「よし、完成だ」
そう言って両手を組み、天井へと向けて伸ばしたのは種族・魔法使いの霧雨魔理沙だ。彼女は妖怪となり、今は同じ魔法使いであるアリス・マーガトロイドと一つ屋根の下で暮らしていた。
「へえ、やっぱり何か作ってたのね。はい紅茶」
「さんきゅ、へへ、恥ずかしくてなかなか言えなかったんだよ」
そう言いつつ、アリスの淹れた紅茶に舌鼓を打つ。相変わらずアリスの紅茶は美味い、そんな事を呟きながら彼女はぽつりぽつりと語り始めた。
「少し重苦しい話になるんだけどさ。夢を見たんだ。私が妖怪にならず、人間のまま生き続けて、いつか死ぬ夢を」
「そりゃあまた、魔理沙の服装にぴったりな夢ねえ」
「茶化すなよ。でさ、私が死んで、アリスがずーっとわんわん泣いてるんだよ。来る日も来る日も泣いてるんだ」
「……そう」
「それでさ、丁度私が死んで、って私が死んだのが今の季節とおんなじ春なんだけど、十回目の春にさ、お前自殺しちゃって」
「勝手に夢で殺させた訳ね」
「知るか、胡蝶夢丸に訊け」
「飲んだの?」
「飲んだ」
「後で訴えに行きましょうか」
「あーでもナイトメア飲んだからなあ。話の疾走感凄かったぜ」
「自業自得じゃない……」
「っと、脱線脱線。そんでさあ、まあ私は飛び起きたわけだ。そんで、よくよく考えてみると、私の方がアリスよりも先に魔法使いになったわけで」
「そうね、大体数百年分くらい差があるのかしら?」
「そうそう。だから、将来的に私は取り残されるのかなーって思っちゃったりしてさ」
そう言いながら、魔理沙は目の前に転がった、少し怪しそうな色合いをした丸い飴のような物を右手でつまんだ。
「そんでこいつを作ったんだよ。そうだな……名前は、冬眠剤、ってところでいいか」
「とうみんざい?」
「ん。早い話が、こいつを飲んだら死ぬ」
「夢では死なさせて現実では殺す気なのね」
「まあ待てよ。死んだ状態に近くなる、ってだけで死ぬわけじゃない。植物状態みたいなもんだ。細胞が活動を停止して、ある一定期間を過ぎたらパッ、と目が覚めるようになってる。んで、その間の寿命は勿論数えられない」
「未来への片道タイムマシンみたいなもんね」
「アリスにしては良い例えだな。そう、この薬にはタイムマシンが詰ってるんだよ」
なるほどね、と漏らしながらアリスは手元の紅茶を啜った。魔理沙は最後の一口を啜り、ティーカップからは底が現れる。
「それで、私はこれを飲めばいいの?」
「いや、まだ駄目だ。色々と実験してない試薬品まがいで、確かに三か月も時間はかけたけど……」
「魔理沙……あんたもう妖怪なんだから、時間感覚まで人間と同じだとその内大変よ? それに、いいじゃない、折角紅茶があるんだし」
アリスは魔理沙から一つ薬をくすねると、それを口に含み、残った紅茶で流し込む。飲み終わり、息を漏らしたアリスの持つティーカップにも、魔理沙と同じ底を覗き込むことができた。
「ば、おい、馬鹿」
「大丈夫だって、貴女が作ったんでしょ? だったらどんな結果になっても大丈夫よ」
「今すぐ吐け、まだ間に合う」
普段は見せない魔理沙の真剣な表情に、アリスはつい、吹いてしまう。
「心配してくれてるの? 柄にもないわね」
「柄にもないさ、お前が死んだら困る」
「何本当に今際の際みたいな科白吐いてるのよ、大丈夫、今まで私の為にしてくれた事に失敗なんてあった?」
「……あった。二か月前にあげたバレンタインデーのチョコ」
「あ」
ぷっ、と二人顔を見合わせて笑い合う。
「あはは、そういやあ魔理沙、チョコ折角作ったのに八卦炉の近くに置きっぱなしでドロドロになって……あーお腹痛い」
「恥ずかしいからやめろよ! あー、もう、あー……」
魔理沙は余程その失敗が恥ずかしかったのか、帽子の鍔を深く被り顔を俯かせた。アリスには、その様子がまたたまらなくおかしい。
