

「へー、そうだったんだ」
「あの日から今日まで、本当に色々ありましたね。大変な事ばかりでしたけど」
「でも。良い事だってたくさんあった」
「はたてさんはこれから、どうするんです?」

自分の出自を知り、跡を継ぐのかを尋ねる。

「まだわかんない。正直、いきなりそんな事を言われてもっていう所」
「そうですよね」
「椛は私が将来偉くなったら嬉しい?」
「それがはたてさんが、ご自分で選んだ道ならば、全力でお力添えさせていただきますよ。その頃まで、私が生きてればの話ですが」

冗談っぽくそう言った。

「死なせない」
「 ? 」
「絶対に死なせないよ」

力の篭った眼で椛を見詰める。

「椛には、私がどれだけ成長出来るか、見届けて欲しいから」

凛とした声で宣言した。

「それは大役ですね」

あの頃、卑屈で弱虫だった引篭りの少女は、一人前の天狗へと成長していた。

「そういえば椛、これから大天狗様と会うんだよね?」
「ええ」
「最近、何かもらった?」
「いいえ。特には」
「そっか」

戸籍表がどうなったのかを、はたては気になっていた。





















来期の隊長同士の顔合わせが終わった後、椛は大天狗の屋敷に呼ばれた。

「身体の方は平気?」
「おかげ様で」
「にしても有難うね、隊長職を継続してくれて」

椛はもう二年、今の部隊を率いる契約を結んでいた。

「あいつ等を指揮する方が気の毒になっただけです」
「で、あと何年かしたら教官してよ」
「考えておきます」
「キャーありがとー!」
「そんなに喜ぶことですか?」
「うん!」

即答だった。

「大天狗様こそ、隠居するなんて言わないでくださいよ」
「平気平気。私はやる気バリバリのキャリアウーマンだから。あと千年は頑張っちゃう」
「それはちょっと居座り過ぎじゃないですか?」

この様子なら大丈夫そうだと椛は思う。
罪の意識に苛まれ、道を外す心配は無さそうだった。

「モミちゃんこそ、もう絶対にあんな無茶しないでよ? 私にあれだけ言っておいて、自分はカッコよく散ろうだなんて許さないわよ?」
「分かってます。あんな事は二度とやりません」

先輩が漠然とだが、道を示してくれた。その道を自分なりに進もうと思った。

「死なれたらコレが渡せないと思ってヒヤヒヤしたんだから」
「 ? 」

大天狗が紙切れを一枚渡す。
受け取り、広げる椛。
初めて見る紙だったが、それが何かすぐにわかった。

「あったんですね。戸籍表。とと様とかか様の名前もちゃんと載ってる」

これが大天狗が下した判断だった。

「何か聞きたいことある?」
「では一つだけ」
「なに?」
「アイツは、どうしてこれをすぐに燃やさなかったのでしょうか? 生き残りがいるのは自分だけが知っていれば良い、普通なら燃やしてしまいます」

これがどこに保管されていたか大体の察しはついていた、残した理由が知りたかった。

「殺そうと思えばいつでも殺せるモミちゃんをあえて生かしておいた。ってコトはそういう事なんじゃない?」
「…」

椛は無言で庭に出る。
庭には、落ち葉を集めて焚き火をしている従者がいた。

「ちょっと失礼します」

紙を捻じりクシャクシャにすると、躊躇することなく火の中に放った。
戸籍表が燃えカスになったのを確認して大天狗の元へ戻った。

「アイツは結局、私に一度も謝罪していません。死んでからもこうやって周りに迷惑をかける最低最悪の屑天狗です」
「そうね」
「だから絶対に許しません。極悪非道の天狗として一生、私は奴を語り継ぎます」
「一応、戸籍表は残すっていう誠意は残してるんだし、そこまで貶めなくてもよくない?」
「戸籍? それならアイツが大昔に燃やしてしまったじゃないですか。全てを隠ぺいするために。全くとんでもない悪人です」

棒読み声でそう切り返した。

「分かった。被害者のモミちゃんがそう言うなら、そういう事にしておきましょう。でも本当に良かったの? 犬走※※※が存在していたという確かな証だったのに」
「では大天狗様が覚えていてください。かつて※※※という白狼天狗の子がいて、今は犬走椛としてココにいる事を」
(モミちゃんが男の子だったら、確実に惚れてたんだろうなぁ)

毅然として告げる椛に、世の中ままならない事だらけだと、ため息を吐く大天狗。

「んでもって結局、殴られ損か」
「 ? 」
「なんでもない。コッチの話。あーー早くイイ男と出会いたい」
「大天狗様も、いい加減に妥協しては? 案外、一緒にいるとウマが合うということ…」

<大天狗さまぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!>

山彦になって何かが聞こえてきた。

「ナニ今の? サイレン?」
「違うと思います」

直後、大天狗の部屋の襖を何者かが勢い良く開け放った。

「治ったのでお約束通りお茶をしに参りました!!」

包帯を頭に巻き、病人服姿の、かつて保守派を率いていた女性天狗が大天狗に向かって飛び込んできた。

「ああこの香り。紛れもなく夢にまで見た大天狗様!」
「アンタ頭蓋骨陥没していつ眼を覚ますかわかんないって診断されたんでしょうが! なんで目覚めてんのよ!?」
「大天狗様に再びお会いするためなら、地獄を焦土にしてでも舞い戻る所存ですわっ!!」

その風貌からして、ついさっき目覚めたのだろう。そして意識を失う前に大天狗が言ってた言葉を思い出し、文字通り飛んできたようだ。

「気色悪い、離れろサイコレズ!!」
「連れませんわ!! 『治ったらお茶を飲み来い』と仰ったじゃありませんか!?」
「その病気も治してから来い!」
「病気ではありません! これは愛です!!」

