時が――止まった。
そのことを知覚したのは、咲夜を除けば博麗霊夢ただ一人だった。彼女の空を飛べる程度の能力は、ただふわふわと浮くという行為を全ての状況に対して可能にするものだ。止まった時間の中で動くことはできないが、止まった時間にいる自分を「俯瞰」することができる。
霊夢は咲夜が次々と仕掛けていくナイフの数と角度を把握する。止まった自分が避ける空間、文が自力で速度をもって脱出できるか否か。
――有り、可能。
挨拶程度の見せナイフらしい。
時が止まったつかの間の永遠を「ぼうっとして」やり過ごし、霊夢が再び時空の中に戻ったときには、既に体は望んだ方向に動いていた。
避け切れない最後の一本を、白羽取りで止める。
スペルカードルールならアウトだが、まだ試合が始まる前のことだった。
「ずいぶんな挨拶じゃない、咲夜」
「それは私の言うセリフ」と言うと、咲夜はエプロンドレスのスカートを翻して、美鈴を咎めた。
「美鈴、一体なんのつもり? どうして私があなたに秘密をばらされないといけないの」
「……いえ、なんのことでしょうか」
美鈴は直立不動の姿勢になった。
どうやら白を切るつもりらしい。それは通らないだろうなと、とりあえず逃げていた上空一キロから急降下してきた文は思った。
「恍けるんじゃない。……大きな声で。だいたい全部聞こえていたわ。あなたが気が狂ったんじゃないとわかって、よかったけれど。……いえ、あなたやっぱり気が狂ってるのね。一途だからってなんでも許されると思ったら大間違い」
てきぱきと喋る咲夜に美鈴はすっかり萎縮してしまっていた。
「どうします?」と文は霊夢に尋ねる。
「もちろんやるわよ」と霊夢はあくびをしてから言った。
「連戦は慣れてるし。だいたい、悪いことするときにはね、老若男女区別なしが基本なの。相手がちょっと強いとか、時間を止められるとか、そんなことはやらない理由にならないわ」
「あら、お生憎様ね」と咲夜はまたくるりとスカートを翻し、霊夢と文の方を向いた。ミニスカートが似合うな、私ほどじゃないけどと文は思った。
「私はあなたのくだらないルールになんて付き合おうとは思わないわ。あなたはただ、一方的に、この紅魔館に足を踏み入れたことと、美鈴を辱めたことを断罪されるだけよ」
咲夜の両手からぼたぼたぼたとナイフがこぼれ落ちてくる。
「覚悟はいい? 余裕派のお調子者さん?」
「まあ、落ち着きなさいよ咲夜。どんな秘密を抱えているのか知らないけれど」と霊夢は穏やかに笑った。
「もし私のルールで私に勝ったら、私の恥ずかしい秘密が聞けるのよ? それって素晴らしいことだと思わない?」
「……」咲夜は目を細めて少し迷った。
「……おあいにく様。羞恥心の欠けたあなたの秘密なんて、どうせ賽銭箱を一時間ごとに漁るとか、お備えもののおまんじゅうを食べるとか、その程度でしょうに」
「それは確かに日常的に行なっているけれど」霊夢は器用にこめかみにしわを寄せたまま微笑みを保つ。
「生きるための努力は恥ではないわ。もっと、おもしろい、秘密があるの。ね、どう? どうせあなた、勝つ気なんでしょう?」
「……勝つ気だけど、あなたの提案に乗ることは、勝敗には関係ないと言ってるの」
――ひゃあ、さすがは十六夜咲夜と文は思った。
博麗霊夢と口と態度と実力で渡り合えるものはそう多くない。
ましてや人間ならなおさらだ。
「なら、こうしない?」
しかし、霊夢の徹底的な懐柔は続く。
「私が負けたら、私は自分が恥だと思うことを話すわ。でも、あなたが負けても、あなたは自分が恥だと思うことを話さなくてもいい」
「あら、そんな捨て鉢な取引でいいのなら、いくらでも飲んであげるけど?」
「た、だ、し」
霊夢は魅力的に小首をかしげた。
「あなたが負けたら、紅美鈴が、あなたの恥だと思っていることを、私に話すの。それでどう?」
「……なんですって?」咲夜は振り返って美鈴を見た。
「聡明なあなたのことですもの。わかっているとは思うけど。あなたが自分で恥だと思っていることと、美鈴があなたの恥だと思っていることは、まるで違うわ。あなたは本当に恥ずかしいと思っていることを守ったまま、試合に臨むことができる。……どう? この条件で受けないようじゃ、あなたはただの臆病ものね」
――なるほど、うまい。
いっけん霊夢に不利な取引に思えるが、実は違う。
他人に改めて欠点として指摘される方が、本人にとってはよほど堪えるのだから。
――それこそ、さっき咲夜が霊夢の日常を嘲笑ったように。
