初投稿・いたるところにオリジナル設定有り
紅魔館の門に寄り掛かって寝息をたてているのは門番の美鈴だ。
もはや風物詩となったこの風景は紅魔館が平和であることを物語る。
「あの、紅美鈴さん」
突然の訪問者にも美鈴は目を覚ますことは無かった。
彼女が目覚めるのは、紅魔館の住人が来たとき、もしくは警戒しなければならない危険人物があらわれたときだ。
「これ、渡しておきますね?必ずあなたの欲望を満たしてくれるはずです」
どうやらこの人物は警戒するに値しない人物だったようだ。
訪問者は美鈴の手に何かを握らせてその場を去っていった。
美鈴は特に起きることもなく、夕暮れを迎えた。
紅魔館の食卓はいつもと変わらず、レミリア・パチュリー・咲夜・美鈴がデーブルを囲み、夕食を食べていた。
「美鈴?あなた、また居眠りしていたでしょ?」
紅魔館の食卓で毎度おなじみとなった咲夜の美鈴へのお説教、これもいつも見慣れた風景だった。
「あ、あっはは、すいません、いい陽気だったもんでついー、あ、でも、やばい奴は通しませんでしたよー」
「何言っているの、やばいのが来たら、あなたじゃ対処出来ないじゃない・・あ・・・・」
咲夜はそう言ってから、少し言いすぎたかと思い美鈴を見た。
「あははー、咲夜さんきついっすねーw」
美鈴は笑顔で応えたが長年共に過ごした者からすると、無理して笑っているのがすぐに分かってしまう
「ごめんなさい、言いすぎたわね、ちょっと疲れててね、ごめんなさい」
美鈴は咲夜の謝罪を軽く流して、食卓を後にした。
「気にする事無いわ咲夜、美鈴だって分かってくれているわよ」
レミリアがワイン片手に咲夜の肩に腕を回す
「はぁ、後でケーキでも持って行きます」
咲夜はレミリアの小さな手を軽く握り締めて応えた。
美鈴は自室のベッドにうつ伏せになって、先程の咲夜の言葉を噛み締めていた。
(確かに私は弱い、霊夢さんや魔理沙さん、咲夜さんといった幻想郷の人間よりも、ましてや永遠亭や地底の住人からすれば足元にも及ばない、それはスペカルールがあろうと無かろうと変わらない事実……)
美鈴は大きく溜め息をはいて、ごろんと寝転がり、天井をじっと見つめた。
(もし、咲夜さんが言うようなヤバイ奴が、例えば・・そう、あの地底人達がスペカルールを無視して襲ってきたらとしたら、温泉が枯渇したとか何とかって理由で・・・・私は恐らく鬼の一撃で即死・・咲夜さんを守ることも出来ずに・・)
「嫌だ!そんなの絶対嫌・・・・」
美鈴が大声を上げた瞬間、手に握られていた、黒く禍々しい木の実が青白く光を帯びる
「へ?な、何ですかこれ?そう言えば、寝てる時に猫の妖怪がくれたんでしたね・・・・これって・・・・」
美鈴は体の奥底から湯水のごとく湧き出る ゛力゛ に驚き自らを抱き締めた。
「はあ、はぁっ・・・・凄い・・凄まじい力が・・みなぎって・・・・」
美鈴は気付いていないが、この時美鈴の髪は青黒く、瞳は底知れない黒い渦となっていた。
「これで、咲夜さんを救える・・・・これで」
美鈴の自我はここで消え失せた。
美鈴が放つ強大な力は、紅魔館の住人にすぐに感知され、幻想郷の強者達も気付いていた、美鈴の力はそれ程までに大きく、禍々しくなっていたのだ。
「美鈴!どうしたの!!」
慌てた様子で美鈴の部屋に飛び込んで来たのは咲夜であった。
「咲夜・・救う・・」
美鈴はボソボソと呟きながら咲夜に歩み寄る
