「もしもし、アリスちゃん?」
「お母さん? ひさしぶりね。どうしたの、突然電話なんかしてきて」
「人づてに聞いたんだけれどね? 地霊殿の、旧地獄の温泉に行って……あの、その」
「なに?」
「アリスちゃん、イヤーッ!されたって本当?」
「誰から聞いたのかしら、まったく。魔理沙あたり?――ええ。おととい、癒されにいったわ」
「自分から行ったの?!」
「そうだけど」
「イヤーッ!されによ?」
「うん。ちゃんと癒されたわ」
「その、わたしなんといっていいかわからないけど、何かつらいことがあるのならいつでも相談して、ね?」
「は? まあ、ありがとう、お母さん」
「言いたくないのなら別にかまわないのだけど。具体的にいったいどんなことをされたの?」
「まあ、色々と。そうそう、カイロプラクティックとか受けたわ」
「カイ……ぷら……え?」
「整体マッサージみたいなものよ」
「性帯マッサージなの? 揉みしだかれたりしたの?」
「まあ、揉まれたわね。そういうものだから」
「そういうものなの? イヤーッ!されるってそういうものなの?」
「そういうものよ。後は叩かれたり」
「肉体言語?! ほかにはどんな?」
「そうね……あとは、魔界にない珍しい感じのものだとねえ」
「うん」
「私の頭皮の血行がよくないからって、私の顔のツヤをだすために、全体的にすっきり締めるからって首のほうにまで手を出してきたり」
「アリスちゃんの逃避の決行がよくないからって、アリスちゃんの顔の通夜をだすために、全体的にすっきり絞めるからって首のほうにまで手を出してくるの? それ本当に性帯なの?」
「整体よ。結構ディープでしょ」
「わたしには深すぎてついていけないわアリスちゃん……」
「そお?」
「あと、おもにどういう部分を、その……されたの?」
「どこっていうか、結構徹底的に。全身をくまなくね」
「くまなく?!」
「オイルまで使って」
「潤滑?!」
「一緒に行った、魔理沙や霊夢とかとね」
「お友達も同じことを?」
「ええ」
「嫌がったりしたお友達はいなかったわけ?」
「いないわ。みんな気に入ってたみたいだし」
「みんな?!」
「ちょうどいま、幻想郷でこういうのが流行ってて」
「幻想郷中で?」
「ええ。全員、時間たっぷり満喫したみたいよ」
「どのくらいの時間?」
「思い切って三時間」
「さんじかん?!」
「なんだけど。体感で三十分くらい経過したかなって思ったときに、ふと時計見たらもう三時間たってて。どうも途中で何回か意識が飛んでたみたいね」
「意識を?! アリスちゃん、あなた怪我はない?!」
「ん? ああ。へたくそな素人がすると、障碍や後遺症が残ったりすることがあるらしいわね」
「そんなに激しいの?!」
「そんなに激しくないわ。最後のほうで背骨とか首の骨とかをちょっとバキバキッってするくらい」
「大惨事じゃない!!!」
「へ? で、これが思った以上に結構うまくて」
「うまいとか下手とかあるのね……」
「もちろんあるわ。最初はちょっと痛かったけど、途中からだんだん気持ちよくなっちゃって」
「アリスちゃんはいつの間にそんな大人の階段を……」
「さすがプロの仕業ね」
「プロとかアマチュアとかあるの?」
「ええ。しっかりした資格をもってるプロ」
「資格って。つまり誰かが認めてるってこと? ……そういうのを?」
「よく知らないけど、八雲紫とかそのあたりが公認してるんじゃないかしら」
「幻想郷ぐるみで認めてる公認資格なの?!」
「そうみたい。今は幻想郷でも結構人気の資格だから、資格の取得は案外難しいらしいわね」
「幻想郷は一体どういう世界になってるというの……」
「私を担当したひと、資格取ってから四十年以上たつベテランだって」
「やってるの御老人なの?!」
「そういうわけではないわ。旧地獄の間で、うまいと評判の屈強な鬼たちよ」
「屈強?! 複数?!」
「ああ、そう。ああいうのって普通は一対一でやるものじゃない?」
「え? ええ。そうね、普通かどうかはちょっとよくわからないけど。あとね、わたし、そういうの全然くわしくないけどね? 話し合って心の底から納得して、ちゃんとお互い合意してからするべきだと思うの」
「メインは一人なんだけど、お手伝いというか弟子みたいなのがいて、各々が自分の担当部位を行う形式みたいで、みんなで一斉に」
「よってたかって?! なんという鬼畜の所業!」
「まあ、鬼の仕業ではあるわね。星熊勇儀っていう。あと、合意っていうか、ちゃんとお金払ったから」
「お金払ったの? ……アリスちゃんのほうが?!」
「勇儀とは知り合いだけど、その辺りの分別はしっかりしてるつもりだから。安心して?」
「安心できる要素がどこにもないわアリスちゃん!!!」
「やだ、心配性ね」
「心配しないわけがありますか!」
「そこまでいうなら、そうだ。いっそのこと、今度お母さんも一緒に行きましょうよ」
「わたしも?!」
「ええ、きっと気にいると思うわ。アロマエッ――気持ちのよくなるお香の香りをかぎながら、ね。身も心もトロけた気分になれるわ」
「」