「当分は退屈しなさそうで良かったですね」

巻き込まれては大変だと、椛はそそくさとその場を離れる。

屋敷の門を潜った時。

「主(ぬし)様ぁーーー!!」

三人の小さな影が駆けて来た。

「ややっ! 姉者! 犬走殿ですぞ!」

眼鏡を掛けた少女と双子の少女、計三人の白狼天狗の子供が門の前で止まり、息を整える。

「主様を見かけませんでしたか!? 先ほどお医者様からお目覚めになったと聞き、診療所へ駆けつけたら姿を消していて!」
「心配いりません。中で大天狗様と思い出話に花を咲かせていましたよ」
「そうでしたか」
「どうしますか姉者? 倭ぁ達は帰りますか?」
「ふむ、そうするか。では犬走様、失礼します」
「ところで貴女達」

椛は彼女らを呼び止めた。

「哨戒部隊に配属されるのは何年先ですか?」
「二年後になります」
「縁があれば私の部隊で会いましょう」
「はい!」

元気に返事をすると、彼女らは駆け出して行った。

(教官をしてみるのも、良いかもしれない)

彼女らのような人材育成に貢献するのも悪くないと考えながら、椛は詰所に戻った。














夕方。詰所前。
椛とその部下の青年白狼天狗は、木刀を手に激しい剣戟を繰り広げていた。
椛に挑んだ青年があっさり負けて終わる、というのが毎日の光景なのだが、この日はわずかに違った。

「はぁ!!」

青年の気合が篭った掛け声の後、二人の動きがピタリと止まる。
椛の木刀は青年の首筋に。青年の木刀は椛のスネの位置で止まる。

「これって一応、相討ちですよね?」

青年は、まるで宝くじにでも当選したかのような、目の前の状況が信じられないといった表情をしていた。

「んなワケねーだろ!」
「真剣での戦いならお前は首落とされて、隊長は足を負傷しただけだろうが!」
「そーだそーだ! 一度のマグレ当たりで調子に乗んなっス!」

見物していた他の隊員から野次が飛ぶ。

「これは木刀の勝負だ。そもそも真剣での勝負なら私は二度と戦えない身体だった。よって相討ちだ」

頷き椛は木刀を引き、青年を見つめた。

「今までで一番覚悟のある振りだった。腕を上げたな」
「…隊長、俺」

形はどうであれ椛から一本取れたという喜びと、認められたという誇らしさに、感極まって彼の目が潤む。

「ほぼ毎日、飽きもせず隊長にボコられてたもんな」
「根性だけは認めてやるよ」
「まぁ、自称斬りこみ隊長語るんならこれくらいやってくんねぇと」

遠まわしに彼の努力をたたえる隊員達。

「隊長、俺もっと強くなります! たったこれだけの期間で隊長から一本取れたんです、いずれ隊長を軽く捻られるくら…」

彼の頬を何かが亜高速で通り抜けた。数瞬遅れて、頬の産毛がハラハラと落ちる。

「そうかそうか。私を軽く捻りたいか、なら次からはこれで相手をするとしよう」

木刀を持っていない方の手、正確には右手の袖口から何かが垂れ下がっていた。

「あまり誇れることじゃないが、剣よりも暗器の方が得意でな」
「分銅鎖、だと?」

分銅に鎖を繋いだ凶器を手に、椛は爽やかに微笑む。

「いつか、今の私からでも軽く一本を取ってくれると信じているぞ」

振り子のように数回揺れてから、蛇のように鎖がうねりだす。

「すんません! ごめんなさい! 嬉しくて調子に乗ってました、だから……ぎゃぁぁぁ!!」

予測不可能な軌道で分銅が迫った。

「死なない程度に頑張れよ!」
「隊長に期待してもらえて羨ましい限りだ!」
「死んだら骨くらいは拾ってやるっス!」」

その光景に他の隊員たちは手を叩いて囃し立てる。

椛の部隊はそれなりの所帯である。
こうしている今、哨戒に出て見回りしている者もいれば、詰所で休憩する者、空き時間に勉学に励むもの、訓練に打ち込む者、ばれないようにサボる者、家で休暇を楽しむ者。
様々な者たちがいるが、椛の隊長継続によりこの日常がまだ続くことを、全員、心から喜んでいた。
















夜。椛は自宅の縁側で、文と酒を酌み交わしていた。

「お疲れ様でした文さん、ずいぶんとコキ使われたみたいですね?」
「いやはや全く。今日までろくに休憩を取る事もできませんでしたよ」

発電所建造に関わる一件で、その内情をよく知る文は、その処理に駆けずり回された。
今日でひと段落した事もあり、ようやく椛に会いに来る事が出来た。

「しかし今回の一件で、大将二人にかなりの恩と名前を売ったんじゃないですか? 守矢派だった連中は軒並み地位をはく奪されたみたいですし、次期幹部に…」
「昇級の件でしたら辞退しましたよ」
「なぜ?」
「まだ自由でいたいんです。今の立場じゃないと出来ない事が沢山ありますし」
「よく辞退を許してくれましたね。抜けた穴を埋めるためにも、文さんのような人材を欲しがると思いますが」
「そのワガママを通すために、今回の功績はチャラにしてもらいました」
「そうまでして何がしたいんです? 部下や領地、褒賞を手放すに値することですか?」
「幻想郷にはいろいろな勢力や種族が渦巻いています。今の内に人脈や意思疎通が出来る相手を作っておかないと」

高官天狗の看板を背負っては、それは出来ないと文は思っていた。

「八方美人は懲り懲りだったのでは?」
「貴女が美人と呼んでくれるなら、もうしばらく八方美人でいるのも悪くありません」
「無理しないでくださいよ。貴女は冷静そうに見えて、ここ一番で思い切った事をするので放っておけない」
「危なっかしいのは椛さんも同じでしょう。今回は運が良かったものの、下手したら死んでましたよ?」