「美鈴、止まりなさい、美・・・・」
物凄い轟音と共に、咲夜のすぐ横の壁がまるで柔らかい粘土の様に抉られる、美鈴は特に何かを放った様子は無いが、美鈴の周りに纏われた、禍々しいオーラの様なモノが壁を抉ったようだ。
「そんな、美鈴あなた・・・・」
咲夜の危機管理能力は幻想郷のなかでも最高クラスである、妖怪ばかりの幻想郷で生活する数少ない人間の一人である咲夜は、自身の安全、主人であるレミリアや紅魔館の住人の安全を確保するための努力を惜しまず精進してきたからだ。
咲夜は美鈴が近寄るより速く部屋から飛び出し、レミリアの居るリビングへと急いだ、この時咲夜は、美鈴が既に自らの意思で動いていない事を薄々ではあったが、理解していた。
「ひいぃー、美鈴様ーおやめくだ・・」
「いやぁ、死にたくないー」
「御救けください・・・・うげおごぶ・・」
妖精メイド達の断末魔の悲鳴が館内に木霊する。
咲夜は泣くのを必死に堪えながら足を止めず走った。
この時、既に咲夜は冷静さを失っていたのだろう、唯一無比の能力、ザ・ワールドを使えば安全に対処できたのかもしれないが、頭の中がパンク寸前だった咲夜はすっかり能力のことを失念していたのだ。
「美鈴、私があんな事言ったからなの?さっきまで、普通に・・・・ご飯も食べて、お小言も言われて・・・・美鈴・・」
霊夢の弾幕によって、何度ぴちゅられようと、死ぬことのなかったメイド達が次々と殺されていく、ある者は縦一文字に引き裂かれ、ある者は頭から抉られる、かつて、ヴァンパイアハンターとして、いく人もの死を目の当たりにしてきた咲夜だったが、身内が無残に、それもかつて自らが師と呼んだ人物に殺されるのは初めての経験であった。
「お嬢様!!美鈴が・・・・」
「わかってる・・・・原因はわからないけど・・スペカも使わないって事は・・・・辛いけども、死んで貰うしかなさそうね」
レミリアの非常なまでの言葉、咲夜はこの言葉を聞いて理解してしまった。
もはや美鈴を救う手立てが無いことを・・・・咲夜よりも数百年も前から共に過ごしているレミリアの言葉、表情こそ冷酷だが、誰よりも哀しい瞳で廊下を歩く美鈴を見つめていた。
「パチェは霊夢の所に向かわせたわ、この力を見る限り、霊夢でもどうしようもないでしょうけど、私がやられた時の保険ね・・・・」
「こ・・・・こぁ・・ぁ・・」
紅魔館の雑用係、小悪魔のこぁ・ここぁの生命エネルギーが消えた。
「こぁ・・そんな・・・・」
咲夜の精神は限界に近付いていた。
さっきまで談笑していたこぁが、まるでゴミクズを扱うかのように、捻り潰されたのだ。
美鈴を覆うオーラは半透明で、身内が潰されていくさまが、鮮明に見えてしまうのだ。
「咲夜・・・・覚悟を決めて頂戴・・・・」
「はい・・・・お嬢様・・・・」
レミリアは幻想郷入してからは使用していない、レミリアの体躯に似合わない、大きな斧を召喚した。
「これを使うのはほんと久しぶりだよ・・・・」
血染めの巨斧、レミリアの3倍はあろう巨大な斧、レミリアの魔力を常に消費するが、命ある者の体液をひと振りで吸い尽くす魔性の斧
「ザ・ワールド」
咲夜は時を止めた、世界が止まる、咲夜は冷静さを取り戻しつつあった。
霊夢が来るまで足止め出来ればいい、咲夜の中でひとつの目票の様なものが出来た。
そのことによって咲夜は冷静になれたのだ。
(さて、取り敢えず美鈴を拘束しないと・・・・え!?)
