(後半戦です。初めての方は前半を見てからをお勧めします)
私は八卦路に乗って左上空から弾幕を発射する!!
箒はないが、八卦路にはこういう使い方もできる。八卦路を攻撃に回す手もあるが、それでは中のアリスにも被害が及ぶ可能性がある。
「ぴ、ぴ、ぴ、ぴぎゃぁぁぁぁぁああ!?」
妖怪が声にならない声を上げる!!妖怪でも痛いものは痛いということか?その間に両津さんはゆっくり右側に回る。焦る必要はない。私が十分注意をひきつけた後でいい。私がアイコンタクトを送ると両津さんは黙ってうなづく。
魔理沙「よし、妖怪。そうだ、こっちだ・・・」
私は引きつけつつ、慎重にスペルを選ぶ。選んだのは”星符「ミリ秒パルサー」”。回転しながら星をバラまく攻防一体のスペル!!本来は箒を持って体当たりをかますスペルだが、私はゆっくりと上空を漂うように星をばらまく。ダメージはないが、派手さ抜群。妖怪は案の定、私の方に注目している。そこへ・・・
ザシュッ!!
「ぴぎゃぁぁぁぁぁああ!?」
両津さんの木刀の一閃。浅いものの、まるで真剣で斬られたような切り口だ。
両津 「うぉぉぉおおお!!」
雄叫びを上げつつ、猛烈なラッシュ!!しかも良く見ると切り口が徐々に深くなっている。アリスを傷つけないように配慮してくれているらしい。妖怪もめちゃくちゃに暴れているが、両津さんにかすりもしない。
いや、狙ってやっているのか?私に危害が及ばないように?だとしたら、この人、すごい技量だ。しかし皮膚が分厚いのか、一向にひるむ気配がない。
魔理沙「両津さん!!このままじゃ埒が明かない!コイツにアリスを吐き出させよう!!」
両津 「どうやって!?」
魔理沙「奴の口を開かせてくれるか!?」
両津 「分かった!!任せる!!」
そういうや否や、両津さんは両足を地面につけて踏ん張る。当然、妖怪は動きの止まった両津さんに襲い掛かるが、あっさり地面に叩きつけられる。起き上がる、襲う、叩きつけられる。起き上がる、襲う、叩きつけられる。これが5回ほど繰り返されただろうか。妖怪は初めて動きを止める。そして、それを見逃す私ではない。
ブレイジング・スター!!
私は奴の口をめがけて突撃!!箒がないと加速が今一だが、それでも奴は私の姿を捉えられなかっただろう。私は突進で口をこじ開け、魔法薬を投げ込んだ。前の宗教対戦でも使ったやつだ。
「お、お、おぇぇぇええええええ!!」
両津 「!! 危ない!!」
奴の嘔吐物がかかる前に間一髪で両津さんが救い出してくれる。しかしこれでアリスは・・・
吐き出されなかった・・・。
魔理沙「・・・・・・あれ?」
両津 「もう消化された・・・というわけじゃなさそうですね・・・」
私の早とちりだったのか?てことはさっきまでのバトルは一体・・・
急に空しくなった私は両津さんに声をかける。
魔理沙「と・・・とにかく会場に戻ろうか・・・」
???「いえ、地獄にご招待してあげるわ」
((ぞくっ!!!!))
何だ、このプレッシャーは!?後ろに振り向かなくちゃいけないはずなのに、首が、いや、指先すら動かない。
両津 「う・・・あ・・・」
あっちも同じか。流石の両津さんも冷や汗たらして固まっている。
???「どういう意図か知らないけど、私のお花を傷つけてタダで帰れると思うのかしら」
振り向いた私たちの視線の先には八雲も一目置く大妖怪、風見幽香がそこにいた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(さかのぼること、10分前)
(屋台近くの小川:アリス視点)
霊夢 「もう綺麗になった?」
アリス「うん・・・ありがと・・・」
私は霊夢にそういった。
魔理沙に見捨てられた私を助けてくれたのは霊夢だった。彼女も彼女でトイレに行こうとした矢先、叫ぶ私の声を聞いて駆けつけてくれたのだ。霊夢の護符の前に妖怪はあっさり私を解放し、そして汚れた私を綺麗にするために小川まで付き添ってくれた。
霊夢 「それにしても災難だったわね」
アリス「くぅぅぅ・・・あいつ等・・・」
あいつ等とはもちろん幽香と魔理沙だ。そもそも幽香があんなふざけたトイレを設置するからこうなったんだし、それを魔理沙が何をトチ狂ったか、その光景を男に公開しようとしたのだ。この恨み、晴らさで置くべきか。
霊夢 「で、どうする?このまま帰る?それとも戻る」
アリス「帰りたいけど、逃げたと思われるのも癪ね」
何よりも仕返しせねば。あいつ等、男の前で裸にひん剥いて吊るしてやる!私はスペルカードを確認する。ゴリアテなんて生ぬるいカードじゃない。ザク、ゲルググ、ジオング、ササビー・・・私のオールスターで成敗してくれるわ!!
霊夢 「とにかく戻りましょう。ただ合コンでは平和的にね」
アリス「あんな世紀末みたいな男たちの前で平和ねぇ・・・」
霊夢 「そこは否定しないけど・・・私の勘が告げているのよ。今回は平和的に終わらない気がするわ」
アリス「気、じゃなくて、もう手遅れよ」
私は飛びながらそう言う。とは言え、大分離れちゃったし、着くまで結構かかるわね。あっちはどうなっているかしら。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(トイレ:幽香視点)
二人とも今頃になって後悔しているようだが、もう遅い。
幽香 「一応、言い訳くらいは聞いておこうかしら」
私は傘を振りつつ、そう言う。今から相手を丁寧にミンチ肉にするのだ。道具の手入れは欠かしたことはない。
魔理沙「ア、アリスが、その妖怪に食べられて・・・」
幽香 「・・・・・・・食べてないって言ってるけど」
この”子”の証言からはそのような事実はない。いきなりこの2名に襲われたと言っている。
幽香 「この子は”ウォシュレット・パックン”という私が開発した品種。トイレを豊かな香りで満たし、排便後は優しく掃除し、汚物の匂いを外に漏らさない、私自慢の傑作。もちろん人を食べるなんて手荒な真似はしないわ。下手な嘘をついたところで逃げられないわよ」
どうやらこれ以上話しても無駄ね。まず魔理沙からミンチに・・・
両津 「うりゃぁぁあああ!!」
ガキッ!!!