「お母さん? ひさしぶりね。どうしたの、突然電話なんかしてきて」
「人づてに聞いたんだけれどね? 地霊殿の、旧地獄の温泉に行って……あの、その」
「なに?」
「アリスちゃん、イヤーッ!されたって本当?」
「誰から聞いたのかしら、まったく。魔理沙あたり?――ええ。おととい、癒されにいったわ」
「自分から行ったの?!」
「そうだけど」
「イヤーッ!されによ?」
「うん。ちゃんと癒されたわ」
「その、わたしなんといっていいかわからないけど、何かつらいことがあるのならいつでも相談して、ね?」
「は? まあ、ありがとう、お母さん」
「言いたくないのなら別にかまわないのだけど。具体的にいったいどんなことをされたの?」
「まあ、色々と。そうそう、カイロプラクティックとか受けたわ」
「カイ……ぷら……え?」
「整体マッサージみたいなものよ」
「性帯マッサージなの? 揉みしだかれたりしたの?」
「まあ、揉まれたわね。そういうものだから」
「そういうものなの? イヤーッ!されるってそういうものなの?」
「そういうものよ。後は叩かれたり」
「肉体言語?! ほかにはどんな?」
「そうね……あとは、魔界にない珍しい感じのものだとねえ」
「うん」
「私の頭皮の血行がよくないからって、私の顔のツヤをだすために、全体的にすっきり締めるからって首のほうにまで手を出してきたり」
「アリスちゃんの逃避の決行がよくないからって、アリスちゃんの顔の通夜をだすために、全体的にすっきり絞めるからって首のほうにまで手を出してくるの? それ本当に性帯なの?」
「整体よ。結構ディープでしょ」
「わたしには深すぎてついていけないわアリスちゃん……」
「そお?」
「あと、おもにどういう部分を、その……されたの?」
「どこっていうか、結構徹底的に。全身をくまなくね」
「くまなく?!」
「オイルまで使って」
「潤滑?!」
「一緒に行った、魔理沙や霊夢とかとね」
「お友達も同じことを?」
「ええ」
「嫌がったりしたお友達はいなかったわけ?」
「いないわ。みんな気に入ってたみたいだし」
「みんな?!」
「ちょうどいま、幻想郷でこういうのが流行ってて」
「幻想郷中で?」
「ええ。全員、時間たっぷり満喫したみたいよ」
「どのくらいの時間?」
「思い切って三時間」
「さんじかん?!」
「なんだけど。体感で三十分くらい経過したかなって思ったときに、ふと時計見たらもう三時間たってて。どうも途中で何回か意識が飛んでたみたいね」
「意識を?! アリスちゃん、あなた怪我はない?!」
「ん? ああ。へたくそな素人がすると、障碍や後遺症が残ったりすることがあるらしいわね」
「そんなに激しいの?!」
「そんなに激しくないわ。最後のほうで背骨とか首の骨とかをちょっとバキバキッってするくらい」
「大惨事じゃない!!!」
「へ? で、これが思った以上に結構うまくて」
「うまいとか下手とかあるのね……」
「もちろんあるわ。最初はちょっと痛かったけど、途中からだんだん気持ちよくなっちゃって」
「アリスちゃんはいつの間にそんな大人の階段を……」
「さすがプロの仕業ね」
「プロとかアマチュアとかあるの?」
「ええ。しっかりした資格をもってるプロ」
「資格って。つまり誰かが認めてるってこと? ……そういうのを?」
「よく知らないけど、八雲紫とかそのあたりが公認してるんじゃないかしら」
「幻想郷ぐるみで認めてる公認資格なの?!」
「そうみたい。今は幻想郷でも結構人気の資格だから、資格の取得は案外難しいらしいわね」
「幻想郷は一体どういう世界になってるというの……」
「私を担当したひと、資格取ってから四十年以上たつベテランだって」
「やってるの御老人なの?!」
「そういうわけではないわ。旧地獄の間で、うまいと評判の屈強な鬼たちよ」
「屈強?! 複数?!」
「ああ、そう。ああいうのって普通は一対一でやるものじゃない?」
「え? ええ。そうね、普通かどうかはちょっとよくわからないけど。あとね、わたし、そういうの全然くわしくないけどね? 話し合って心の底から納得して、ちゃんとお互い合意してからするべきだと思うの」
「メインは一人なんだけど、お手伝いというか弟子みたいなのがいて、各々が自分の担当部位を行う形式みたいで、みんなで一斉に」
「よってたかって?! なんという鬼畜の所業!」
「まあ、鬼の仕業ではあるわね。星熊勇儀っていう。あと、合意っていうか、ちゃんとお金払ったから」
「お金払ったの? ……アリスちゃんのほうが?!」
「勇儀とは知り合いだけど、その辺りの分別はしっかりしてるつもりだから。安心して?」
「安心できる要素がどこにもないわアリスちゃん!!!」
「やだ、心配性ね」
「心配しないわけがありますか!」
「そこまでいうなら、そうだ。いっそのこと、今度お母さんも一緒に行きましょうよ」
「わたしも?!」
「ええ、きっと気にいると思うわ。アロマエッ――気持ちのよくなるお香の香りをかぎながら、ね。身も心もトロけた気分になれるわ」
「」
夢子姉さんは魔界の理性いや良心
アリス愛されすぎw
アマチュアに立てるのはキマシw