咎めるような強い口調で言った。

「反省してます。もうしません。先輩からも釘を刺されましたし」
「会ったんですか?」
「夢だったのかもしれませんが。しかし、あれは紛れもなく私の知る先輩でした」

自分はこの世界から、それほど嫌われていない事を教えてくれた。

「貴女がそう言うのなら、それは間違いなく先輩さんだったのでしょう」

話しながら文は立ち上がり、椛の正面に立った。

「さてと椛さん、今、私の事を『放っておけない』と言いましたね?」
「言いましたが?」
「今の貴女にとって、私って何ですか?」

後ろで手を組み、顔を寄せる。明らかに何かを期待していた。

「親友、じゃ駄目でしょうか?」
「………ふむ。まぁいいでしょう」

少し心残りがある表情をしてから顔を離す。

「初めて会った時は気に入らない奴。そして今は親友。次に同じ質問をした時、なんとお答えしてくれるか楽しみにしています」

無邪気に文が笑う。
この表情こそが、彼女の自然体の笑みなのだろう。とても綺麗だと椛は思った。

「おや、その顔。ひょっとして私のスマイルに魅せられちゃってる感じですか?」
「それなりに素敵な表情だとは思いますよ」
「お、これは好感触。今ならキスぐらい、頼んだらさせてくれたりします?」
「また殴り倒されたいんですか?」
「あややや。これは手厳しい」























翌日の朝。
椛の自宅からわずかに離れた場所。
河童の大工達が適度な長さに切った材木を、石で組まれた基礎の上に立てて、家の骨組みを造っていた。

「まさか隊長職を一回やっただけで、新築を建てる額が溜まるとは」

椛は大工達が休憩に使うゴザの上に座りその様子を眺めていた。大工は全員作業中のため、そこにいるのは椛だけである。

「こんなことなら、もっと早く隊長になっておけば良かった」
「これからも続けるんだろう? なら良いじゃんか?」

作業に加わっていたにとりが休憩所にやってきた。

「すみません。破格の値段で設計から施工までやっていただいて。土地代で結構な出費だったため、助かりました」
「なに、友達割引さ」
「それなのに色々と口出しするのは大変心苦しいのですがね」

休憩所の壁に貼ってある完成図を見る。

「玄関に描かれている『ヒグマロボ(迎撃システム)』とは一体なんですか?」
「セキリュティを強化しようと思ってね。ドアを指紋と網膜認証にして、登録にない者がドアを開けようとすると、ドアが開いてヒグマロボが先制の溜めパンチをお見舞いするって寸法さ」
「宅配や回覧板持ってきた人が死ぬじゃないですか」

根気強く説得し、通常の戸にしてもらった。

「そうそう、これは私からなんだけどさ」

にとりは別の設計図を広げる。

「隊長を継続するんでしょ? 隊長が平隊員と同じ支給品を扱うのも格好がつかないと思ったから」

そこにはにとりがデザインした剣が描かれていた。

「形状や刃渡りは正規品とほぼ同じなんだけど、地金と柄の握り材質を変えようと思って、どうかな?」
「…」

しばらく椛はそれを眺める。

「反り具合はこのままで、刃渡りをもう一寸伸ばしてください。あと柄に重心が集まるようにして頂ければ、とても扱いやすくなるハズです」
「うん、任せて。それと剣の銘はどうする?」
「銘、ですか?」
「うん。やっぱりオリジナルなんだから、名前を付けないと。私的には『菊イチ門痔』がオススメだよ」
「叩き割りますよそんな名前にしたら。しかし銘ですか…」

椛の頭に、一つ名前が浮かんだ。

「※※※という名前はどうでしょう?」
「女の人の名前だね」

最近の年代の子供にはあまり付けられない、何世代か前の系統の名だと、にとりは思った。

「わざわざ愛刀の名前に使うって事は、その名前の人に何か思い入れでもあるの?」
「記録には残っていませんが、この世に確かに存在した、白狼天狗の少女の名です」

椛は以前、ダム騒動で何があったのか、気持ちの整理がついたら語る事を約束していた。

「訊いてもいいかな?」

椛の真剣な面持ちから、ようやくその時がやって来たのだと理解する。

「少し長くなりますがお付き合いください。犬走※※※という。白狼天狗の話です」

幼少の頃から現在に至るまでのことを、椛は語り出した。




















この日、椛は守矢神社を訪れていた。

「いらっしゃい。よく来たね」

守矢神社の本殿にいるのは神奈子だけで、諏訪子と早苗の姿は無い。

「どうですか、初めての敗北は?」
「そうね」

気を抜けば半透明になる手を神奈子は見つめる。

「お前さんはすごいな。こんな悔しい思いを、数えきれないほど経験してきたわけか」
「敗北は悔しいだけじゃありませんよ。痛くて辛くて、喪失感に恐怖、未練と恨み、それらを同時に味わうんです」
「これでも傷が浅い方なのね。ダム建設で揉めた際、敗者の念に触れてたけど、まだまだ深かったのね」

井の中の蛙だったと自嘲した。

「お望みなら、次こそは私と同じ痛みを教えてあげますよ。不敗神話の崩れた軍神など恐るるに足りませんから」
「いえ、しばらくは大人しくしているわ。支配や計略は当分休業よ」