「でも味はおいしかったって、とにかく大丈夫」
「ん……」
「……ねえ、魔理沙。そういえば、この薬っていつくらいまで効くの?」
「そうだな……、まあ、五年くらいの分量だと思う」
「そ、………それじゃあ、また五年後かなあ」
アリスは既に目をこすり、意識は段々と虚ろ虚ろし始めている様子だ。魔理沙もそれを感じ取ったのか、アリスの身体を支える体勢になる。
「おやすみ、アリス」
「……おやすみ、魔理沙」
既にあれから十年が経とうとしていた。魔理沙は眠り続けたままのアリスの手を握りながら、彼女に笑顔を向けている。
どうやら、タイムマシンは壊れていたらしい、というのが、魔理沙がこの十年という長い期間の中で考えついた結論だった。
五年目の春、彼女が目覚めなかったとき、魔理沙は泣いた。わんわん泣いた。そして縋った。それからもアリスは必ず目覚めると信じた。そうして残り五年を独り生き続けてきたが、もう起きないであろう彼女の寝顔を見るのも既に限界だった。
「……アリス、直ぐに私もそっちに行くよ」
魔理沙は時計の秒針が12を過ぎ、鐘を響かせる。あの日と同じ日付になった事を知ると、カレンダーを見つめた。毎日×を付け続けてきたことを、今日はもうしなくていいのだと考えると少しだけ気分が晴れるような気がした。
魔理沙は、あのアリスが飲んだ冬眠剤と同じような形状の物を手元に置いていた。それをつまみ、口に含み、あの日のアリスと同じように紅茶と一緒にそれを飲み干した。相変わらずチョコと違って、私の淹れた紅茶は不味いな、などと自虐的な科白を呟く。それは、あのアリスの紅茶の味が魔理沙の舌に浸み込んでいるから言える科白なのだろう。魔理沙は、まだ自分の中にアリスが生きている事を実感でき、つい顔が綻ぶ。
「……ごめんなアリス。ごめん――」
祈るように、両手でアリスの手を握った。魔理沙は残り少ない時間で、あの日の事を思い出していた。まるで私の見た夢とは反対の結果になってしまったな、と魔理沙は一人思う。
段々と、魔理沙の意識が混濁していく。もうアリスの手を握っているのか掴んでいるのか分からない。手に残る感触さえも現か夢か分からなくなりながら、魔理沙は眠りについた。
魔理沙がこの後、目覚めることは無いだろう。何故なら彼女が飲んだ物は冬眠剤ではない。永眠剤だったからだ。
魔理沙が薬を飲んだその後、丁度日が昇る時刻の頃。アリスは目を覚ました。隣で床に転がって眠っている魔理沙の姿をはじめに視認する。
「……もしかして」
アリスは魔理沙の近くに冬眠剤が転がっているのを見えた。恐らく、魔理沙は寂しさに耐えきれず自らも同じ薬を飲んだのだろう、と推測できる。
「だから昨日、人間の時間感覚のままだと苦労するって言ったのに」
そう言いながら、アリスは「昨日」と言ってしまったことに驚く。まるで昨日の事のようだ。と思うと、もしかしたら昨日かもしれない。薬が失敗していたのかもしれない、などといった疑問が彼女に沸き始めた。
その可能性を払拭しようと、アリスはカレンダーに目を向ける。カレンダーはきちんと歳を取っているようだったが、しかし、彼は五年ではなく十年も老け込んでいるようだった。
「あー、五年じゃなかったのね。でも起きれたし、一応成功ね」
そのカレンダーを引き続き眺めていると、アリスはおかしな事に気付く。
「……あれ、昨日まで×が打ってある」
間違いなく、これを書いたのは魔理沙だろう。ということから、アリスに考えられる可能性は一つしかなかった。
「――もしかして、入れ違い?」
ははは、こんなことって、と思いながらアリスは事実は小説より奇なり、という言葉を頭に思い浮かべていた。
アリスはやがて身体を起こすと、魔理沙が淹れたと思われるティーカップが残されている事に気が付く。それを流しに持っていき、水で洗いながらアリスは呟いた。