「――ふん、いいわ。その条件で受けてあげる」
そう、咲夜は受けてしまう。何故なら彼女は誇り高い女だから。他人にどうこう言われようと、そんなことでは流されない自分を知っているから。
彼女が止まれと命令すれば、時が止まる。
そんな女が、自分の部下の戯言など、恐れる必要はないのだ。
「ありがとう、咲夜」
霊夢は穏やかに、注意深く笑う。
必要以上の警戒を、怠らないように。
文は頭の回転を速めて一秒考え、そして気づいた。
その誇り高い女が、美鈴程度の戯言を、さっき「確実に仕留める余裕もなく」止めに走ったことに。
――美鈴は、何か、咲夜の致命的な秘密を知っている。
そういうことになる。霊夢の狙いは最初からそれだったのだ。
咲夜は、化かし合いに、負けた。
だが、試合でも負けるかどうかはわからない。文にとって、咲夜の能力は相性が悪い。いくら生物最速を誇る天狗でも、目の前に「零」秒で現れたナイフを避けることはできない。スピードが出ているから、なおさらだ。軌道を読まれないように、コンマ一秒のレベルで集中し続ける必要がある。あの「花」の異変でそのことは身にしみている。
常に最小限の動きで弾幕を避ける霊夢のやり方が、咲夜に対しては最良だ。だが、ただ遅いだけでは、やはりナイフに囲まれて空間ごと制圧されてしまう。
霊夢は懐手におふだを握り。
咲夜はさらなるナイフをぼたぼたと宙から落とした。
「後悔、しないわね?」
「誰に、向かって?」
――文がシャッターを切った瞬間、戦いの火蓋は切って落とされた。
――十分。
――二十分。
文と美鈴は屋敷のバルコニーに避難しながら、門から正面玄関までの巨大な庭園にナイフが満ちては突き刺さるのを数え切れないほど見つめた。
咲夜の動きはほとんど読めない。こちらにいたかと思えばあっち。上かと思えば下。奥かと思えば手前。
「あのナイフはいったい何処から出しているのでしょう」
「紅魔館にはナイフ蔵があるんです」と美鈴は解説した。
「手持ちのナイフを使いまわしているときとは、攻撃力がまるで違います。――霊夢さん、どうやってよけてるんでしょうね」
「……不思議、ですね」
――三十分。
ようやく、文の目が慣れてきた。
咲夜は、スペルカードルールの鉄則、「完全に空間を制圧しない」を忠実に守っている。ゲームとして成立するよう、脱出穴を残しているのだ。
だがそれは、後方のわずか一点や、側面などの死角にばかり用意されている。ルール以上の恩情など一切かけていない。
霊夢は、背中に目でもついてるかのように、その全てを「あらかじめ知覚」しているとしか思えないタイミングで、避け続けている。
「すごいな」
それはチートだと、文は気づいた。
天狗の瞬きよりも速い知覚はこの世に存在しないから。
霊夢は、止まった時の中で、咲夜と同じように自我を「動かしている」としか思えない。
心だけが、ふわふわと、宙に浮く。
大したことがないくせに、なんてでたらめな能力だろうと文は思わず舌打ちをしてしまった。
「……互角」
「ではないですね」
美鈴は咲夜の疲労を見てとった。ただ精神だけを浮かせている霊夢とは違い、咲夜は止まった時の中をダッシュで駆け回り、ナイフの包囲網を延々と作り続けているのである。
既に、四十分も。
動きが鈍ったところを、自動追尾の反則的なおふだで攻撃される。威力は安いものの、手足にまとわりつき体中に張り付くその鬱陶しさは、精神力に卓越したはずの妖怪でも思わずスペルカードを解いてしまうほどのものだ。
ふだと針。
ふだを選んだのは、人間であり、耐久力に難がある咲夜を慮ったせいだろうか。
それとも、こちらで徹底してスタミナ切れを狙った方がより早く決着が付くだろうと考えてのことだろうか。
一時間、三十分後。
咲夜はついに、ぜえはあと息を吐いて、その動きを止めた。
「……もう……ナイフが……」
「腕で投げる。それがあなたの限界ね」と、霊夢は止めのスペルカードを解き放った。
「夢想――封印」
七色の弾が美しい曲線を描いて咲夜に襲いかかる。
「っきゃ」
咲夜が決定的な被弾をしたのは、十メートルも手前に避けたところだった。
そこは、比較的ナイフの残骸が多く転がっているエリア。
咲夜が最後のカウンタースペルを発動するなら、必ずそこに行くはずだと、霊夢は読みきっていたのだ。
「……ああ、疲れたわ」
霊夢はふわふわと浮かんで、文と美鈴のところにやってきた。
「バルコニーでお茶にしましょう。美鈴の話を肴にね」