その当分が神様の感覚で何年先なのかはわからない。

「負けたって自覚があるなら、詫びの一つでも欲しいですね」
「詫びたいけれど、生憎と素寒貧でね。何も渡せそうにないわ」
「物は結構です。落ち目の神様からの贈り物なんて、縁起悪い」
「じゃあ今この場で土下座すれば許してくれるのかしら?」
「人様の故郷を水溜りに沈めて、戦友や同胞を散々侮辱して、私自身、何度も命を落としかけてるんですよ。それで済むとお思いで?」
「今は頭を下げる事しか、やれることが無いわ」
「土下座はしてもらいます。ただし、時と場所は私が選びます」
「どういう事?」

怪訝な顔の神奈子に向け、指を一本立てた。

「たった一回で構いません。私が『土下座してください』と言った瞬間に、そこが泥沼だろうと、便所だろうと、大勢が見ている場であろうと、絶対に土下座してください。それで結構です」
「それで結構ですって、私達神にとって、それがどれだけ致命的なものかわかってるの?」

信者の前で、白狼天狗に土下座などしたら、信仰はだだ下がりである。
信者の前でなくても、その時の状況によっては、自身の精神を揺るがす屈辱を与えられるかもしれない。

「処刑されても文句言えない敗北の将に対して、たった一回の土下座で、チャラにしてやるって言ってるんです。これ以上に破格な贖罪はありませんよ羨ましい」
「………わかったわ。結びましょう」

その後、特殊な儀式を介してその約束は結ばれた。それにより、その約束は破ることのできない絶対の契約となった。

「この約束がある以上、私が生きてる内は、下手な考えは起こさない方が身の為ですよ?」
「だから大人しくしてるって言ってるでしょう」
「信用できませんね。貴女みたいな神様の言うことなんて」

約束の内容が書かれた契約書を懐に仕舞い本殿を出ようとする。

「貴女は天魔様と大天狗様に敗れたんじゃありません。貴女が侮辱し、歯牙にも掛けなかった者達の想いに負けたのです。努々(ゆめゆめ)、お忘れなきよう」
「刻んでおきましょう」

最後にそれだけを伝え、椛は本殿の扉を閉めた。









椛が去ってすぐ、諏訪子が本殿に入ってくる。

「ずいぶんとギッタギタに言われたみたいだね」

普段と変わらぬ風を装ってはいるが、長い付き合いのため、参っていることくらい簡単にわかった。

「一つくらい言い返しても良かったんじゃない?」
「私が今まで負かしてきた連中は全員、私が出した条件と悪罵を全て受け止め飲んだんだ。私もそうしなければ、神としての格が下がる」

そういう意地を別の所に向ければ、もう少しマシな神になれるだろうにと、諏訪子は思った。

「んで。問題はこれからどうするかだ。発電所に全財産つぎ込んで全部無駄になったんだ」

天狗の温情で、報復も賠償請求もしてこないらしいが、先立つものが何一つ無い。

「現世(うつつよ)に追いやられて幻想郷に移ったというのに、まさかここでも追いやられることになるとはね」
「まだ、なんとでもなるかと思います!」

早苗が紙の束を抱えながら、急ぎ足で入って来る。

「悪いけれども早苗、今は大事な話をしている。後に…」
「毎週何度も人里を訪れて信者になってくれる方を増やしてきましたし、博麗神社の宴会にもいつも顔を出して、力を貸してくれそうな方とも知り会えました。まだまだ私達は盛り返せます!」

分社の設置を許可する覚書の束を神奈子の前に置く。束の全てに印鑑が捺されている。

「他にも、お札や御守、神棚の依頼もたくさん取り付けて来ました。お金も信仰もガッポリです!」

人差し指と親指をくっ付けて、丸を作り、神奈子に向ける。

「おい、これでも替えが効く存在だなんて言えるか?」

意地悪い顔で諏訪子が問う。

「そうね。今までお飾り扱いしていたのが勿体無かったわ」

その言葉を聞き、諏訪子と早苗は互いの両手を合わせる。

「いずれこちらも、外の世界のように、大量の電気を必要とする時が来るでしょう。それまでは天狗と仲良しごっこをするのも悪くない」
「私と戦争の手打ちをした時も、そんな事を言ってたっけな?」
「まずは誠心誠意謝りましょう。なんなら友好の証として結婚とかもしちゃいますから! 椛さんとか! 椛さんとか!! 椛さんとか!!!」
「それは待て早苗!!」
(二本なら容易く崩れても、三本の柱なら、すぐに崩れることはないのかもしれないわね)

折れるも残るも、全て彼女たち次第である。

















守矢神社の石段を降りると、文とはたてが待っていた。

「どうだった?」
「少しだけ胸がスッとしました」
「それは良かった」

三人並んで歩く。

「神奈子に言いたい事言ったら、なんだか色々と解放された気分です」
「守矢のことで頭が一杯でしたからね」
「そういえば巷で、またなんか騒ぎが起きてるみたいだよ? 巫女も動いてるみたいだし、異変かも?」

首を突っ込んでみる?というはたての問いかけに、椛は首を振る。

「危険そうなのは、当分ごめんです。しばらくはゆっくりしてます」
「じゃあ温泉とか?」
「ナイスアイデアですよはたて! どうですか椛さん!」
「これから寒さも本格化しますし、良いかもしれませんね」
「やったー! 良い宿知ってるんですよ私!!」

喜びはしゃぐ文。そんな文を見て、呆れつつも満更でもない様子の椛。それを見て苦笑するはたて。
三人はようやくいつもの構図を取り戻した。

「椛の新しい家はいつ頃出来るの?」
「あと一月もあれば」
「楽しみですね」
「しかし、この私が新居だなんて、まだ信じられません、未だにこれは夢なんじゃないかって気がしてなりませ……いだだだだ」