咲夜が美鈴の方を見ると、美鈴の放つオーラだけがレミリアの方へと移動していたのだ。
「お嬢様逃げて・・・・」
咲夜はすぐに解除したが、咲夜の眼前には首から上を失った、レミリアスカーレットだったモノが醜く床に鮮血をぶちまけて、崩れ落ちた。
「そ・・・・そんな・・・・・・お・お嬢様?わ・・私の・・・・私のせいで・・・・」
咲夜はやはり正常の精神状態ではなかったようだ、いつもの咲夜であれば、レミリアの安全を第一と考え、時を止める前に何かしらのリスクアセスメントをして、万一の時の対策を練った上で時を止めていただろう、美鈴の暴走、身内の無残な死を経て、咲夜は限界を超えていたのだろう、美鈴を拘束という目の前の欲に囚われ、判断を誤ってしまったのだ。
「さ・・く・・・・や・・・・・さん・・」
「め、美鈴!?私がわかるの?」
「・・・・私・・・・猫の妖怪に・・・・変な実を貰って・・・・」
「猫?実?まさか・・・・」
美鈴のオーラが咲夜の胴体を引きちぎった。
「あが・・べ・・べーぢ・・・・ぐぐぐぅ・・」
咲夜は最後の力を振り絞って、上半身だけになった体を引きずり、ナイフで床を削った。
「げぼっほ・・ば・・バジュリー・・・・ざま・・・・」
最後に霊夢を呼びに行ったパチュリーのために、床にメッセージを残し、咲夜は息絶えた。
咲夜は自らが放った何気ない一言を思い出し、最後の最後で涙した。
血を口から、そして目から流し、最後に美鈴の屈託の無い笑顔を思い出し、苦痛の中でもがいて死んだ。
「ここにはもういないだれもいないだれもだれもいない」
美鈴は、いや、美鈴であったモノはブツブツと呟きながら、薄ら笑い浮かべ、天を仰いだ。
「あっれー?みんな死んでんじゃん?うけるー、きゃははっ」
美鈴の背後から、まだ幼い少女の笑い声がこだました。
この紅魔館で起きた惨殺劇も、この後起こる幻想郷全土を巻き込む、最悪な事件の、ほんの序章にしか過ぎなかったのである。
つづく・・・・かも
紅魔館の門に寄り掛かって寝息をたてているのは門番の美鈴だ。
もはや風物詩となったこの風景は紅魔館が平和であることを物語る。
「あの、紅美鈴さん」
突然の訪問者にも美鈴は目を覚ますことは無かった。
彼女が目覚めるのは、紅魔館の住人が来たとき、もしくは警戒しなければならない危険人物があらわれたときだ。
「これ、渡しておきますね?必ずあなたの欲望を満たしてくれるはずです」
どうやらこの人物は警戒するに値しない人物だったようだ。
訪問者は美鈴の手に何かを握らせてその場を去っていった。
美鈴は特に起きることもなく、夕暮れを迎えた。
紅魔館の食卓はいつもと変わらず、レミリア・パチュリー・咲夜・美鈴がデーブルを囲み、夕食を食べていた。
「美鈴?あなた、また居眠りしていたでしょ?」
紅魔館の食卓で毎度おなじみとなった咲夜の美鈴へのお説教、これもいつも見慣れた風景だった。
「あ、あっはは、すいません、いい陽気だったもんでついー、あ、でも、やばい奴は通しませんでしたよー」
「何言っているの、やばいのが来たら、あなたじゃ対処出来ないじゃない・・あ・・・・」
咲夜はそう言ってから、少し言いすぎたかと思い美鈴を見た。
「あははー、咲夜さんきついっすねーw」
美鈴は笑顔で応えたが長年共に過ごした者からすると、無理して笑っているのがすぐに分かってしまう
「ごめんなさい、言いすぎたわね、ちょっと疲れててね、ごめんなさい」
美鈴は咲夜の謝罪を軽く流して、食卓を後にした。
「気にする事無いわ咲夜、美鈴だって分かってくれているわよ」
レミリアがワイン片手に咲夜の肩に腕を回す
「はぁ、後でケーキでも持って行きます」
咲夜はレミリアの小さな手を軽く握り締めて応えた。