咲夜は庭園からナイフを振りかぶろうとしたが。
既に握力はなく、そのナイフは彼女の無念を象徴するかのように、庭園の芝生に刺さった。
「――話は、猿の真似をしていた私が、咲夜さんに見つかった時にさかのぼります」
と、美鈴はウーロン茶を一息で飲み干すと語り始めた。
「妙なこと言ったら承知しないわよ」と咲夜が背後からプレッシャーをかけている。
なんらかの回復剤を飲んだらしく、四肢の動きに張りが戻っていた。おそらく、霊夢との勝負の間でも、これを飲んで延長戦に持ち込むことはできたはずだ。咲夜の腕力に限界があるように、霊夢の精神力にも限界はある。――永劫の根比べなら、準備していた咲夜が勝っていた未来もあるかもしれない。
だが、咲夜はその千日手を選ばなかった。
誇り高き故に。
「はっきり言って、これは私のエピソードみたいにおもしろおかしくはありません」と美鈴は予防線を引いた。
「そうなの?」と霊夢は不満げにレモンティーを啜っている。
「私が咲夜さんにどうしようもなく萌えてしまったという、そういう話なんです」
「なな何を言ってるの美鈴!」と咲夜が美鈴の頭をはたいた。
「萌えるとか、そんな下品な言葉、使うんじゃない!」
「でも、萌えたのです。それは歴とした事実であって、私に恥じる気持ちは毛頭ありません」と美鈴は済まし顔で言った。
「咲夜さんがちょっぴり恥ずかしいかもしれませんけど、それも含めて萌えなんです。ご理解ください。ご理解していただきたいのです。それはあなたの魅力なのですから」
「……よくわからない」と咲夜は頭を抱えた。
美鈴の直球すぎる物言いは、トリックアートが得意な魔性の女には効きづらいらしかった。
「私は、もうダメだと思いました。死のうと。でも死ぬ前に、咲夜さんにだけはわかって欲しかったのです。この愚かさは、それでも私が私である証拠なのだと。死ぬほど恥ずかしいけれど。言葉のひとつも出ないけれど。それでも私のことを最も気にかけてくれている人にだけはと、そう思ったのです」
「べ、べつにあなたのことを一番気にかけてるわけじゃないわよ。一番はお嬢様」
「私にとっては、あなたなんですよ、咲夜さん」
美鈴は妙に男らしいというかタチらしい口調でそう言った。
「語りに浸るタイプね」と霊夢が小声でぼそりと言うが、文にしか聞こえていなかった。
「――私は西瓜にまみれた手をそのままに、咲夜さんの震える肩を抱きました。咲夜さんは嫌と叫んで私を拒絶しました。当然です。私はもはや一匹の猿。恋しい乙女をこの手に抱く資格すらないのですから」
「……あなたねぇ」と咲夜は呆れて、頬を紅く染めて黙ってしまった。この状況だけで既に十分恥ずかしいと言えるだろう。
「形意拳の達人ってことは、つまりは役者がうまいってこと」とまた霊夢が小声で言った。
それは、私に誤解させないようにするためなのかと、文は気づいた。
記事にする時のことを、意識している?
――博麗霊夢が?
文の違和感をよそに、美鈴の語りは続く。
「――私は拒絶する咲夜さんに、それでもなんとか追いすがろうとしました。ここが今際の際なのです。最後にどうしても、ありがとうと一言伝えたかった。でも、言葉がうまく口から出てこない。
なんとかしようと焦るばかりで、咲夜さんの抵抗が止まったことに、気づきませんでした」
美鈴はそこでタメを作った。
「咲夜さんは……咲夜さんは……泣いていたのです。私の腕のなか――」「わーわーわーわー」
と、咲夜があられもない大声を上げた。
「ふざけないで! みっともない! この私が、たかだか美鈴に迫られたぐらいで泣くわけないでしょう!」
「なんで? おかしくはないわ」と霊夢は優しい口調で言った。
「美鈴に両腕をしっかりと掴まれたなら、時間を止めてもあなたの腕力じゃ逃げられないものね。おまけに美鈴は狂った猿……必死の形相であなたを求めている。――ね? べつに、恥ずかしいことなんかじゃ、ないのよ?」
霊夢は冴え渡るような冷笑を浮かべてそう言った。
「見たかったなぁ。完璧超人の咲夜ちゃんが泣いちゃうとこ」
「だから私は――」
「萌えたのです」と美鈴が力強く言い放った。
「萌えたのです。私は、狂気の果てに天使を見ました。この天使を泣かせているのが自分だということにこそ気が狂ってしまいそうでした。わかりますか? 咲夜さんは、天使なのです。私のような狂った妖怪をあの奇跡のような泣き顔で、怯えの混じった嗚咽で、救ってくださったのです。フランケンシュタインは自分が怪物であることを女の悲鳴で知ったとき、何故歓喜しなかったのか。私にはわかりません。そこには確かに至上の萌えが――」