両津 「魔理沙さん!今のうちに・・・」
魔理沙「馬鹿!!あいつはそういうレベルの奴じゃ・・・」
幽香 「白馬に乗った騎士のつもりかしら」
私はそう囁いた後、耳元で強く”叫んだ”。
幽香 「はッ!!!!!!!!!!!」
両津 「ふ・・・あ・・・」
情けないうめき声をあげ、醜い騎士は倒れた。私の声は鼓膜を破壊し、三半規管を直接揺らす。私に接近した時点でコイツの運命は決まっていた。
幽香 「ほら、あなたのものでしょ。ちゃんと持って帰りなさい。」
私はそういって男を蹴り飛ばす。男は段ボールのように空を舞って魔理沙に激突した。
魔理沙「ぐあっ!!」
幽香 「これくらい避けなさいよね。それとも体で庇いたいと思うほど情が移ったのかしら」
ふふふ、お若いわね。いいわ、その熱さに免じて”一緒の畑の肥料”にしてあげるわ。
幽香 「それにしても・・・逃げないなんてずいぶん潔くなったじゃない」
魔理沙「逃げる必要がないからな」
幽香 「・・・・・あなた、私を甘くみているようね」
魔理沙「それはこっちのセリフだ。大妖怪でも人間を舐めてると足元をすくわれるぜ。”文字通り”な。」
それはどういう意味・・・?そんな私のセリフは閃光でかき消された!
ドォォォオオオオオオオオオオオン!!
幽香 「ぐわぁあ!!」
あ、足が・・・!!見ると右足に無数の裂傷が・・・。これは八卦路の地雷。しかしいつの間に・・・。そう考えた私は直ぐに回答を得る。あの時か。私が男を蹴り上げた時、魔理沙は八卦路を足元に転がしたのだ。避けなかったのではなく、私の意識が上に向いた瞬間を見逃さなかった。
幽香 「くっ・・・流石に戦い慣れているか・・・」
閃光が収まった時には魔理沙も男も消えていた。敵の足にダメージを与えつつ逃げる。教科書のような戦い方だけど・・・
幽香 「森で私に勝てると思って?」
私は耳を澄ませる。森の木々たちがネズミどもの居場所を教えてくれる。
幽香 「ふふふ、鬼ごっこの始まりね」
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(第1テーブル:鈴仙視点)
・・・ドォォォオオオオオオオオオオオン・・・
私は爆発音に目を覚ました。
いえ、正確には酔いが醒めただけなんだけど。
チャラ男「鈴仙さん、どうかしました?」
鈴仙 「いえ、さっきの音・・・。」
主将 「音・・・ですか?」
彼らには聞こえてないようだけど、私には確かに聞こえた、爆発音。そして・・・
鈴仙 「1,2・・・2人。1人は負傷し、1人が運んでいる。そして・・・1人が追いかけている。で、足に傷を負っている・・・。」
男2人 「???」
彼らに説明する暇がない。どうやら異常事態。鈴仙・優曇華院・イナバ、スクランブル発進。
鈴仙 「ちょっと出かけてきます。荷物見ててください。」
私は一つだけ荷物を掴み、後の荷物の見張りを頼んだ。
チャラ男「ちょっと、荷物って・・・・・・行っちゃった」
主将 「まぁあまり詮索するのは止そう。」
私はトイレの前にいる。どうやらここが爆発のあった場所らしい。地面が焦げている。血痕がところどころあるが、暗闇で良く見えない。私は荷物から愛用の銃を取り出す。取り出したのはソ連製・ドラグノフ狙撃銃。ソ連の銃というとカラシニコフ・AK-47が有名だけど、狙撃を考慮するならこれ。もう外の世界で旧式になったものを購入したものだ。
ドラグノフのスコープ越しに現在の音の発生源を見る。流石にこの闇の中じゃ何も分からないし、昼間であっても木が邪魔するだろう。とは言え、これなら匍匐前進の必要はない。私は音を頼りに木に突入・・・
・・・しようとして、また音を拾った。これは・・・霊夢と・・・アリスか。2時の方向の上空。しかし何でまた。
また音を拾った。これは・・・足を怪我している追跡者か。ということはさっきの逃亡者2人は霊夢とアリスか?しかし彼女たちの会話からはそんな危機感は感じられない。
鈴仙 「とりあえず、話を聞いてみるしかないわね。」
私も飛んで、彼女たちに合流する。
鈴仙 「お2人とも先ほどの爆発は・・・?」
霊夢 「爆発、何のこと?」
アリス「それより魔理沙と幽香は?」
ん~、どうやら関わっていないらしい。私は掻い摘んで事情を説明する。
霊夢 「つまり、屋台の近くで戦闘があった。それも結構な規模の・・・」
鈴仙 「流血も確認しました。流石に穏やかな事態じゃないでしょう」
アリス「そいつらの今の居場所は?」
鈴仙 「追跡者の方は分かるんですが、逃亡者の方は隠れているのか、はたまた死んでいるのか・・・」
霊夢 「案内して!私の勘では早くいかないとマズイ気がするわ!!」
鈴仙 「では一旦、森に隠れてから移動しましょう。」
私たち3人は森に降りる。でも何かしら・・・。音の気配が・・・?
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(森:幽香視点)
木々たちが警告してくる。曰く、空から3人降りてきた、そのうちの1人が
幽香 「博麗霊夢、か」
流石にあれだけ派手に戦えば察知するかしら。あれ、そういえば私が出ていく前、霊夢はトイレに行っていたような・・・そもそもアリスはトイレから帰ってきた?
幽香 「そもそも何故魔理沙は私のお花を攻撃してたの?」
よく考えればおかしい。あの子が誰かに危害を加えるとは考えにくい。かといって魔理沙が私の花に攻撃するというのも奇妙だ。
・・・・・・!?
私は異変を察知する。木々たちも警告してくる。
幽香 「分かっているわ。数えきれないほど多くの気配。これは・・・アリスね」
一般的に知られていないけどアリスは相当なレベルの魔法使い。私ですらアリスとのケンカは避けたい。問題はアリスは今回の場合は敵か味方か
幽香 「うん、ミンチは止めてあげようかしら」
私は1人で日和った。アリスとのケンカは魔界で既に懲りた。最も、昔の方が強かった気がする。丸くなった、とでも言うのかしら。
幽香 「でも、困ったわね。アリスが人形を増やしたせいで魔理沙の気配が分からなくなったじゃない。」
アリスの人形が近くにいるが・・・果たして接触すべきか否か。もし、魔理沙がアリスと霊夢を味方に引き込んで、私を攻撃する意図ならマズイ。というより、私が協力を要請していない以上、その可能性が高いだろう。ここはやり過ごすに限る。
幽香 「? ・・・・・・、やられた」
数えきれないほど多くの気配、ということで位置を把握していなかったのが、失策だった。既に人形たちは私を包囲していた。しかし奇妙だ。私を包囲するということは私の位置を知っていなければならない。しかしアリスにも霊夢にもそんな能力はないはず・・・。
幽香 「一番考えられるのは・・・魔理沙がこちらを監視できる位置にいて、アリスと連絡を取っている?」
とすると、アリスは敵側と考えるのが妥当。というよりアリスの性格からして魔理沙のミンチに賛同するとは思えない。で、よくよく考えると・・・私って今日は合コンを盛り上げるために来たんじゃなかったけ。
幽香 「まずいわね、既に参加者一人を半殺しにしちゃったんだけど・・・」
とはいえ、元はと言えば魔理沙が私のお花を攻撃したのが悪い。私が悪者みたいな感じになるのは理解できない。
幽香 「?」
人形たちの動きが止まった。私の正確な位置までは把握しきれていないのか。
幽香 「とはいえ、もう”遅い”」
あなたのミスは私の射程圏内に人形を置いたこと。そして私のスペルは
花符「幻想郷の開花」!!