左右から頬を抓られる。

「大丈夫、現実です」
「本当の事だから大丈夫だよ」
「だからって抓むことないでしょう。左右同時とかどんな懲罰ですか」

頬を摩りながら唇を尖らせる。

「御柱を壊すために命を捨てようとした事。すごく怒ってるんですからね?」
「うん」
「……ごめんなさい」

もう自分だけの命ではないのだと、椛は実感した。





少し進むと、守矢神社によって作られたダムの傍までやってくる。
自然に三人の眼が、慰霊碑に注がれる。

「手を、合わせておきましょうか?」

文がそう提案すると、二人は頷いた。


三人は慰霊碑に黙祷を捧げる。
文とはたてが終えても、椛はまだ目を閉じており、その姿勢のまま五分、十分と時間が過ぎていく。
祈り始めてから十五分経ってようやく椛は目を開けた。

「すみませんでした。私だけ長々と」
「いえ、構いません」

椛の心中を察すれば、十五分ではとても足りないと思えた。

「私はたまたま運が良かった。どこかで一つ、何かが違っていたら、きっと向こう側にいたんだと思うと、なかなか止められなくて」

椛はダムの壁に背中を預け、見上げる。あたりの木は落葉を終えて、冬支度を始めていた。

「ことある毎に、白狼天狗として生まれて来たこの身を恨み、悔やんできました」

生まれが全ての元凶だと、呪った。

「でも今は、そんな事はこれっぽちも思いません」

椛は柔らかく笑う。

「白狼天狗として生まれて来て良かった。こうして貴女達に会えたのですから」

犬走※※※の亡霊として存在し、その日その日を惰性で生きていた白狼天狗はもうどこにもいない。

「…」
「…」

文とはたては言葉を失った。
二人は、椛を救う方法をずっと探していた。
それは未だに見つかっていないが、今、その鱗片が見えた気がした。

(これからも傍に居て、心を通わせよう。椛がいつか自分自身を肯定して、許せるように)
(これからもずっと愛していこう。椛さんが自分自身を愛せるように、自分の命が尊いモノだと気付けるように)

その道を進んでいけば、いつか求めていたモノに辿り着ける気がした。

「これはなんとかなりそうですねはたて」
「そうだね文」

お互いに考えている事がわかって、二人は不敵に笑い合う。

「どうしたんですか? 何か良い事でも?」
「はい。とびっきりの特ダネです!」
「うん。永久保存モノのビックニュース!」

壁に背中を預ける椛の手を二人は取る。

「なんですか一体?」
「嬉しくなると、無性に走り出したくなりません?」
「喜んで庭駆け回らない?」
「雪が降った時のイヌじゃあるまいし」
「そんなの関係ありません! 走りましょう!!」
「レッツゴー!!」
「ああっちょっと!?」

二人に手を引かれ犬走椛は走り出す。

落葉した紅葉に彩られた山道が、三人の進む先に広がっていた。
ここまでお付き合いしてくださいまして本当にありがとうございます。

本来なら8話目で綺麗に終わっている話でした。
しかし8話目を投稿してしばらくして「このSSの犬走椛はあれで本当に救済されたのか?」という疑問が浮かび、
蛇足だと自覚しつつも9話以降を書こうと決意しました。

歩け! イヌバシリさんは今度こそこれで完結です。
2011年の5月から始まったこのシリーズ。
様々な方が支えてくださったお蔭で、ここまで書き切ることができました。

感謝の気持ちで一杯です。

>>朝日を夕日に変える程度の能力 さん
 修正致しました、いつも教えてくださり本当にありがとうございました。お手を煩わせてしまいすみませんでした。非常に有難かったです。
>>一条 さん
 ありがとうございます。修正致しました。
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コメント



0.4290簡易評価
1.100奇声を発する程度の能力削除
大長編完結お疲れ様でした
とっても面白くて良かったです
2.100名前が無い程度の能力削除
長編お疲れ様でした。
これで終わりってのが少しさびしく思いますが、とても楽しく読ませていただきました。
ネタも存分に仕込んであって面白かったですよ。

大天狗様が可愛いです。
天狗であれば立候補したものを…
3.100ゆら削除
最後だからとヒグマさん大盤振る舞い……ボクハキミニアウタメニウマレテキタノカモシレナイ
友に愛され、山に愛され、イヌバシリさんはようやく走り出せたんですね。本当に素敵なお話でした。大長編お疲れさまです。
ありがとうございました。
8.100ばかのひ削除
最高でした。
読み終えてすぐの今はことばがなにもでてこないほどに
幸せです。本質さん、ありがとうございました
9.100名前が無い程度の能力削除
完結お疲れ様でした
決して大団円というわけではないですが一つのけじめの物語として楽しく読ませていただきました
10.100名前が無い程度の能力削除
完結本当にお疲れ様です
私が最初にこのシリーズを読んだ時に魅せられたのは、たしかギャグのテンポのよさだったと思います
そこから話が進んでいき椛の暗い過去が出てきたときは、なんだこれ! なんだこれ! と驚きながらも、嫌とは思わずすっかり話に引き込まれて、みんな幸せになってくれよと心のそこから考えてしまうほど魅力的なお話でした

椛もそうだけど大天狗様が元気になってくれて本当によかった!
13.100名前が無い程度の能力削除
最高
14.100名前が無い程度の能力削除
完結おめでとうございます!
17.100名前が無い程度の能力削除
遂に終わりか~。寂しい気もするけど完結してよかった。