「まあ、もう十年くらい待ちますかね。たった十年くらい何て事ないけれど」
カレンダーがもう十年、歳を刻んだ丁度同じ春の日に、アリスは魔理沙の作った薬で自殺した。
テーブルには、まだ少し熱を帯びたティーカップと、もうしばらく使われていなさそうなティーカップが並べられている。
そう言って両手を組み、天井へと向けて伸ばしたのは種族・魔法使いの霧雨魔理沙だ。彼女は妖怪となり、今は同じ魔法使いであるアリス・マーガトロイドと一つ屋根の下で暮らしていた。
「へえ、やっぱり何か作ってたのね。はい紅茶」
「さんきゅ、へへ、恥ずかしくてなかなか言えなかったんだよ」
そう言いつつ、アリスの淹れた紅茶に舌鼓を打つ。相変わらずアリスの紅茶は美味い、そんな事を呟きながら彼女はぽつりぽつりと語り始めた。
「少し重苦しい話になるんだけどさ。夢を見たんだ。私が妖怪にならず、人間のまま生き続けて、いつか死ぬ夢を」
「そりゃあまた、魔理沙の服装にぴったりな夢ねえ」
「茶化すなよ。でさ、私が死んで、アリスがずーっとわんわん泣いてるんだよ。来る日も来る日も泣いてるんだ」
「……そう」
「それでさ、丁度私が死んで、って私が死んだのが今の季節とおんなじ春なんだけど、十回目の春にさ、お前自殺しちゃって」
「勝手に夢で殺させた訳ね」
「知るか、胡蝶夢丸に訊け」
「飲んだの?」
「飲んだ」
「後で訴えに行きましょうか」
「あーでもナイトメア飲んだからなあ。話の疾走感凄かったぜ」
「自業自得じゃない……」
「っと、脱線脱線。そんでさあ、まあ私は飛び起きたわけだ。そんで、よくよく考えてみると、私の方がアリスよりも先に魔法使いになったわけで」
「そうね、大体数百年分くらい差があるのかしら?」
「そうそう。だから、将来的に私は取り残されるのかなーって思っちゃったりしてさ」
そう言いながら、魔理沙は目の前に転がった、少し怪しそうな色合いをした丸い飴のような物を右手でつまんだ。
「そんでこいつを作ったんだよ。そうだな……名前は、冬眠剤、ってところでいいか」
「とうみんざい?」
「ん。早い話が、こいつを飲んだら死ぬ」
「夢では死なさせて現実では殺す気なのね」
「まあ待てよ。死んだ状態に近くなる、ってだけで死ぬわけじゃない。植物状態みたいなもんだ。細胞が活動を停止して、ある一定期間を過ぎたらパッ、と目が覚めるようになってる。んで、その間の寿命は勿論数えられない」
「未来への片道タイムマシンみたいなもんね」
「アリスにしては良い例えだな。そう、この薬にはタイムマシンが詰ってるんだよ」
なるほどね、と漏らしながらアリスは手元の紅茶を啜った。魔理沙は最後の一口を啜り、ティーカップからは底が現れる。
「それで、私はこれを飲めばいいの?」
「いや、まだ駄目だ。色々と実験してない試薬品まがいで、確かに三か月も時間はかけたけど……」
「魔理沙……あんたもう妖怪なんだから、時間感覚まで人間と同じだとその内大変よ? それに、いいじゃない、折角紅茶があるんだし」
アリスは魔理沙から一つ薬をくすねると、それを口に含み、残った紅茶で流し込む。飲み終わり、息を漏らしたアリスの持つティーカップにも、魔理沙と同じ底を覗き込むことができた。
「ば、おい、馬鹿」
「大丈夫だって、貴女が作ったんでしょ? だったらどんな結果になっても大丈夫よ」
「今すぐ吐け、まだ間に合う」
普段は見せない魔理沙の真剣な表情に、アリスはつい、吹いてしまう。
「心配してくれてるの? 柄にもないわね」
「柄にもないさ、お前が死んだら困る」
「何本当に今際の際みたいな科白吐いてるのよ、大丈夫、今まで私の為にしてくれた事に失敗なんてあった?」
「……あった。二か月前にあげたバレンタインデーのチョコ」
「あ」
ぷっ、と二人顔を見合わせて笑い合う。