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(森:鈴仙視点)
アリス「な、何!?」
鈴仙 「どうしたんですか!?」
アリス「人形がやられた。それも一瞬で」
原因は?、と言おうとした私に思わぬ形で回答がくる。
霊夢 「花の香り・・・これは幽香のスペル!?」
追跡者は幽香さんだった。しかし幽香さんは誰を追っている?分かることは幽香さんが爆発で負傷し、足に怪我をしている。逃走者は爆発攻撃をしたというのが妥当だろう。とはいえ、逃走者の一人も怪我しているので、どちらが加害者かは分かったものではないけど。
霊夢 「逃走者は魔理沙ね」
鈴仙 「え、どういうことですか?」
霊夢 「鈴仙の話だと爆発攻撃仕掛けられたんでしょ。幽香に足を負傷させる程度の実力者なんて限られているわ。且つ、さっきの攻撃は幽香の花符『幻想郷の開花』。何もない空間から花を召喚し攻撃するスペルよ。アリスの人形の位置を正確に把握できるほどの能力を持ちながら、何故逃走者にそれを使わなかった?それは使ったところで避けられると思ったからよ。攻撃力と回避力を備えていて、この場にいそうとなると・・・」
鈴仙 「魔理沙さん、というわけですか?」
アリス「でもそれだけで決めつけられるの?」
霊夢 「それだけじゃないわ。何よりもアリスの人形を攻撃したでしょ。幽香とアリスは一応友達なんでしょ。なのに何でアリスを敵だと思ったの?少なくとも幽香は”アリスは追われているほうの味方をする”と思ったからよ。外部の敵から襲われたのにアリスが敵だと思うかしら。敵は身内なのよ。どっちに非があるか分からないけど。」
鈴仙 「逃走者は2人いるんですが、その内の1人が魔理沙さんなのはわかったのですが、もう1人は?」
霊夢 「そこまでは分からないわね。けど・・・」
アリス「あ・・・たぶん両津さん・・・」
鈴仙 「どうしてわかるんですか」
アリス「その・・・いろいろあって・・・とにかく時間的に考えて両津さんとトラブルに巻き込まれた可能性が高いわ」
鈴仙 「しかしメンバーが分かったところで弾幕で勝たないとこのケンカが収まりそうにないですよ。合コン会場をあんまり空けるのもまずいですし。せめて正確な位置が分かれば・・・」
そう、分かればなんとかなる。ドラグノフに弾幕を込めながら言う。ドラグノフの有効射程距離は600mですが、これは中古品、しかもこの闇の中。2,300mと考えるのが妥当でしょう。それでも幽香さんのスペルは目測30m程度だから十分と言えます。
鈴仙 「霊夢さん、勘で位置とか分からないんですか?」
霊夢 「私の勘は万能ツールじゃないんだけど」
う~む、弱った。それにいよいよ合コン会場が心配になってきた。あっちはどうなっているのだろうか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(さかのぼること、5分前)
(トイレ:妖夢視点)
妖夢 「これは・・・爆発?血痕!?」
主将 「もっと早くに来るべきだったか」
主将の言葉に一同うなづく。ことの始まりは主将の一言。鈴仙さんが帰ってこないという発言だった。そして会場を調べると、女子5名と兄(アニ)さん(兄弟子の意味、ここでは『両津』を指す)がいなかった。ミスティアに聞いても知らぬ存ぜぬでとりあえずみんなでトイレを見に行ったらこれ。
横綱 「何か事件に巻き込まれたんでしょうか・・・?」
先輩 「断定はできないが・・・おそらく」
先輩たちも不安そうだ。そして私もさっきから心臓が鳴りっぱなしだ。そこに大きな連続爆発音!!
ド、ド、ド、ドドドドドドド、ド、ド!!
と・・・花の香り。
妖夢 「これは・・・幽香さんの・・・」
先輩 「やっぱり俺と妖夢で探しに行きますよ!いくぞ妖夢!!」
主将 「ちと待て。考える。時間をくれ・・・」
そう言って主将は目をつぶる。一同押し黙った。主将は本当に頼りになる。
・
・・
・・・
主将 「う~ん、そうだな。俺と太吉がお前たちについていく。で後の2人」
チャラ男&横綱「はい!」
主将 「半刻(現在の1時間)たって俺たちが戻って来なかったら、絶対探しに来るな。早苗さんと女将をそれぞれ自宅まで送って差し上げろ。で翌朝に里の自警団に報告して必ず昼間に捜索を依頼しろ。いいか、夜は絶対入るな」
チャラ男&横綱「はい!」
主将 「女将。お騒がせしました。何、見つければよし。見つからなくても我々も引き際は心得てます。半刻もしない内に戻ってくるでしょう。」
ミスティア「はい、どうかお気をつけて・・・」
主将 「よし、じゃあ行くぞ」
早苗 「あ、待ってください」
主将 「早苗さん。あなたが妖怪退治を専門にされていることは承知していますが、流石に夜の森に連れて行くことはできません。どうかご自愛を・・・」
早苗 「いえ、そうではなく。ささやかながら皆様のご武運を祈らせてください」
そういうや否やあたりに風がつつむ。早苗さんが祝詞を奏上するに従い、風が徐々に強く・・・強く・・・・・・突然止んだ。
早苗 「守矢のニ柱、八坂の神は軍神。皆様のご武運を祈らせて頂きました。また同じくニ柱、洩矢の神は土着神の頂点。その神徳に森の土着神たちもあなた方の御味方をしてくださるでしょう。私にできるのは祈ることだけですが、どうか皆様、ご武運を」
早苗さんは深々と頭を下げる。不思議な感覚だ。さっきまでの不安が消し飛んだかのようだ。
主将 「これ以上にない御助力です。では・・・いくぞ」
先輩 「とは言ってもな」
10分くらいして先輩がぼやく。
先輩 「探すにしてもどこを探していいやら、だな。この闇じゃ見つかるものも見つからん」
主将 「いや、俺に考えがある。いいか、俺から少し離れておけ」
そういうと主将は木刀を取り出し、
主将 「誰か―!!誰かいないか!?誰かー!!」
木刀で木々を打ち鳴らしつつ、大げさに呼びかける。
主将 「誰か―!!」
先輩 「しゅ、主将!!これじゃ森の妖怪を呼び寄せちまいます」
主将 「それはない。ここらへんの妖怪はさっきの爆発でとっくに逃げ出してるさ。何せフラワーマスターが戦闘しているんだからな。今、ここらにいるのは”関係者”だけだ」
しかし・・・。そう言いかけて飲み込む。主将のやっていることはつまり、自分を囮にするということ。あまりにも危険では・・・と思ったところで先輩が肩をたたく。
先輩 「そう案ずるな、妖夢。これは誰かがやらなくちゃならない仕事だ。それに、主将は強い」
主将 「誰か―!!誰かいないか!?誰かー!!」
果たして効果が出るのだろうか。そう思った矢先、思いがけない声が聞こえてきた。
「おーーーい!!ここだーーー!!」
これは・・・魔理沙さん?
