「あたたっ いたいいたい、ちょ、爛れるって」
「うるさいっ! 豆を用意しておいてよかったわ! あんたっ! 私の大事な!」
「ごめん、ごめんって。今度買ってくるから!」
「いま食べたかったのよっ! あーんせっかく良いお茶も奮発してきたのにー もう、くらえっ」
「ひー」
――――――――――
「ってことが、昨日あってね。見てよ、こんなに痕になっちゃった」
「うわ…… 鬼の肌をこうも傷つけるなんて…… 真っ赤じゃないか。弱点ってのは怖いな」
「昔は豆一つで退治されたりしたからね。とくに昨日なんか至る所に豆があってさ」
「まぁ、昨日はそういう日だからな。そうだ、昨日の残りだ。のり巻きでも食べるか」
「わぁい」
「え、と確か……今年の方角は」
「んぐむぐ、まぐもぐ」
「北北西、ってもう食べ終わっちゃうな」
「んむ?」
「ところで、なんで霊夢に襲われたんだ? あいつは理由なく襲いかかってくるほど暇人じゃないだろ」
「んぐ…… ふぅ、そうだね、霊夢はぐーたらするのに忙しいからね」
「あいつの秘蔵のお菓子でも食べちゃったんじゃないのか?」
「え、何でわかったの」
「そうなのかよ」
「うん、戸棚のね、奥の方にあった羊羹。食べたらすっごい怒られた」
「それだけか?」
「うん、それだけ。しかもすごいちっちゃいやつっだったんだよ。一人分くらいの袋で」
「ふーん、よっぽど楽しみにしてたんだろうな。……ん、まて、それはどんな柄だった?」
「んー、確かとらっぽい柄だったような」
「やっぱりそうか。それは霊夢も怒る」
「そんなに高級なやつなの?」
「高級というか、人気過ぎてあまり手に入らないんだよ。確か命蓮寺の…… あいつだ、毘沙門天の代理が作っている羊羹」
「ふぅん」
「それのお陰で命蓮寺は人間からも信仰を得てるらしいからな」
「へー、でもよくライバル視してるとこのお菓子なんか買ったね」
「まぁ、そういう買い辛さもあって、手に入りづらいから怒ったんじゃないのか?」
「そっか……うー、魔理沙。鏡ある? ほっぺが痛い……」
「ん、そこに。確かに萃香、顔真っ赤だ」
「うん…… うわ、本当だ。くそー、どうにか仕返しできないかな」
「やめとけ、正攻法じゃ霊夢には太刀打ち出来ん。私は一番それを知っているからな」
「だよね。うー、でも腹の虫が収まらないよ」
「そうだなー…… ん、正攻法じゃダメってことなら…… うん」
「何? なにか思いついたの?」
「……あぁ、名案が思いついた。すごい魔法だ」
「本当に?! 教えて教えて」
「構わないぜ。だがこれには準備がかかる」
「準備? どれくらい?」
「うーん、そうだな。10日程だな」
「10日? そんなにかかるの?」
「あぁ、だが効果はてきめんだ。今からでも準備をしよう」
「よし! やっぱり人間のことは人間に聞くべきだったね。うふふ、霊夢を同じ目に合わせてやる!」
――――――――――
「準備は整った。今日が決行だ」
「それはいいんだけど…… 本当にこれだけでいいの?」
「何がだ?」
「だって、あの後準備するっていって、魔理沙は色々調合したり、煮込んだりしてたけど……」
「あぁ、あれが準備だ」
「そのあと今日まで何もしてないじゃん。私とお酒飲んでただけじゃない」
「それでいいんだ。行って来い。例のセリフを忘れるなよ。これを霊夢の顔めがけて投げるときと、投げ終わった後に言うんだぞ」
「まぁ…… わかったよ」
「おい、霊夢!」
「萃香…… なによ。この前のこと、私まだ許してないんだからね」
「許されようとは思っていないさ。さぁくらえ」
「?」
「『これが私の気持ちだ!』」
「いてっ、なによこれ」
「『今日は、何の日かわかるかな?!』」
「へ? …………え、じゃあこれって……」
「お、す、すごい」
「あんた…… バカ……」
「すごい、魔理沙! 効いたよ! 霊夢の顔が真っ赤だ!」
『萃香の逆襲』
おわり
「うるさいっ! 豆を用意しておいてよかったわ! あんたっ! 私の大事な!」
「ごめん、ごめんって。今度買ってくるから!」
「いま食べたかったのよっ! あーんせっかく良いお茶も奮発してきたのにー もう、くらえっ」