「あはは、そういやあ魔理沙、チョコ折角作ったのに八卦炉の近くに置きっぱなしでドロドロになって……あーお腹痛い」
「恥ずかしいからやめろよ! あー、もう、あー……」
魔理沙は余程その失敗が恥ずかしかったのか、帽子の鍔を深く被り顔を俯かせた。アリスには、その様子がまたたまらなくおかしい。
「でも味はおいしかったって、とにかく大丈夫」
「ん……」
「……ねえ、魔理沙。そういえば、この薬っていつくらいまで効くの?」
「そうだな……、まあ、五年くらいの分量だと思う」
「そ、………それじゃあ、また五年後かなあ」
アリスは既に目をこすり、意識は段々と虚ろ虚ろし始めている様子だ。魔理沙もそれを感じ取ったのか、アリスの身体を支える体勢になる。
「おやすみ、アリス」
「……おやすみ、魔理沙」
既にあれから十年が経とうとしていた。魔理沙は眠り続けたままのアリスの手を握りながら、彼女に笑顔を向けている。
どうやら、タイムマシンは壊れていたらしい、というのが、魔理沙がこの十年という長い期間の中で考えついた結論だった。
五年目の春、彼女が目覚めなかったとき、魔理沙は泣いた。わんわん泣いた。そして縋った。それからもアリスは必ず目覚めると信じた。そうして残り五年を独り生き続けてきたが、もう起きないであろう彼女の寝顔を見るのも既に限界だった。
「……アリス、直ぐに私もそっちに行くよ」
魔理沙は時計の秒針が12を過ぎ、鐘を響かせる。あの日と同じ日付になった事を知ると、カレンダーを見つめた。毎日×を付け続けてきたことを、今日はもうしなくていいのだと考えると少しだけ気分が晴れるような気がした。
魔理沙は、あのアリスが飲んだ冬眠剤と同じような形状の物を手元に置いていた。それをつまみ、口に含み、あの日のアリスと同じように紅茶と一緒にそれを飲み干した。相変わらずチョコと違って、私の淹れた紅茶は不味いな、などと自虐的な科白を呟く。それは、あのアリスの紅茶の味が魔理沙の舌に浸み込んでいるから言える科白なのだろう。魔理沙は、まだ自分の中にアリスが生きている事を実感でき、つい顔が綻ぶ。
「……ごめんなアリス。ごめん――」
祈るように、両手でアリスの手を握った。魔理沙は残り少ない時間で、あの日の事を思い出していた。まるで私の見た夢とは反対の結果になってしまったな、と魔理沙は一人思う。
段々と、魔理沙の意識が混濁していく。もうアリスの手を握っているのか掴んでいるのか分からない。手に残る感触さえも現か夢か分からなくなりながら、魔理沙は眠りについた。
魔理沙がこの後、目覚めることは無いだろう。何故なら彼女が飲んだ物は冬眠剤ではない。永眠剤だったからだ。
魔理沙が薬を飲んだその後、丁度日が昇る時刻の頃。アリスは目を覚ました。隣で床に転がって眠っている魔理沙の姿をはじめに視認する。
「……もしかして」
アリスは魔理沙の近くに冬眠剤が転がっているのを見えた。恐らく、魔理沙は寂しさに耐えきれず自らも同じ薬を飲んだのだろう、と推測できる。
「だから昨日、人間の時間感覚のままだと苦労するって言ったのに」
そう言いながら、アリスは「昨日」と言ってしまったことに驚く。まるで昨日の事のようだ。と思うと、もしかしたら昨日かもしれない。薬が失敗していたのかもしれない、などといった疑問が彼女に沸き始めた。
その可能性を払拭しようと、アリスはカレンダーに目を向ける。カレンダーはきちんと歳を取っているようだったが、しかし、彼は五年ではなく十年も老け込んでいるようだった。
「あー、五年じゃなかったのね。でも起きれたし、一応成功ね」
そのカレンダーを引き続き眺めていると、アリスはおかしな事に気付く。
「……あれ、昨日まで×が打ってある」
間違いなく、これを書いたのは魔理沙だろう。ということから、アリスに考えられる可能性は一つしかなかった。