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(森:幽香視点)
どんどん話がややこしくなってきたわね。
さっきの声はおそらく主将と呼ばれていた人間の声。で、呼びかけに応じたのが魔理沙だ。
考えてみれば、事態が悪化している。これで、魔理沙、アリス、主将。その全てを敵に回してしまっているわけか。とはいえ、ここでおとなしくしてもしょうがない。
幽香 「魔理沙!!ようやく出てきたわね!!」
私は敢えて声高に宣言する。今、私と魔理沙が争っていることを明確化するためだ。同時に自分に何か隠ぺいすべきことはない、という姿勢を示すためでもある。
幽香 「私のお花を傷物にして、更に足に大怪我負わせてタダで済むと思わないことね」
説明口調で続ける。で、魔理沙が反論する前に
元祖 マスタースパーク
圧倒的な光が魔理沙を襲う!!当たりはしないまでも牽制にはなっただろう。もちろんアリス達からの距離は計算している。すぐに移動すれば向こうから攻撃は来ないはず・・・
幽香 「ぐぁ!?」
右肘が被弾した!?いったいどこから?
幽香 「ぐっ・・・ぐっ・・・」
続けて被弾する。マズイ、このままじゃ一機失う。私は弾幕の発射方向を見る。見るとウサギが何か、確か銃、を構えていた。そしてアレは
アリス 「人形『レミングスパレード』!!」
膨大な数の人形が列をなして襲い掛かる。人形「レミングスパレード」。アリスの十八番のスペルの一つ。膨大な数の爆薬搭載人形で波状攻撃を仕掛けるスペルだ。一つ一つの人形を消しても埒があかない。私はボムを使う。
幽香 「幻想『花鳥風月、嘯風弄月』」
放射状の弾幕が空間を満たす。膨大な人形たちを消し炭にしつつ私は舌打ちする。これで私のボムはゼロ。移動もできず、ボムも撃てず・・・
霊夢 「とどめよ。夢想封印!!」
巨大な色とりどりの弾幕が視界を埋め尽くす。そして私はそれに埋没する・・・
鈴仙 「やったか!?」
はずもなく、傘で打ち返す!!
鈴仙 「え!?」
霊夢 「嘘!?」
アリス「バカ!何でフラグ立てるのよ!!」
ピチュピチュピチュ―――ン!!
聞こえる3つのピチュ―ン音。最後の最後で油断したわね。後は魔理沙だけ・・・
???「私をお忘れでは?」
え?視界を埋め尽くしている弾幕が切り裂かれる。そこには
妖夢 「断想剣『草木成仏斬』!!」
私の意識はそこで途切れた。
・・・
・・
・
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(・・・そして3日後)
(屋台:ミスティア視点)
5人 「かんぱーーーい!!」
幽香&魔理沙「・・・・・・」
霊夢 「くぅ~~~、タダ酒ほど旨いものはないわね。タダより高いものは、ていうけど、タダはタダじゃない。」
アリス「タダで食べるうな重、美味しいわね~。香ばしい匂いが口の中を駆け巡るわ~」
早苗 「私、ここのうな重、一度食べて見たかったんですよね~、あつっはふはふ・・・」
妖夢 「人に作ってもらう御馳走って美味しいですね、タダだからもっとおいっしいですね~」
鈴仙 「三日月なのは残念ですけど、タダで飲む月見酒も乙なものですね~」
幽香&魔理沙「・・・・・・」
魔理沙「あの~、何で私まで?」
アリス「あっっっっっっっったり前でしょ!!アンタ、何したと思っているのよ!何よ、『初対面の男に自慰を目撃されることでしか感じられない女』って!!」
魔理沙「止めてくれ!もう言わないでくれ!」
鈴仙 「でもどうしてアリスさんが『初対面の男に自慰を目撃されることでしか感じられない女』だと推理できたんですか?」
早苗 「何ですか、『初対面の男に自慰を目撃されることでしか感じられない女』って?詳しく説明してもらわないと・・・」
魔理沙「・・・いや、だからな、あの時は酒も入ってて、何ていうか、アレが名推理みたいに思ったんだよ!!」
霊夢 「ぶっちゃけ私がアリスを助けなかったら、両津さんにアリスを『初対面の男に自慰を目撃されることでしか感じられない女』て紹介するつもりだったんでしょ?むしろこれくらいで許してもらえるんだから感謝しなさい」
アリス「幽香も幽香よ!何でトイレが食人植物なわけ!?」
幽香 「だって・・・可愛いじゃない。あと綺麗好きだし・・・」
アリス「アンタだけの感性よ!マジエロ同人みたいに犯されると思ったわ!」
幽香 「はい・・・」
魔理沙「でさ、その、あの後、両津さんどうしたんだ?」
鈴仙 「師匠の新薬、森○符『iPSでなんやかんや』で無事回復しました」
早苗 「あれ、幻想入りしたんですね」
霊夢 「? 何のこと?」
早苗 「こっちの話です」
妖夢 「というより、アニさん、ショック受けてましたよ。『魔理沙さんが僕のこと両津って呼ぶ』って」
魔理沙「そういえば本名は何なんだ?」
妖夢 「トニーニョ・ゴンザレス・渡辺、です」
魔理沙「悪いこと言わん。両津勘○に改名することを勧めるぜ」
妖夢 「まぁとにかく!」
パンパン!
妖夢 「え~、皆さん今回は合コンのお疲れ会に参加して頂きありがとうございます。今日は魔理沙さんと幽香さんの奢りですので、盛大に行きましょーーー!!」
4人 「おおおおお!!」
魔理沙&幽香「はぁ・・・」
妖夢 「とんでもないハプニングがありましたが、その分、普段見れない相手の本質なんかも見えてきた、素晴らしい会とも言えるんじゃないでしょーかーーーー!?」
4人 「おおおおお!!」
魔理沙「・・・まぁな」
幽香 「・・・はぁ」
妖夢 「ところで皆さん、理想の男性に出会えましたかーーーーー!?」
6人 「・・・・・・」
妖夢 「・・・・・・あれ?」
妖夢 「ちょ、ちょっと!?おかしいでしょ!なんでここで黙るんですか!?みんないい男だったじゃないですか!」
魔理沙「まぁいい漢だったぜ」
霊夢 「いい漢ね」
早苗 「いい漢なことは否定しません」
妖夢 「でしょーーー!なのに何でこんな反応なんですか!?」
鈴仙 「あの~大変申し上げにくいのですが・・・」
幽香 「あくまで私たち個人の意見だけど~・・・」
アリス「まぁ単刀直入に言いますと・・・」
6人 「「「「「「 顔が無理!! 」」」」」」
合コン編終了
結論:合コンは結局、顔
私は八卦路に乗って左上空から弾幕を発射する!!