「ひー」
――――――――――
「ってことが、昨日あってね。見てよ、こんなに痕になっちゃった」
「うわ…… 鬼の肌をこうも傷つけるなんて…… 真っ赤じゃないか。弱点ってのは怖いな」
「昔は豆一つで退治されたりしたからね。とくに昨日なんか至る所に豆があってさ」
「まぁ、昨日はそういう日だからな。そうだ、昨日の残りだ。のり巻きでも食べるか」
「わぁい」
「え、と確か……今年の方角は」
「んぐむぐ、まぐもぐ」
「北北西、ってもう食べ終わっちゃうな」
「んむ?」
「ところで、なんで霊夢に襲われたんだ? あいつは理由なく襲いかかってくるほど暇人じゃないだろ」
「んぐ…… ふぅ、そうだね、霊夢はぐーたらするのに忙しいからね」
「あいつの秘蔵のお菓子でも食べちゃったんじゃないのか?」
「え、何でわかったの」
「そうなのかよ」
「うん、戸棚のね、奥の方にあった羊羹。食べたらすっごい怒られた」
「それだけか?」
「うん、それだけ。しかもすごいちっちゃいやつっだったんだよ。一人分くらいの袋で」
「ふーん、よっぽど楽しみにしてたんだろうな。……ん、まて、それはどんな柄だった?」
「んー、確かとらっぽい柄だったような」
「やっぱりそうか。それは霊夢も怒る」
「そんなに高級なやつなの?」
「高級というか、人気過ぎてあまり手に入らないんだよ。確か命蓮寺の…… あいつだ、毘沙門天の代理が作っている羊羹」
「ふぅん」
「それのお陰で命蓮寺は人間からも信仰を得てるらしいからな」
「へー、でもよくライバル視してるとこのお菓子なんか買ったね」
「まぁ、そういう買い辛さもあって、手に入りづらいから怒ったんじゃないのか?」
「そっか……うー、魔理沙。鏡ある? ほっぺが痛い……」
「ん、そこに。確かに萃香、顔真っ赤だ」
「うん…… うわ、本当だ。くそー、どうにか仕返しできないかな」
「やめとけ、正攻法じゃ霊夢には太刀打ち出来ん。私は一番それを知っているからな」
「だよね。うー、でも腹の虫が収まらないよ」
「そうだなー…… ん、正攻法じゃダメってことなら…… うん」
「何? なにか思いついたの?」
「……あぁ、名案が思いついた。すごい魔法だ」
「本当に?! 教えて教えて」
「構わないぜ。だがこれには準備がかかる」
「準備? どれくらい?」
「うーん、そうだな。10日程だな」
「10日? そんなにかかるの?」
「あぁ、だが効果はてきめんだ。今からでも準備をしよう」
「よし! やっぱり人間のことは人間に聞くべきだったね。うふふ、霊夢を同じ目に合わせてやる!」
――――――――――
「準備は整った。今日が決行だ」
「それはいいんだけど…… 本当にこれだけでいいの?」
「何がだ?」
「だって、あの後準備するっていって、魔理沙は色々調合したり、煮込んだりしてたけど……」
「あぁ、あれが準備だ」
「そのあと今日まで何もしてないじゃん。私とお酒飲んでただけじゃない」
「それでいいんだ。行って来い。例のセリフを忘れるなよ。これを霊夢の顔めがけて投げるときと、投げ終わった後に言うんだぞ」
「まぁ…… わかったよ」
「おい、霊夢!」
「萃香…… なによ。この前のこと、私まだ許してないんだからね」
「許されようとは思っていないさ。さぁくらえ」
「?」
「『これが私の気持ちだ!』」
「いてっ、なによこれ」
「『今日は、何の日かわかるかな?!』」
「へ? …………え、じゃあこれって……」
「お、す、すごい」
「あんた…… バカ……」
「すごい、魔理沙! 効いたよ! 霊夢の顔が真っ赤だ!」
『萃香の逆襲』
おわり
いやワカンネーヨと思ったけど、節分→次の日→十日後→あぁそう言うことかと納得。
ただ台詞のみで描写する必要性を強く感じなかったので、そこんところに怠慢を感じました。その分の点数を引かせてもらいます。
でも可愛かったのでこの点で
でも4番の人がわざわざ点数引かせてもらいます。とか
書かなくていい気がするんだけど。何様?かな~って思いました。匿名しときゃいいのに。
萃香可愛いよ!
そして本編期待