重要なキーパーソンである雛さんが最後の後日談に全く出てこないのは「~それだけで、私には十分。」ってのが物語ってるのかな。

彼女はきっと何処かでニコニコ笑ってる。
19.100名前が無い程度の能力削除
毎回ギャグで笑って陰謀策略でイライラして、とても印象に残るこのシリーズも遂に終わるんだと思うとなんかくるモノがあります。何はともあれ完結お疲れ様。
ゆっくり休んでまた気が向いたらSS投稿してください。お待ちしております。
21.100絶望を司る程度の能力削除
完結、おめでとうございます。
椛は本当の意味で救われたと感じました。
22.100名前が無い程度の能力削除
大長編完結お疲れ様です。毎回楽しませてもらいました。
今までの事を思い返すと、椛が幸せになって本当に良かったです。
次の作品を投稿する機会があれば、楽しみに待っています。
27.100名前が無い程度の能力削除
完結おめでとうございます。
イヌバシリさんの物語が終わってしまったかと思うと胸がいっぱいになります。大天狗様!俺だ!結婚してくれ!
28.100名前が無い程度の能力削除
お疲れさまでした。
イヌバシリさんシリーズを一作目から楽しく読ませてもらってます。今回ついに完結となり、一ファンとして寂しくもありますがそれ以上に嬉しく思います。
この目で最後まで読むことができて本当に良かったです。
29.100名前が無い程度の能力削除
とても素晴らしかったです。
まだまだこれからも、今度は真に平和になった妖怪の山での3人をとりまく世界が見てみたいですが、これほど綺麗に締めくくられた物語ならこれでいいのでしょうね。
第1話から最終話まで全て面白くて、これほど心を動かされる事はありませんでした。
本当にお疲れ様でした、ありがとうございます。
30.100名前が無い程度の能力削除
番外編その後のショートショートが見れたらなあ、最高なのになあ
チラッチラッ
31.無評価名前が無い程度の能力削除
それと最高でした。ありがとうございました。お疲れさまでした。
むしろ丸々一話の長編でも…チラッチラッ
32.100名前が無い程度の能力削除
1話から毎回楽しく読まさせて頂いてました 、お疲れ様でした、そしてありがとうございました
大好きなシリーズが終わるのは寂しくありますが、このような救われた結末を見て大変満足してもいます。
このようなお話は大好きなのでまた新たな作品が読めたらと思います
36.100名前が無い程度の能力削除
最高の作品をありがとうございました!
38.100一条削除
お疲れ様でした。
長きにわたり楽しませていただいたこと、感謝申し上げます。

さて……
隊が発足して半年くらい、お前を男だと思ってからな?→思ってたからな?
「祝福しなさい。今日が幻想郷にとって歴史的日になったわ」→歴史的な日になったわ
道ずれ→道連れ

終幕の場に無粋至極とは存じますが、報告申し上げます。
39.100朝日を夕日に変える程度の能力削除
選んでだものだそうです
→選んだものだそうです

『こんなこともあろうかと』を地で良く私を舐めんな!!
→『こんなこともあろうかと』を地で行く(ゆく)私を舐めんな!!

彼女もまた、戦っているのだ。
友のを守りたいという
→彼女もまた、戦っているのだ。
友を守りたいという

いつも立ち位置が逆になる
→いつもと立ち位置が逆になる

一緒に過ごす内、だんたんと可愛く思えてきて。
→一緒に過ごす内、だんだんと可愛く思えてきて。

大天狗もですか?
→大天狗様もですか?

情報集めるによる疲労
→情報集めによる疲労

椛の気持ちを切り替えさせる事の出来る、気の利いた言葉出てこない。
→椛の気持ちを切り替えさせる事の出来る、気の利いた言葉が出てこない。

電解熱以上のエネルギーが得られば
→電解熱以上のエネルギーが得られれば

その内容を大天狗に報告にした。
→その内容を大天狗に報告した。

すぐにでも発電が不可能なるよう
→すぐにでも発電が不可能になるよう

部屋の隅に、先ほどまで執刀し、手を休めていた医者に話しかける。
→部屋の隅にいる、先ほどまで執刀し、手を休めていた医者に話しかける。

厄を引く受ける
→厄を引き受ける

しかし、この時だけは、いつも違う回答をする。
→しかし、この時だけは、いつもと違う回答をする。

「何故をその方を?」
→「何故その方を?」

守矢が自分たちの犯行を誤魔化すために決まっている
→守矢が自分たちの犯行を誤魔化すために(~したに)決まっている

「お前達を部下になれて、私は運が良い」
→「お前達を部下に持てて、私は運が良い」

大勢を立て直して浮上する。
→体勢を立て直して浮上する。

どこまで広くてスッキリしてる
→どこまでも広くてスッキリしてる

「ここに温泉旅館にでも建てるの?」
→「ここに温泉旅館でも建てるの?」

今日が幻想郷にとって歴史的日になったわ
→今日が幻想郷にとって歴史的な日になったわ

秋はみんなノルタルジックな気持ちになるせいか
→秋はみんなノスタルジックな気持ちになるせいか

分社に壊すのに使った
→分社を壊すのに使った

自分か何者か思い出せない。
→自分が何者か思い出せない。

紅色の正体の気付いた時
→紅色の正体に気付いた時
40.無評価朝日を夕日に変える程度の能力削除
続き
得点はさっき入れたから…

もう完全塞がったようなじゃな
→もう完全に塞がったようじゃな

腕を怪我を見た時
→腕の怪我を見た時

姫海棠という姓は天狗社会ではさして有名なものではい
→姫海棠という姓は天狗社会ではさして有名なものではない

その道を自分なりに進むもうと思った
→その道を自分なりに進もうと思った

もう少しマシに神になれるだろう
→もう少しマシな神になれるだろう

そういうば巷でまたなんか騒ぎが起きてるみたいだよ?
→そういえば巷でまたなんか騒ぎが起きてるみたいだよ?