箒はないが、八卦路にはこういう使い方もできる。八卦路を攻撃に回す手もあるが、それでは中のアリスにも被害が及ぶ可能性がある。
「ぴ、ぴ、ぴ、ぴぎゃぁぁぁぁぁああ!?」
妖怪が声にならない声を上げる!!妖怪でも痛いものは痛いということか?その間に両津さんはゆっくり右側に回る。焦る必要はない。私が十分注意をひきつけた後でいい。私がアイコンタクトを送ると両津さんは黙ってうなづく。
魔理沙「よし、妖怪。そうだ、こっちだ・・・」
私は引きつけつつ、慎重にスペルを選ぶ。選んだのは”星符「ミリ秒パルサー」”。回転しながら星をバラまく攻防一体のスペル!!本来は箒を持って体当たりをかますスペルだが、私はゆっくりと上空を漂うように星をばらまく。ダメージはないが、派手さ抜群。妖怪は案の定、私の方に注目している。そこへ・・・
ザシュッ!!
「ぴぎゃぁぁぁぁぁああ!?」
両津さんの木刀の一閃。浅いものの、まるで真剣で斬られたような切り口だ。
両津 「うぉぉぉおおお!!」
雄叫びを上げつつ、猛烈なラッシュ!!しかも良く見ると切り口が徐々に深くなっている。アリスを傷つけないように配慮してくれているらしい。妖怪もめちゃくちゃに暴れているが、両津さんにかすりもしない。
いや、狙ってやっているのか?私に危害が及ばないように?だとしたら、この人、すごい技量だ。しかし皮膚が分厚いのか、一向にひるむ気配がない。
魔理沙「両津さん!!このままじゃ埒が明かない!コイツにアリスを吐き出させよう!!」
両津 「どうやって!?」
魔理沙「奴の口を開かせてくれるか!?」
両津 「分かった!!任せる!!」
そういうや否や、両津さんは両足を地面につけて踏ん張る。当然、妖怪は動きの止まった両津さんに襲い掛かるが、あっさり地面に叩きつけられる。起き上がる、襲う、叩きつけられる。起き上がる、襲う、叩きつけられる。これが5回ほど繰り返されただろうか。妖怪は初めて動きを止める。そして、それを見逃す私ではない。
ブレイジング・スター!!
私は奴の口をめがけて突撃!!箒がないと加速が今一だが、それでも奴は私の姿を捉えられなかっただろう。私は突進で口をこじ開け、魔法薬を投げ込んだ。前の宗教対戦でも使ったやつだ。
「お、お、おぇぇぇええええええ!!」
両津 「!! 危ない!!」
奴の嘔吐物がかかる前に間一髪で両津さんが救い出してくれる。しかしこれでアリスは・・・
吐き出されなかった・・・。
魔理沙「・・・・・・あれ?」
両津 「もう消化された・・・というわけじゃなさそうですね・・・」
私の早とちりだったのか?てことはさっきまでのバトルは一体・・・
急に空しくなった私は両津さんに声をかける。
魔理沙「と・・・とにかく会場に戻ろうか・・・」
???「いえ、地獄にご招待してあげるわ」
((ぞくっ!!!!))
何だ、このプレッシャーは!?後ろに振り向かなくちゃいけないはずなのに、首が、いや、指先すら動かない。
両津 「う・・・あ・・・」
あっちも同じか。流石の両津さんも冷や汗たらして固まっている。
???「どういう意図か知らないけど、私のお花を傷つけてタダで帰れると思うのかしら」
振り向いた私たちの視線の先には八雲も一目置く大妖怪、風見幽香がそこにいた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(さかのぼること、10分前)
(屋台近くの小川:アリス視点)
霊夢 「もう綺麗になった?」
アリス「うん・・・ありがと・・・」
私は霊夢にそういった。
魔理沙に見捨てられた私を助けてくれたのは霊夢だった。彼女も彼女でトイレに行こうとした矢先、叫ぶ私の声を聞いて駆けつけてくれたのだ。霊夢の護符の前に妖怪はあっさり私を解放し、そして汚れた私を綺麗にするために小川まで付き添ってくれた。
霊夢 「それにしても災難だったわね」
アリス「くぅぅぅ・・・あいつ等・・・」
あいつ等とはもちろん幽香と魔理沙だ。そもそも幽香があんなふざけたトイレを設置するからこうなったんだし、それを魔理沙が何をトチ狂ったか、その光景を男に公開しようとしたのだ。この恨み、晴らさで置くべきか。
霊夢 「で、どうする?このまま帰る?それとも戻る」
アリス「帰りたいけど、逃げたと思われるのも癪ね」
何よりも仕返しせねば。あいつ等、男の前で裸にひん剥いて吊るしてやる!私はスペルカードを確認する。ゴリアテなんて生ぬるいカードじゃない。ザク、ゲルググ、ジオング、ササビー・・・私のオールスターで成敗してくれるわ!!
霊夢 「とにかく戻りましょう。ただ合コンでは平和的にね」
アリス「あんな世紀末みたいな男たちの前で平和ねぇ・・・」
霊夢 「そこは否定しないけど・・・私の勘が告げているのよ。今回は平和的に終わらない気がするわ」
アリス「気、じゃなくて、もう手遅れよ」
私は飛びながらそう言う。とは言え、大分離れちゃったし、着くまで結構かかるわね。あっちはどうなっているかしら。
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(トイレ:幽香視点)
二人とも今頃になって後悔しているようだが、もう遅い。
幽香 「一応、言い訳くらいは聞いておこうかしら」
私は傘を振りつつ、そう言う。今から相手を丁寧にミンチ肉にするのだ。道具の手入れは欠かしたことはない。
魔理沙「ア、アリスが、その妖怪に食べられて・・・」
幽香 「・・・・・・・食べてないって言ってるけど」
この”子”の証言からはそのような事実はない。いきなりこの2名に襲われたと言っている。
幽香 「この子は”ウォシュレット・パックン”という私が開発した品種。トイレを豊かな香りで満たし、排便後は優しく掃除し、汚物の匂いを外に漏らさない、私自慢の傑作。もちろん人を食べるなんて手荒な真似はしないわ。下手な嘘をついたところで逃げられないわよ」
どうやらこれ以上話しても無駄ね。まず魔理沙からミンチに・・・
両津 「うりゃぁぁあああ!!」
ガキッ!!!
両津 「魔理沙さん!今のうちに・・・」
魔理沙「馬鹿!!あいつはそういうレベルの奴じゃ・・・」
幽香 「白馬に乗った騎士のつもりかしら」
私はそう囁いた後、耳元で強く”叫んだ”。
幽香 「はッ!!!!!!!!!!!」
両津 「ふ・・・あ・・・」
情けないうめき声をあげ、醜い騎士は倒れた。私の声は鼓膜を破壊し、三半規管を直接揺らす。私に接近した時点でコイツの運命は決まっていた。
幽香 「ほら、あなたのものでしょ。ちゃんと持って帰りなさい。」
私はそういって男を蹴り飛ばす。男は段ボールのように空を舞って魔理沙に激突した。
魔理沙「ぐあっ!!」
幽香 「これくらい避けなさいよね。それとも体で庇いたいと思うほど情が移ったのかしら」
ふふふ、お若いわね。いいわ、その熱さに免じて”一緒の畑の肥料”にしてあげるわ。
幽香 「それにしても・・・逃げないなんてずいぶん潔くなったじゃない」
魔理沙「逃げる必要がないからな」
幽香 「・・・・・あなた、私を甘くみているようね」
魔理沙「それはこっちのセリフだ。大妖怪でも人間を舐めてると足元をすくわれるぜ。”文字通り”な。」
それはどういう意味・・・?そんな私のセリフは閃光でかき消された!