美鈴は自室のベッドにうつ伏せになって、先程の咲夜の言葉を噛み締めていた。
(確かに私は弱い、霊夢さんや魔理沙さん、咲夜さんといった幻想郷の人間よりも、ましてや永遠亭や地底の住人からすれば足元にも及ばない、それはスペカルールがあろうと無かろうと変わらない事実……)
美鈴は大きく溜め息をはいて、ごろんと寝転がり、天井をじっと見つめた。
(もし、咲夜さんが言うようなヤバイ奴が、例えば・・そう、あの地底人達がスペカルールを無視して襲ってきたらとしたら、温泉が枯渇したとか何とかって理由で・・・・私は恐らく鬼の一撃で即死・・咲夜さんを守ることも出来ずに・・)
「嫌だ!そんなの絶対嫌・・・・」
美鈴が大声を上げた瞬間、手に握られていた、黒く禍々しい木の実が青白く光を帯びる
「へ?な、何ですかこれ?そう言えば、寝てる時に猫の妖怪がくれたんでしたね・・・・これって・・・・」
美鈴は体の奥底から湯水のごとく湧き出る ゛力゛ に驚き自らを抱き締めた。
「はあ、はぁっ・・・・凄い・・凄まじい力が・・みなぎって・・・・」
美鈴は気付いていないが、この時美鈴の髪は青黒く、瞳は底知れない黒い渦となっていた。
「これで、咲夜さんを救える・・・・これで」
美鈴の自我はここで消え失せた。
美鈴が放つ強大な力は、紅魔館の住人にすぐに感知され、幻想郷の強者達も気付いていた、美鈴の力はそれ程までに大きく、禍々しくなっていたのだ。
「美鈴!どうしたの!!」
慌てた様子で美鈴の部屋に飛び込んで来たのは咲夜であった。
「咲夜・・救う・・」
美鈴はボソボソと呟きながら咲夜に歩み寄る
「美鈴、止まりなさい、美・・・・」
物凄い轟音と共に、咲夜のすぐ横の壁がまるで柔らかい粘土の様に抉られる、美鈴は特に何かを放った様子は無いが、美鈴の周りに纏われた、禍々しいオーラの様なモノが壁を抉ったようだ。
「そんな、美鈴あなた・・・・」
咲夜の危機管理能力は幻想郷のなかでも最高クラスである、妖怪ばかりの幻想郷で生活する数少ない人間の一人である咲夜は、自身の安全、主人であるレミリアや紅魔館の住人の安全を確保するための努力を惜しまず精進してきたからだ。
咲夜は美鈴が近寄るより速く部屋から飛び出し、レミリアの居るリビングへと急いだ、この時咲夜は、美鈴が既に自らの意思で動いていない事を薄々ではあったが、理解していた。
「ひいぃー、美鈴様ーおやめくだ・・」
「いやぁ、死にたくないー」
「御救けください・・・・うげおごぶ・・」
妖精メイド達の断末魔の悲鳴が館内に木霊する。
咲夜は泣くのを必死に堪えながら足を止めず走った。
この時、既に咲夜は冷静さを失っていたのだろう、唯一無比の能力、ザ・ワールドを使えば安全に対処できたのかもしれないが、頭の中がパンク寸前だった咲夜はすっかり能力のことを失念していたのだ。
「美鈴、私があんな事言ったからなの?さっきまで、普通に・・・・ご飯も食べて、お小言も言われて・・・・美鈴・・」
霊夢の弾幕によって、何度ぴちゅられようと、死ぬことのなかったメイド達が次々と殺されていく、ある者は縦一文字に引き裂かれ、ある者は頭から抉られる、かつて、ヴァンパイアハンターとして、いく人もの死を目の当たりにしてきた咲夜だったが、身内が無残に、それもかつて自らが師と呼んだ人物に殺されるのは初めての経験であった。
「お嬢様!!美鈴が・・・・」
「わかってる・・・・原因はわからないけど・・スペカも使わないって事は・・・・辛いけども、死んで貰うしかなさそうね」
レミリアの非常なまでの言葉、咲夜はこの言葉を聞いて理解してしまった。