美鈴はごとりとテーブルに倒れた。
首に縄で縛られた跡が残っていた。妖怪でなければ即死だろう。
「……どうにかならないのかしら、この思い込みの強さ」
咲夜は悄然とした表情で目の前の半死体を見つめていた。
憂いのある表情に、レズっ気のある文はピンと来た。
「なるほど確かに、困らせてみたい」
「ちょっと、あなたまで何を!」
「へとへとにさせて、いじめたい」
「霊夢……あなたね……」
「冗談よ。泣き虫咲夜ちゃん」
「……次は、容赦しないわ。永遠だろうと殺し合いをしましょう」と咲夜は冷えた声で言った。
「素敵ね。永夜を思い出すわ」と霊夢はクスクス笑ってのけた。
「さて、と。あとはここの決まり通り。咲夜を倒したら、一番ちっこいのに出会えるのよね」
「どうかしら――」
甘ったるく、可愛らしい声がする。
バルコニーの影から、お気に入りの日傘を持って。
現れたのはピンクのパジャマを着た吸血鬼。
レミリア・スカーレットに他ならなかった。
「倒さなくても、私は這いつくばったあなたに出会っていたわ。運命的に考えて」
「あらそう」
「お嬢様!」と咲夜があわてふためいた。
「こんな昼間に、お眠りにならなくてよろしいのですか?」
「いいのよ。そういう運命だって知ってるもの。これから昼も夜も眠るわ」
「さすがお嬢様……臨機応変です」
咲夜の思い込みの強さも相当なものだと文は思った。紅魔館の住人はほぼ全員が子供っぽい。もっとも、幻想郷において子供っぽい性格はただのスタンダートなのだが。
「それで、出てきたってことは、やるんでしょう?」
「ククク、勘違いしない方がいいわ、霊夢。私はあなたの破滅を見届けに来ただけ」とレミリアは言う。
途端に、空が、陰った。
紅い紅い、紅い霧が、サンサンと輝く太陽を被っていく。
鈍く、ぬるく、そして暗く。
まるで吹き出した血の色のように。
「紅霧……」霊夢はレモンティーを一口すすって、落ち着いた口調で言った。
「繰り返したいの、レミリア?」
「いいえ、あなたが破滅するだけ」とレミリアは言った。
「これであなたは私に挑まざるを得ない。私が、恥ずかしい秘密の条件を、受けなくても、勝負せざるを得ないのよ。美鈴、咲夜との連戦で、さすがのあなたも疲れ気味。運命は百パーセントで私の勝利と出ているわ。……ふふふ、感じるの、五分と持たずあなたの赤い血がこの庭園に流れるのを。そしたらどうしてあげようかしら。ねえ? もちろん啜ってあげるわ。喰らうなんてもったいないことはしないの。ずっと啜って、啜って、啜って、啜り続けてあげるから。あははははは」
戦慄の余り、文の背中の羽が開いた。
「とんでもないことを……考えますね」
「それは、あなたのことでしょう。射命丸ぅ」とレミリアは意地悪げに口を三日月の形にする。
「来れば拒まずの霊夢を好きなように使おうったって、ダメよ。ダメ。それは通らない。このいつもふわふわ浮いている、抜け殻のようなお人形さんになんでもさせられると思ったら大間違いよ。――ねえ、二連戦ぐらい、大した手間じゃないわよね、咲夜」
「そうですね、お嬢様」と咲夜はレミリアの隣でニッコリと笑った。
「だいたい、私はあなたとまだ勝負をしていない、射命丸文」
――逃げる、ことは容易い。だが霊夢を置いて逃げたところで。
霊夢はこの異変を解決しようとしてしまう。
それが巫女の宿命が故に。
――詰んだ。
火遊びの付けは、高くついたか。
「誰がお人形ですって、レミィ」と、霊夢はレモンティーを飲み干して、にこりと笑った。
「おあいにくね。私は私の意志で生きてるの。私にだって恥ずかしいことぐらい、ちゃんとあるのよ? 運命にしたがって生きるのではなく、運命に干渉しているあなたが、決定論なんてものを並べちゃダメね」
「……あなたに、恥がある?」
レミリアは、空が十分暗くなったのを確認すると、日傘を解いて暗闇に溶けた。
現れたのは中庭だった。既に咲夜によってナイフの残骸は処理され、舞台は整ってしまっている。
「それは楽しみ。ブラッディーマリーと一緒に、啜り絞ってあげましょう。こんなに空も暗いから――」
「楽しいランチになりそうね」
霊夢は文に小さく目配せをすると、ふわふわと中庭に下りていく。
「さて、どうするつもりかしらね」と咲夜は冷たく微笑んだ。
続き期待してます!
次期待ですw
レミリア編楽しみに待ってます