ドォォォオオオオオオオオオオオン!!
幽香 「ぐわぁあ!!」
あ、足が・・・!!見ると右足に無数の裂傷が・・・。これは八卦路の地雷。しかしいつの間に・・・。そう考えた私は直ぐに回答を得る。あの時か。私が男を蹴り上げた時、魔理沙は八卦路を足元に転がしたのだ。避けなかったのではなく、私の意識が上に向いた瞬間を見逃さなかった。
幽香 「くっ・・・流石に戦い慣れているか・・・」
閃光が収まった時には魔理沙も男も消えていた。敵の足にダメージを与えつつ逃げる。教科書のような戦い方だけど・・・
幽香 「森で私に勝てると思って?」
私は耳を澄ませる。森の木々たちがネズミどもの居場所を教えてくれる。
幽香 「ふふふ、鬼ごっこの始まりね」
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(第1テーブル:鈴仙視点)
・・・ドォォォオオオオオオオオオオオン・・・
私は爆発音に目を覚ました。
いえ、正確には酔いが醒めただけなんだけど。
チャラ男「鈴仙さん、どうかしました?」
鈴仙 「いえ、さっきの音・・・。」
主将 「音・・・ですか?」
彼らには聞こえてないようだけど、私には確かに聞こえた、爆発音。そして・・・
鈴仙 「1,2・・・2人。1人は負傷し、1人が運んでいる。そして・・・1人が追いかけている。で、足に傷を負っている・・・。」
男2人 「???」
彼らに説明する暇がない。どうやら異常事態。鈴仙・優曇華院・イナバ、スクランブル発進。
鈴仙 「ちょっと出かけてきます。荷物見ててください。」
私は一つだけ荷物を掴み、後の荷物の見張りを頼んだ。
チャラ男「ちょっと、荷物って・・・・・・行っちゃった」
主将 「まぁあまり詮索するのは止そう。」
私はトイレの前にいる。どうやらここが爆発のあった場所らしい。地面が焦げている。血痕がところどころあるが、暗闇で良く見えない。私は荷物から愛用の銃を取り出す。取り出したのはソ連製・ドラグノフ狙撃銃。ソ連の銃というとカラシニコフ・AK-47が有名だけど、狙撃を考慮するならこれ。もう外の世界で旧式になったものを購入したものだ。
ドラグノフのスコープ越しに現在の音の発生源を見る。流石にこの闇の中じゃ何も分からないし、昼間であっても木が邪魔するだろう。とは言え、これなら匍匐前進の必要はない。私は音を頼りに木に突入・・・
・・・しようとして、また音を拾った。これは・・・霊夢と・・・アリスか。2時の方向の上空。しかし何でまた。
また音を拾った。これは・・・足を怪我している追跡者か。ということはさっきの逃亡者2人は霊夢とアリスか?しかし彼女たちの会話からはそんな危機感は感じられない。
鈴仙 「とりあえず、話を聞いてみるしかないわね。」
私も飛んで、彼女たちに合流する。
鈴仙 「お2人とも先ほどの爆発は・・・?」
霊夢 「爆発、何のこと?」
アリス「それより魔理沙と幽香は?」
ん~、どうやら関わっていないらしい。私は掻い摘んで事情を説明する。
霊夢 「つまり、屋台の近くで戦闘があった。それも結構な規模の・・・」
鈴仙 「流血も確認しました。流石に穏やかな事態じゃないでしょう」
アリス「そいつらの今の居場所は?」
鈴仙 「追跡者の方は分かるんですが、逃亡者の方は隠れているのか、はたまた死んでいるのか・・・」
霊夢 「案内して!私の勘では早くいかないとマズイ気がするわ!!」
鈴仙 「では一旦、森に隠れてから移動しましょう。」
私たち3人は森に降りる。でも何かしら・・・。音の気配が・・・?
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(森:幽香視点)
木々たちが警告してくる。曰く、空から3人降りてきた、そのうちの1人が
幽香 「博麗霊夢、か」
流石にあれだけ派手に戦えば察知するかしら。あれ、そういえば私が出ていく前、霊夢はトイレに行っていたような・・・そもそもアリスはトイレから帰ってきた?
幽香 「そもそも何故魔理沙は私のお花を攻撃してたの?」
よく考えればおかしい。あの子が誰かに危害を加えるとは考えにくい。かといって魔理沙が私の花に攻撃するというのも奇妙だ。
・・・・・・!?
私は異変を察知する。木々たちも警告してくる。
幽香 「分かっているわ。数えきれないほど多くの気配。これは・・・アリスね」
一般的に知られていないけどアリスは相当なレベルの魔法使い。私ですらアリスとのケンカは避けたい。問題はアリスは今回の場合は敵か味方か
幽香 「うん、ミンチは止めてあげようかしら」
私は1人で日和った。アリスとのケンカは魔界で既に懲りた。最も、昔の方が強かった気がする。丸くなった、とでも言うのかしら。
幽香 「でも、困ったわね。アリスが人形を増やしたせいで魔理沙の気配が分からなくなったじゃない。」
アリスの人形が近くにいるが・・・果たして接触すべきか否か。もし、魔理沙がアリスと霊夢を味方に引き込んで、私を攻撃する意図ならマズイ。というより、私が協力を要請していない以上、その可能性が高いだろう。ここはやり過ごすに限る。
幽香 「? ・・・・・・、やられた」
数えきれないほど多くの気配、ということで位置を把握していなかったのが、失策だった。既に人形たちは私を包囲していた。しかし奇妙だ。私を包囲するということは私の位置を知っていなければならない。しかしアリスにも霊夢にもそんな能力はないはず・・・。
幽香 「一番考えられるのは・・・魔理沙がこちらを監視できる位置にいて、アリスと連絡を取っている?」
とすると、アリスは敵側と考えるのが妥当。というよりアリスの性格からして魔理沙のミンチに賛同するとは思えない。で、よくよく考えると・・・私って今日は合コンを盛り上げるために来たんじゃなかったけ。
幽香 「まずいわね、既に参加者一人を半殺しにしちゃったんだけど・・・」
とはいえ、元はと言えば魔理沙が私のお花を攻撃したのが悪い。私が悪者みたいな感じになるのは理解できない。
幽香 「?」
人形たちの動きが止まった。私の正確な位置までは把握しきれていないのか。
幽香 「とはいえ、もう”遅い”」
あなたのミスは私の射程圏内に人形を置いたこと。そして私のスペルは
花符「幻想郷の開花」!!