もはや美鈴を救う手立てが無いことを・・・・咲夜よりも数百年も前から共に過ごしているレミリアの言葉、表情こそ冷酷だが、誰よりも哀しい瞳で廊下を歩く美鈴を見つめていた。
「パチェは霊夢の所に向かわせたわ、この力を見る限り、霊夢でもどうしようもないでしょうけど、私がやられた時の保険ね・・・・」
「こ・・・・こぁ・・ぁ・・」
紅魔館の雑用係、小悪魔のこぁ・ここぁの生命エネルギーが消えた。
「こぁ・・そんな・・・・」
咲夜の精神は限界に近付いていた。
さっきまで談笑していたこぁが、まるでゴミクズを扱うかのように、捻り潰されたのだ。
美鈴を覆うオーラは半透明で、身内が潰されていくさまが、鮮明に見えてしまうのだ。
「咲夜・・・・覚悟を決めて頂戴・・・・」
「はい・・・・お嬢様・・・・」
レミリアは幻想郷入してからは使用していない、レミリアの体躯に似合わない、大きな斧を召喚した。
「これを使うのはほんと久しぶりだよ・・・・」
血染めの巨斧、レミリアの3倍はあろう巨大な斧、レミリアの魔力を常に消費するが、命ある者の体液をひと振りで吸い尽くす魔性の斧
「ザ・ワールド」
咲夜は時を止めた、世界が止まる、咲夜は冷静さを取り戻しつつあった。
霊夢が来るまで足止め出来ればいい、咲夜の中でひとつの目票の様なものが出来た。
そのことによって咲夜は冷静になれたのだ。
(さて、取り敢えず美鈴を拘束しないと・・・・え!?)
咲夜が美鈴の方を見ると、美鈴の放つオーラだけがレミリアの方へと移動していたのだ。
「お嬢様逃げて・・・・」
咲夜はすぐに解除したが、咲夜の眼前には首から上を失った、レミリアスカーレットだったモノが醜く床に鮮血をぶちまけて、崩れ落ちた。
「そ・・・・そんな・・・・・・お・お嬢様?わ・・私の・・・・私のせいで・・・・」
咲夜はやはり正常の精神状態ではなかったようだ、いつもの咲夜であれば、レミリアの安全を第一と考え、時を止める前に何かしらのリスクアセスメントをして、万一の時の対策を練った上で時を止めていただろう、美鈴の暴走、身内の無残な死を経て、咲夜は限界を超えていたのだろう、美鈴を拘束という目の前の欲に囚われ、判断を誤ってしまったのだ。
「さ・・く・・・・や・・・・・さん・・」
「め、美鈴!?私がわかるの?」
「・・・・私・・・・猫の妖怪に・・・・変な実を貰って・・・・」
「猫?実?まさか・・・・」
美鈴のオーラが咲夜の胴体を引きちぎった。
「あが・・べ・・べーぢ・・・・ぐぐぐぅ・・」
咲夜は最後の力を振り絞って、上半身だけになった体を引きずり、ナイフで床を削った。
「げぼっほ・・ば・・バジュリー・・・・ざま・・・・」
最後に霊夢を呼びに行ったパチュリーのために、床にメッセージを残し、咲夜は息絶えた。
咲夜は自らが放った何気ない一言を思い出し、最後の最後で涙した。
血を口から、そして目から流し、最後に美鈴の屈託の無い笑顔を思い出し、苦痛の中でもがいて死んだ。
「ここにはもういないだれもいないだれもだれもいない」
美鈴は、いや、美鈴であったモノはブツブツと呟きながら、薄ら笑い浮かべ、天を仰いだ。
「あっれー?みんな死んでんじゃん?うけるー、きゃははっ」
美鈴の背後から、まだ幼い少女の笑い声がこだました。
この紅魔館で起きた惨殺劇も、この後起こる幻想郷全土を巻き込む、最悪な事件の、ほんの序章にしか過ぎなかったのである。
つづく・・・・かも
続き物の様ですが、何らかの理由付け、或いは救済措置でもなければ読めないです。というか読む気も失せます。
ただ、嫌いなジャンルだからと、否定して罵声を浴びせる気はありません(新しい創作の幅を失うほうがつまらないから)ので、どうまとめるか、どう収拾をつけるか、少しだけ楽しみにしてます。