かな?
違ってたりあえてそういう表現だったとしたらごめん


最高に面白かった
このシリーズに何リットル水分絞られたかw

そのくらい話に夢中で読みながら笑って、そして泣いた

終わっちゃったのが残念でありながらも爽やかに完結していて嬉しい

その後の話を期待しても良いよね?
41.100名前が無い程度の能力削除
大長編お疲れ様でした!物語を読んで泣いたのはいつ以来かと思うほど感動しました。正直これで完結なんて寂しいですがまた貴方の幻想郷の物語を読める日を楽しみに待っています!
42.100名前が無い程度の能力削除
蛇足だなんてとんでも無い
本物の大団円を堪能させて頂きました
自宅も気持ちも新しく心機一転、椛の未来に幸あれ
もっとこの妖怪の山の連中を見ていたかったですが、始まりがあれば終わりもあるのが当然なので仕方ないですね
単純にかけあいが面白いのも、笑える事件も、深刻な話題も、全てが最高でした
個人的に、諏訪子の相手を凄む時とかに出る、ヤンキー口調が何か好きでした
でも一番神様らしい神様って、ぶっちゃけ雛なんやな…なお、神奈ちゃんは土下座させられるもよう
意外だったのは再起不能レベルの重傷だと思われたサイコレズが元気に帰って来たこと
ゾンビか何かかお前は
大天狗様は椛の同僚の脳筋が結構お似合いに見えたんですが…そいつからも散々な言われようで、独身生活がまだ続きそうで笑いました
それにしてもヒグマロボ万能すぎる
山の地面に格納されまくりアンド他人の家にも設置できるまで進化しているとは
あー語りだしたらキリが無い

面白かったです、毎回楽しませて頂きました
イヌバシリさん1に最初にコメントした時からリアルタイムで読み続けて、ラストまできちんと読み切れたのは感慨深いです
気が向いたら外伝、或いは同じ世界観で別の東方短編などを書いてくだちい
44.100名前が無い程度の能力削除
いや、本当に良い作品を有難うございます叶わぬとは思いつつ後日談を書いて欲しい自分がいる…
46.100名前が無い程度の能力削除
終わってしまった…。
長いそそわの歴史の中でも指折りの大長編、お疲れ様でした。
本当の意味での救い、というテーマで一度は終わってしまったと思われた作品の後日談どころではない素晴らしいものを読めた事に感謝です!
47.100名前が無い程度の能力削除
堂々の完結、お疲れさまです。長々語るには語彙が貧困なため、一言だけ。

めっちゃ面白かったです。
48.100名前が無い程度の能力削除
更新を心待ちにしてました。大変面白かったです。
出来ることなら番外編でも読みたいですし、他の勢力も気になります。

作者さんの次なる作品を読めると嬉しいです。
50.100ななな削除
楽しみをありがとう。
この椛の話が閉じるのは惜しいが貴方様の次回作を待ってます。

この椛、心が強くて可愛くて実に魅力的でした

完結お疲れ様でした(泣)
52.100えぬろくよん。削除
完結をいまかいまかと待っていたかいがありました。

ただ一言、「ありがとう」を。
56.100名前が無い程度の能力削除
お疲れ様でした。
いつも続編を楽しみにしていました。
次回作を期待させていただきます。
57.100白銀狼削除
素晴らしかったです。
61.100名前が無い程度の能力削除
一話目からずっと楽しませてもらいました。
これからも作者様の新作をお待ちしております。
62.100名前が無い程度の能力削除
完結おめでとうございます!
椛だけじゃなくて、皆強くて素晴らしいキャラクターで・・・
バナナが「お前は、本当に強い・・・」と喋りだしそうなくらいにかっこいい方々でした!

次回作があればもっと嬉しいです!
69.100ぴよこ削除
楽しませて頂きました。ありがとうございました。
75.100名前が無い程度の能力削除
創想壱!
77.100名前が無い程度の能力削除
お疲れ様でした。
79.100リペヤー削除
GJ
ただひたすらに。
83.100名前が無い程度の能力削除
ただただ素晴らしかったとしか言えません。
3人には幸せになって欲しいですね……
85.100名前が無い程度の能力削除
完結おめでとうございます。
一つのものが終わるのは、それだけで尊いものだと思います。
すごくこのシリーズが好きで、出てくるキャラクターも好きで、とても楽しませてもらいました。
本当に今までありがとうございました。
87.100名前が無い程度の能力削除
大長編お疲れ様でした。
毎回本当に面白く拝見させてもらいました。番外編などあれば嬉しいです
88.100名前が無い程度の能力削除
先輩の言葉からの 紅葉に守られた椛に涙腺が決壊させられました
素晴らしい作品をありがとうございます 完結お疲れ様です
本質さんと椛達に幸多からんことを!
91.100名前が無い程度の能力削除
椛が最後に歩くようになって本当に良かった。
幸せになって本当に良かった。
これほどまでに救われて欲しいと思ったキャラはいなかった。
椛よ、幸せあれ!
95.100名前が無い程度の能力削除
名作であることは揺るぎないかも
97.100名前が無い程度の能力削除
大作お疲れ様でした!
98.100名前が無い程度の能力削除
素敵な天狗勢を堪能させていただきました!
100.100名前が無い程度の能力削除
あー、また一つ名作が完結してしまった。
何はともあれ、お疲れ様でした!
101.100名前が無い程度の能力削除
これはもう自分の中で文句なしの殿堂入り作品です!!
102.100名前が無い程度の能力削除
約3年と半年に渡る長編作品完結お疲れ様でした。
こういったSSでここまで感動したのは正直初めてです。
また1話から見直してこようと思います。
楽しく読ませてもらいました! お疲れ様でした!