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(森:鈴仙視点)
アリス「な、何!?」
鈴仙 「どうしたんですか!?」
アリス「人形がやられた。それも一瞬で」
原因は?、と言おうとした私に思わぬ形で回答がくる。
霊夢 「花の香り・・・これは幽香のスペル!?」
追跡者は幽香さんだった。しかし幽香さんは誰を追っている?分かることは幽香さんが爆発で負傷し、足に怪我をしている。逃走者は爆発攻撃をしたというのが妥当だろう。とはいえ、逃走者の一人も怪我しているので、どちらが加害者かは分かったものではないけど。
霊夢 「逃走者は魔理沙ね」
鈴仙 「え、どういうことですか?」
霊夢 「鈴仙の話だと爆発攻撃仕掛けられたんでしょ。幽香に足を負傷させる程度の実力者なんて限られているわ。且つ、さっきの攻撃は幽香の花符『幻想郷の開花』。何もない空間から花を召喚し攻撃するスペルよ。アリスの人形の位置を正確に把握できるほどの能力を持ちながら、何故逃走者にそれを使わなかった?それは使ったところで避けられると思ったからよ。攻撃力と回避力を備えていて、この場にいそうとなると・・・」
鈴仙 「魔理沙さん、というわけですか?」
アリス「でもそれだけで決めつけられるの?」
霊夢 「それだけじゃないわ。何よりもアリスの人形を攻撃したでしょ。幽香とアリスは一応友達なんでしょ。なのに何でアリスを敵だと思ったの?少なくとも幽香は”アリスは追われているほうの味方をする”と思ったからよ。外部の敵から襲われたのにアリスが敵だと思うかしら。敵は身内なのよ。どっちに非があるか分からないけど。」
鈴仙 「逃走者は2人いるんですが、その内の1人が魔理沙さんなのはわかったのですが、もう1人は?」
霊夢 「そこまでは分からないわね。けど・・・」
アリス「あ・・・たぶん両津さん・・・」
鈴仙 「どうしてわかるんですか」
アリス「その・・・いろいろあって・・・とにかく時間的に考えて両津さんとトラブルに巻き込まれた可能性が高いわ」
鈴仙 「しかしメンバーが分かったところで弾幕で勝たないとこのケンカが収まりそうにないですよ。合コン会場をあんまり空けるのもまずいですし。せめて正確な位置が分かれば・・・」
そう、分かればなんとかなる。ドラグノフに弾幕を込めながら言う。ドラグノフの有効射程距離は600mですが、これは中古品、しかもこの闇の中。2,300mと考えるのが妥当でしょう。それでも幽香さんのスペルは目測30m程度だから十分と言えます。
鈴仙 「霊夢さん、勘で位置とか分からないんですか?」
霊夢 「私の勘は万能ツールじゃないんだけど」
う~む、弱った。それにいよいよ合コン会場が心配になってきた。あっちはどうなっているのだろうか。
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(さかのぼること、5分前)
(トイレ:妖夢視点)
妖夢 「これは・・・爆発?血痕!?」
主将 「もっと早くに来るべきだったか」
主将の言葉に一同うなづく。ことの始まりは主将の一言。鈴仙さんが帰ってこないという発言だった。そして会場を調べると、女子5名と兄(アニ)さん(兄弟子の意味、ここでは『両津』を指す)がいなかった。ミスティアに聞いても知らぬ存ぜぬでとりあえずみんなでトイレを見に行ったらこれ。
横綱 「何か事件に巻き込まれたんでしょうか・・・?」
先輩 「断定はできないが・・・おそらく」
先輩たちも不安そうだ。そして私もさっきから心臓が鳴りっぱなしだ。そこに大きな連続爆発音!!
ド、ド、ド、ドドドドドドド、ド、ド!!
と・・・花の香り。
妖夢 「これは・・・幽香さんの・・・」
先輩 「やっぱり俺と妖夢で探しに行きますよ!いくぞ妖夢!!」
主将 「ちと待て。考える。時間をくれ・・・」
そう言って主将は目をつぶる。一同押し黙った。主将は本当に頼りになる。
・
・・
・・・
主将 「う~ん、そうだな。俺と太吉がお前たちについていく。で後の2人」
チャラ男&横綱「はい!」
主将 「半刻(現在の1時間)たって俺たちが戻って来なかったら、絶対探しに来るな。早苗さんと女将をそれぞれ自宅まで送って差し上げろ。で翌朝に里の自警団に報告して必ず昼間に捜索を依頼しろ。いいか、夜は絶対入るな」
チャラ男&横綱「はい!」
主将 「女将。お騒がせしました。何、見つければよし。見つからなくても我々も引き際は心得てます。半刻もしない内に戻ってくるでしょう。」
ミスティア「はい、どうかお気をつけて・・・」
主将 「よし、じゃあ行くぞ」
早苗 「あ、待ってください」
主将 「早苗さん。あなたが妖怪退治を専門にされていることは承知していますが、流石に夜の森に連れて行くことはできません。どうかご自愛を・・・」
早苗 「いえ、そうではなく。ささやかながら皆様のご武運を祈らせてください」
そういうや否やあたりに風がつつむ。早苗さんが祝詞を奏上するに従い、風が徐々に強く・・・強く・・・・・・突然止んだ。
早苗 「守矢のニ柱、八坂の神は軍神。皆様のご武運を祈らせて頂きました。また同じくニ柱、洩矢の神は土着神の頂点。その神徳に森の土着神たちもあなた方の御味方をしてくださるでしょう。私にできるのは祈ることだけですが、どうか皆様、ご武運を」
早苗さんは深々と頭を下げる。不思議な感覚だ。さっきまでの不安が消し飛んだかのようだ。
主将 「これ以上にない御助力です。では・・・いくぞ」
先輩 「とは言ってもな」
10分くらいして先輩がぼやく。
先輩 「探すにしてもどこを探していいやら、だな。この闇じゃ見つかるものも見つからん」
主将 「いや、俺に考えがある。いいか、俺から少し離れておけ」
そういうと主将は木刀を取り出し、
主将 「誰か―!!誰かいないか!?誰かー!!」
木刀で木々を打ち鳴らしつつ、大げさに呼びかける。
主将 「誰か―!!」
先輩 「しゅ、主将!!これじゃ森の妖怪を呼び寄せちまいます」
主将 「それはない。ここらへんの妖怪はさっきの爆発でとっくに逃げ出してるさ。何せフラワーマスターが戦闘しているんだからな。今、ここらにいるのは”関係者”だけだ」
しかし・・・。そう言いかけて飲み込む。主将のやっていることはつまり、自分を囮にするということ。あまりにも危険では・・・と思ったところで先輩が肩をたたく。
先輩 「そう案ずるな、妖夢。これは誰かがやらなくちゃならない仕事だ。それに、主将は強い」
主将 「誰か―!!誰かいないか!?誰かー!!」
果たして効果が出るのだろうか。そう思った矢先、思いがけない声が聞こえてきた。
「おーーーい!!ここだーーー!!」
これは・・・魔理沙さん?