「――もしかして、入れ違い?」
ははは、こんなことって、と思いながらアリスは事実は小説より奇なり、という言葉を頭に思い浮かべていた。
アリスはやがて身体を起こすと、魔理沙が淹れたと思われるティーカップが残されている事に気が付く。それを流しに持っていき、水で洗いながらアリスは呟いた。
「まあ、もう十年くらい待ちますかね。たった十年くらい何て事ないけれど」
カレンダーがもう十年、歳を刻んだ丁度同じ春の日に、アリスは魔理沙の作った薬で自殺した。
テーブルには、まだ少し熱を帯びたティーカップと、もうしばらく使われていなさそうなティーカップが並べられている。
もう少し、描写をはっきりさせて欲しいです
「魔理沙は泣いた。わんわん泣いた。そして縋った。それからもアリスは必ず目覚めると信じた。そうして残り五年を独り生き続けてきたが、もう起きないであろう彼女の寝顔を見るのも既に限界だった。」では伝わらない。悲しむ場面、信じることへ移行する過程、冬眠剤の効果への解析を努力する魔理沙、葛藤、それらが有ったということがこれでは信じられない。信じられないから、物語に引き付けられない。まだ人間の感覚を強く残している魔理沙が自殺を選ぶ、という時点で「悲しみを描写しなければ」と思い付くべきでした。ここの描写だけでもう10kbは使って良いはずだった。
ここの時点の悲しみが弱いせいで、「「まあ、もう十年くらい待ちますかね。たった十年くらい何て事ないけれど」
カレンダーがもう十年、歳を刻んだ丁度同じ春の日に、アリスは魔理沙の作った薬で自殺した。」が引き立たない。
物語のラストを淡々と説明に使って読み手を引き込んだままに終わるという構造は良いけれど噛み合っていない。
アリスと魔理沙の時間の対比が構造上だけのものになっていて薄い。
次に細かいことを言えば……粗探しですが、
「ははは、こんなことって、」と思うのはおかしい。はははなら言葉をこぼすはず。
「思いながらアリスは事実は小説より奇なり、という言葉を頭に思い浮かべていた。」では曖昧で実感が沸かない。「思いながら、またアリスは事実は小説より奇なり、と思った」など接続詞を使って並列に組む方がストレート。
地の文に対する原理的な理解が浅いと思います。小説は人が読むものですから、ここでゆっくり描写して引きつける、ここで説明を加えてストーリー引きつける、といった緩急なしに書いても駄作でしょう。
根本的に読者への意識が低い。創想話でのポイントやレートを狙って創作してみないと進歩は無いと思います。
ただ会話のリズム・展開のテンポは(自分も寿命のかみ合わなさは気になったけど)随分良かった。掛け合いの中でも魔理沙とアリスの時間差に対する意識が一貫してお互い自分をしっかり持ってるのも良い。あとは自分の作品を他人と作品と同じように解析的に読めるようになれば、自分を若者的に特別扱いしないようになれば、小説の読者の思考過程は地の文に依存してることを理解できれば……。と、思います。
批評を重ねたからお世辞で締める訳ではありませんが、人形姫から見ましたが、今の創想話に投稿している作家で一番期待しているのはつばささんです。ちゃんとしたアイディアと文量を使ってしっかり時間を掛ければ、つばささんなら簡単に万点ぐらいは越えると思います。本当に。
40点を入れようと思いましたが、多くの人に読んでもらいたいし、今後に期待と言うことであと50点を。
それでいて早い段階でオチが見えてしまったかな。
もっと色々な描写や展開があったらまた違ったのかも。
>「まあ、もう十年くらい待ちますかね。たった十年くらい何て事ないけれど」
これがアリスの強がりだと断定できる描写がったら100点をあげたかったです
話の展開も面白くて自分は好きでした。
僕はこの話嫌いじゃないですよー