今後も本質様の作品が出す機会があれば見させてもらいますね!
103.100名前が無い程度の能力削除
長きに渡る大作の作成本当にお疲れ様でした、これで犬走りさんのシリーズは終わりかと思うとやはりさびしいですね。やはりこの話は読む人を引き込む魅力に溢れています、いままで前を向けなかった彼女がこれでやっと前を向いて歩き出せる様になったのも今までの、そしてこれからの仲間達のおかげでもあるんですね。これから三人がどの様な日々を過ごしてゆくか想いを馳せながら、次の大作が出来るのを楽しみに待ってます。本当に有難うございました!
105.100名前が無い程度の能力削除
大作お疲れ様でした。
全話が非常に綺麗に繋がった、まさに完成された作品でした。
107.100名前が無い程度の能力削除
大長編完結おめでとうございます。
今までとても楽しく読ませていただきました。
本質さんありがとうございます。
109.100名前が無い程度の能力削除
これほど山の面子を魅力的に描いた作品を他に知りません。
特に迫力ある諏訪子さま、文と椛の爽やかな距離感、そして椛が開放されるシーンは鮮やかなイメージを伴い強い印象を受けました。

可愛くかっこいい大天狗さまがもう見れなくなるのかと思うと胸が締め付けられますが、でもこの作品にであえて本当に良かったと思っています。

天魔さまがお腹を貫かれるシーンから、一気にゾクゾク感が増してそこから終始涙が出っぱなしでした。
はたて覚醒も狂気じみていてぞわりとしました。

長い間、本当にお疲れ様でした。
読めて感謝の気持でいっぱいです。
113.100名前が無い程度の能力削除
深夜に一気読みしてぐったり二回も見ちゃったよ
116.100名前が無い程度の能力削除
やっぱ諏訪子いいなぁ〜
121.無評価みなも削除
月並みなセリフですが、最高でした。

自分の怒りややるせなさに向き合っているもみじをみて、悲しみ、喜び癒されました。

もみじの物語はもうおわりもうおわりでもうおわりでかまさなもうおわりでかまもう終わりで悲しいですが、大天狗さんの物語は全然終わってませんね。

次回、大天狗様のおわれない婚活物語楽しみにしてますしてます。(笑)
122.100みなも削除
月並みなセリフですが、最高でした。

自分の怒りややるせなさに向き合っているもみじをみて、悲しみ、喜び癒されました。

もみじの物語はもうおわりもうおわりでもうおわりでかまさなもうおわりでかまもう終わりで悲しいですが、大天狗さんの物語は全然終わってませんね。

次回、大天狗様のおわれない婚活物語楽しみにしてますしてます。(笑)
123.100名前が無い程度の能力削除
GJ(グチョグチョになるくらいグッドなジョブの意)
129.100名前が無い程度の能力削除
大団円とは最高のカタルシスであり、バッドエンドやトゥルーエンドはその後のハッピーエンドを際立たせるための最高のスパイスである。
それをこのシリーズから学びました。
毎回毎回クオリティの高い計略謀略合戦と、ブラックドロドロ厄満載な御山の暗黒面にフラストレーションを貯めておりましたが、それまでのマイナス方向の動揺が全てプラス面にメーター振り切れて、ああもうこれでもみもみは救われたんやな。救われるためにようやくある気出せたんやな、と。感極まり。
一話から追いかけ三年半。どの話も思い出深く、私の中の財産であります。
よい作品をありがとうございました。
130.100名前が無い程度の能力削除
素晴らしい作品に出会えたことに感謝
131.100名前が無い程度の能力削除
オリジナルのキャラが本当に溶け込んでいて、なおかつ大変読みやすかった
135.100名前が無い程度の能力削除
GJ
136.100名前が無い程度の能力削除
いいシリーズを何年もありがとう。
138.100名前が無い程度の能力削除
ケチは付けないさ
140.100名前が無い程度の能力削除
ほんと読み応えのあるシリーズでした。
お疲れ様
141.100名前が無い程度の能力削除
一気に読みました。朝になってました。
合コン大好き大天狗に振り回され、念写記者の社会復帰を手伝わされる第1話から、
自分の半生と妖怪の山を巻き込んだ一大バトルものになるなんて、だれが想像できましょうか。
ギャグ中心の展開からアツいバトルものへと発展していく姿は、
ジャンプの長編に通じるものがありました。
文句なしの名作。大変楽しませていただきました。
142.100名前が無い程度の能力削除
最後までおもしろかったです。
大長編お疲れ様でした!
145.100名前が無い程度の能力削除
「歩け!イヌバシリさん」・・・走ったやないけ!

それなりの月日をかけて読んできた面白いものが終わる寂しさって歯がゆいものですね
色々スッキリしてあれこれ浮かびませんので「面白かった」とだけ贈らせていただきます
146.100名前が無い程度の能力削除
歩けイヌバシリさんおもしろかったです。

モミジと一緒に泣き、そして笑って最後まで読みました。

本当に素敵な作品をありがとうございます
147.100名前が無い程度の能力削除
歩けイヌバシリさんおもしろかったです。

モミジと一緒に泣き、そして笑って最後まで読みました。

本当に素敵な作品をありがとうございます
150.100トーラス削除
俺はあなたを許さない!
8話で終わりと勝手に思い込んでここを卒業したのに出戻っちまったよ
しかも貴重な休日を全て続章に使わされたよ!

はい、全て俺が悪いっすorz
復習込みで全章一気読みしてきやした
最高で最良の一時(1日)をありがとう御座いました
俺に絵心があれば頭に浮かんだ沢山の場面を書いてみたかった…

長々書いちゃったけど最後に一言
ヒグマの溜めパンってポールに恨みでもあんのかwww
153.100アントニオ猿L削除
犬走椛こと、犬走○○○(もしかすると楓……でしょうか?)に
幸と報いと祝福がありますように

素晴らしいシリーズを読ませて頂きまして、ありがとうございます