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(森:幽香視点)
どんどん話がややこしくなってきたわね。
さっきの声はおそらく主将と呼ばれていた人間の声。で、呼びかけに応じたのが魔理沙だ。
考えてみれば、事態が悪化している。これで、魔理沙、アリス、主将。その全てを敵に回してしまっているわけか。とはいえ、ここでおとなしくしてもしょうがない。
幽香 「魔理沙!!ようやく出てきたわね!!」
私は敢えて声高に宣言する。今、私と魔理沙が争っていることを明確化するためだ。同時に自分に何か隠ぺいすべきことはない、という姿勢を示すためでもある。
幽香 「私のお花を傷物にして、更に足に大怪我負わせてタダで済むと思わないことね」
説明口調で続ける。で、魔理沙が反論する前に
元祖 マスタースパーク
圧倒的な光が魔理沙を襲う!!当たりはしないまでも牽制にはなっただろう。もちろんアリス達からの距離は計算している。すぐに移動すれば向こうから攻撃は来ないはず・・・
幽香 「ぐぁ!?」
右肘が被弾した!?いったいどこから?
幽香 「ぐっ・・・ぐっ・・・」
続けて被弾する。マズイ、このままじゃ一機失う。私は弾幕の発射方向を見る。見るとウサギが何か、確か銃、を構えていた。そしてアレは
アリス 「人形『レミングスパレード』!!」
膨大な数の人形が列をなして襲い掛かる。人形「レミングスパレード」。アリスの十八番のスペルの一つ。膨大な数の爆薬搭載人形で波状攻撃を仕掛けるスペルだ。一つ一つの人形を消しても埒があかない。私はボムを使う。
幽香 「幻想『花鳥風月、嘯風弄月』」
放射状の弾幕が空間を満たす。膨大な人形たちを消し炭にしつつ私は舌打ちする。これで私のボムはゼロ。移動もできず、ボムも撃てず・・・
霊夢 「とどめよ。夢想封印!!」
巨大な色とりどりの弾幕が視界を埋め尽くす。そして私はそれに埋没する・・・
鈴仙 「やったか!?」
はずもなく、傘で打ち返す!!
鈴仙 「え!?」
霊夢 「嘘!?」
アリス「バカ!何でフラグ立てるのよ!!」
ピチュピチュピチュ―――ン!!
聞こえる3つのピチュ―ン音。最後の最後で油断したわね。後は魔理沙だけ・・・
???「私をお忘れでは?」
え?視界を埋め尽くしている弾幕が切り裂かれる。そこには
妖夢 「断想剣『草木成仏斬』!!」
私の意識はそこで途切れた。
・・・
・・
・
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(・・・そして3日後)
(屋台:ミスティア視点)
5人 「かんぱーーーい!!」
幽香&魔理沙「・・・・・・」
霊夢 「くぅ~~~、タダ酒ほど旨いものはないわね。タダより高いものは、ていうけど、タダはタダじゃない。」
アリス「タダで食べるうな重、美味しいわね~。香ばしい匂いが口の中を駆け巡るわ~」
早苗 「私、ここのうな重、一度食べて見たかったんですよね~、あつっはふはふ・・・」
妖夢 「人に作ってもらう御馳走って美味しいですね、タダだからもっとおいっしいですね~」
鈴仙 「三日月なのは残念ですけど、タダで飲む月見酒も乙なものですね~」
幽香&魔理沙「・・・・・・」
魔理沙「あの~、何で私まで?」
アリス「あっっっっっっっったり前でしょ!!アンタ、何したと思っているのよ!何よ、『初対面の男に自慰を目撃されることでしか感じられない女』って!!」
魔理沙「止めてくれ!もう言わないでくれ!」
鈴仙 「でもどうしてアリスさんが『初対面の男に自慰を目撃されることでしか感じられない女』だと推理できたんですか?」
早苗 「何ですか、『初対面の男に自慰を目撃されることでしか感じられない女』って?詳しく説明してもらわないと・・・」
魔理沙「・・・いや、だからな、あの時は酒も入ってて、何ていうか、アレが名推理みたいに思ったんだよ!!」
霊夢 「ぶっちゃけ私がアリスを助けなかったら、両津さんにアリスを『初対面の男に自慰を目撃されることでしか感じられない女』て紹介するつもりだったんでしょ?むしろこれくらいで許してもらえるんだから感謝しなさい」
アリス「幽香も幽香よ!何でトイレが食人植物なわけ!?」
幽香 「だって・・・可愛いじゃない。あと綺麗好きだし・・・」
アリス「アンタだけの感性よ!マジエロ同人みたいに犯されると思ったわ!」
幽香 「はい・・・」
魔理沙「でさ、その、あの後、両津さんどうしたんだ?」
鈴仙 「師匠の新薬、森○符『iPSでなんやかんや』で無事回復しました」
早苗 「あれ、幻想入りしたんですね」
霊夢 「? 何のこと?」
早苗 「こっちの話です」
妖夢 「というより、アニさん、ショック受けてましたよ。『魔理沙さんが僕のこと両津って呼ぶ』って」
魔理沙「そういえば本名は何なんだ?」
妖夢 「トニーニョ・ゴンザレス・渡辺、です」
魔理沙「悪いこと言わん。両津勘○に改名することを勧めるぜ」
妖夢 「まぁとにかく!」
パンパン!
妖夢 「え~、皆さん今回は合コンのお疲れ会に参加して頂きありがとうございます。今日は魔理沙さんと幽香さんの奢りですので、盛大に行きましょーーー!!」
4人 「おおおおお!!」
魔理沙&幽香「はぁ・・・」
妖夢 「とんでもないハプニングがありましたが、その分、普段見れない相手の本質なんかも見えてきた、素晴らしい会とも言えるんじゃないでしょーかーーーー!?」
4人 「おおおおお!!」
魔理沙「・・・まぁな」
幽香 「・・・はぁ」
妖夢 「ところで皆さん、理想の男性に出会えましたかーーーーー!?」
6人 「・・・・・・」
妖夢 「・・・・・・あれ?」
妖夢 「ちょ、ちょっと!?おかしいでしょ!なんでここで黙るんですか!?みんないい男だったじゃないですか!」
魔理沙「まぁいい漢だったぜ」
霊夢 「いい漢ね」
早苗 「いい漢なことは否定しません」
妖夢 「でしょーーー!なのに何でこんな反応なんですか!?」
鈴仙 「あの~大変申し上げにくいのですが・・・」
幽香 「あくまで私たち個人の意見だけど~・・・」
アリス「まぁ単刀直入に言いますと・・・」
6人 「「「「「「 顔が無理!! 」」」」」」
合コン編終了
結論:合コンは結局、顔
超展開って一歩間違うと支離滅裂展開になってしまうから、なかなか難しいものです。
ですが、2,300より2、300の方が読みやすいかと……
非想天則で早苗が言ってたことそのまんまだね。
総合的結論:普通に面白かった
作品はけっこう面白かったですミスチーもっと出してもよかったかも寧ろミスティア視点の勘違いものとかのが動かせたかも
完走乙でした